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債権の効力/債権者代位権

債権者代位権の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

債権者代位権は、債権者が自己の債権を保全するために、債務者が持つ権利を代わりに行使できる制度です。行使できる要件や範囲、相手方との関係、債務者自身の処分権限、訴訟告知の義務、登記等の請求権を保全するための特則までを整理しています。

債権者代位権
場面内容
行使の基本要件自己の債権を保全する必要があるとき
行使できない場合期限前(保存行為除く)・強制執行不可の債権
対象外の権利一身専属権・差押禁止権利
行使できる範囲可分なら自己の債権額の限度
給付の受領方法金銭・動産は自己への支払を請求可
相手方の防御債務者への抗弁を債権者にも対抗可
債務者の権限代位行使中も自ら取立て・処分可
訴え提起時の義務遅滞なく債務者に訴訟告知
登記等保全型の代位権譲受人が譲渡人の登記請求権を行使可
  • 保存行為は債権の期限が到来していなくても行使できる
  • 強制執行により実現できない債権は代位行使できない
  • 相手方が債権者に支払・引渡しをすると被代位権利は消滅する
  • 登記等を保全するための代位権には、抗弁・処分権限・訴訟告知の規定が準用される
1

債権者代位権

債権者代位権について、条文は何を定めているか。

第423条債権者代位権の要件自分の債権を守るため代位行使できる3項判例 23件
  • 自己の債権を保全する必要があるときに行使できる
  • 一身専属権・差押禁止権利は対象外、期限前は保存行為のみ可
  • 強制執行で実現できない債権は行使できない
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第423_2条代位行使の範囲可分な権利は自分の債権額まで行使1項判例なし
  • 被代位権利が可分なときは自己の債権額の限度でのみ行使できる
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第423_3条債権者への支払又は引渡し金銭・動産は自分への支払を求められる1項判例なし
  • 金銭の支払や動産の引渡しは相手方に自分への給付を求められる
  • 相手方が債権者に支払・引渡しをすれば被代位権利は消滅する
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第423_4条相手方の抗弁相手方は債務者への抗弁を主張できる1項判例なし
  • 相手方は債務者に対して主張できる抗弁を債権者にも対抗できる
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第423_5条債務者の取立てその他の処分の権限等債務者は代位行使中も自分で処分できる1項判例なし
  • 代位行使されても債務者は自ら取立て・処分ができる
  • 相手方も債務者への履行を妨げられない
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第423_6条被代位権利の行使に係る訴えを提起した場合の訴訟告知訴えを起こしたら債務者に訴訟告知が必要1項判例なし
  • 被代位権利の行使に係る訴えを提起したら遅滞なく債務者に訴訟告知しなければならない
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第423_7条登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権登記請求権を守るための代位権もある1項判例なし
  • 登記・登録がないと対抗できない財産を譲り受けた人は、譲渡人の登記請求権を行使できる
  • 抗弁・処分権限・訴訟告知の規定も同様に適用される
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第423条民法

一 名誉侵害を理由とする慰藉料請求権と行使上の一身専属性の喪失事由
二 名誉侵害を理由とする破産者の慰藉料請求権が破産終結決定後に行使上の一身専属性を失つた場合と破産法二八三条一項後段の適用の有無

裁判要旨一 名誉侵害を理由とする慰藉料請求権は、加害者が被害者に対し一定額の慰藉料を支払うことを内容とする合意若しくはかかる支払を命ずる債務名義が成立したなどその具体的な金額が当事者間において客観的に確定したとき又は被害者が死亡したときは、行使上の一身専属性を失う。
二 名誉侵害を理由とする破産者の慰藉料請求権が破産終結決定後に行使上の一身専属性を失つた場合には、破産法二八三条一項後段の適用はない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年10月6日 昭和54(オ)719
登載
民集 第37巻8号1041頁
参照法条
民法423条,民法710条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)570条1項,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)618条1項,破産法(昭和54年法律第5号による改正前のもの)6条3項,破産法(昭和54年法律第5号による改正前のもの)283条1項後段
論点2第423条民法

