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各種の契約とその効力

民法の出題範囲にある論点です。条文と判例から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

消費貸借・使用貸借・賃貸借・終身定期金・永小作権・配偶者居住権など、契約の種類ごとに「いつ効力が生じるか」「いつ終了するか」「第三者に主張できるか」を条文にもとづき整理しています。同じ『貸す・借りる』契約でも、書面の有無や引渡しの有無によって効力の発生時期が変わり、終了事由や対抗要件も契約類型ごとに異なります。実務では契約書を作る前に、対象の契約がどの類型にあたるかを見極めることが重要です。

各種の契約とその効力
契約類型効力発生/終了の特徴対抗力
消費貸借(書面)書面作成で効力発生、受取り前解除可―
使用貸借引渡しで効力発生、借主死亡で終了対抗力の定めなし
不動産賃貸借全部滅失で当然終了登記で第三者に対抗可
終身定期金同時履行の抗弁を準用―
永小作権賃貸借規定を準用―
配偶者居住権等使用貸借規定を準用―
  • 抵当権者の同意の登記があれば、その抵当権者にも賃貸借を対抗できる(387条)
  • 期間を定めた賃貸借でも解約権を留保していれば、期間の定めのない場合と同じ手続きで解約できる(618条)
  • 期間の定めのない賃貸借は、解約申入れの日から土地1年・建物3か月・動産及び貸席1日を経過して終了する(617条)
  • 期間満了後も賃借人が使用を続け賃貸人が異議を述べなければ、従前と同条件で更新したものと推定される(619条)
  • 電磁的記録で内容を記録した消費貸借は、書面でする消費貸借とみなされる(587条の2第4項)
  • 配偶者居住権・配偶者短期居住権は、それぞれ準用される条文の範囲が異なる(1036条・1041条)
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各種の契約とその効力

各種の契約とその効力について、条文は何を定めているか。

第1036条使用貸借及び賃貸借の規定の準用配偶者居住権に使用貸借等の規定を準用1項判例なし
  • 597条1項〈期間満了等による使用貸借の終了〉・3項(期間満了・借主死亡)を準用する
  • 600条〈損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限〉・613条〈転貸の効果〉・616条の2〈賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了〉(全部滅失での終了)も準用
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第387条抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力抵当権者の同意登記で賃貸借を対抗できる2項判例 1件
  • 登記した賃貸借は同意した抵当権者に対抗可
  • 同意には抵当権者の利害関係人の承諾が必要
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第618条期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保期間内解約権を留保すれば解約手続きを準用1項判例 1件
  • 期間を定めても解約権を留保できる
  • 留保した場合は617条〈期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ〉の解約申入れ手続きを準用
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第593_2条借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除借主が受け取るまで貸主は解除できる1項判例なし
  • 借用物を借主が受け取る前なら貸主は契約解除可
  • 書面による使用貸借は解除できない
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第616_2条賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了賃借物が全部使えなくなれば賃貸借は終了1項判例なし
  • 全部滅失その他で使用収益不能なら当然終了
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第617条期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ期間の定めがなければいつでも解約申入れ可2項・3号判例 7件
  • 土地は申入れから1年、建物は3か月で終了
  • 動産・貸席は申入れから1日で終了
  • 収穫季節のある土地は季節後・耕作前に申入れ
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第597条期間満了等による使用貸借の終了期間満了・目的完了・死亡で使用貸借は終了3項判例 13件
  • 期間を定めた場合は期間満了で終了
  • 期間の定めなく目的を定めた場合は目的完了で終了
  • 借主が死亡すれば使用貸借は終了する
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第692条終身定期金契約の解除と同時履行終身定期金契約の解除に同時履行を準用1項判例なし
  • 533条〈同時履行の抗弁〉(同時履行の抗弁)を691条〈終身定期金契約の解除〉の場合に準用
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第693条終身定期金債権の存続の宣告債務者の帰責事由による死亡は存続を宣告可2項判例なし
  • 債務者の責めに帰すべき事由で死亡が生じた場合が対象
  • 裁判所は債権者等の請求で相当期間の存続を宣告できる
  • 691条〈終身定期金契約の解除〉の権利行使は妨げられない
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第273条賃貸借に関する規定の準用永小作人の義務には賃貸借規定を準用1項判例なし
  • 設定行為や性質に反しない限り賃貸借規定を準用
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第1041条使用貸借等の規定の準用配偶者短期居住権にも使用貸借等を準用1項判例 8件
  • 597条3項〈期間満了等による使用貸借の終了〉(借主死亡での終了)・600条〈損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限〉・616条の2〈賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了〉を準用
  • 1032条2項〈配偶者による使用及び収益〉・1033条〈居住建物の修繕等〉・1034条〈居住建物の費用の負担〉も準用対象
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第587_2条書面でする消費貸借等書面による消費貸借は合意のみで効力発生4項判例なし
  • 書面なら引渡しなしで合意のみで成立する
  • 借主は物を受け取るまで契約解除できる
  • 受取り前に当事者の一方が破産手続開始なら失効
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第605条不動産賃貸借の対抗力不動産賃貸借は登記で第三者に対抗できる1項判例 10件
  • 登記すれば物権取得者など第三者に対抗可
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第619条賃貸借の更新の推定等期間満了後の使用継続で更新を推定2項判例 20件
  • 賃貸人が異議を述べなければ従前と同条件で更新推定
  • 更新後も617条〈期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ〉により解約申入れ可能
  • 敷金以外の担保は期間満了で消滅
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第387条民法

一、労働金庫の会員外の者に対する貸付の効力
二、員外貸付が無効とされる場合に債務者において右債務を担保するために設定された抵当権の実行による所有権の取得を否定することが許されないとされた事例

裁判要旨一、労働金庫の会員外の者に対する貸付は無効である。
二、労働金庫の員外貸付が無効とされる場合においても、右貸付が判示のような事情のもとにされたものであつて、右債務を担保するために設定された抵当権が実行され、第三者がその抵当物件を競落したときは、債務者は、信義則上、右競落人に対し、競落による所有権の取得を否定することは許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年7月4日 昭和43(オ)916
登載
民集 第23巻8号1347頁
参照法条
民法1条,民法43条,民法387条,労働金庫法58条
論点2第618条民法

