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離婚/裁判上の離婚

裁判上の離婚の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

民法770条は、夫婦の一方が離婚の訴えを提起できる場合を4つの事由に限定して定めています。このうち不貞行為・悪意の遺棄・3年以上の生死不明の3つについては、裁判所が一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、請求を棄却できます。771条により、子の監護や財産分与など協議上の離婚に関する規定(766条から769条まで)が裁判上の離婚にも準用されます。

裁判上の離婚
号離婚事由裁量棄却の対象
一号配偶者の不貞な行為対象
二号配偶者からの悪意の遺棄対象
三号生死が3年以上不明対象
四号婚姻を継続し難い重大な事由対象外
  • 裁判所による請求棄却(2項)は1号~3号の事由のみが対象で、4号の事由は対象外です。
  • 771条により、766条(子の監護)、767条(復氏)、768条(財産分与)、769条(祭祀財産の承継)の規定が裁判上の離婚にも準用されます。
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裁判上の離婚

裁判上の離婚について、条文は何を定めているか。

第770条裁判上の離婚4つの事由がある場合に限り離婚の訴えを起こせる2項・4号判例 23件
  • 不貞行為・悪意の遺棄・3年以上の生死不明・婚姻継続困難な重大事由のいずれか
  • 1号~3号の事由があっても、裁判所は一切の事情を考慮し請求を棄却できる
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第771条協議上の離婚の規定の準用協議離婚の規定(766条〈離婚後の子の監護に関する事項の定め等〉~769条〈離婚による復氏の際の権利の承継〉)を裁判離婚にも適用1項判例 13件
  • 子の監護、復氏、財産分与、祭祀財産の承継に関する規定が準用される
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第770条民法

有責配偶者からの離婚請求が長期間の別居等を理由として認容すべきであるとされた事例

裁判要旨有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦が二八年間別居し、その間に未成熟子がいないときには、相手方配偶者が離婚によつて精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り、認容すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和63年4月7日 昭和62(オ)721
登載
集民 第154号1頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点2第770条民法

有責配偶者からの離婚請求が長期間の別居等を理由として認容すべきであるとされた事例

裁判要旨有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦が二二年間別居し、その間に未成熟子がいないときには、相手方配偶者が離婚によつて精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り、認容すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年2月12日 昭和62(オ)1001
登載
集民 第153号335頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点3第770条民法

別居期間が約一〇年三か月でその間に未成熟の子がない夫婦につき有責配偶者からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえないとされた事例

裁判要旨約一〇か月の同居の後妻(昭和二三年生)が他の男性と同棲するため夫(同二五年生)と別居して以来約一〇年三か月が経過し、夫婦の間に未成熟の子がなく、夫は、主に感情的理由から婚姻の継続を望んでいるにすぎず、継続して外国航路の船のコツクとして働いているなど判示の事情のもとにおいては、夫婦の別居期間は双方の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及ぶというべきであり、しかも、有責配偶者たる妻からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえない。

(意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和63年12月8日 昭和62(オ)843
登載
集民 第155号209頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点4第770条民法

一 長期間の別居と有責配偶者からの離婚請求

二 有責配偶者からの離婚請求が長期間の別居等を理由として認容すべきであるとされた事例

裁判要旨一 有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦がその年齢及び同居期間と対比して相当の長期間別居し、その間に未成熟子がいない場合には、相手方配偶者が離婚によつて精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできない。

二 有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦が三六年間別居し、その間に未成熟子がいないときには、相手方配偶者が離婚によつて精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り、認容すべきである。

(一につき補足意見、一、二につき意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 昭和62年9月2日 昭和61(オ)260
登載
民集 第41巻6号1423頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点5第770条民法

別居期間が三〇年に及びその間に未成熟の子がない夫婦につき有責配偶者からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえないとされた事例

裁判要旨夫が妻のもとを去つて既に別居期間が三〇年に及び夫婦の間に未成熟の子がなく、夫が現在妻の住んでいる住居の購入費を一部負担するなどの援助をし、妻は病気がちであるものの、年金収入により普通の生活をし、夫の再三の離婚申入れに対して結婚した以上は戸籍上の夫婦の記載を守り抜きたいという気持から拒否しつづけているなど判示の事情のもとにおいては、有責配偶者たる夫からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和62年11月24日 昭和62(オ)584
登載
集民 第152号233頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点6第770条民法

