預金債権

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事件番号
昭和56(オ)57
裁判年月日
昭和58年4月7日
裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判種別
判決
結果
破棄差戻
判例集等
民集 第37巻3号219頁
原審
大阪高等裁判所
原審事件番号
昭和54(ネ)1307

判示事項

一 当座勘定取引契約において取引印として届け出られていない実印を使用して偽造された手形小切手の支払いをした銀行に過失があるとされた事例
二 債権者の従業員のした行為が債務不履行の原因となつている場合と過失相殺

裁判要旨

一 銀行は、当座勘定取引契約において取引印として届け出られていない実印を用いて振り出された手形、小切手を支払うにあたつては、当該実印が右契約の締結及び取引印の届出に際し使用されていたとしても、取引先に対し支払委託の有無を確認すべき注意義務があり、これを尽くすことなく偽造手形、偽造小切手の支払をしたときは、過失の責を免れない。
二 銀行が取引印として届け出られていない実印の押捺された偽造に係る手形、小切手の支払をしたことが当座勘定取引契約に基づく債務の不履行となる場合において、右手形、小切手の偽造が右取引契約の取引先の経理担当事務員によつてされたものであり、しかも右事務員は、取引先の売掛金、買掛金の記帳、集計、小口現金払等及び取引印の押捺以外の手形、小切手の振出事務を担当し、手形、小切手用紙及び実印が保管されている金庫の番号を記憶し、かつ、その鍵を所持していたなど、判示の事情があるときには、右事務員がした手形、小切手の偽造は、債務不履行に基づく損害賠償責任及びその金額を決するにあたつて取引先と同視すべき者の有責行為として斟酌すべきである。

参照法条

民法415条〈債務不履行による損害賠償〉,民法418条〈過失相殺〉,民法644条〈受任者の注意義務〉

この裁判例が参照する条文の解説

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