期間の定めのある賃貸借と解約申入

裁判要旨当事者に解約権が留保されていたとの事実を確定することなく、期間の定めのある賃貸借について期間内にされた解約申入によつて、賃貸借は終了したものであるとする判断は、違法である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年10月12日 昭和47(オ)367
登載
集民 第110号273頁
参照法条
民法618条
論点3第617条民法

農地の賃貸借の解約と農地法二〇条二項

裁判要旨農地法二〇条二項各号所定の事由は、都道府県知事が同条による許可を与えるについての要件であつて、農地の賃貸借の解約権の発生ないし行使の実体的要件をなすものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年5月25日 昭和47(オ)1028
登載
民集 第27巻5号667頁
参照法条
民法617条,農地法20条1項,農地法20条2項,農地法20条5項
論点4第617条民法

建物収去土地明渡を求める訴状の送達により原被告間の土地賃貸借契約解除の意思表示がなされたと解しうるか。

裁判要旨原告所有地上に被告が権限なく建物を存置してこれを占有していることを理由として建物収去土地明渡を求める訴状が被告に送達されたときは、特別の事情がないかぎり、原被告間にもし当該土地賃貸借契約が存在するならば、これを解約する旨の意思表示がなされたものと解することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年6月18日 昭和40(オ)9
登載
集民 第79号455頁
参照法条
民法617条
論点5第617条民法

一 賃貸借終了による賃貸家屋の明渡請求と家屋所有の要否
二 旅館共同経営にもとづく経営の参加と無断転賃の成否

裁判要旨一 賃貸借終了による賃貸家屋の明渡請求においては、賃貸人は、解除の時に家屋所有者であることを要しない。
二 家屋賃借人が第三者との旅館共同経営契約にもとづいて当該第三者に右営業上独立の占有させているなど原判決認定の事情のもとにおいては、民法第六一二条〈賃借権の譲渡及び転貸の制限〉の解除の原因となる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年3月10日 昭和38(オ)1050
登載
集民 第72号441頁
参照法条
民法617条,民法612条
論点6第617条民法

何時でも返還する特約のある農地賃貸借と民法第六一七条第二項の適用。

裁判要旨何時でも貸主の請求に応じ賃貸農地の返還をするなどの定めで農地を耕作させるに至つた場合でも、当時施行の農地調整法第九条第四項により右約定は存しないものとみなされるから、解約申入に民法第六一七条第二項の適用がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年12月24日 昭和37(オ)820
登載
集民 第70号495頁
参照法条
民法617条2項,農地調整法9条4項
論点7第617条民法

農地賃貸借の法定更新と賃貸期間。

裁判要旨農地の賃貸借が農地法第一九条により更新されたときは、以後期間の定めのない賃貸借として存続するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年7月8日 昭和32(オ)791
登載
民集 第14巻9号1731頁
参照法条
農地法19条,民法619条,民法617条
論点8第617条民法

一 証拠申請を放棄したものと認むべき一事例
二 所有権にもとずく家屋明渡の訴の提起は賃貸借解約の申入となり得るか

裁判要旨一 裁判所が証拠決定にもとずく証拠調を施行せず、また右決定の取消もしないで口頭弁論を終結しようとするにあたり、申請当事者においてこれに対し何ら異議を述べなかつたときは、当該証拠申請を放棄したものと解するのを相当とする。
二 賃貸人の提起した家屋明渡の訴の訴状に、賃貸借が解約申入によつて終了した経過を敍述し、その終了にかかわらず、賃借人が依然右家屋を占有しているから、所有権にもとずき明渡を求める旨記載されているときは、右訴の訴訟物は所有権にもとずく返還請求権にほかならないけれども、特別の事情のないかぎり、右記載自体、若しさきの解約申入が効力を生じていないならば、改めて解約申入をする旨の意思表示を暗黙に包含するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年10月23日 昭和26(オ)103
登載
民集 第7巻10号1114頁
参照法条
民訴法第2編第3章第1節,民法617条1項,借家法3条1項
論点9第617条民法

一 建物賃貸借契約書に用いられた「永久貸与」という文言の解釈
二 借家法第一条ノ二にいわゆる正当の事由がある一事例

裁判要旨一 建物賃貸借契約書に用いられた「永久貸与」という文言を、他の証拠等に照らし、単に「長く貸しましよう。長く借りましよう。」という合意をあらわすもので、賃貸借の存続期間を定めたものでないと解釈しても、経験則に違背しない。
二 他人の賃借居住している家屋を譲り受けた者がなした賃貸借契約申入も、後記事実関係(原判決理由参照)のもとでは、借家法第一条ノ二にいわゆる正当の事由がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月11日 昭和26(オ)485
登載
民集 第6巻11号1139頁
参照法条
民法617条,民法604条,借家法第1条ノ2
論点10第597条民法

借主及びその家族の長期間の居住を目的とする建物の使用貸借契約と右目的に従つた使用収益をなすに足るべき期間

裁判要旨建物の使用貸借契約が借主及びその家族の長期間の居住を目的とするものであつても、借主が右建物の使用を始めてから約三二年四月を経過したときは、特段の事情のない限り、右目的に従つた使用収益をなすに足るべき期間は、経過したものと認めるべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年11月22日 昭和58(オ)170
登載
集民 第143号177頁
参照法条
民法597条2項
論点11第597条民法

借地契約の終了に伴う土地返還請求訴訟と地上建物の所有権の帰属

裁判要旨土地賃貸借の終了を原因として原状回復義務の履行を求める訴訟において、地上建物の所有権の帰属いかんは、被告の右建物の収去による該土地の明渡義務を定めるについて影響を及ぼすものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和53年2月14日 昭和52(オ)1002
登載
集民 第123号43頁
参照法条
民法616条,民法597条
論点12第597条民法