婚姻関係の破綻につきもつぱら又は主として原因を与えた当事者による離婚請求の可否

裁判要旨婚姻関係が破綻した場合においても、その破綻につきもつぱら又は主として原因を与えた当事者は、みずから離婚を請求することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和54年12月13日 昭和54(オ)434
登載
集民 第128号183頁
参照法条
民法770条1項5号
論点7第770条民法

民法七七〇条一項一号〈裁判上の離婚 配偶者に不貞な行為があったとき。〉の不貞な行為の意義

裁判要旨民法七七〇条一項一号〈裁判上の離婚 配偶者に不貞な行為があったとき。〉の不貞な行為とは、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい、相手方の自由な意思にもとづくものであるか否かは問わない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年11月15日 昭和48(オ)318
登載
民集 第27巻10号1323頁
参照法条
民法770条1項1号
論点8第770条民法

夫が婚姻関係の破綻後妻以外の女性と同棲している場合と夫の離婚請求の許否

裁判要旨夫が、妻以外の女性と同棲し、夫婦同様の生活を送つている事実があつても、これが妻との婚姻関係が完全に破綻した後に生じたものであるときは、右事実をもつて夫からの離婚請求を排斥すべき理由とすることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年5月21日 昭和46(オ)50
登載
民集 第25巻3号408頁
参照法条
民法770条
論点9第770条民法

民法七七〇条一項四号〈裁判上の離婚 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。〉と同条二項の法意

裁判要旨民法七七〇条二項〈裁判上の離婚〉の規定は、夫婦の一方が同条一項四号に該当する不治の精神病にかかつた事実が肯認される場合においても、離婚請求の許否を決するにあたつては、なお諸般の事情を考慮し、各関係者間において病者の離婚後における療養、生活などについてできるかぎりの具体的方策が講ぜられ、ある程度において、前途に、その方途の見込がついたうえでなければ、婚姻関係を解消させることは不相当と認め、離婚の請求は許さない趣旨のものと解すべきである(最高裁判所昭和二八年(オ)第一三八九号、同三三年七月二五日第二小法廷判決、民集一二巻一二号一八二三頁参照)。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年3月12日 昭和44(オ)977
登載
集民 第98号407頁
参照法条
民法770条1項4号,民法770条2項
論点10第770条民法

精神病を理由とする離婚が認められた事例

裁判要旨妻が強度の精神病にかかり回復の見込みがない場合において、妻の実家が夫の支出をあてにしなければ療養費に事欠くような資産状態ではなく、他方、夫は、妻のため十分な療養費を支出できる程に生活に余裕がないにもかかわらず、過去の療養費については、妻の後見人である父との間で分割支払の示談をしてこれに従つて全部支払を完了し、将来の療養費についても可能な範囲の支払をなす意思のあることを裁判所の試みた和解において表明し、夫婦間の子をその出生当時から引き続き養育している等判示事情のあるときは、民法七七〇条二項〈裁判上の離婚〉により離婚の請求を棄却すべき場合にはあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年11月24日 昭和45(オ)426
登載
民集 第24巻12号1943頁
参照法条
民法770条1項4号,民法770条2項
論点11第770条民法

重婚的内縁関係にある配偶者(夫)からの離婚の請求を認容した判断に審理不尽理由不備の違法があるとされた事例

裁判要旨甲男が乙女との婚姻継続中、丙女およびその死後丁女と事実上の婚姻関係に入つたことは、もとより不貞の評価を免れず、それ以前すでに乙女との間の婚姻関係が決定的に破綻していたとするのでないかぎり、これが現実に破綻するに至つた原因は、甲男のした右重婚的内縁にあるものと認めるのが相当で、原審が甲男の再度にわたる重婚的内縁を認めながら、これが乙女との間の婚姻関係に及ぼした影響の有無に触れることなく、甲男の本訴請求を認容したのは、審理不尽・理由不備の違法を免れない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年5月2日 昭和42(オ)210
登載
集民 第91号29頁
参照法条
民法770条1項5号,民訴法395条1項6号
論点12第770条民法

