民法 / テーマ別まとめ

夫婦財産制/総則

総則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

夫婦財産制の総則は、婚姻届出前に夫婦が財産について別段の契約をしなかった場合には法定財産制が適用されることを起点とし、法定財産制と異なる契約(夫婦財産契約)をする際の対抗要件、婚姻届出後の財産関係の変更制限、財産管理が失当な場合の家庭裁判所への請求手続を定めています。実務担当者は、契約を結ぶ時期(婚姻届出前)と、契約内容や管理者変更・共有財産分割の結果を第三者に対抗するために登記が必要な点を押さえておく必要があります。

総則
場面内容対抗要件
原則(755条)別段の契約なければ法定財産制契約は婚姻届出前に締結
夫婦財産契約(756条)法定財産制と異なる契約婚姻届出までに登記が必要
変更の制限(758条1項)婚姻届出後は変更不可―
管理者変更(758条2項)管理失当で家裁に請求可登記が必要(759条)
共有財産の分割(758条3項)家裁に分割請求可登記が必要(759条)
  • 757条は削除されており、現在欠番。
  • 758条2項の請求主体は、財産を管理されている側の『他の一方』。
  • 759条の対抗要件は、758条の規定による変更だけでなく755条の契約による変更にも適用される。
  • 756条・759条とも、登記がなくても夫婦間では有効。対抗できないのは夫婦の承継人・第三者に対してのみ。
1

総則

総則について、条文は何を定めているか。

第755条夫婦の財産関係契約がなければ法定財産制が適用1項判例なし
  • 婚姻届出前に別段の契約をしなかった場合が対象
  • 契約がなければ財産関係は法定財産制の定めによる
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第756条夫婦財産契約の対抗要件法定財産制と異なる契約は登記が必要1項判例なし
  • 婚姻届出までに登記しないと承継人・第三者に対抗不可
  • 対象は法定財産制と異なる契約をした場合
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第757条削除された条文(欠番)1項判例なし
第758条夫婦の財産関係の変更の制限等婚姻後は財産関係を変更できない3項判例なし
  • 婚姻届出後の財産関係の変更は不可(1項)
  • 管理が失当で財産を危うくしたら自ら管理することを家裁に請求できる(2項)
  • 共有財産は同時にその分割も請求できる(3項)
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第759条財産の管理者の変更及び共有財産の分割の対抗要件管理者変更・分割も登記が対抗要件1項判例 1件
  • 758条〈夫婦の財産関係の変更の制限等〉の請求や755条〈夫婦の財産関係〉の契約による管理者変更・分割が対象
  • 登記しないと夫婦の承継人・第三者に対抗できない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第759条民法

婚姻の届書が受理された当時本人が意識を失つていた場合と婚姻の届出の効力

裁判要旨将来婚姻することを約して性的交渉を続けてきた者が、婚姻意思を有し、かつその意志に基づいて婚姻の届書を作成したときは、かりに届出の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届出の受理により婚姻は有効に成立するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年4月21日 昭和45(オ)104
登載
集民 第99号137頁
参照法条
民法759条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第755条(夫婦の財産関係) 詳細ページ
(夫婦の財産関係)
第七百五十五条夫婦が、婚姻の届出前に、その財産について別段の契約をしなかったときは、その財産関係は、次款に定めるところによる。
民法 第756条(夫婦財産契約の対抗要件) 詳細ページ
(夫婦財産契約の対抗要件)
第七百五十六条夫婦が法定財産制と異なる契約をしたときは、婚姻の届出までにその登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。
民法 第757条 詳細ページ
第七百五十七条削除
民法 第758条(夫婦の財産関係の変更の制限等) 詳細ページ
(夫婦の財産関係の変更の制限等)
第七百五十八条夫婦の財産関係は、婚姻の届出後は、変更することができない。
2夫婦の一方が、他の一方の財産を管理する場合において、管理が失当であったことによってその財産を危うくしたときは、他の一方は、自らその管理をすることを家庭裁判所に請求することができる。
3共有財産については、前項の請求とともに、その分割を請求することができる。
民法 第759条(財産の管理者の変更及び共有財産の分割の対抗要件) 詳細ページ
(財産の管理者の変更及び共有財産の分割の対抗要件)
第七百五十九条前条の規定又は第七百五十五条の契約の結果により、財産の管理者を変更し、又は共有財産の分割をしたときは、その登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。