著作権法 / テーマ別まとめ

著作隣接権/レコード製作者の権利

レコード製作者の権利の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

著作権法は、レコード製作者(音を最初にレコードに固定した者)に、複製権・送信可能化権・譲渡権・貸与権等というレコードそのものを専有的に利用できる権利を認めています。あわせて、商業用レコードが放送・有線放送・同時配信等で利用された場合には、権利者が個別に許諾するのではなく、補償金・二次使用料・報酬という形で対価を受け取る仕組みが定められています。専有権(複製・送信可能化・譲渡・貸与)と対価請求権(補償金・二次使用料・報酬)とでは、権利の及ぶ範囲や行使の方法(指定団体を通じた一括行使など)が異なる点に注意が必要です。

レコード製作者の権利
権利対象行為権利の内容主な例外
複製権レコードの複製複製を専有―
送信可能化権レコードの送信可能化送信可能化を専有―
放送同時配信等商業用レコードの同時配信等許諾不要・補償金支払い管理・情報公表済みは対象外
二次使用料放送・有線放送での利用二次使用料の支払い非営利無料の同時有線放送は除く
譲渡権複製物の公衆への譲渡譲渡を専有適法な譲渡後は及ばない
貸与権等商業用レコードの貸与専有(期間経過後は報酬)期間経過後は権利及ばず報酬のみ
  • 放送同時配信等の対象外となるのは、権利について著作権等管理事業者の管理下にあるか、文化庁長官が定める方法で権利者情報等が公表されている商業用レコードである
  • 二次使用料の対象は第八条第一号から第四号に掲げるレコードで、著作隣接権の存続期間内のものに限られる
  • 譲渡権が及ばない複製物には、裁定を受けて譲渡されたものや国外での適法な譲渡物なども含まれる
  • 期間経過商業用レコードの貸与では貸与権自体は及ばないが、貸レコード業者には相当な報酬の支払い義務がある
  • 補償金・二次使用料・報酬(貸与)を受ける権利は、いずれも文化庁長官が指定する団体によってのみ行使できる仕組みが共通する
  • 貸与についての使用料を受ける権利は、二次使用料に関する指定団体によっても行使できる
1

レコード製作者の権利

レコード製作者の権利について、条文は何を定めているか。

第96条複製権レコードの複製を専有できる1項判例なし
  • レコード製作者はそのレコードを複製する権利を専有する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第96_2条送信可能化権レコードの送信可能化を専有できる1項判例なし
  • レコード製作者はそのレコードを送信可能化する権利を専有する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第96_3条商業用レコードの放送同時配信等一定の商業用レコードは許諾不要で同時配信可4項判例なし
  • 管理事業者の管理下や情報公表済みでない商業用レコードは許諾なく放送同時配信等に使える
  • 利用した場合は通常の使用料相当額の補償金を支払う義務がある
  • 補償金を受ける権利は文化庁長官指定の団体のみが行使できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第97条商業用レコードの二次使用放送等での二次使用に二次使用料が発生4項判例なし
  • 商業用レコードを使った放送・有線放送には二次使用料の支払いが必要
  • 非営利かつ無料の同時有線放送(受信して同時放送)は対象外
  • 二次使用料を受ける権利は文化庁長官指定の団体のみが行使できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第97_2条譲渡権複製物の譲渡による公衆提供を専有2項・5号判例なし
  • レコードの複製物を譲渡して公衆に提供する権利を専有する
  • 権利者やその許諾を得た者が公衆に譲渡した後の複製物には及ばない
  • 裁定に基づく譲渡や国外での適法な譲渡等にも及ばない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第97_3条貸与権等貸与権は期間経過後、報酬請求に切替わる7項判例なし
  • レコード製作者は商業用レコードの貸与により公衆に提供する権利を専有する
  • 期間経過商業用レコードの貸与にはこの権利は及ばない
  • 貸レコード業者は著作隣接権の存続期間内なら相当な報酬を支払う
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