建物の所有を目的とし、かつ返還の時期を定めない土地使用賃借契約の終了が認められた事例

裁判要旨省略(判決理由参照)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年11月16日 昭和48(オ)277
登載
集民 第110号475頁
参照法条
民法597条2項
論点13第597条民法

礼拝堂の建築所有を目的とする土地の使用貸借が相当の期間の経過により終了した旨の判断に審理不尽・理由不備の違法があるとされた事例

裁判要旨省略(判文参照)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年10月16日 昭和44(オ)375
登載
集民 第101号77頁
参照法条
民法597条,民訴法395条1項6号
論点14第597条民法

民法第五九七条第二項〈期間満了等による使用貸借の終了〉但書の類推適用により土地使用貸借の解約が有効とされた事例

裁判要旨父母を貸主とし、子を借主として成立した返還時期の定めがない土地の使用貸借であつて、使用の目的は、建物を所有して会社の経営をなし、あわせて、右経営から生ずる収益により老父母を扶養する等判示内容のものである場合において、借主は、さしたる理由もなく老父母に対する扶養をやめ、兄弟とも往来をたち、使用貸借当事者間における信頼関係は地を払うにいたつた等原判決確定の事実関係(原判決理由参照)があるときは、民法第五九七条第二項〈期間満了等による使用貸借の終了〉但書を類推適用して、貸主は借主に対し使用貸借を解約できるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年11月24日 昭和42(オ)821
登載
民集 第21巻9号2460頁
参照法条
民法597条2項
論点15第597条民法

使用者の一方的通告による解雇に原因する社宅使用貸借の終了と明渡義務の発生時期

裁判要旨社宅の使用貸借の終了が使用者の一方的通告による解雇に起因する場合であつても、当事者間に明渡猶予の合意が成立するなど特別の事情のないかぎり、被用者は、使用貸借の終了したことを認識した時から明渡義務を負うべきものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年4月19日 昭和40(オ)209
登載
集民 第83号239頁
参照法条
民法597条,民法412条
論点16第597条民法

使用貸借の解約告知に基づく家屋明渡訴訟の口頭弁論により新たな解約告知をしたものと認められた事例

裁判要旨使用貸借の解約告知に基づく家屋明渡訴訟を維持し口頭弁論を行なつた場合には、もしさきの解約告知の効力が認められないとすればあらためて解約告知をなす意思を、弁論の都度表示したものと解すべきであり、告知の時期を異にすることにより、明渡請求権が別個の権利となるものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年10月20日 昭和39(オ)12
登載
集民 第84号607頁
参照法条
民法597条,民訴法186条
論点17第597条民法

使用貸借において使用および収益をなすに足りる期間を経過したものと認められた事例。

裁判要旨原判示認定の事実関係のもとにおいては、本件建物の使用収益の目的を達するに十分の期間を経過したものと認めるのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年4月23日 昭和38(オ)786
登載
集民 第73号383頁
参照法条
民法597条2項
論点18第597条民法

建物敷地の使用貸借と使用目的の黙示の約定。

裁判要旨親が子の建築居住する建物の敷地として宅地を貸与する使用貸借関係にあつては、特段の反対事情の認められない限り、少くとも黙示的に使用の目的を右建物所有のためと定めたものと認定するのが経験法則に合する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年9月17日 昭和34(オ)578
登載
集民 第67号567頁
参照法条
民法597条
論点19第597条民法

内縁関係の解消と内縁の妻の所有土地に対する夫の占有権原。

裁判要旨内縁の夫が妻の所有地上に共同生活維持のための住居および物置を所有して右土地を無償で占有している場合、その占有権原は、特段の事情のないかぎり、内縁関係の解消とともに消滅するものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和35年11月10日 昭和34(オ)74
登載
民集 第14巻13号2813頁
参照法条
民法597条,民法752条
論点20第597条民法

土地の無断転貸をした賃借人が賃貸人に対し転借人が不法に投棄した産業廃棄物を賃貸借契約終了時に撤去すべき義務を負うとされた事例

裁判要旨土地の賃借人が同土地を無断で転貸し,転借人が同土地に産業廃棄物を不法に投棄したという事実関係の下では,賃借人は,賃貸借契約の終了に基づく原状回復義務として,上記産業廃棄物を撤去すべき義務を負う
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年3月10日 平成14(受)1565
登載
集民 第216号379頁
参照法条
民法597条1項,民法612条1項,民法616条
論点21第597条民法

1 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う場合
2 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う旨の特約が成立していないとされた事例

裁判要旨1 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負うためには,賃借人が補修費用を負担することになる上記損耗の範囲につき,賃貸借契約書自体に具体的に明記されているか,賃貸人が口頭により説明し,賃借人がその旨を明確に認識して,それを合意の内容としたものと認められるなど,その旨の特約が明確に合意されていることが必要である。
2 建物賃貸借契約書の原状回復に関する条項には,賃借人が補修費用を負担することになる賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗の範囲が具体的に明記されておらず,同条項において引用する修繕費負担区分表の賃借人が補修費用を負担する補修対象部分の記載は,上記損耗を含む趣旨であることが一義的に明白であるとはいえず,賃貸人が行った入居説明会における原状回復に関する説明でも,上記の範囲を明らかにする説明はなかったという事情の下においては,賃借人が上記損耗について原状回復義務を負う旨の特約が成立しているとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年12月16日 平成16(受)1573
登載
集民 第218号1239頁
参照法条
(1,2につき) 民法597条1項,民法598条,民法616条
論点22第597条民法

木造建物の所有を目的とする土地の使用貸借につき使用収益をするのに足りるべき期間の経過を否定することができないとされた事例

裁判要旨木造建物の所有を目的とする土地の使用貸借について、契約締結後約三八年八箇月を経過し、この間に貸主と借主の間の人的つながりの状況が著しく変化しているという事実関係の下では、借主には右建物以外に居住する所がなく、貸主には右土地を使用する必要等特別の事情が生じていないというだけでは、使用収益をするのに足りるべき期間の経過を否定することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年2月25日 平成10(オ)513
登載
集民 第191号391頁
参照法条
民法597条2項
論点23第1041条民法

