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募集株式の発行等/出資の履行等

出資の履行等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

募集株式の引受人は、金銭出資なら会社が定めた払込取扱場所に全額を払い込み、現物出資なら現物出資財産の全部を期日までに給付しなければなりません。出資を履行しないと株主となる権利を失うため、実務では払込み・給付の期限管理と、いつの時点で株主になるかの確認が重要になります。

出資の履行等
区分履行方法期限履行しない場合
金銭出資者払込取扱場所に全額を払込み期日又は期間内株主となる権利を失う
現物出資者現物出資財産の全部を給付期日又は期間内株主となる権利を失う
  • 出資履行債務と会社に対する債権は相殺できない(208条3項)
  • 出資履行でいったん得た株主となる権利の譲渡は会社に対抗できない(208条4項)
  • 期日を定めた場合はその期日に、期間を定めた場合は履行した日に株主となる(209条1項)
  • 出資を仮装した株式は、定められた支払・給付等がすむまで株主の権利を行使できない(209条2項)
  • 仮装株式を譲り受けた者は原則権利行使できるが、悪意・重過失があれば行使できない(209条3項)
  • 202条の2第1項後段の定めがある場合は、割当日に株主となる(209条4項)
1

出資の履行等

出資の履行等について、条文は何を定めているか。

第208条出資の履行引受人は期日までに払込み・給付する5項旧商法 28件
  • 金銭出資は全額を払込み、現物出資は財産全部を給付
  • 出資履行債務は会社への債権と相殺できない
  • 履行しないと株主となる権利を失う
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第209条株主となる時期等出資後いつ株主になるかを定める4項・2号判例なし
  • 期日を定めた場合はその期日に株主となる
  • 期間を定めた場合は履行した日に株主となる
  • 出資を仮装した株式は、支払等がすむまで株主の権利を行使できない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第208条旧商法下の裁判例

商法二八〇条ノ一五第一項にいう「発行ノ日」の意義

裁判要旨商法二八〇条ノ一五第一項にいう「発行ノ日」とは、新株発行による変更の登記の日ではなく、新株発行の効力の発生日である新株の払込期日の翌日をいう。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和53年3月28日 昭和52(オ)1332
登載
集民 第123号307頁
参照法条
商法280条ノ15
論点2第208条旧商法下の裁判例

株主以外の第三者に対する株式のいわゆる時価発行における発行価額が「著シク不公正ナル発行価額」にあたらない場合

裁判要旨普通株式を発行しその株式が証券取引所に上場されている株式会社において額面普通株式を株主以外の第三者に対していわゆる時価発行をする場合の発行価額が価額決定直前の株価より低額であつても、価額決定にあたつて発行価額決定前の当該会社の株価、右株価の騰落習性、売買出来高の実績、会社の資産状態、収益状態、配当状況、発行ずみ株式数、新たに発行される株式数、株式市況の動向、これらから予測される新株の消化可能性等の諸事情が客観的資料に基づいて斟酌され、価額決定のためにとられた算定方法が合理的であるということができ、かつ、発行価額が価額決定直前の株価に近接している場合は、右価額は、特別の事情がないかぎり、商法二八〇条の一一第一項に定める「著シク不公正ナル発行価額」にあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年4月8日 昭和48(オ)198
登載
民集 第29巻4号350頁
参照法条
商法280条ノ2第2項,商法280条ノ11第1項
論点3第208条旧商法下の裁判例

株式会社の代表取締役が株主総会の特別決議を経ることなく株主以外の者に対して特に有利な発行価額をもつて新株を発行した場合と新株発行無効原因の有無

裁判要旨株式会社の代表取締役が新株を発行した場合には、右新株が、株主総会の特別決議を経ることなく、株主以外の者に対して特に有利な発行価額をもつて発行されたものであつても、その瑕疵は、新株発行無効の原因とはならないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年7月16日 昭和46(オ)396
登載
集民 第103号407頁
参照法条
商法280条ノ2
論点4第208条旧商法下の裁判例

