著作権法 / テーマ別まとめ

著作権等の制限による利用に係る補償金/授業目的公衆送信補償金

授業目的公衆送信補償金の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

授業目的公衆送信補償金は、学校等の教育機関が授業目的で著作物等を公衆送信する際に権利者へ支払う補償金で、権利行使は文化庁長官が指定する団体(指定管理団体)を通じてのみ行われます。補償金の額や分配の仕組み、団体の運営には文化庁長官の認可・届出・監督が及びます。

授業目的公衆送信補償金
項目内容根拠条文
権利行使の方法指定管理団体のみ行使104条の11
指定団体の要件一般社団法人など104条の12
補償金額の決定指定団体が定め長官認可104条の13
額決定前の手続教育機関設置者団体の意見聴取104条の13
分配規程執行規程を定め長官へ届出104条の14
保護事業への支出政令で定める額を支出104条の15
監督報告徴収・勧告104条の16
  • 指定管理団体は全国を通じて一個に限り指定される
  • 額の認可審査では自動公衆送信の送信可能化を含む通常の使用料等を考慮する
  • 額の認可には文化審議会への諮問が必要
  • 分配規程は第35条第2項の規定の趣旨を考慮して定める
  • 支出額の算出基準(政令)の制定・改正にも文化審議会への諮問が必要
  • 指定・認可・届出・監督のいずれも文化庁長官が窓口となる
1

授業目的公衆送信補償金

授業目的公衆送信補償金について、条文は何を定めているか。

第104_11条授業目的公衆送信補償金を受ける権利の行使権利は指定管理団体のみが行使2項判例なし
  • 全国で一個だけ指定される団体が窓口になる
  • 権利者は個別に請求できず団体を通じて行使する
  • 団体は権利者のため裁判上・裁判外の行為もできる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第104_12条指定の基準指定団体になるための要件1項・4号判例なし
  • 一般社団法人であることが必要
  • 著作権・実演・レコード等の権利者団体で構成する
  • 非営利・自由な加入脱退・議決権平等が条件
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第104_13条授業目的公衆送信補償金の額補償金額は長官の認可が必要5項判例なし
  • 指定団体が額を定め長官の認可を受ける(変更も同様)
  • 認可前に教育機関設置者団体の意見を聴く
  • 通常の使用料等を考慮した適正額かを審査される
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第104_14条補償金関係業務の執行に関する規程分配規程を定めて長官に届出2項判例なし
  • 補償金関係業務を始める前に執行規程を定める
  • 規程には分配に関する事項を含める
  • 分配は35条2項〈学校その他の教育機関における複製等〉の趣旨を考慮して定める
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第104_15条著作権等の保護に関する事業等のための支出補償金の一部を保護事業に支出3項判例なし
  • 利用状況等を勘案し政令で定める額を支出する
  • 著作権等の保護や著作物創作の振興普及に使う
  • 長官は業務の適正運営のため監督命令ができる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第104_16条報告の徴収等長官が報告徴収や勧告を行える1項判例なし
  • 業務の適正な運営確保のため報告をさせられる
  • 帳簿・書類等の資料提出も求められる
  • 執行方法の改善のため勧告できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第104_17条政令への委任細目は政令に委任される1項判例なし
  • 指定管理団体や補償金関係業務の細目は政令で定める
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