特定物の遺贈につき履行がされた場合に民法一〇四一条の規定により受遺者が遺贈の目的の返還義務を免れるためにすべき価額弁償の意義

裁判要旨特定物の遺贈につき履行がされた場合に、民法一〇四一条〈使用貸借等の規定の準用〉の規定により受遺者が遺贈の目的の返還義務を免れるためには、価額の弁償を現実に履行するか又はその履行の提供をしなければならず、価額の弁償をすべき旨の意思表示をしただけでは足りない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和54年7月10日 昭和53(オ)907
登載
民集 第33巻5号562頁
参照法条
民法1041条
論点24第1041条民法

遺留分権利者が受贈者又は受遺者に対し民法一〇四一条一項の価額弁償を請求する訴訟における贈与又は遺贈の目的物の価額算定の基準時

裁判要旨遺留分権利者が受贈者又は受遺者に対し民法一〇四一条一項の価額弁償を請求する訴訟における贈与又は遺贈の目的物の価額算定の基準時は、右訴訟の事実審口頭弁論終結の時である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和51年8月30日 昭和50(オ)920
登載
民集 第30巻7号768頁
参照法条
民法1041条1項
論点25第1041条民法

遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

裁判要旨減殺請求をした遺留分権利者が遺贈の目的である不動産の持分移転登記手続を求める訴訟において、受遺者が、事実審口頭弁論終結前に、裁判所が定めた価額により民法一〇四一条の規定による価額の弁償をする旨の意思表示をした場合には、裁判所は、右訴訟の事実審口頭弁論終結時を算定の基準時として弁償すべき額を定めた上、受遺者が右の額を支払わなかったことを条件として、遺留分権利者の請求を認容すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成9年7月17日 平成5(オ)342
登載
集民 第183号995頁
参照法条
民法1041条1項,民事執行法173条,民訴法191条1項
論点26第1041条民法

遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

裁判要旨減殺請求をした遺留分権利者が遺贈の目的である不動産の持分移転登記手続を求める訴訟において、受遺者が、事実審口頭弁論終結前に、裁判所が定めた価額により民法一〇四一条の規定による価額の弁償をする旨の意思表示をした場合には、裁判所は、右訴訟の事実審口頭弁論終結時を算定の基準時として弁償すべき額を定めた上、受遺者が右の額を支払わなかったことを条件として、遺留分権利者の請求を認容すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年2月25日 平成6(オ)1746
登載
民集 第51巻2号448頁
参照法条
民法1041条1項,民事執行法173条,民訴法191条1項
論点27第1041条民法

遺贈に対する遺留分減殺請求について価額による弁償が行われた場合と所得税法五九条一項一号の遺贈

裁判要旨法人に対する遺贈について、遺留分権利者による減殺の請求がされた場合であっても、これに対して民法一〇四一条一項の価額による弁償が行われたときは、右遺贈は、所得税法五九条一項一号の遺贈に当たる。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成4年11月16日 平成3(行ツ)84
登載
集民 第166号613頁
参照法条
所得税法59条1項1号,民法1031条,民法1041条1項
論点28第1041条民法

遺留分減殺請求を受けた受遺者が,民法1041条〈使用貸借等の規定の準用〉所定の価額を弁償する旨の意思表示をしたが,目的物の現物返還請求も価額弁償請求も受けていない場合において,受遺者の提起した弁償すべき額の確定を求める訴えに確認の利益があるか

裁判要旨遺留分権利者から遺留分減殺請求を受けた受遺者が,民法1041条〈使用貸借等の規定の準用〉所定の価額を弁償する旨の意思表示をしたが,遺留分権利者から目的物の現物返還請求も価額弁償請求もされていない場合において,弁償すべき額につき当事者間に争いがあり,受遺者が判決によってこれが確定されたときは速やかに支払う意思がある旨を表明して,弁償すべき額の確定を求める訴えを提起したときは,受遺者においておよそ価額を弁償する能力を有しないなどの特段の事情がない限り,上記訴えには確認の利益がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年12月18日 平成21(受)35
登載
民集 第63巻10号2900頁
参照法条
民法1041条1項,民訴法134条
論点29第1041条民法

受遺者から民法1041条1項の規定による価額弁償の意思表示を受けた遺留分権利者が受遺者に対し価額弁償を請求する旨の意思表示をした場合において,当該遺留分権利者が遺贈の目的物について価額弁償請求権を確定的に取得する時期

裁判要旨遺留分減殺請求を受けた受遺者が民法1041条1項の規定により遺贈の目的の価額を弁償する旨の意思表示をし,これを受けた遺留分権利者が受遺者に対して価額弁償を請求する権利を行使する旨の意思表示をした場合には,その時点において,当該遺留分権利者は,遺留分減殺によって取得した目的物の所有権及び所有権に基づく現物返還請求権をさかのぼって失い,これに代わる価額弁償請求権を確定的に取得する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成20年1月24日 平成18(受)1572
登載
民集 第62巻1号63頁
参照法条
民法1041条1項
論点30第1041条民法

一 遺留分減殺の対象とされた贈与等の目的である各個の財産について価額弁償をすることの可否
二 共有株式につき新たに単位未満株式を生じさせる現物分割を命ずることの可否

裁判要旨一 受贈者又は受遺者は、遺留分減殺の対象とされた贈与又は遺贈の目的である各個の財産について、民法一〇四一条一項〈使用貸借等の規定の準用〉に基づく価額弁償をすることができる。
二 いわゆる単位株制度の適用のある株式の共有物分割において、新たに単位未満株式を生じさせる現物分割を命ずることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成12年7月11日 平成11(受)385
登載
民集 第54巻6号1886頁
参照法条
民法1041条1項,民法258条,昭和56年法律第74号商法等の一部を改正する法律附則15条1項,昭和56年法律第74号商法等の一部を改正する法律附則16条,昭和56年法律第74号商法等の一部を改正する法律附則18条
論点31第605条民法