取締役会の決議により株主に新株引受権を付与するにあたり株式申込の際に払込金額と同額の申込証拠金を添えることを要する等の条件を定めることは許されるか

裁判要旨株式会社が、取締役会の決議により株主に新株引受権を付与するにあたり、株主が新株引受権を行使する条件として、右会社の資金計画を予定どおり達成するための手続を行なうに必要最少限度の期間を見込み、払込期日よりも若干前の日を申込期間の末日としたうえ、株式申込の際に払込金額と同額の申込証拠金を添えることを要することと定め、かつ、その申込証拠金が払込期日に払込金に充当されるまでの期間中これに利息をつけない旨を定めることは許される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年11月12日 昭和45(オ)71
登載
民集 第24巻12号1901頁
参照法条
商法280条ノ2,商法280条ノ4,商法280条ノ5,商法280条ノ7,商法280条ノ9
論点5第208条旧商法下の裁判例

見せ金による株式の払込をした株主と株主総会決議無効確認の訴の許否

裁判要旨見せ金による株式の払込をしたにすぎない株主であつても、原告として、株主総会決議無効確認の訴を提起することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年1月31日 昭和43(オ)565
登載
民集 第23巻1号178頁
参照法条
商法252条,商法177条
論点6第208条旧商法下の裁判例

株式会社の役員であつた者に対する退職慰労金についてその具体的な金額などの決定を取締役会に任せた株主総会の決議の効力

裁判要旨株式会社の役員であつた者に対する退職慰労金について、株主総会の決議により、その金額などの決定をすべて無条件に取締役会に一任することは許されないというべきであるが、これと異なり、株主総会の決議において、明示的もしくは黙示的に、その支給に関する基準を示し、具体的な金額、支払期日、支払方法などは右基準によつて定めるべきものとして、その決定を取締役会に任せることは差しつかえなく、かような決議をもつて無効と解すべきではない(最高裁昭和三八年(オ)第一二〇号、同三九年一二月一一日第二小法廷判決、民集一八巻一〇号二一四三頁参照)。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年10月28日 昭和44(オ)609
登載
集民 第97号95頁
参照法条
商法269条,商法280条
論点7第208条旧商法下の裁判例

株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合と退任による変更登記

裁判要旨株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合においては、右退任による変更登記は、あらたに選任された取締役または監査役の就職するまで許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日 昭和41(行ツ)65
登載
民集 第22巻13号3334頁
参照法条
商法188条3項,商法258条1項,商法280条,商業登記法24条10号
論点8第208条旧商法下の裁判例

親株の取戻権者の破産管財人に対する配当金および子株の返還請求の許否

裁判要旨株式の取戻権者が株券引渡の訴を提起した後に右株式につき生じた配当金および右株式につき株主に割り当てられた新株を破産管財人において取得した場合には、右取戻権者は、破産管財人に対し不当利得に基づく財団債権として右配当金および新株の返還を請求することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年12月12日 昭和39(オ)496
登載
民集 第22巻13号2943頁
参照法条
破産法47条5号,民法704条,商法206条1項,商法280条ノ21項5号,商法280条ノ4,商法293条
論点9第208条旧商法下の裁判例

一 新株の発行があつた場合と新株発行に関する株主総会決議無効確認の訴の利益。
二 確定判決で無効でないと確認された決議の内容を再確認した決議に関する株主総会決議無効確認の訴と訴の利益。

裁判要旨一 新株がすでに発行された後は、新株発行無効の訴を提起しないかぎり、当該新株の発行を無効とするに由なく、新株発行に関する株主総会決議無効確認の訴は、確認の利益がない。
二 株主総会決議無効確認の訴を提起して請求棄却の確定判決を受けた者が、後の株主総会で行なわれた右決議内容再確認の決議に対し、更に無効確認の訴を提起しても、訴の利益はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年6月29日 昭和38(オ)992
登載
民集 第19巻4号1045頁
参照法条
商法252条,商法280条ノ2,商法280条ノ15,民訴法225条
論点10第208条旧商法下の裁判例

新株引受権を株主以外の者に付与することについて株主総会の特別決議を経ない新株発行の効力。

裁判要旨株式会社の代表取締役が新株を発行した場合には、右新株が、新株引受権を株主以外の者に付与することについての株主総会の特別決議を経ることなく右株主以外の者に引受権を付与して発行されたものであつても、その瑕疵は新株発行無効の原因とならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年10月8日 昭和39(オ)1062
登載
民集 第19巻7号1745頁
参照法条
商法280条ノ2第2項,商法280条ノ15
論点11第208条旧商法下の裁判例