婚姻関係が破綻した後に不貞行為をした者からの離婚請求の当否

裁判要旨婚姻関係が破綻した後に、夫が他の女性と同棲しても、右事実は、夫からの離婚請求の当否判断に影響を及ぼさない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年4月11日 昭和40(オ)807
登載
集民 第87号69頁
参照法条
民法770条
論点13第770条民法

多少の落度があつた当事者の民法第七七〇条第一項第五号に基づく離婚請求の可否

裁判要旨婚姻を継続し難い重大な事由にあたる事態を招いたことにつき、夫婦の一方にもいくらかの落度はあつたが、相手方により多くの落度があつた場合には、前者の後者に対する民法第七七〇条第一項第五号に基づく離婚請求を認容しても違法とはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年3月7日 昭和41(オ)256
登載
集民 第86号481頁
参照法条
民法770条1項5号
論点14第770条民法

民法第七七〇条第一項第五号〈裁判上の離婚〉の事態を招くについて、主たる責任を有する者からの離婚請求の許否

裁判要旨民法第七七〇条第一項第五号〈裁判上の離婚〉にいう「婚姻を継続し難い重大な事由」に当る事態を招いたことが、主として配偶者の一方の行為によつて惹起されたと認められるときは、その者は相手方配偶者に対し離婚の請求をすることはできない、と解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年12月22日 昭和41(オ)1170
登載
集民 第85号809頁
参照法条
民法770条1項5号
論点15第770条民法

民法第七七〇条第一項第二号〈裁判上の離婚 配偶者から悪意で遺棄されたとき。〉にいう悪意の遺棄に当らないとされた事例。

裁判要旨妻が婚姻関係の破綻について主たる責任を負い、夫からの扶助を受けないようになつたのもみずからの原因によるなど原判決認定の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、夫が妻と同居を拒み、これを扶助しないといても、民法第七七〇条第一項第二号〈裁判上の離婚 配偶者から悪意で遺棄されたとき。〉にいう悪意の遺棄に当らないというべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年9月17日 昭和38(オ)719
登載
民集 第18巻7号1461頁
参照法条
民法770条1項2号,民法752条
論点16第770条民法

一 人訴第四条〈成年〉の趣旨。

二 離婚訴訟と民訴第五六条適用の有無。

三 民法第七七〇条第一項第四号〈裁判上の離婚 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。〉と同条第二項の法意。

裁判要旨一 人訴第四条〈成年〉は、後見監督人または後見人が禁治産者の法定代理人としてその離婚訴訟を遂行することを認めたものではなく、その職務上の地位に基き禁治産者のため当事者として右訴訟を遂行しうることを認めた規定と解すべきである。

二 離婚訴訟については、民訴第五六条の適用がない。

三 民法第七七〇条第一項第四号〈裁判上の離婚 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。〉と同条第二項は、単に夫婦の一方が不治の精神病にかかつた一事をもつて直ちに離婚の請求を理由ありとするものと解すべきでなく、たとえかかる場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意であると解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年7月25日 昭和28(オ)1389
登載
民集 第12巻12号1823頁
参照法条
人事訴訟手続法4条,民訴法56条,民法770条
論点17第770条民法

前婚につき離婚無効、後婚につき婚姻取消の確定判決をうけた者のなす前婚についての離婚の訴の許否

裁判要旨妻が有効に離婚が成立したものと信じて、他の男子と婚姻をなした後、先夫から前婚についての離婚無効確認および後婚についての婚姻取消の訴を提起せられ、右各訴はいずれも妻の敗訴に確定した場合であつても、前婚につき、婚姻を継続し難い重大な事由があることを理由として、妻が離婚の訴を提起することを妨げるものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和32年4月11日 昭和30(オ)899
登載
民集 第11巻4号629頁
参照法条
民法770条,民法765条,民法742条,民法732条
論点18第770条民法