賃貸中の宅地を譲り受けた者の賃貸人たる地位の対抗要件

裁判要旨賃貸中の宅地を譲り受けた者は、その所有権の移転につき登記を経由しないかぎり、賃貸人たる地位の取得を賃借人に対抗することができない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和49年3月19日 昭和47(オ)1121
登載
民集 第28巻2号325頁
参照法条
民法177条,民法605条,建物保護に関する法律1条
論点32第605条民法

賃貸家屋が他に譲渡された場合と賃借人の賃料の弁済の効力

裁判要旨賃貸家屋が他に譲渡されいまだ対抗要件を具備していない場合においても、賃借人が後にこの事実を認めて、新家主に対し、遡つて賃料を皮払つたときは、右賃料の弁済は、その弁済時以前の分も含めて、すべて有効と解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年12月3日 昭和46(オ)734
登載
集民 第104号557頁
参照法条
民法605条,民法478条
論点33第605条民法

一、競売期日の公告に記載されなかつた賃借権とその対抗力
二、執行裁判所の取調に対して申出のなかつた賃借権とその効力
三、土地の所有権と賃借権とが混同しても賃借権が消滅しない場合

裁判要旨一、建物保護に関する法律一条〈基本原則〉による対抗要件を具備した土地の賃借権は、競売期日の公告に記載されなかつたとしても、その対抗力が消滅するものではない。
二、執行裁判所の取調に対して土地の賃借権者が賃借権の申出をしなかつたとしても、その賃借権の効力に影響を及ぼすものではない。
三、特定の土地につき所有権と賃借権とが同一人に帰属するに至つた場合であつても、その賃借権が対抗要件を具備したものであり、かつ、その対抗要件を具備したのちに右土地に抵当権が設定されていたときは、民法一七九条一項〈混同〉但書の準用により、賃借権は消滅しないものと解すべきであり、このことは、賃借権の対抗要件が建物保護に関する法律一条によるものであるときでも同様である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年10月14日 昭和46(オ)582
登載
民集 第25巻7号933頁
参照法条
民法179条1項,民法520条,民法601条,民法605条,建物保護に関する法律1条,民訴法643条1項,民訴法643条3項,民訴法658条
論点34第605条民法

隣接土地上に存在する保存登記を経由した建物の庭として使用することを目的とする土地の賃借権と建物保護に関する法律一条〈基本原則〉による対抗力

裁判要旨乙所有の土地(乙地)を借り受け、同士地上に保存登記を経由した建物を所有する者が、甲所有の隣接土地(甲地)を右建物の庭として使用するため借り受けた場合においては、甲地が乙地と一体として右建物所有を目的として賃借されているものであるか否かにかかわらず、建物保護に関する法律一条〈基本原則〉による賃借権の対抗力は甲地に及ばない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年10月28日 昭和44(オ)423
登載
民集 第23巻10号1854頁
参照法条
建物保護に関する法律1条,民法605条
論点35第605条民法

特約に基づき賃借権設定登記をする義務と賃料支払義務との同時履行の成否

裁判要旨不動産の賃貸人が特約に基づき賃借権設定登記をする義務を負つていても、右義務と賃借人の賃料支払義務とを同時履行の関係にたたせる旨の特約がなく、かつ、登記がないため契約の目的を達することができないという特段の事情もない場合には、賃借人は、右登記義務の履行がないことを理由として賃料の支払を拒むことができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年11月28日 昭和43(オ)199
登載
民集 第22巻12号2833頁
参照法条
民法533条,民法605条
論点36第605条民法

隣接土地上に存在する居宅の庭として使用することを目的とする土地賃借権が「建物保護ニ関スル法律」第一条〈基本原則〉所定の対抗力を有しないとされた事例。

裁判要旨甲所定の土地(甲土地)を無償で借り受け、同土地上に居宅を所有する者が、乙の所有の隣接土地(乙土地)を右居宅の庭として使用するため賃借したにすぎず、しかも、甲土地の使用権は乙土地の賃借権の存否にかかわらず存続すべきものである等判示の事情のもとにおいては、たとい当該賃借人が甲乙両土地を一括して右居宅利用の便益に供しており、かつ、右居宅について登記を了していても、乙土地の賃借権は「建物保護ニ関スル法律」第一条〈基本原則〉所定の対抗力を有しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年6月29日 昭和38(オ)372
登載
民集 第19巻4号1027頁
参照法条
建物保護ニ関スル法律1条,民法605条
論点37第605条民法

進駐車の接収使用中の土地について存する対抗要件を欠く賃借権とその対抗力

裁判要旨賃借している土地が、昭和二〇年勅令第六三六号土地工作物使用令第一一条によつて進駐車が接収使用中のものであつても、賃借人は賃貸借の登記があるか、またはその土地の上に登記した建物を有しない限り、その賃借権をもつて土地の新取得者に対抗できない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年3月17日 昭和27(オ)291
登載
民集 第9巻3号307頁
参照法条
民法605条,土地工作物使用令(昭和20年勅令第636号)11条
論点38第605条民法

一 戦時罹災土地物件令第三条の趣旨
二 相手方の賃借権を承認した者と賃貸借の対抗要件の欠缺主張の許否

裁判要旨一 戦時罹災土地物件令第三条は、同条所定の期間、借地権者の土地に対する使用収益を制限すると共に、その地代又は借賃の支払義務を免れしめるに止まり、借地権自体の譲渡を制限禁止する趣旨ではない。
二 一旦相手方の賃借権を承認した者は、賃貸借の対抗要件の欠缺を主張して相手方の賃借権を否定することは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年12月25日 昭和24(オ)293
登載
民集 第5巻13号829頁
参照法条
戦時罹災土地物件令(昭和20年勅令411号)3条,民法605条,建物保護ニ関スル法律(明治42年法律40号)1号
論点39第605条民法

抵当権と併用して賃借権設定仮登記を経由した者の後順位短期賃借権者に対する明渡請求の可否

裁判要旨抵当権と併用して抵当不動産につき賃借権設定の予約をしその仮登記を経由した者が、予約完結権を行使して賃借権の本登記を経由しても、後順位の短期賃借権者に対し右不動産の明渡を求めることは、右短期賃貸借の解除請求とともにする場合であつてもできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年6月5日 昭和61(オ)1454
登載
民集 第43巻6号355頁
参照法条
民法395条,民法602条,民法605条
論点40第605条民法

抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間不動産を用益した者が賃借権の時効取得を当該不動産の競売又は公売による買受人に対抗することの可否

裁判要旨不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,当該不動産を継続的に用益したとしても,競売又は公売により当該不動産を買い受けた者に対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年1月21日 平成21(受)729
登載
集民 第236号27頁
参照法条
民法163条,民法601条,民法605条,民事執行法59条1項,民事執行法59条2項,国税徴収法124条1項
論点41第619条民法

砂利採取契約に基づき砂利採取者が差し入れた保証金が、採取者の契約上の一切の債務の担保であり、その返還請求権は契約終了後土地明渡完了の時に被担保債権を控除した残額について発生するとされた事例

裁判要旨土地賃借人と砂利採取者との間の砂利採取契約において、採取者が賃借人に差し入れた保証金につき、採取者が契約に違反したときはその返還請求権が消滅する旨の約定があるなど原判示の事実関係のもとにおいては、保証金は、契約終了後採取者の土地明渡義務履行までに生ずる賃料相当損害金その他採取者の賃借人に対する一切の債務を担保するものであり、保証金返還請求権は、契約終了後土地明渡完了の時において、それまでに生じた右被担保債権を控除し、なお残額があるときに、その残額につき発生するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和55年7月4日 昭和54(オ)90
登載
集民 第130号77頁
参照法条
民法619条2項
論点42第619条民法

土地賃借権の移転と敷金に関する敷金交付者の権利義務関係の承継の有無

裁判要旨土地賃借権が賃貸人の承諾を得て旧賃借人から新賃借人に移転された場・合であつても、敷金に関する敷金交付者の権利義務関係は、敷金交付者において賃貸人との間で敷金をもつて新賃借人の債務の担保とすることを約し又は新賃借人に対して敷金返還請求権を譲渡するなど特段の事情のない限り、新賃借人に承継されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和53年12月22日 昭和52(オ)844
登載
民集 第32巻9号1768頁
参照法条
民法612条,民法619条2項
論点43第619条民法

賃借家屋明渡債務と敷金返還債務との間の同時履行関係の有無

裁判要旨家屋の賃貸借終了に伴う賃借人の家屋明渡債務と賃貸人の敷金返還債務とは、特別の約定のないかぎり、同時履行の関係に立たない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和49年9月2日 昭和48(オ)30
登載
民集 第28巻6号1152頁
参照法条
民法533条,民法619条2項
論点44第619条民法

一、敷金返還請求権の発生時期とその額
二、長期にわたる賃料不払と催告不要の特約に基づく賃貸借契約解除

裁判要旨一、建物賃貸借における敷金は、賃貸借終了後、建物明渡完了の時において、それまでに生じた延滞賃料や賃料相当損害金などを控除した残額につき発生する。
二、建物の賃借人が一〇年以上にわたり全く賃料を支払わない場合に、賃貸人が賃貸借契約上の催告不要の特約に基づき無催告で右契約を解除することは、あながち不合理ではなく、その解除は有効である。(昭和四二年(オ)第一一〇四号同四三年一一月二一日第一小法廷判決・民集二二巻一二号二七四一頁参照)。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年3月22日 昭和44(オ)781
登載
集民 第108号479頁
参照法条
民法541条,民法619条
論点45第619条民法

一、敷金の被担保債権の範囲および敷金返還請求権の発生時期
二、家屋の賃貸借終了後におけるその所有権の移転と敷金の承継の成否
三、賃貸借終了後家屋明渡前における敷金返還請求権と転付命令

裁判要旨一、家屋賃貸借における敷金は、賃貸借終了後家屋明渡義務履行までに生ずる賃料相当額の損害金債権その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得する一切の債権を担保するものであり、敷金返還請求権は、賃貸借終了後家屋明渡完了の時においてそれまでに生じた右被担保債権を控除しなお残額がある場合に、その残額につき具体的に発生するものと解すべきである。
二、家屋の賃貸借終了後明渡前にその所有権が他に移転された場合には、敷金に関する権利義務の関係は、旧所有者と新所有者との合意のみによつては、新所有者に承継されない。
三、家屋の賃貸借終了後であつても、その明渡前においては、敷金返還請求権を転付命令の対象とすることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年2月2日 昭和46(オ)357
登載
民集 第27巻1号80頁
参照法条
民法619条,民訴法601条
論点46第619条民法

建物賃貸借の法定更新と解約の申入れ

裁判要旨期間の定めある賃貸借が借家法二条にもとづき更新されたときは、期間の定めのない賃貸借となり、賃貸人は、その後正当の事由があるかぎり、いつでも解約の申入れをすることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年2月27日 昭和47(オ)920
登載
集民 第108号247頁
参照法条
借家法2条,民法619条
論点47第619条民法

建物の賃借人から敷金がさしいれられている場合と賃料延滞を理由とする契約解除

裁判要旨建物の賃借人から賃貸人に対し敷金がさしいれられている場合においても、特段の事情のないかぎり、賃借人が賃料を延滞したときは、これを理由に賃貸人は賃貸借契約を解除することができ、右差入敷金額が一六万円、延滞賃料が二〇万円で、差引をした場合には賃料の延滞分が一か月分にもみたないとしても、右契約解除が信義則に反し権利濫用となるものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年9月18日 昭和45(オ)433
登載
集民 第100号453頁
参照法条
民法619条
論点48第619条民法

賃貸建物の所有権移転と敷金の承継

裁判要旨建物賃貸借契約において、該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があつた場合には、旧賃貸人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務があればこれに当然充当され、残額についてその権利義務関係が新賃貸人に承継される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年7月17日 昭和43(オ)483
登載
民集 第23巻8号1610頁
参照法条
民法619条,借家法1条1項
論点49第619条民法

