会社法 / テーマ別まとめ

会社の解散と清算

どんなときに会社は解散するか、清算人は誰がなるか、裁判所に解散を求められる場合。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

会社が解散すると、清算事務を行う清算人を選ぶ必要があります。清算人には取締役や定款で定めた人、株主総会で選ばれた人がなるのが原則ですが、清算人がいない場合や一定の解散理由にあたる場合は裁判所が選びます。清算人は株主総会の決議でいつでも解任できるほか重要な事由があれば少数株主の申立てで裁判所も解任でき、業務執行の著しい困難や財産管理の著しい失当があるときは少数株主が裁判所に会社の解散そのものを求める訴えを起こすこともできます。

解散・清算人の選任と解任の対比
場面内容根拠条文手続の主体
清算人の就任(原則)取締役・定款指定・総会選任のいずれか478条1項会社(取締役・総会)
清算人が不在のとき裁判所が選任478条2項裁判所(利害関係人申立て)
471条6号事由の解散裁判所が選任478条3項裁判所(申立てまたは職権)
475条2号・3号該当裁判所が選任478条4項裁判所(利害関係人申立て)
清算人の解任(通常)総会決議でいつでも解任479条1項株主総会
清算人の解任(裁判所)重要な事由があれば解任479条2項裁判所(少数株主申立て)
会社の解散の訴えやむを得ない事由で解散請求833条1項少数株主(訴え提起)
  • 清算人の解任申立ては、総株主の議決権の100分の3(定款で引下げ可)以上を6箇月(定款で短縮可)前から有する株主、または発行済株式の100分の3(定款で引下げ可)以上を6箇月(定款で短縮可)前から有する株主が行える(479条2項)。
  • 公開会社でない清算株式会社では、上記の6箇月の保有期間要件は不要で、保有していれば足りる(479条3項)。
  • 会社解散の訴えは、総株主の議決権の10分の1(定款で引下げ可)以上を有する株主、または発行済株式(自己株式を除く)の10分の1(定款で引下げ可)以上を有する株主が提起できる(833条1項)。
  • 裁判所が選任した清算人(478条2項〜4項による選任)は、株主総会の決議による解任の対象外(479条1項)。
  • 監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社であった清算株式会社では、478条1項1号の「取締役」の範囲の読み替えなど特則がある(478条5項・6項・7項)。
  • 833条2項は持分会社の社員による解散請求も定めているが、本表は清算株式会社を中心にまとめている。
1

清算人になるのは誰か

定款・株主総会・裁判所のどれで決まるか

第478条清算人の就任清算人は誰がなり、誰が選ぶか8項・6号判例 1件
  • 取締役、定款で定めた人、株主総会で選ばれた人が清算人になる
  • 清算人になる人がいなければ裁判所が利害関係人の申立てで選任する
  • 471条6号〈解散の事由 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判〉の解散や475条2号〈清算の開始原因 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合〉・3号の場合、裁判所が清算人を選任する
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第479条清算人の解任清算人はどう解任されるか4項・2号判例なし
  • 株主総会の決議でいつでも清算人を解任できる(裁判所選任の清算人を除く)
  • 重要な事由があれば少数株主の申立てにより裁判所が解任できる
  • 非公開会社では申立てに必要な6か月の保有期間要件はない
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2

裁判所に解散を求める

株主が解散の訴えを起こせる場合

第833条会社の解散の訴え少数株主が裁判所に解散を求められる場合2項・2号判例 1件
  • 業務執行が著しく困難で回復できない損害が生じる・生じるおそれがあるとき
  • 会社財産の管理・処分が著しく失当で存立が危うくなるとき
  • 議決権の10分の1以上または発行済株式の10分の1以上を持つ株主が訴えを起こせる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第478条会社法

1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合における破産手続の終了と刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」
2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役と当該会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続についての代表権の有無
3 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合における破産手続の終了と当該刑事事件に係る訴訟手続についての取締役の代表権の消長
4 汚水を下水道に放流する行為が下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)の罰則の対象となり得ることと廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条〈通知義務〉違反の罪の成否

裁判要旨1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合には、破産手続が終了したとしても、刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」に当たらない。
2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役は、破産手続開始によりその地位を当然には失わず、破産手続が終了するまでの間、当該会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について当該会社を代表する。
3 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について当該会社を代表する取締役は、会社法478条1項2号〈清算人の就任 定款で定める者〉又は3号に掲げる者がある場合を除き、破産手続の終了後は、当該刑事事件に係る訴訟手続について清算人の立場で当該会社を代表する。
4 汚水を下水道に放流する行為は、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)によって基準に適合しない下水の排除として規制され、同法の罰則の対象となり得るとしても、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条〈通知義務〉違反の罪が成立し得る。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和8年4月7日 令和6(あ)1479
登載
―
参照法条
(1、3につき)会社法475条1号、会社法476条、会社法481条1号 (1につき)刑訴法339条1項4号 (2、3につき)刑訴法27条1項 (2につき)会社法330条、会社法349条1項、民法653条2号、破産法78条1項 (3につき)会社法478条1項、会社法483条1項 (4につき)廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)1条、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)25条1項14号、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)32条1項、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)1条、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)12条の2第1項、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)38条1項1号、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)45条、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)46条1項1号
論点2第833条会社法

1 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格
2 当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の適否

裁判要旨1 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。
2 独立当事者参加の申出は,参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず,単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない。
(2につき意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年7月10日 平成25(ク)1158
登載
集民 第247号49頁
参照法条
(1,2につき)民訴法47条 (1につき)会社法833条1項,会社法838条,民訴法第1編第3章 当事者,民訴法338条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第478条(清算人の就任) 詳細ページ
(清算人の就任)
第四百七十八条次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。
一取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。)
二定款で定める者
三株主総会の決議によって選任された者
2前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。
3前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。
4第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。
5第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。
6第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。
7第三百三十五条第三項の規定にかかわらず、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算株式会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。
一その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
二その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
三第二条第十六号ハからホまでに掲げる要件
8第三百三十条、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は清算人について、第三百三十一条第五項の規定は清算人会設置会社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。
会社法 第479条(清算人の解任) 詳細ページ
(清算人の解任)
第四百七十九条清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。
2重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。
一総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)
イ清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主
ロ当該申立てに係る清算人である株主
二発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)
イ当該清算株式会社である株主
ロ当該申立てに係る清算人である株主
3公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。
4第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。
会社法 第833条(会社の解散の訴え) 詳細ページ
(会社の解散の訴え)
第八百三十三条次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。
一株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。
二株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。
2やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。
出

一次情報

原文ママ

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