著作権法 / テーマ別まとめ

著作隣接権/権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録

権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

著作隣接権についても、著作物の私的複製・引用等の制限規定や、著作権の譲渡・行使等、登録に関する規定の多くが準用されます。第百二条は実演・レコード・放送・有線放送の利用に関する制限を、第百二条の二は実演家人格権への不影響を、第百三条は譲渡・許諾等の準用を、第百四条は登録の準用を定めています。実務担当者は、著作物と同様の制限・手続が実演等にも及ぶ点を踏まえて権利処理を行う必要があります。

権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録
区分内容対象根拠条文
著作物の制限規定の準用私的複製・引用等を準用実演・レコード・放送・有線放送第102条1項
出所明示慣行があれば明示が必要複製する実演等第102条2項
教科書用録音物録音された実演等も複製可教科書に掲載の著作物録音第102条3項
視覚障害者等向け利用複製・送信可能化・譲渡提供可福祉事業者(政令で定める者)第102条4項
放送の同時配信地域限定の同時配信が可能放送される実演第102条5項
同時配信の補償金相当な額の補償金を支払う実演の権利者第102条6項
レコードへの準用5項6項と同様の扱いレコード第102条7項
有線放送・拡大伝達等受信して有線放送・公の伝達可著作物の放送・有線放送第102条8項
目的外利用侵害とみなす(みなし侵害)制限規定で作った複製物第102条9項
実演家人格権制限規定は人格権に影響しない実演家人格権第102条の2
譲渡・行使等著作権の規定を準用著作隣接権の譲渡・許諾等第103条
登録著作隣接権登録原簿に登録著作隣接権の得喪・変更等第104条
  • 第102条9項各号は目的外利用によるみなし侵害の細かい要件を定める
  • 第102条5項ただし書:第九十九条の二第一項の権利を害する場合は同時配信不可
  • 第102条の2は第7項・第8項を除く制限規定について人格権への不影響を定める
  • 出所明示義務は複製の態様に応じ合理的と認められる方法・程度に限られる(第102条2項)
  • 第103条には第六十三条第六項・第六十八条第二項の読み替えが伴う
  • 第104条は第七十八条第三項を除いて準用し、原簿名を著作隣接権登録原簿と読み替える
1

権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録

権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録について、条文は何を定めているか。

第102条著作隣接権の制限著作権の制限規定を隣接権にも準用する9項・5号判例なし
  • 私的複製・引用等の制限規定を実演・レコード・放送等に準用
  • 出所明示の慣行があれば方法・程度に応じて明示が必要
  • 目的外に複製物を使うと利用行為自体が侵害とみなされる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第102_2条実演家人格権との関係制限規定は実演家人格権に影響しない1項判例なし
  • 第七項・第八項を除き、著作隣接権の制限規定は人格権に及ばない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第103条著作隣接権の譲渡、行使等著作権の譲渡・許諾等の規定を隣接権に準用1項判例なし
  • 譲渡・消滅・許諾・共有・質権設定は著作権の規定を準用
  • 権利者と連絡不能な場合の利用ルールも準用される
  • 協議が整わない場合の利用ルールも同様に準用される
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第104条著作隣接権の登録著作隣接権も登録できる1項判例なし
  • 登録に関する規定を準用し、著作隣接権登録原簿に記録
  • 第七十八条〈登録手続等〉は第三項を除いて準用される
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