民法第三九五条〈抵当建物使用者の引渡しの猶予〉により競落物件の賃貸人たる地位を承継した競落人が敷金に関する法律関係を承継しなかつたことの立証責任。

裁判要旨民法第三九五条〈抵当建物使用者の引渡しの猶予〉により競落物件の賃貸人たる地位を承継した競落人が敷金に関する法律関係を当然に承継しなかつたことの立証責任は、競落人の側において負担する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年11月17日 昭和38(オ)826
登載
集民 第76号157頁
参照法条
民法395条,民法619条2項
論点50第619条民法

期間の定めのある建物賃貸借契約の更新と保証人の責任

裁判要旨期間の定めのある建物の賃貸借においで、賃借人のために保証人が賃貸人と保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がされたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成9年11月13日 平成6(オ)1883
登載
集民 第186号105頁
参照法条
民法446条,民法619条2項,借地借家法26条
論点51第619条民法

消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例

裁判要旨消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は,保証金から控除されるいわゆる敷引金の額が賃料月額の3.5倍程度にとどまっており,上記敷引金の額が近傍同種の建物に係る賃貸借契約に付された敷引特約における敷引金の相場に比して大幅に高額であることはうかがわれないなど判示の事実関係の下では,消費者契約法10条により無効であるということはできない。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年7月12日 平成22(受)676
登載
集民 第237号215頁
参照法条
消費者契約法10条,民法619条2項
論点52第619条民法

1 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効となる場合
2 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例

裁判要旨1 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は,信義則に反して賃借人の利益を一方的に害するものであると直ちにいうことはできないが,賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる損耗や経年により自然に生ずる損耗の補修費用として通常想定される額,賃料の額,礼金等他の一時金の授受の有無及びその額等に照らし,敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものであるときは,当該賃料が近傍同種の建物の賃料相場に比して大幅に低額であるなど特段の事情のない限り,信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものであって,消費者契約法10条により無効となる。
2 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は,賃貸借契約締結から明渡しまでの経過期間に応じて18万円ないし34万円のいわゆる敷引金を保証金から控除するというもので,上記敷引金の額が賃料月額の2倍弱ないし3.5倍強にとどまっていること,賃借人が,上記賃貸借契約が更新される場合に1か月分の賃料相当額の更新料の支払義務を負うほかには,礼金等の一時金を支払う義務を負っていないことなど判示の事実関係の下では,上記敷引金の額が高額に過ぎると評価することはできず,消費者契約法10条により無効であるということはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成23年3月24日 平成21(受)1679
登載
民集 第65巻2号903頁
参照法条
(1,2につき)消費者契約法10条,民法619条2項
論点53第619条民法

破産管財人が破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除した際に破産宣告後の未払賃料等に敷金を充当する旨の合意をして上記賃料等の現実の支払を免れたことにより敷金返還請求権の質権者に対し不当利得返還義務を負う場合において破産管財人が悪意の受益者であるとはいえないとされた事例

裁判要旨破産管財人が,破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除するに際して破産宣告後の未払賃料等に敷金を充当する旨の合意をし,上記賃料等の現実の支払を免れたことにより,敷金返還請求権の質権者に対し不当利得返還義務を負う場合において,法律上の原因の有無が,破産債権者のために破産財団の減少を防ぐという破産管財人の職務上の義務と質権設定者が質権者に対して負う目的債権の担保価値を維持すべき義務との関係をどのように解するかによって結論の異なり得る問題であって,この点について論ずる学説や判例も乏しかったことや,破産管財人が上記合意をするにつき破産裁判所の許可を得ているという事情の下では,破産管財人を悪意の受益者であるということはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成18年12月21日 平成17(オ)184
登載
集民 第222号643頁
参照法条
民法362条,民法619条2項,民法703条,民法704条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条7号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条8号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)49条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)50条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)95条,破産法65条,破産法148条1項7号,破産法148条1項8号,破産法151条
論点54第619条民法

1 破産管財人が破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除した際に賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に敷金を充当する旨の合意をして質権の設定された敷金返還請求権の発生を阻害したことが質権設定者の質権者に対する目的債権の担保価値を維持すべき義務に違反するとされた事例
2 破産管財人が破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除した際に賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に敷金を充当する旨の合意をして質権の設定された敷金返還請求権の発生を阻害しても質権者に対して善管注意義務違反の責任を負うとはいえないとされた事例
3 破産管財人が破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除した際に賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に敷金を充当する旨の合意をして上記賃料等の現実の支払を免れた場合において破産管財人は敷金返還請求権の質権者に対して不当利得返還義務を負うとされた事例

裁判要旨1 破産管財人が,破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除するに際し,賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に破産者が差し入れていた敷金を充当する旨の合意をし,質権の設定された敷金返還請求権の発生を阻害したことは,当時破産財団に上記賃料等を支払うのに十分な銀行預金が存在しており,これを現実に支払うことに支障がなかったなど判示の事情の下では,質権設定者の質権者に対する目的債権の担保価値を維持すべき義務に違反する。
2 破産管財人が,破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除するに際して賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に破産者が差し入れていた敷金を充当する旨の合意をし,質権の設定された敷金返還請求権の発生を阻害したことが,質権設定者の質権者に対する目的債権の担保価値を維持すべき義務に違反する場合であっても,その義務違反の有無が,破産債権者のために破産財団の減少を防ぐという破産管財人の職務上の義務と質権設定者が質権者に対して負う上記義務との関係をどのように解するかによって結論の異なり得る問題であって,この点について論ずる学説や判例も乏しかったことや,破産管財人が上記合意をするにつき破産裁判所の許可を得ているという事情の下では,破産管財人は,質権者に対し,善管注意義務違反の責任を負うということはできない。
3 破産管財人が,破産者の締結していた建物賃貸借契約を合意解除するに際し,賃貸人との間で破産宣告後の未払賃料等に破産者が差し入れていた敷金を充当する旨の合意をし,上記賃料等の現実の支払を免れた場合において,当時破産財団には上記賃料等を支払うのに十分な銀行預金が存在しており,これを現実に支払うことに支障がなかったなど判示の事情の下では,破産管財人は,敷金返還請求権の質権者に対し,敷金返還請求権の発生が阻害されたことにより優先弁済を受けることができなくなった金額につき不当利得返還義務を負う。
(2につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成18年12月21日 平成17(受)276
登載
民集 第60巻10号3964頁
参照法条
(1〜3につき)民法362条,民法619条2項,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条7号,8号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)49条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)50条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)95条,破産法65条1項,破産法148条1項7号,8号,破産法151条
論点55第619条民法

