民法 / テーマ別まとめ

所有権/管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令

管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

所有者による土地・建物の管理が不適当なために他人の権利や法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合に、裁判所が利害関係人の請求により管理人を選任し、その土地・建物の管理を命じる制度です。管理不全土地管理命令と管理不全建物管理命令は要件や手続の基本構造が共通していますが、建物については敷地の利用権にも効力が及ぶ点、また土地管理人に関する権限・義務・解任辞任・報酬等の規定が建物管理人にそのまま準用される点が異なります。

管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令
項目管理不全土地管理命令管理不全建物管理命令
対象土地建物
要件管理が不適当で権利侵害のおそれ管理が不適当で権利侵害のおそれ
請求権者利害関係人利害関係人
管理人の選任必須必須
効力が及ぶ動産所有者等の動産に限る所有者等の動産に限る
敷地利用権への効力及ばない賃借権等(所有権除く)に及ぶ
  • 管理人の権限行使のうち保存行為・性質を変えない利用改良行為を超える行為には裁判所の許可が必要
  • 裁判所の許可がなくても善意無過失の第三者には対抗できない
  • 土地(建物)の処分について許可を得るには所有者の同意が必要
  • 建物管理命令には民法264条の10から264条の13までの規定(管理人の権限・義務・解任辞任・報酬)が準用される
  • 管理に必要な費用及び報酬は管理不全土地等・管理不全建物等の所有者が負担する
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管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令

管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令について、条文は何を定めているか。

第264_9条管理不全土地管理命令3項判例なし
第264_10条管理不全土地管理人の権限保存・利用改良行為は可、それ超えは許可要3項・2号判例なし
  • 保存行為、性質を変えない利用・改良行為は許可不要
  • それを超える行為(処分等)には裁判所の許可が必要
  • 土地の処分の許可には所有者の同意が必要
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第264_11条管理不全土地管理人の義務所有者のために善管注意で権限を行使する義務2項判例なし
  • 善良な管理者の注意をもって権限を行使する義務がある
  • 共有の場合は共有者全員のため誠実・公平に行動する義務がある
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第264_12条管理不全土地管理人の解任及び辞任任務違反等で解任、正当事由で辞任できる2項判例なし
  • 任務違反で著しい損害等があれば裁判所が解任できる
  • 利害関係人の請求により解任手続を行う
  • 正当事由があれば裁判所の許可を得て辞任できる
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第264_13条管理不全土地管理人の報酬等費用の前払い・報酬は所有者負担2項判例なし
  • 裁判所が定める額の費用前払い・報酬を受けられる
  • 管理に必要な費用・報酬は土地等の所有者が負担する
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第264_14条管理不全建物管理命令建物版の管理不全管理命令、敷地利用権にも効力4項判例なし
  • 建物管理が不適当で権利侵害のおそれがあれば利害関係人が請求可
  • 効力は建物内の動産に加え、敷地の賃借権等(所有権除く)にも及ぶ
  • 264条の10〈管理不全土地管理人の権限〉から264条の13〈管理不全土地管理人の報酬等〉までの規定を準用する
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第264_9条(管理不全土地管理命令) 詳細ページ
(管理不全土地管理命令)
第二百六十四条の九裁判所は、所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該土地を対象として、管理不全土地管理人(第三項に規定する管理不全土地管理人をいう。以下同じ。)による管理を命ずる処分(以下「管理不全土地管理命令」という。)をすることができる。
2管理不全土地管理命令の効力は、当該管理不全土地管理命令の対象とされた土地にある動産(当該管理不全土地管理命令の対象とされた土地の所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)に及ぶ。
3裁判所は、管理不全土地管理命令をする場合には、当該管理不全土地管理命令において、管理不全土地管理人を選任しなければならない。
民法 第264_10条(管理不全土地管理人の権限) 詳細ページ
(管理不全土地管理人の権限)
第二百六十四条の十管理不全土地管理人は、管理不全土地管理命令の対象とされた土地及び管理不全土地管理命令の効力が及ぶ動産並びにその管理、処分その他の事由により管理不全土地管理人が得た財産(以下「管理不全土地等」という。)の管理及び処分をする権限を有する。
2管理不全土地管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。ただし、この許可がないことをもって善意でかつ過失がない第三者に対抗することはできない。
一保存行為
二管理不全土地等の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
3管理不全土地管理命令の対象とされた土地の処分についての前項の許可をするには、その所有者の同意がなければならない。
民法 第264_11条(管理不全土地管理人の義務) 詳細ページ
(管理不全土地管理人の義務)
第二百六十四条の十一管理不全土地管理人は、管理不全土地等の所有者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。
2管理不全土地等が数人の共有に属する場合には、管理不全土地管理人は、その共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。
民法 第264_12条(管理不全土地管理人の解任及び辞任) 詳細ページ
(管理不全土地管理人の解任及び辞任)
第二百六十四条の十二管理不全土地管理人がその任務に違反して管理不全土地等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、管理不全土地管理人を解任することができる。
2管理不全土地管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。
民法 第264_13条(管理不全土地管理人の報酬等) 詳細ページ
(管理不全土地管理人の報酬等)
第二百六十四条の十三管理不全土地管理人は、管理不全土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。
2管理不全土地管理人による管理不全土地等の管理に必要な費用及び報酬は、管理不全土地等の所有者の負担とする。
民法 第264_14条(管理不全建物管理命令) 詳細ページ
(管理不全建物管理命令)
第二百六十四条の十四裁判所は、所有者による建物の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該建物を対象として、管理不全建物管理人(第三項に規定する管理不全建物管理人をいう。第四項において同じ。)による管理を命ずる処分(以下この条において「管理不全建物管理命令」という。)をすることができる。
2管理不全建物管理命令は、当該管理不全建物管理命令の対象とされた建物にある動産(当該管理不全建物管理命令の対象とされた建物の所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)及び当該建物を所有するための建物の敷地に関する権利(賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(所有権を除く。)であって、当該管理不全建物管理命令の対象とされた建物の所有者又はその共有持分を有する者が有するものに限る。)に及ぶ。
3裁判所は、管理不全建物管理命令をする場合には、当該管理不全建物管理命令において、管理不全建物管理人を選任しなければならない。
4第二百六十四条の十から前条までの規定は、管理不全建物管理命令及び管理不全建物管理人について準用する。
出

一次情報

原文ママ

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