著作権法 第102条(著作隣接権の制限) 詳細ページ
(著作隣接権の制限)
第百二条第三十条第一項(第四号を除く。第九項第一号において同じ。)、第三十条の二から第三十二条まで、第三十五条、第三十六条、第三十七条第三項、第三十七条の二(第一号を除く。次項において同じ。)、第三十八条第二項及び第四項、第四十一条から第四十三条まで、第四十四条(第二項を除く。)、第四十六条から第四十七条の二まで、第四十七条の四並びに第四十七条の五の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード、放送又は有線放送の利用について準用し、第三十条第三項及び第四十七条の七の規定は、著作隣接権の目的となつている実演又はレコードの利用について準用し、第三十三条から第三十三条の三までの規定は、著作隣接権の目的となつている放送又は有線放送の利用について準用し、第四十四条第二項の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード又は有線放送の利用について準用する。この場合において、第三十条第一項第三号中「自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信」とあるのは「送信可能化(国外で行われる送信可能化」と、「含む。)」とあるのは「含む。)に係る自動公衆送信」と、第四十四条第一項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条第一項、第九十二条の二第一項、第九十六条の二、第九十九条第一項又は第百条の三」と、同条第二項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条第一項、第九十二条の二第一項、第九十六条の二又は第百条の三」と、同条第三項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条の二第一項又は第九十六条の二」と読み替えるものとする。
2前項において準用する第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項若しくは第四十七条の規定又は次項若しくは第四項の規定により実演若しくはレコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像(以下「実演等」と総称する。)を複製する場合において、その出所を明示する慣行があるときは、これらの複製の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、その出所を明示しなければならない。
3第三十三条の三第一項の規定により教科用図書に掲載された著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演又は当該録音物に係るレコードを複製し、又は同項に定める目的のためにその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。
4視覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で第三十七条第三項の政令で定めるものは、同項の規定により視覚著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演又は当該録音物に係るレコードについて、複製し、又は同項に定める目的のために、送信可能化を行い、若しくはその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。
5著作隣接権の目的となつている実演であつて放送されるものは、地域限定特定入力型自動公衆送信を行うことができる。ただし、当該放送に係る第九十九条の二第一項に規定する権利を有する者の権利を害することとなる場合は、この限りでない。
6前項の規定により実演の送信可能化を行う者は、第一項において準用する第三十八条第二項の規定の適用がある場合を除き、当該実演に係る第九十二条の二第一項に規定する権利を有する者に相当な額の補償金を支払わなければならない。
7前二項の規定は、著作隣接権の目的となつているレコードの利用について準用する。この場合において、前項中「第九十二条の二第一項」とあるのは、「第九十六条の二」と読み替えるものとする。
8第三十九条第一項又は第四十条第一項若しくは第二項の規定により著作物を放送し、又は有線放送することができる場合には、その著作物の放送若しくは有線放送について、これを受信して有線放送し、若しくは影像を拡大する特別の装置を用いて公に伝達し、又はその著作物の放送について、地域限定特定入力型自動公衆送信を行うことができる。
9次に掲げる者は、第九十一条第一項、第九十六条、第九十八条又は第百条の二の録音、録画又は複製を行つたものとみなす。
一第一項において準用する第三十条第一項、第三十条の三、第三十一条第一項第一号、第二項第一号、第四項、第七項第一号若しくは第九項第一号、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項若しくは第四項、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二第二号、第四十一条、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項、第四十二条の三、第四十二条の四、第四十三条第二項、第四十四条第一項から第三項まで、第四十七条第一項若しくは第三項、第四十七条の二又は第四十七条の五第一項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該実演、当該レコードに係る音若しくは当該放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の公衆への提示を行つた者
二第一項において準用する第三十条の四の規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて、当該実演等を自ら享受し又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該実演等を利用した者
三第一項において準用する第四十四条第四項の規定に違反して同項の録音物又は録画物を保存した放送事業者、有線放送事業者又は放送同時配信等事業者
四第一項において準用する第四十七条の四又は第四十七条の五第二項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該実演等を利用した者
五第三十三条の三第一項又は第三十七条第三項に定める目的以外の目的のために、第三項若しくは第四項の規定の適用を受けて作成された実演若しくはレコードの複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該実演若しくは当該レコードに係る音の公衆への提示を行つた者
著作権法 第102_2条(実演家人格権との関係) 詳細ページ
(実演家人格権との関係)
第百二条の二前条の著作隣接権の制限に関する規定(同条第七項及び第八項の規定を除く。)は、実演家人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない。
著作権法 第103条(著作隣接権の譲渡、行使等) 詳細ページ
(著作隣接権の譲渡、行使等)
第百三条第六十一条第一項の規定は著作隣接権の譲渡について、第六十二条第一項の規定は著作隣接権の消滅について、第六十三条及び第六十三条の二の規定は実演、レコード、放送又は有線放送の利用の許諾について、第六十五条の規定は著作隣接権が共有に係る場合について、第六十六条の規定は著作隣接権を目的として質権が設定されている場合について、第六十七条(第一項第二号を除く。)、第六十七条の二(第一項ただし書を除く。)、第七十条、第七十一条(第二号に係る部分に限る。)、第七十二条、第七十三条並びに第七十四条第三項及び第四項の規定は著作隣接権者と連絡することができない場合における実演、レコード、放送又は有線放送の利用について、第六十七条の三(第一項第二号を除く。)、第七十条、第七十一条(第二号に係る部分に限る。)、第七十二条、第七十三条並びに第七十四条第三項及び第四項の規定は実演、レコード、放送又は有線放送の利用の可否に係る著作隣接権者の意思の確認ができない場合におけるこれらの利用について、第六十八条(第一項第二号を除く。)、第七十条、第七十一条(第二号に係る部分に限る。)、第七十二条、第七十三条本文及び第七十四条の規定は著作隣接権者に協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができない場合における実演、レコード、放送又は有線放送の利用について、第七十一条(第一号に係る部分に限る。)及び第七十四条の規定は第百二条第一項において準用する第三十三条から第三十三条の三までの規定による放送又は有線放送の利用について、それぞれ準用する。この場合において、第六十三条第六項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条の二第一項、第九十六条の二、第九十九条の二第一項又は第百条の四」と、第六十八条第二項中「第三十八条第二項及び第三項」とあるのは「第百二条第一項において準用する第三十八条第二項」と読み替えるものとする。
著作権法 第104条(著作隣接権の登録) 詳細ページ
(著作隣接権の登録)
第百四条第七十七条及び第七十八条(第三項を除く。)の規定は、著作隣接権に関する登録について準用する。この場合において、同条第一項、第二項、第四項、第八項及び第九項中「著作権登録原簿」とあるのは、「著作隣接権登録原簿」と読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。