賃料債権に対する抵当権者の物上代位による差押えと当該債権への敷金の充当

裁判要旨敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において,当該賃貸借契約が終了し,目的物が明け渡されたときは,賃料債権は,敷金の充当によりその限度で消滅する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成14年3月28日 平成12(受)836
登載
民集 第56巻3号689頁
参照法条
民法304条1項,民法372条,民法511条,民法619条2項,民事執行法193条
論点56第619条民法

借地借家法20条1項後段の付随的裁判として敷金を差し入れるべき旨を定めその交付を命ずることの可否

裁判要旨裁判所は,借地借家法20条に基づく許可の裁判をする場合において,同条1項後段の付随的裁判として,相当な額の敷金を差し入れるべき旨を定め,その交付を命ずることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成13年11月21日 平成13(許)20
登載
民集 第55巻6号1014頁
参照法条
借地借家法20条1項,民法619条2項
論点57第619条民法

賃貸建物の新旧所有者が賃貸人の地位を旧所有者に留保する旨を合意した場合における賃貸人の地位の帰すう

裁判要旨自己の所有建物を他に賃貸して引き渡した者が右建物の所有権を第三者に移転した場合に、新旧所有者間において賃貸人の地位を旧所有者に留保する旨を合意したとしても、これをもって直ちに賃貸人の地位の新所有者への移転を妨げるべき特段の事情があるものということはできない。
(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年3月25日 平成7(オ)1705
登載
集民 第192号607頁
参照法条
借家法1条,民法619条2項
論点58第619条民法

建物賃貸借契約継続中に賃借人が賃貸人に対し敷金返還請求権の存在確認を求める訴えにつき確認の利益があるとされた事例

裁判要旨建物賃貸借契約継続中に賃借人が賃貸人に対し敷金返還請求権の存在確認を求める訴えは、その内容が右賃貸借契約終了後建物の明渡しがされた時においてそれまでに生じた敷金の被担保債権を控除しなお残額があることを条件とする権利の確認を求めるものであり、賃貸人が賃借人の敷金交付の事実を争って敷金返還義務を負わないと主張しているときは、確認の利益がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年1月21日 平成7(オ)1445
登載
民集 第53巻1号1頁
参照法条
民訴法134条,民法619条2項
論点59第619条民法

災害により居住用の賃借家屋が滅失して賃貸借契約が終了した場合におけるいわゆる敷引特約の適用の可否

裁判要旨居住用の家屋の賃貸借における敷金につき、賃貸借契約終了時にそのうちの一定金額又は一定割合の金員を返還しない旨のいわゆる敷引特約がされた場合であっても、災害により家屋が滅失して賃貸借契約が終了したときは、特段の事情がない限り、右特約を適用することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成10年9月3日 平成9(オ)1446
登載
民集 第52巻6号1467頁
参照法条
民法619条2項
原

条文原文

原文ママ

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民法 第1036条(使用貸借及び賃貸借の規定の準用) 詳細ページ
(使用貸借及び賃貸借の規定の準用)
第千三十六条第五百九十七条第一項及び第三項、第六百条、第六百十三条並びに第六百十六条の二の規定は、配偶者居住権について準用する。
民法 第387条(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力) 詳細ページ
(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力)
第三百八十七条登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
2抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。
民法 第618条(期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保) 詳細ページ
(期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保)
第六百十八条当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する。
民法 第593_2条(借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除) 詳細ページ
(借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除)
第五百九十三条の二貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。
民法 第616_2条(賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了) 詳細ページ
(賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了)
第六百十六条の二賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する。
民法 第617条(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ) 詳細ページ
(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)
第六百十七条当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一土地の賃貸借一年
二建物の賃貸借三箇月
三動産及び貸席の賃貸借一日
2収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならない。
民法 第597条(期間満了等による使用貸借の終了) 詳細ページ
(期間満了等による使用貸借の終了)
第五百九十七条当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する。
2当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。
3使用貸借は、借主の死亡によって終了する。
民法 第692条(終身定期金契約の解除と同時履行) 詳細ページ
(終身定期金契約の解除と同時履行)
第六百九十二条第五百三十三条の規定は、前条の場合について準用する。
民法 第693条(終身定期金債権の存続の宣告) 詳細ページ
(終身定期金債権の存続の宣告)
第六百九十三条終身定期金債務者の責めに帰すべき事由によって第六百八十九条に規定する死亡が生じたときは、裁判所は、終身定期金債権者又はその相続人の請求により、終身定期金債権が相当の期間存続することを宣告することができる。
2前項の規定は、第六百九十一条の権利の行使を妨げない。
民法 第273条(賃貸借に関する規定の準用) 詳細ページ
(賃貸借に関する規定の準用)
第二百七十三条永小作人の義務については、この章の規定及び設定行為で定めるもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。
民法 第1041条(使用貸借等の規定の準用) 詳細ページ
(使用貸借等の規定の準用)
第千四十一条第五百九十七条第三項、第六百条、第六百十六条の二、第千三十二条第二項、第千三十三条及び第千三十四条の規定は、配偶者短期居住権について準用する。
民法 第587_2条(書面でする消費貸借等) 詳細ページ
(書面でする消費貸借等)
第五百八十七条の二前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
2書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。
3書面でする消費貸借は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。
4消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。
民法 第605条(不動産賃貸借の対抗力) 詳細ページ
(不動産賃貸借の対抗力)
第六百五条不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
民法 第619条(賃貸借の更新の推定等) 詳細ページ
(賃貸借の更新の推定等)
第六百十九条賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第六百十七条の規定により解約の申入れをすることができる。
2従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金については、この限りでない。
出

一次情報

原文ママ

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