いわゆる見せ金による株式払込の効力。

裁判要旨当初から真実の株式払込として会社資金を確保する意図なく、一時的借入金を以て単に払込の外形を整え、株式会社成立の手続後直ちに右払込金を払い戻してこれを借入先に返済した場合は、有効な株式払込がなされたものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年12月6日 昭和35(オ)1154
登載
民集 第17巻12号1633頁
参照法条
商法177条,商法192条
論点12第208条旧商法下の裁判例

株金払込を取扱つた銀行の株金保管義務

裁判要旨株式払込を取扱つた銀行は、その証明した払込金額を、会社成立の時まで保管すべきものであり、それ以前に発起人又は取締役に返還しても、これをもつて会社に対抗することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年3月2日 昭和33(オ)531
登載
民集 第16巻3号423頁
参照法条
商法189条,商法177条2項,商法178条,非訟事件手続法187条2項10号
論点13第208条旧商法下の裁判例

株主総会特別決議取消の訴の係属中訴の利益を欠くに至つたと認められた事例

裁判要旨株主以外の者に新株引受権を与える旨の株主総会特別決議につき決議取消の訴が係属する間に、右決議に基づき新株の発行が行なわれてしまつた場合には、右訴の利益は消滅するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年1月19日 昭和33(オ)1097
登載
民集 第16巻1号76頁
参照法条
商法247条,商法280条ノ2第2項,商法280条ノ15,民訴法第2編第1章訴(223条以下)
論点14第208条旧商法下の裁判例

有効な取締役会の決議を経ない新株発行の効力。

裁判要旨株式会社を代表する権限のある取締役が新株を発行した以上、これにつき有効な取締役会の決議がなくても、右新株の発行は有効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年3月31日 昭和32(オ)79
登載
民集 第15巻3号645頁
参照法条
商法280条ノ2
論点15第208条旧商法下の裁判例

商法第四九一条前段の意義。

裁判要旨商法第四九一条前段の預合とは、同法第四八六条第一項〈清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任〉に掲げる者が株金の払込を仮装するために、株金払込を取扱う機関の役職員らと通謀してなす仮装行為をいうものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年3月28日 昭和34(あ)903
登載
刑集 第15巻3号590頁
参照法条
商法491条,商法486条1項,商法177条2項,商法175条2項,商法189条,非訴事件手続法126条1項,非訴事件手続法189条
論点16第208条旧商法下の裁判例

応預合罪の成立する事例。

裁判要旨被告人は株式会社A銀行B支店長であつて、原判示C株式会社の発起人D及び同Eから、本件小切手が、小切手資金の裏付けなくして振出されたいわゆる空小切手であることの情を打ち明けられ、これにより株金の払込があつたものとしてその保管金証明書の発給ありたい旨懇請されて、これに応じたものである以上、預合に応じた罪の刑責を免れ得ないことはいうまでもない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年6月24日 昭和32(あ)1085
登載
集刑 第134号369頁
参照法条
商法491条,商法177条,商法189条
論点17第208条旧商法下の裁判例

一 商法第四九一条後段の応預合罪の意義
二 応預合罪にあたる事例

裁判要旨一 商法第四九一条後段の応預合罪は、株金払込取扱期間の役職員が同法第四八六条第一項に掲げる者と通謀して株金の払込を仮装する行為をいう。
二 銀行の支店長甲が株式会社の設立発起人乙と通謀して株金払込を仮装するため、その方法として同銀行支店から預金者丙に融資しその金員を設立登記完了まで乙に貸与することを丙に承諾させた上、丙をして融資にかかる右金員を会社の株式払込金として同銀行支店の別段預金口座に振替え払込をさせ、乙はこれにより銀行支店長甲名義の株式払込金保管証明書の交付を得て会社の設立登記を完了するや、即日乙において同銀行支店を支払銀行とする同額の小切手を振出して丙に交付し、丙はこれを同銀行支店に交付し、同銀行はこの小切手で株式払込の預金を払出し当初の丙の借入金の弁済に充当するため振替え決済をなし、もつて株金の払込を仮装する場合において、右甲の所為は応預合罪にあたる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年6月21日 昭和31(あ)2109
登載
刑集 第14巻8号981頁
参照法条
商法491条,商法177条2項,商法175条2項,商法189条,非訟事件手続法126条1項,非訟事件手続法189条
論点18第208条旧商法下の裁判例