有責配偶者からの離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえないとされた事例

裁判要旨有責配偶者である夫(大正一五年四月生)からの離婚請求であつても、夫婦の別居期間が約一五年六か月に及び、その間の子が夫と同棲する女性に四歳時から実子同然に育てられて一九歳に達しており、妻(昭和九年三月生)は別居期間中夫所有名義のマンションに居住し、主に夫から支払われる婚姻費用によつて生活してきたものであり、しかも、妻が離婚によつて被るべき経済的・精神的不利益が離婚に必然的に伴う範囲を著しく超えるものではないなど判示の事情の下では、右離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情があるとはいえない。

(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成元年9月7日 昭和63(オ)316
登載
集民 第157号457頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点19第770条民法

有責配偶者からの離婚請求が認容することができないとされた事例

裁判要旨有責配偶者である夫からされた離婚請求において、事実審の口頭弁論終結時、夫六〇歳、妻五七歳であり、婚姻以来二六年余同居して二男二女を儲けた後夫が他の女性と同棲するため妻と別居して八年余になるなど判示の事情のあるときは、夫婦の別居期間が双方の年齢及び同居期間と対比して相当の長期間に及ぶということができず、右離婚請求を認容することができない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成元年3月28日 昭和62(オ)839
登載
集民 第156号417頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点20第770条民法

未成熟子がいる有責配偶者からの離婚請求が認容された事例

裁判要旨有責配偶者である夫からされた離婚請求であっても、別居が一三年余に及び、夫婦間の未成熟の子は三歳の時から一貫して妻の監護の下で育てられて間もなく高校を卒業する年齢に達していること、夫が別居後も妻に送金をして子の養育に無関心ではなかったこと、夫の妻に対する離婚に伴う経済的給付も実現が期待できることなど判示の事実関係の下においては、右離婚請求は、認容されるべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年2月8日 平成5(オ)950
登載
集民 第171号417頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点21第770条民法

離婚訴訟において原告と第三者との不貞行為を主張して請求棄却を求めている被告が上記第三者を相手方として提起した上記不貞行為を理由とする損害賠償請求訴訟の人事訴訟法8条1項にいう「人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求に係る訴訟」該当性

裁判要旨離婚訴訟の被告が,原告は第三者と不貞行為をした有責配偶者であると主張して,その離婚請求の棄却を求めている場合において,上記被告が上記第三者を相手方として提起した上記不貞行為を理由とする損害賠償請求訴訟は,人事訴訟法8条1項にいう「人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求に係る訴訟」に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成31年2月12日 平成30(許)10
登載
民集 第73巻2号107頁
参照法条
人事訴訟法8条1項,民法1条2項,民法770条
論点22第770条民法

有責配偶者からの離婚請求において別居期間が相当の長期間に及んだものとされた事例

裁判要旨有責配偶者である夫からされた離婚請求において、夫が別居後の妻子の生活費を負担し、離婚請求について誠意があると認められる財産関係の清算の提案をしているなど判示の事情のあるときは、約八年の別居期間であっても、他に格別の事情のない限り、両当事者の年齢及び同居期間との対比において別居期間が相当の長期間に及んだと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成2年11月8日 平成1(オ)1039
登載
集民 第161号203頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点23第770条民法

有責配偶者からの離婚請求を認容することができる場合に当たらないとされた事例

裁判要旨有責配偶者である夫からの離婚請求において,夫婦の別居期間が,事実審の口頭弁論終結時に至るまで約2年4か月であり,双方の年齢や約6年7か月という同居期間との対比において相当の長期間に及んでいるとはいえないこと,夫婦間には7歳の未成熟の子が存在すること,妻が,子宮内膜症にり患しているため就職して収入を得ることが困難であり,離婚により精神的・経済的に苛酷な状況に置かれることが想定されることなど判示の事情の下では,上記離婚請求は,信義誠実の原則に反するものといわざるを得ず,これを認容することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成16年11月18日 平成16(受)247
登載
集民 第215号657頁
参照法条
民法1条2項,民法770条
論点24第771条民法

離婚に伴う財産分与請求を認めない大韓民国の民法を適用することが法例三〇条〈失〉にいう「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗」に反するとして許されない場合