交通事故の被害者が加害者に対する損害賠償請求訴訟と併合して保険会社に対し加害者に代位して提起した自動車保険普通保険約款に基づく保険金請求訴訟の許否

裁判要旨自動車保険普通保険約款に、加害者の保険会社に対する保険金請求権は、加害者と被害者との間で損害賠償額が確定したときに発生し、これを行使することができる旨の規定があつても、被害者が加害者に対する損害賠償請求と保険会社に対し加害者に代位してする保険金請求とを併合して訴求している場合には、右保険金請求訴訟は、将来の給付の訴えとして許される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年9月28日 昭和55(オ)188
登載
民集 第36巻8号1652頁
参照法条
民法423条,商法629条,民訴法226条
論点3第423条民法

借地法一〇条の規定による建物買取請求権と右建物の賃借人による代位行使の許否

裁判要旨建物賃借人は、その賃借権を保全するために、建物賃貸人に代位して、土地賃貸人に対する建物買取請求権を行使することは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年10月28日 昭和55(オ)301
登載
集民 第131号49頁
参照法条
民法423条,借地法10条
論点4第423条民法

一 債権者代位訴訟の原告である債権者が被告である第三債務者の提出した抗弁に対し自己独自の事情に基づく再抗弁を提出することの可否
二 主位的請求を棄却し予備的請求を認容した控訴審判決に対し第一審被告のみが上告した場合と上告審における調査・判断の範囲

裁判要旨一 債権者が債権者代位権に基づきその債務者に属する債権を行使する訴訟において、被告である第三債務者が提出した抗弁に対し、原告の提出することのできる再抗弁事由は債務者自身が主張することのできるものに限られ、原告独自の事情に基づく再抗弁を提出することはできない。
二 主位的請求を棄却し予備的請求を認容した控訴審判決に対し、第一審被告のみが上告し、第一審原告は上告も附帯上告もしない場合には、主位的請求に対する原審の判断の適否は上告審の調査の対象とならず、第一審被告の上告に理由があるときは、上告審は、原判決中予備的請求に関する部分のみを破棄すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和54年3月16日 昭和51(オ)49
登載
民集 第33巻2号270頁
参照法条
民法423条,民訴法385条,民訴法396条,民訴法402条,民訴法405条
論点5第423条民法

土地の売主の共同相続人がその相続した代金債権を保全するため買主に代位して他の共同相続人に対し所有権移転登記手続を請求することの許否

裁判要旨買主に対する土地所有権移転登記手続義務を相続した共同相続人の一部の者が右義務の履行を拒絶しているため、買主が相続人全員による登記手続義務の履行の提供があるまで代金全額について弁済を拒絶する旨の同時履行の抗弁権を行使している場合には、他の相続人は、自己の相続した代金債権を保全するため、右買主が無資力でなくても、これに代位して、登記手続義務の履行を拒絶している相続人に対し買主の所有権移転登記手続請求権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年3月6日 昭和48(オ)369
登載
民集 第29巻3号203頁
参照法条
民法423条1項,民法533条
論点6第423条民法

交通事故による損害賠償債権を有する者が債権者代位権により債務者の有する自動車対人賠償責任保険の保険金請求権を行使するための要件

裁判要旨交通事故による損害賠償債権を有する者がその債権を保全するため民法四二三条一項本文により債務者の有する自動車対人賠償責任保険の保険金請求権を行使するには、債務者の資力が債権を弁済するについて十分でないことを要する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和49年11月29日 昭和47(オ)1279
登載
民集 第28巻8号1670頁
参照法条
民法423条1項
論点7第423条民法

一、債権者代位訴訟に債権者が当事参加して第三債務者に対し提起した同一の重複訴訟
二、債権者代位訴訟に債務者が当事者参加して第三債務者に対し提起した同一の訴についての債務者の訴訟追行権

裁判要旨一、債権者甲が債務者乙に代位して第三債務者丙に対し提起した訴訟に、乙が、民訴法七一条により参加して、丙に対し甲の丙に対する訴と訴訟物を同じくする訴を提起することは、重複起訴の禁止にはふれない。
二、債権者甲が債務者乙に代位して第三債務者丙に対し提起した訴訟に、乙が、民訴法七一条により参加して、丙に対し甲の丙に対する訴と訴訟物を同じくする訴を提起した場合において、甲に代位原因がないときは、乙は丙に対する訴につき訴訟追行権を失わない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年4月24日 昭和47(オ)908
登載
民集 第27巻3号596頁
参照法条
民訴法45条,民訴法71条,民訴法201条2項,民訴法231条,民法423条1項
論点8第423条民法