新株発行不存在確認の訴えの被告適格

裁判要旨新株発行不存在確認の訴えは、会社を被告としてのみ提起することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年1月28日 平成5(オ)316
登載
民集 第51巻1号40頁
参照法条
商法280条ノ15,民訴法45条
論点19第208条旧商法下の裁判例

商法二八〇条ノ三ノ二に定める公告又は通知を欠くことと新株発行の無効原因

裁判要旨新株発行に関する事項について商法二八〇条ノ三ノ二に定める公告又は通知を欠くことは、新株発行差止請求をしたとしても差止めの事由がないためにこれが許容されないと認められる場合でない限り、新株発行の無効原因となる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年1月28日 平成5(オ)317
登載
民集 第51巻1号71頁
参照法条
商法280条ノ3ノ2,商法280条ノ10,商法280条ノ15
論点20第208条旧商法下の裁判例

新株発行無効の訴えにおいて出訴期間経過後に新たな無効事由を追加して主張することの許否

裁判要旨新株発行無効の訴えにおいて、商法二八〇条ノ一五第一項所定の出訴期間経過後に新たな無効事由を追加して主張することは、許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成6年7月18日 平成3(オ)1807
登載
集民 第172号967頁
参照法条
商法280条ノ15第1項
論点21第208条旧商法下の裁判例

著しく不公正な方法によってされた新株発行の効力

裁判要旨株式会社を代表する権限のある取締役によって行われた新株の発行は、それが著しく不公正な方法によってされたものであり、かつ、右会社の取締役がその新株を引き受けて現に保有し、右会社が小規模で閉鎖的な会社であるなど原判示の事情がある場合でも、有効である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成6年7月14日 平成2(オ)391
登載
集民 第172号771頁
参照法条
商法280条ノ15
論点22第208条旧商法下の裁判例

一 新株発行差止請求の訴えから変更された新株発行無効の訴えが出訴期間の遵守に欠けるところがないとされた事例
二 新株発行差止めの仮処分命令に違反したことと新株発行無効の訴えの無効原因

裁判要旨一 新株発行差止請求の訴えが新株発行無効の訴えにその出訴期間経過後に変更された場合であっても、右新株発行差止請求の訴えが、持株比率の減少等の不利益を受けると主張する株主によって、新株発行を阻止する目的の下に新株発行差止めの仮処分命令を得た上で提起されたものであるなど判示の事実関係の下においては、仮処分命令違反を無効原因とする変更後の新株発行無効の訴えは、出訴期間の遵守に欠けるところがない。
二 新株発行差止めの仮処分命令に違反して新株発行がされたことは、新株発行無効の訴えの無効原因となる。
(一、二につき補足意見、反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成5年12月16日 平成1(オ)666
登載
民集 第47巻10号5523頁
参照法条
商法280条ノ10,商法280条ノ15,民訴法235条
論点23第208条旧商法下の裁判例

株主であると主張する者が提起した新株発行不存在確認の訴えが訴えの利益を欠き不適法とされた事例

裁判要旨株主であると主張する者が提起した新株発行不存在確認の訴えは、その者が、株主でなく、当該新株発行につき他に格別の利害関係を有しないときは、訴えの利益を欠き、不適法である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成4年10月29日 昭和63(オ)958
登載
集民 第166号477頁
参照法条
商法280条ノ15,民訴法225条
論点24第208条旧商法下の裁判例

非上場会社が株主以外の者に発行した新株の発行価額が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ2第2項にいう「特ニ有利ナル発行価額」に当たらない場合

裁判要旨非上場会社が株主以外の者に新株を発行するに際し,客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって発行価額が決定されていたといえる場合には,その発行価額は,特別の事情のない限り,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ2第2項にいう「特ニ有利ナル発行価額」に当たらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成27年2月19日 平成25(受)1080
登載
民集 第69巻1号51頁
参照法条
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ2第2項,会社法199条3項
論点25第208条旧商法下の裁判例

1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力
2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法によってされた募集株式発行の効力
3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権の行使条件に反した当該新株予約権の行使による株式発行に無効原因がある場合