裁判要旨大韓民国法を準拠法とする離婚に伴う財産分与及び慰藉料請求において、財産分与請求を認めない同国の民法のもとで有責配偶者が支払うべきものとされる慰藉料の額がわが国の離婚給付の社会通念に照らして著しく低額であると認められる場合には、右財産分与請求につき同法を適用することは、法例三〇条〈失〉にいう「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗」に反するものとして、許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和59年7月20日 昭和57(オ)56
登載
民集 第38巻8号1051頁
参照法条
法例30条,民法768条,民法771条,大韓民国民法806条1項,大韓民国民法806条2項,大韓民国民法843条
論点25第771条民法

離婚請求について全部勝訴の当事者が控訴審において附帯控訴の方式により新たに財産分与の申立をすることの可否

裁判要旨第一審において離婚請求について全部勝訴の判決を受けた当事者も、控訴審において、附帯控訴の方式により新たに財産分与の申立をすることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年3月10日 昭和56(オ)1087
登載
集民 第138号257頁
参照法条
人事訴訟手続法15条1項,民法768条1項,民法771条,民訴法372条
論点26第771条民法

離婚の訴えの係属の消滅と右訴えに附帯してされた財産分与の申立の適否

裁判要旨離婚の訴えに附帯してされた財産分与の申立については、右訴えの係属が失われたときは、当該訴訟手続内で審判することができず、これを不適法として却下すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年2月3日 昭和57(オ)636
登載
民集 第37巻1号45頁
参照法条
民法768条,民法771条,人事訴訟手続法5条1項,家事審判法9条1項乙類5号
論点27第771条民法

離婚訴訟における財産分与と過去の婚姻費用分担の態様の斟酌

裁判要旨離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずるにあたつては、当事者の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和53年11月14日 昭和53(オ)706
登載
民集 第32巻8号1529頁
参照法条
民法768条3項,民法771条,人事訴訟手続法15条
論点28第771条民法

離婚による慰籍料と財産分与との関係

裁判要旨すでに財産分与がなされた場合においても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解されないか、または、その額および方法において分与請求者の精神的苦痛を慰籍するに足りないと認められるものであるときは、右請求者は、別個に、相手方の不法行為を理由として離婚による慰籍料を請求することを妨げられない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年7月23日 昭和43(オ)142
登載
民集 第25巻5号805頁
参照法条
民法709条,民法710条,民法768条,民法771条
論点29第771条民法

財産分与の額および方法を定める時期。

裁判要旨裁判上の離婚の場合においては、訴訟の最終口頭弁論当時における当事者双方の財産状態を考慮して、財産分与の額および方法を定めるべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和34年2月19日 昭和32(オ)333
登載
民集 第13巻2号174頁
参照法条
民法771条,民法768条
論点30第771条民法

一 離婚と慰藉料請求権
二 離婚の場合における慰藉料請求権と財産分与請求権との関係

裁判要旨一 夫婦がその一方甲の有責不法な行為によつて離婚のやむなきに至つたときは、その行為が必ずしも相手方乙の身体、自由、名誉等に対する重大な侵害行為にはあたらない場合でも、乙は、その離婚のやむなきに至つたことについての損害の賠償として、甲に対し慰藉料を請求することができる。
二 前項の場合において、乙が甲に対し、財産分与請求権を有することは、慰藉料請求権の成立を妨げるものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年2月21日 昭和26(オ)469
登載
民集 第10巻2号124頁
参照法条
民法709条,民法710条,民法768条,民法771条
論点31第771条民法

離婚請求を認容するに際し親権者の指定とは別に子の監護者の指定をしない場合と監護費用の支払命令

裁判要旨裁判所は、離婚請求を認容するに際し、親権者の指定とは別に子の監護者の指定をしない場合であっても、申立により、監護費用の支払を命ずることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年12月11日 昭和63(オ)270
登載
民集 第43巻12号1763頁
参照法条
人事訴訟手続法15条1項,民法766条1項,民法771条
論点32第771条民法

