会社法 / テーマ別まとめ

取締役の資格と欠格事由

誰が取締役になれないか。社外取締役・社外監査役の要件。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

会社法は、法人であることや一定の犯罪歴などを理由に取締役になれない人(欠格事由)を定めており、この欠格事由は監査役にも準用されます。取締役・監査役は他の役職との兼任が制限される場合があるほか、取締役会設置会社や監査等委員会設置会社・監査役会設置会社では員数や社外役員の比率にも決まりがあります。また、社外取締役・社外監査役として扱われるには、会社との関係について定義上の要件を満たす必要があります。

取締役・監査役の欠格事由と社外役員要件
条文対象区分要点
331条1項一号取締役欠格事由法人は取締役になれない
331条1項三号取締役欠格事由会社法違反等で刑後2年未経過
331条1項四号取締役欠格事由拘禁刑以上の刑の執行中(猶予中除く)
331条3項監査等委員取締役兼任禁止業務執行取締役等と兼任不可
331条4項指名委員会等設置会社の取締役兼任禁止使用人との兼任不可
331条5項取締役会設置会社員数取締役3人以上
331条6項監査等委員取締役員数・社外3人以上、過半数が社外取締役
335条1項監査役欠格事由取締役と同じ欠格事由を準用
335条2項監査役兼任禁止取締役・支配人等と兼任不可
335条3項監査役会設置会社員数・社外3人以上、半数以上が社外監査役
2条15号社外取締役要件業務執行取締役等でないこと等
2条16号社外監査役要件取締役等でなかったこと等
  • 331条2項:公開会社は「取締役は株主でなければならない」と定款で定められない(非公開会社は可)
  • 331条1項四号の欠格事由は刑の執行猶予中の者を除く
  • 331条1項二号は削除(欠番)
  • 335条1項により331条の2の規定も監査役に準用される
  • 2条15号・16号の社外要件には親会社等や配偶者・二親等内親族に関する規定もある
  • 331条3項は監査等委員である取締役、331条4項は指名委員会等設置会社の取締役への兼任制限
1

なれない人

欠格事由と定款による制限

第331条取締役の資格等取締役になれない人と員数を定める6項・4号判例なし
  • 法人や一定の犯罪で刑に処せられ2年未経過の者はなれない
  • 他の法令違反で拘禁刑以上の刑の執行中(執行猶予中を除く)もなれない
  • 取締役会設置会社は3人以上、監査等委員は3人以上で過半数が社外取締役
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2

社外性の要件

社外取締役・社外監査役とは

第2条定義社外取締役・社外監査役の要件を定義1項・38号判例 1件
  • 就任前10年間、自社・子会社の業務執行取締役等でないこと
  • 親会社等やその取締役・配偶者・二親等内親族でもないこと
  • 社外監査役も同様に取締役等でなかったことなどが必要
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3

兼任の制限

監査役の兼任禁止

第335条監査役の資格等監査役にも取締役と同じ資格要件を準用3項判例なし
  • 取締役と同じ欠格事由が監査役にも準用される
  • 監査役は取締役・支配人等との兼任ができない
  • 監査役会設置会社は3人以上で半数以上が社外監査役
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第2条会社法

社債と利息制限法1条の適用の有無

裁判要旨債権者が会社に金銭を貸し付けるに際し,社債の発行に仮託して,不当に高利を得る目的で当該会社に働きかけて社債を発行させるなど,社債の発行の目的,会社法676条〈募集社債に関する事項の決定〉各号に掲げる事項の内容,その決定の経緯等に照らし,当該社債の発行が利息制限法の規制を潜脱することを企図して行われたものと認められるなどの特段の事情がある場合を除き,社債には同法1条の規定は適用されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和3年1月26日 令和1(受)984
登載
民集 第75巻1号1頁
参照法条
利息制限法1条,会社法2条23号,会社法第4編社債
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第331条(取締役の資格等) 詳細ページ
(取締役の資格等)
第三百三十一条次に掲げる者は、取締役となることができない。
一法人
二削除
三この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条第一項第一号から第四号の二まで、第五号若しくは第六号若しくは第二項、第百九十七条の二第一項第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
四前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
2株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。
3監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
4指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。
5取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。
6監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。
会社法 第2条(定義) 詳細ページ
(定義)
第二条この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一会社株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。
二外国会社外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。
三子会社会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
三の二子会社等次のいずれかに該当する者をいう。
イ子会社
ロ会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの
四親会社株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
四の二親会社等次のいずれかに該当する者をいう。
イ親会社
ロ株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの
五公開会社その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。
六大会社次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。
イ最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。
ロ最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。
七取締役会設置会社取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。
八会計参与設置会社会計参与を置く株式会社をいう。
九監査役設置会社監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。
十監査役会設置会社監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。
十一会計監査人設置会社会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。
十一の二監査等委員会設置会社監査等委員会を置く株式会社をいう。
十二指名委員会等設置会社指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。
十三種類株式発行会社剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。
十四種類株主総会種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。
十五社外取締役株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。
イ当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
ロその就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
ハ当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。
ニ当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。
ホ当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。
十六社外監査役株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。
イその就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
ロその就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
ハ当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。
ニ当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。
ホ当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。
十七譲渡制限株式株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
十八取得請求権付株式株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
十九取得条項付株式株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
二十単元株式数株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。
二十一新株予約権株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。
二十二新株予約権付社債新株予約権を付した社債をいう。
二十三社債この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。
二十四最終事業年度各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。
二十五配当財産株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。
二十六組織変更次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。
イ株式会社合名会社、合資会社又は合同会社
ロ合名会社、合資会社又は合同会社株式会社
二十七吸収合併会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。
二十八新設合併二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。
二十九吸収分割株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。
三十新設分割一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。
三十一株式交換株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。
三十二株式移転一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。
三十二の二株式交付株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。
三十三公告方法会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。
三十四電子公告公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。
会社法 第335条(監査役の資格等) 詳細ページ
(監査役の資格等)
第三百三十五条第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。
2監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
3監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。