民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第92条任意規定と異なる慣習

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原文整理テーマ別まとめ
法律行為/総則ステップ 1 / 1 総則総則について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合が対象となる。
  • 法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められることが要件となる。
  • この二つの要件を満たすときは、その慣習に従う。

第92条の要件

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要件内容
対象となる規定法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合
当事者の意思法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるとき
効果その慣習に従う

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法就業規則の改正無効確認請求
位置づけ
最高裁大法廷 / 民集登載
事件番号
昭和40(オ)145
裁判
最高裁判所大法廷 昭和43年12月25日 棄却
登載
民集 第22巻13号3459頁
参照法条
労働基準法89条,労働基準法93条,民法92条
判示事項
一、労働者に不利益な労働条件を一方的に課する就業規則の作成または変更の許否 二、五五歳停年制をあらたに定めた就業規則の改正が有効とされた事例 三、就業規則の法的性質
裁判要旨一、使用者が、あらたな就業規則の作成または変更によつて、労働者の既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないが、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒むことは許されないと解すべきである。
二、従来停年制のなかつた主任以上の職にある被用者に対して、使用者会社がその就業規則であらたに五五歳の停年制を定めた場合において、同会社の般職種の被用者の停年が五〇歳と定められており、また、右改正にかかる規則条項において、被解雇者に対する再雇用の特則が設けられ、同条項を一律に適用することによつて生ずる苛酷な結果を緩和する途が講ぜられている等判示の事情があるときは、右改正条項は、同条項の改正後ただちにその適用によつて解雇されることに上なる被用者に対しても、その同意の有無にかかわらず、効力を有するものと解すべきである。
三、就業規則は、当該事業場内での社会的規範であるだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものであるかぎり、法的規範としての性質を認められるに至つているものと解すべきである。
民法保険金請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和41(オ)16
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年4月25日 棄却
登載
民集 第23巻4号882頁
参照法条
商法629条,商法641条,民法92条
判示事項
酩酊運転の場合保険会社は旧自動車保険普通保険約款により損害の填補を免責されるか
裁判要旨保険契約者の被用者である運転手が、酒に酔つて正常な運転ができないのに自動車を運転して事故を起こした場合には、それによつて生じた損害につき、保険会社は、旧自動車保険普通保険約款第三条一号但書の規定にかかわらず、同約款四条四号により填補の責を免れると解すべきである。
民法手数料請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和40(オ)228
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年8月20日 破棄差戻
登載
民集 第22巻8号1677頁
参照法条
民法92条,民訴法185条,宅地建物取引業法(昭和39年法律第286号による改正前のもの)17条1項,愛知県宅地建物取引業者の報酬額に関する規則(昭和27年愛知県規則第59号)2条
判示事項
宅地建物取引業者の受ける報酬額についの慣習の認定に審理不尽・理由不備の違法があるとされた事例
裁判要旨宅地建物取引業者が売買の媒介を行なう場合に受ける報酬について、愛知県宅地建物取引業者の報酬額に関する規則(昭和二七年愛知県規則第五九号)の定める最高額により授受される慣習が存在するとするためには、これを相当として首肯するに足りる合理的根拠を必要とし、原判決挙示の証拠のみによつてたやすくこれを認定したのは、審理不尽・理由不備の違法がある。

実務注記

原文解釈
  1. 対象は「公の秩序に関しない規定」に限られる条文上、慣習が優先し得るのは法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合に限られる。
  2. 当事者の慣習による意思の存在が必要法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときに限り、慣習に従うこととされている。
  3. 効果は「その慣習に従う」こと要件を満たす場合の効果は、条文上「その慣習に従う」と定められている。

条文原文

原文ママ
民法 第92条(任意規定と異なる慣習)
(任意規定と異なる慣習)
第九十二条法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。

一次情報