著作権法 第104_11条(授業目的公衆送信補償金を受ける権利の行使) 詳細ページ
(授業目的公衆送信補償金を受ける権利の行使)
第百四条の十一第三十五条第二項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第百四条の十三第二項及び第百四条の十四第二項において同じ。)の補償金(以下この節において「授業目的公衆送信補償金」という。)を受ける権利は、授業目的公衆送信補償金を受ける権利を有する者(次項及び次条第四号において「権利者」という。)のためにその権利を行使することを目的とする団体であつて、全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該指定を受けた団体(以下この節において「指定管理団体」という。)によつてのみ行使することができる。
2指定管理団体は、権利者のために自己の名をもつて授業目的公衆送信補償金を受ける権利に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
著作権法 第104_12条(指定の基準) 詳細ページ
(指定の基準)
第百四条の十二文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ前条第一項の規定による指定をしてはならない。
一一般社団法人であること。
二次に掲げる団体を構成員とすること。
イ第三十五条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。次条第四項において同じ。)の公衆送信(第三十五条第三項の公衆送信に該当するものを除く。以下この節において「授業目的公衆送信」という。)に係る著作物に関し第二十三条第一項に規定する権利を有する者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係る著作物に関し同項に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの
ロ授業目的公衆送信に係る実演に関し第九十二条第一項及び第九十二条の二第一項に規定する権利を有する者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係る実演に関しこれらの規定に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの
ハ授業目的公衆送信に係るレコードに関し第九十六条の二に規定する権利を有する者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係るレコードに関し同条に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの
ニ授業目的公衆送信に係る放送に関し第九十九条第一項及び第九十九条の二第一項に規定する権利を有する者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係る放送に関しこれらの規定に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの
ホ授業目的公衆送信に係る有線放送に関し第百条の三及び第百条の四に規定する権利を有する者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係る有線放送に関しこれらの規定に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの
三前号イからホまでに掲げる団体がそれぞれ次に掲げる要件を備えるものであること。
イ営利を目的としないこと。
ロその構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。
ハその構成員の議決権及び選挙権が平等であること。
四権利者のために授業目的公衆送信補償金を受ける権利を行使する業務(第百四条の十五第一項の事業に係る業務を含む。以下この節において「補償金関係業務」という。)を的確に遂行するに足りる能力を有すること。
著作権法 第104_13条(授業目的公衆送信補償金の額) 詳細ページ
(授業目的公衆送信補償金の額)
第百四条の十三第百四条の十一第一項の規定により指定管理団体が授業目的公衆送信補償金を受ける権利を行使する場合には、指定管理団体は、授業目的公衆送信補償金の額を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2前項の認可があつたときは、授業目的公衆送信補償金の額は、第三十五条第二項の規定にかかわらず、その認可を受けた額とする。
3指定管理団体は、第一項の認可の申請に際し、あらかじめ、授業目的公衆送信が行われる第三十五条第一項の教育機関を設置する者の団体で同項の教育機関を設置する者の意見を代表すると認められるものの意見を聴かなければならない。
4文化庁長官は、第一項の認可の申請に係る授業目的公衆送信補償金の額が、第三十五条第一項の規定の趣旨、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)に係る通常の使用料の額その他の事情を考慮した適正な額であると認めるときでなければ、その認可をしてはならない。
5文化庁長官は、第一項の認可をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
著作権法 第104_14条(補償金関係業務の執行に関する規程) 詳細ページ
(補償金関係業務の執行に関する規程)
第百四条の十四指定管理団体は、補償金関係業務を開始しようとするときは、補償金関係業務の執行に関する規程を定め、文化庁長官に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2前項の規程には、授業目的公衆送信補償金の分配に関する事項を含むものとし、指定管理団体は、第三十五条第二項の規定の趣旨を考慮して当該分配に関する事項を定めなければならない。
著作権法 第104_15条(著作権等の保護に関する事業等のための支出) 詳細ページ
(著作権等の保護に関する事業等のための支出)
第百四条の十五指定管理団体は、授業目的公衆送信補償金の総額のうち、授業目的公衆送信による著作物等の利用状況、授業目的公衆送信補償金の分配に係る事務に要する費用その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算出した額に相当する額を、著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物の創作の振興及び普及に資する事業のために支出しなければならない。
2文化庁長官は、前項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
3文化庁長官は、第一項の事業に係る業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
著作権法 第104_16条(報告の徴収等) 詳細ページ
(報告の徴収等)
第百四条の十六文化庁長官は、指定管理団体の補償金関係業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、補償金関係業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類その他の資料の提出を求め、又は補償金関係業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。
著作権法 第104_17条(政令への委任) 詳細ページ
(政令への委任)
第百四条の十七この節に規定するもののほか、指定管理団体及び補償金関係業務に関し必要な事項は、政令で定める。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。