離婚請求を認容するに際し別居後離婚までの間の子の監護費用の支払を命ずることの可否

裁判要旨離婚の訴えにおいて、別居後単独で子の監護に当たっている当事者から他方の当事者に対し、別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合には、裁判所は、離婚請求を認容するに際し、右申立てに係る子の監護費用の支払を命ずることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成9年4月10日 平成7(オ)1933
登載
民集 第51巻4号1972頁
参照法条
人事訴訟手続法15条1項,民法766条1項,民法771条
論点33第771条民法

妻が,夫に対し,夫との間に法律上の親子関係はあるが,妻が婚姻中に夫以外の男性との間にもうけた子につき,離婚後の監護費用の分担を求めることが,権利の濫用に当たるとされた事例

裁判要旨妻が,夫に対し,夫との間に法律上の親子関係はあるが,妻が婚姻中に夫以外の男性との間にもうけた子につき,離婚後の監護費用の分担を求めることは,次の(1)〜(3)など判示の事情の下においては,権利の濫用に当たる。
(1) 妻が,出産後程なく当該子と夫との間に自然的血縁関係がないことを知ったのに,そのことを夫に告げなかったため,夫は,当該子との親子関係を否定する法的手段を失った。
(2) 夫は,婚姻中,相当に高額な生活費を妻に交付するなどして,当該子の養育・監護のための費用を十分に分担してきた。
(3) 離婚後の当該子の監護費用を専ら妻において分担することができないような事情はうかがわれない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年3月18日 平成21(受)332
登載
集民 第236号213頁
参照法条
民法1条3項,民法766条1項,民法771条
論点34第771条民法

離婚の訴えにおける別居後離婚までの間の子の監護費用の支払を求める旨の申立てと裁判所の審理判断の要否

裁判要旨離婚の訴えにおいて,別居後単独で子の監護に当たっている当事者から他方の当事者に対し,別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合には,裁判所は,離婚請求を認容する際に,人事訴訟法32条1項所定の子の監護に関する処分を求める申立てとして,その当否について審理判断しなければならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成19年3月30日 平成17(受)1793
登載
集民 第223号767頁
参照法条
人事訴訟法32条1項,民法766条1項,民法771条
論点35第771条民法

1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについての控訴審における相手方の同意の要否
2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において上訴審が原審の判断のうち財産分与の申立てに係る部分について違法があることを理由に原判決を破棄し又は取り消して当該事件を原審に差し戻すとの判断に至ったときに離婚請求に係る部分を差し戻すことの要否

裁判要旨1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについては,控訴審においても,相手方の同意を要しない。
2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において,上訴審が,原審の判断のうち財産分与の申立てに係る部分について違法があることを理由に原判決を破棄し,又は取り消して当該事件を原審に差し戻すとの判断に至ったときには,離婚請求を認容した原審の判断に違法がない場合であっても,財産分与の申立てに係る部分のみならず,離婚請求に係る部分をも破棄し,又は取り消して,共に原審に差し戻すこととするのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成16年6月3日 平成14(受)505
登載
集民 第214号355頁
参照法条
民法768条,民法771条,人事訴訟法32条1項,家事審判法9条1項乙類5号,人事訴訟手続法8条,人事訴訟法18条,民訴法300条,民訴法307条,民訴法308条,民訴法325条
論点36第771条民法

離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことの許否

裁判要旨離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において、裁判所が離婚請求を認容する判決をするに当たり、当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき、財産分与についての裁判をしないことは許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和4年12月26日 令和3(受)1115
登載
民集 第76巻7号1948頁
参照法条
民法768条2項、民法768条3項、民法771条、人事訴訟法32条1項
原

条文原文

原文ママ

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民法 第770条(裁判上の離婚) 詳細ページ
(裁判上の離婚)
第七百七十条夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一配偶者に不貞な行為があったとき。
二配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2裁判所は、前項第一号から第三号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
民法 第771条(協議上の離婚の規定の準用) 詳細ページ
(協議上の離婚の規定の準用)
第七百七十一条第七百六十六条から第七百六十九条までの規定は、裁判上の離婚について準用する。
出

一次情報

原文ママ

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