同一金銭債権につき債権者代位権に基づく給付の訴の提起後に国税滞納処分に基づく取立の訴が提起された場合における両訴の関係

裁判要旨債権者が、債務者に属する金銭債権につき、債務者に代位して、第三債務者に対しその支払を求める訴を提起した後に、国が、右債務者に対する国税の滞納処分として同一債権を差し押え、第三債務者に対しその支払を求める訴を提起しても、債権者の代位権行使の権限が失われるものではなく、裁判所は、右二個の請求を併合して審理し、これをともに認容することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年6月2日 昭和44(オ)626
登載
民集 第24巻6号447頁
参照法条
民法423条,民訴法231条,民訴法598条,国税徴収法8条,国税徴収法67条
論点9第423条民法

要素の錯誤による意思表示の無効を第三者が主張することが許される場合

裁判要旨第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、表意者みずからは該意思表示の無効を主張する意思がなくても、右第三者は、右意思表示の無効を主張して、その結果生ずる表意者の債権を代位行使することが許される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年3月26日 昭和43(オ)27
登載
民集 第24巻3号151頁
参照法条
民法95条,民法423条
論点10第423条民法

土地賃借人は賃借権の保全を理由として賃貸人の第三者に対する右土地の所有権移転登記請求権を代位行使することができるか

裁判要旨土地賃借人は、賃貸人との間で賃借権について登記をする旨の特約がないかぎり、賃貸人の第三者に対する所有権移転登記請求権を代位行使する資格を有しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年12月18日 昭和45(オ)667
登載
集民 第101号793頁
参照法条
民法423条
論点11第423条民法

賃借権に基づいて賃貸人に代位し賃借不動産に関する所有権取得登記の抹消を求め得るか

裁判要旨不動産の賃借人は、賃借権に基づいて、賃貸人に代位し、賃借不動産について権原なく所有権取得登記を有する第三者に対し、賃貸人の物上請求権を代位行使し、その登記の抹消手続を求めることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年12月15日 昭和45(オ)597
登載
集民 第101号741頁
参照法条
民法423条
論点12第423条民法

金銭債権について債権者代位権を行使しうる範囲

裁判要旨債権者が債務者に対する金銭債権に基づいて債務者の第三債務者に対して有する金銭債権を代位行使する場合においては、債権者は自己の債権額の範囲においてのみ債務者の債権を行使しうると解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年6月24日 昭和41(オ)981
登載
民集 第23巻7号1079頁
参照法条
民法423条
論点13第423条民法

債務者に代位して債務者の権利を主張する訴を提起した債権者が右権利を譲り受けたうえ従前の訴を右権利を自己の権利として主張する訴に変更する手続をとつた場合と従前の訴の提起に基づく右権利の消滅時効中断の効果

裁判要旨債務者に代位して債務者の権利を主張する訴を提起した債権者が、その訴訟の係属中に債務者から右権利を譲り受けたうえ、従前の訴を右権利を自己の権利として主張する訴に変更する手続をとつた場合においても、訴訟物自体には変更がないから、従前の訴の取下の効果は発生せず、その訴の提起に基づく右権利の消滅時効中断の効果も消滅しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年2月14日 昭和43(オ)552
登載
集民 第94号311頁
参照法条
民法147条,民法149条,民法423条,民訴法232条,民訴法235条,民訴法237条
論点14第423条民法

一、物上保証人は被担保債権の消滅時効を援用することができるか
二、債権者はその債務者に代位して他の債権者に対する債務の消滅時効を援用することができるか

裁判要旨一、他人の債務のために自己の所有物件に抵当権を設定した者は、右債務の消滅時効を援用することができる。
二、債権者は、自己の債権を保全するに必要な限度で、債務者に代位して、他の債権者に対する債務の消滅時効を援用することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年9月26日 昭和41(オ)77
登載
民集 第22巻9号2002頁
参照法条
民法145条,民法372条,民法351条,民法423条
論点15第423条民法