裁判要旨1 取締役会が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けて新株予約権の行使条件を定めた場合において,新株予約権の発行後に上記行使条件を変更することができる旨の明示の委任がないときは,当該新株予約権の発行後に上記行使条件を変更する取締役会決議は,上記行使条件の細目的な変更をするにとどまるものであるときを除き,無効である。
2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法による募集株式の発行がされた場合,当該特別決議を欠く瑕疵は上記株式発行の無効原因になる。
3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権に株主総会によって行使条件が付された場合に,この行使条件が当該新株予約権を発行した趣旨に照らして当該新株予約権の重要な内容を構成しているときは,上記行使条件に反した新株予約権の行使による株式の発行には,無効原因がある。
(1〜3につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成24年4月24日 平成22(受)1212
登載
民集 第66巻6号2908頁
参照法条
(1につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ20第2項6号,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項 (2,3につき)会社法828条1項2号 (2につき)会社法199条,会社法201条1項 (3につき)会社法238条,会社法240条1項
論点26第208条旧商法下の裁判例

新株の引受人が会社から第三者を通じて間接的に融資を受けた資金によってした新株の払込みが無効であるとして商業登記簿の原本である電磁的記録に増資の記録をさせた行為につき電磁的公正証書原本不実記録罪の成立が認められた事例

裁判要旨甲社の増資の際,新株の引受人である乙社が,甲社から丙社,丙社から乙社へと順次融資により移動した甲社の資金により新株の払込みをし,上記融資により甲社が取得した丙社に対する債権が丙社との合意などから甲社の実質的な資産と評価することができないなど判示の事情の下においては,上記払込みは無効であり,甲社の商業登記簿の原本である電磁的記録に上記増資の記録をさせた行為は,電磁的公正証書原本不実記録罪に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年12月13日 平成17(あ)204
登載
刑集 第59巻10号1938頁
参照法条
商法280条の7,刑法157条1項
論点27第208条旧商法下の裁判例

1 新株発行不存在確認の訴えの認められる場合
2 新株発行不存在確認の訴えの出訴期間

裁判要旨1 新株発行の実体がないのにその外観が存する場合には,新株発行不存在確認の訴えにより,対世効のある判決をもってその不存在の確定を求めることができる。
2 新株発行不存在確認の訴えに出訴期間の制限はない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成15年3月27日 平成12(受)469
登載
民集 第57巻3号312頁
参照法条
商法109条1項,商法280条ノ15,商法280条ノ16
論点28第208条旧商法下の裁判例

商法二八〇条ノ三ノ二に定める公告又は通知を欠く新株発行につき著しく不公正な方法によるものではないとはいえず無効原因があるとされた事例

裁判要旨株式会社甲が商法二八〇条ノ三ノ二に定める公告又は通知を欠いたまま新株を発行した場合において、それにより、代表取締役戊の姉乙、その夫である監査役丙、同人が代表取締役を務める株式会社丁ら合計すれば当時甲の発行済株式の総数の過半数を所有していた株主らの持株が過半数を割り込むことになり、他方、戊の持株は過半数を上回ることになって、甲に対する支配関係が逆転するものであり、戊は右新株発行について甲の取締役に他言しないように頼んでおり、右新株発行が取締役会で決議されたのは、商法の一部を改正する法律(平成二年法律第六四号)の施行日の直前であって、もし右施行日後に右決議がされていれば、株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定款の定めのある甲の株主乙らは新株引受権を有することになったはずである上、新株の払込期日は右決議の約二箇月も先の日と定められ、甲が右決議の当時、資金を緊急に調達する必要があったとはいい難いなど判示の事情の下においては、右新株発行は商法二八〇条ノ一〇所定の「著シク不公正ナル方法」によるものではないとは到底いえず、差止の事由がないとは認められないから、右新株発行には無効原因がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年7月17日 平成8(オ)280
登載
集民 第189号395頁
参照法条
商法280条ノ3ノ2,商法280条ノ10,商法280条ノ15
原

条文原文

原文ママ

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会社法 第208条(出資の履行) 詳細ページ
(出資の履行)
第二百八条募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者を除く。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。
2募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、それぞれの募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。
3募集株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。
4出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は、株式会社に対抗することができない。
5募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。
会社法 第209条(株主となる時期等) 詳細ページ
(株主となる時期等)
第二百九条募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。
一第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合当該期日
二第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合出資の履行をした日
2募集株式の引受人は、第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百十三条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した募集株式について、株主の権利を行使することができない。
3前項の募集株式を譲り受けた者は、当該募集株式についての株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
4第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。
出

一次情報

原文ママ

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