民法 / テーマ別まとめ

債権の消滅/更改

更改の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

更改とは、既存の債務に代えて新たな債務を発生させる契約をすることで、元の債務を消滅させる制度です。給付内容を重要に変更する場合だけでなく、債務者や債権者を第三者に交替させる場合も更改にあたり、それぞれ契約を結ぶ当事者や効力の発生時期・対抗要件が異なります。担保が付いていた債務を更改するときは、一定の要件のもとで新しい債務にその担保を引き継ぐこともできます。

更改(債務者・債権者の交替)
類型契約の当事者効力発生・対抗要件求償権など
債務者の交替(514条)債権者と新債務者旧債務者への通知時に効力発生新債務者は旧債務者に求償不可
債権者の交替(515条)旧債権者・新債権者・債務者確定日付ある証書なしに対抗不可―
  • 給付内容の重要な変更による更改も、契約により従前の債務を消滅させる(513条1号)
  • 担保を移せるのは、更改前の債務の目的の限度内に限られる(518条1項)
  • 第三者が設定した質権・抵当権を移すには、その第三者の承諾が必要(518条1項ただし書)
  • 担保移転の意思表示は、更改の前または同時に、相手方に対して行う必要がある(518条2項)
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更改

更改について、条文は何を定めているか。

第513条更改更改で新債務を発生させ旧債務を消滅させる1項・3号判例 3件
  • 給付内容を重要に変える契約でも更改になる
  • 債務者を第三者に交替させる契約でも更改になる
  • 債権者を第三者に交替させる契約でも更改になる
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第514条債務者の交替による更改債権者と新債務者の契約で債務者を交替できる2項判例 1件
  • 契約は債権者と新債務者の間で成立する
  • 効力発生は、旧債務者への通知の時
  • 新債務者は旧債務者に求償できない
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第515条債権者の交替による更改旧債権者・新債権者・債務者の契約で成立2項判例なし
  • 旧債権者・新債権者・債務者の三者契約で更改する
  • 第三者対抗には確定日付のある証書が必要
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第518条更改後の債務への担保の移転旧債務の担保を新債務に移すことができる2項判例なし
  • 質権・抵当権を、旧債務の範囲内で新債務に移せる
  • 第三者が設定した担保は、その承諾が必要
  • 移転の意思表示は、更改の前または同時に相手方へ行う
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第513条民法

認可された更生計画において債務の一部免除及び弁済期の猶予が定められ複数の更生債権について一括して免除額等が表示されている場合と更改の成否

裁判要旨認可された更生計画において、更生債権についてその一部の免除及びその残額につき弁済期の猶予が定められ、特定の債権者の届け出た複数の更生債権について一括して債権額、免除額及び分割弁済額が表示されていても、右更生計画は、特段の事情のない限り、債務の要素を変更する更改にあたらず、右届出にかかる複数の更生債権は消滅しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年1月25日 昭和55(オ)435
登載
集民 第138号51頁
参照法条
会社更生法211条1項,会社更生法212条1項,会社更生法242条1項,民法513条1項
論点2第513条民法

約束手形の交付により既存債務を消滅させる合意の成立を認めることが経験則に違反するとされた事例

裁判要旨既存債務のため手形を交付する場合、右手形の交付は弁済の方法としてなされたものと推認すべく、現実の弁済を得た事実の認められない以上は、特段の事情のない限り、既存の債務を終了せしめる効果を伴うものではない。原審の確定した事実関係(判決理由参照)の下では、原判決認定の合意(本件手形の交付により、上告人に対する被上告人の本件約定債務を終了させる旨の合意)の成立を認めるに足る特段の事情があるとは解せられない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年11月24日 昭和38(オ)912
登載
集民 第85号269頁
参照法条
民法493条,民法482条,民法513条
論点3第513条民法

準消費貸借と更改。

裁判要旨貸金を目的とする準消費貸借契約がなされた場合に、利息弁済期の変更、新保証人、新担保の設定があつたからといつて直ちにこれを更改であるといわねばならない理はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年1月22日 昭和36(オ)857
登載
集民 第64号107頁
参照法条
民法513条,民法588条
論点4第514条民法

免責的債務引受契約の成立と第三者の設定した質権の移転の有無

裁判要旨免責的債務引受契約が債権者と引受人間の契約によつて成立したときは、第三者の設定した質権は特段の事情のないかぎり消滅し、引受人に移転することはない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年3月18日 昭和44(オ)1226
登載
集民 第102号273頁
参照法条
民法514条,民法3編1章4節(債務引受)
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第513条(更改) 詳細ページ
(更改)
第五百十三条当事者が従前の債務に代えて、新たな債務であって次に掲げるものを発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によって消滅する。
一従前の給付の内容について重要な変更をするもの
二従前の債務者が第三者と交替するもの
三従前の債権者が第三者と交替するもの
民法 第514条(債務者の交替による更改) 詳細ページ
(債務者の交替による更改)
第五百十四条債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。この場合において、更改は、債権者が更改前の債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。
2債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない。
民法 第515条(債権者の交替による更改) 詳細ページ
(債権者の交替による更改)
第五百十五条債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができる。
2債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。
民法 第518条(更改後の債務への担保の移転) 詳細ページ
(更改後の債務への担保の移転)
第五百十八条債権者(債権者の交替による更改にあっては、更改前の債権者)は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。ただし、第三者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。
2前項の質権又は抵当権の移転は、あらかじめ又は同時に更改の相手方(債権者の交替による更改にあっては、債務者)に対してする意思表示によってしなければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。