債権者代位権による建物収去土地明渡請求権の行使方法

裁判要旨土地の賃借人は賃借権を保全するため賃貸人たる土地所有者に代位して土地の不法占拠者に対し建物収去及び土地明渡を請求することができ、かつその場合、直接自己に対し右収去明渡をなすべきことを請求することができるものと解するのが相当である。(参照、昭和二九年九月二四日第二小法廷判決集八巻九号一六五八頁)。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年3月28日 昭和42(オ)1469
登載
集民 第90号831頁
参照法条
民法423条
論点16第423条民法

債権者代位権行使の場合の対抗問題

裁判要旨甲が乙に対する債権者として、乙の丙に対する所有権に基づく土地明渡請求権を代位行使する場合にあつては、当該土地の所有権の帰属につき甲丙間に対抗問題を生ずることはない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年5月26日 昭和40(オ)1270
登載
集民 第87号839頁
参照法条
民法177条,民法423条
論点17第423条民法

一 土地貸借人が該地上の建物に設定した抵当権の効力は当該土地の賃借権に及ぶか。
二 地上建物に抵当権を設定した土地賃借人は抵当建物の競落人に対し地主に代位して当該土地の明渡を請求できるか。

裁判要旨一 土地賃借人が該土地上に所有する建物について抵当権を設定した場合には、原則として、右抵当権の効力は当該土地の賃借権に及び、右建物の競落人と賃借人との関係においては、右建物の所有権とともに土地の賃借権も競落人に移転するものと解するのが相当である。
二 前項の場合には、賃借人は、賃貸人において右賃借権の移転を承諾しないときであつても、競落人に対し、土地所有者たる賃貸人に代位して右土地の明渡を請求することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年5月4日 昭和39(オ)1033
登載
民集 第19巻4号811頁
参照法条
民法370条,民法87条2項,民法423条,民法612条
論点18第423条民法

一 裁判上の和解に基づく抹消登記が滞納処分の差押の効力に抵触し、国の代位によつて回復登記ができるとされた事例
二 債権者代位権行使後に債務者としても訴を提起できるか

裁判要旨一 裁判上の和解が滞納処分の差押に抵触する場合、右和解調書正本に基づいてなされた所有権取得登記の抹消登記に対し、国は所有権を代位行使して右回復登記を求める権利を有する。
二 債権者が債権者代位の訴を提起した代位権を行使した後は、債務者は代位の目的となつた権利について訴を提起できない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和37年2月15日 昭和35(オ)706
登載
集民 第58号645頁
参照法条
国税徴収法(昭和34年改正前)10条,民訴法203条,民法423条,不動産登記法67条
論点19第423条民法

一 推定相続人は被相続人がなした仮装売買について無効確認を求め得るか
二 推定相続人は被相続人の権利を代位行使し得るか

裁判要旨一 たとえ被相続人が所有財産を他に仮装売買したとしても、単にその推定相続人であるというだけでは、右売買の無効(売買契約より生じた法律関係の不存在)の確認を求めることはできない。
二 単に推定相続人であるというだけでは、被相続人の権利を代位行使することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年12月26日 昭和27(オ)683
登載
民集 第9巻14号2082頁
参照法条
民法882条,民法423条,民訴法225条
論点20第423条民法

民法三九五条〈抵当建物使用者の引渡しの猶予〉ただし書の規定により解除された短期賃貸借ないしこれを基礎とする転貸借に基づき抵当不動産を占有する者に対する抵当権者の明渡請求の可否

裁判要旨抵当権者は、民法三九五条〈抵当建物使用者の引渡しの猶予〉ただし書の規定により解除された短期賃貸借ないしこれを基礎とする転貸借に基づき抵当不動産を占有する者に対し、抵当権に基づく妨害排除請求として又は抵当権設定者の所有物返還請求権の代位行使として、その明渡しを求めることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成3年3月22日 平成1(オ)1209
登載
民集 第45巻3号268頁
参照法条
民法369条,民法395条,民法423条
論点21第423条民法

遺留分減殺請求権を債権者代位の目的とすることの可否

裁判要旨遺留分減殺請求権は,遺留分権利者が,これを第三者に譲渡するなど,権利行使の確定的意思を有することを外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除き,債権者代位の目的とすることができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成13年11月22日 平成10(オ)989
登載
民集 第55巻6号1033頁
参照法条
民法423条1項,民法1031条
論点22第423条民法

一 抵当権者が抵当不動産の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使することの可否
二 抵当権者が権利の目的である建物の所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使して直接抵当権者に建物を明け渡すよう求めることができるとされた事例

裁判要旨一 第三者が抵当不動産を不法占有することにより、競売手続の進行が害され適正な価額よりも売却価額が下落するおそれがあるなど、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権者は、抵当不動産の所有者に対して有する右状態を是正し抵当不動産を適切に維持又は保存するよう求める請求権を保全するため、所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使することができる。
二 建物を目的とする抵当権を有する者がその実行としての競売を申し立てたが、第三者が建物を権原なく占有していたことにより、買受けを希望する者が買受け申出をちゅうちょしたために入札がなく、その後競売手続は進行しなくなって、建物の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となる状態が生じているなど判示の事情の下においては、抵当権者は、建物の所有者に対して有する右状態を是正するよう求める請求権を保全するため、所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使し、所有者のために建物を管理することを目的として、不法占有者に対し、直接抵当権者に建物を明け渡すよう求めることができる。
(一、二につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 平成11年11月24日 平成8(オ)1697
登載
民集 第53巻8号1899頁
参照法条
民法369条,民法423条
論点23第423条民法

1 株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡の譲渡当事者間における効力
2 株券発行会社の株式の譲受人が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項〈債権者代位権の要件〉本文により譲渡人の株券発行会社に対する株券発行請求権を代位行使することの可否

裁判要旨1 株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡は、譲渡当事者間においては、当該株式に係る株券の交付がないことをもってその効力が否定されることはない。
2 株券発行会社の株式の譲受人は、譲渡人に対する株券交付請求権を保全する必要があるときは、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項〈債権者代位権の要件〉本文により、譲渡人の株券発行会社に対する株券発行請求権を代位行使することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和6年4月19日 令和4(受)1266
登載
民集 第78巻2号267頁
参照法条
(1、2につき)会社法128条 (2につき)民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文
原

条文原文

原文ママ

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民法 第423条(債権者代位権の要件) 詳細ページ
(債権者代位権の要件)
第四百二十三条債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
2債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
3債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。
民法 第423_2条(代位行使の範囲) 詳細ページ
(代位行使の範囲)
第四百二十三条の二債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利の目的が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができる。
民法 第423_3条(債権者への支払又は引渡し) 詳細ページ
(債権者への支払又は引渡し)
第四百二十三条の三債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が金銭の支払又は動産の引渡しを目的とするものであるときは、相手方に対し、その支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる。この場合において、相手方が債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、被代位権利は、これによって消滅する。
民法 第423_4条(相手方の抗弁) 詳細ページ
(相手方の抗弁)
第四百二十三条の四債権者が被代位権利を行使したときは、相手方は、債務者に対して主張することができる抗弁をもって、債権者に対抗することができる。
民法 第423_5条(債務者の取立てその他の処分の権限等) 詳細ページ
(債務者の取立てその他の処分の権限等)
第四百二十三条の五債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない。この場合においては、相手方も、被代位権利について、債務者に対して履行をすることを妨げられない。
民法 第423_6条(被代位権利の行使に係る訴えを提起した場合の訴訟告知) 詳細ページ
(被代位権利の行使に係る訴えを提起した場合の訴訟告知)
第四百二十三条の六債権者は、被代位権利の行使に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、訴訟告知をしなければならない。
民法 第423_7条(登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権) 詳細ページ
(登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権)
第四百二十三条の七登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産を譲り受けた者は、その譲渡人が第三者に対して有する登記手続又は登録手続をすべきことを請求する権利を行使しないときは、その権利を行使することができる。この場合においては、前三条の規定を準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。