著作権法 第96条(複製権) 詳細ページ
(複製権)
第九十六条レコード製作者は、そのレコードを複製する権利を専有する。
著作権法 第96_2条(送信可能化権) 詳細ページ
(送信可能化権)
第九十六条の二レコード製作者は、そのレコードを送信可能化する権利を専有する。
著作権法 第96_3条(商業用レコードの放送同時配信等) 詳細ページ
(商業用レコードの放送同時配信等)
第九十六条の三放送事業者、有線放送事業者又は放送同時配信等事業者は、商業用レコード(当該商業用レコードに係る前条に規定する権利(放送同時配信等に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)について著作権等管理事業者による管理が行われているもの又は文化庁長官が定める方法により当該商業用レコードに係る同条に規定する権利を有する者の氏名若しくは名称、放送同時配信等の許諾の申込みを受け付けるための連絡先その他の円滑な許諾のために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているものを除く。次項において同じ。)を用いて放送同時配信等を行うことができる。
2前項の場合において、商業用レコードを用いて放送同時配信等を行つたときは、放送事業者、有線放送事業者又は放送同時配信等事業者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を当該商業用レコードに係る前条に規定する権利を有する者に支払わなければならない。
3前項の補償金を受ける権利は、著作権等管理事業者であつて全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該著作権等管理事業者によつてのみ行使することができる。
4第九十三条の三第四項の規定は前項の規定による指定について、同条第五項から第十三項までの規定は第二項の補償金及び前項の規定による指定を受けた著作権等管理事業者について、それぞれ準用する。この場合において、同条第四項第四号中「第二項の報酬」とあるのは「第九十六条の三第二項の補償金」と、同条第七項及び第十項中「放送事業者」とあるのは「放送事業者、有線放送事業者」と読み替えるものとする。
著作権法 第97条(商業用レコードの二次使用) 詳細ページ
(商業用レコードの二次使用)
第九十七条放送事業者等は、商業用レコードを用いた放送又は有線放送を行つた場合(営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、レコードに係る音の提示につき受ける対価をいう。)を受けずに、当該放送を受信して同時に有線放送を行つた場合を除く。)には、そのレコード(第八条第一号から第四号までに掲げるレコードで著作隣接権の存続期間内のものに限る。)に係るレコード製作者に二次使用料を支払わなければならない。
2第九十五条第二項及び第四項の規定は、前項に規定するレコード製作者について準用し、同条第三項の規定は、前項の規定により保護を受ける期間について準用する。この場合において、同条第二項から第四項までの規定中「国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演に係る実演家」とあるのは「国民であるレコード製作者」と、同条第三項中「実演家が保護を受ける期間」とあるのは「レコード製作者が保護を受ける期間」と読み替えるものとする。
3第一項の二次使用料を受ける権利は、国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によつてのみ行使することができる。
4第九十五条第六項から第十四項までの規定は、第一項の二次使用料及び前項の団体について準用する。
著作権法 第97_2条(譲渡権) 詳細ページ
(譲渡権)
第九十七条の二レコード製作者は、そのレコードをその複製物の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
2前項の規定は、レコードの複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
一前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡されたレコードの複製物
二第百三条において準用する第六十七条第一項又は第六十七条の三第一項の規定による裁定を受けて公衆に譲渡されたレコードの複製物
三第百三条において準用する第六十七条の二第一項の規定の適用を受けて公衆に譲渡されたレコードの複製物
四前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡されたレコードの複製物
五国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡されたレコードの複製物
著作権法 第97_3条(貸与権等) 詳細ページ
(貸与権等)
第九十七条の三レコード製作者は、そのレコードをそれが複製されている商業用レコードの貸与により公衆に提供する権利を専有する。
2前項の規定は、期間経過商業用レコードの貸与による場合には、適用しない。
3貸レコード業者は、期間経過商業用レコードの貸与によりレコードを公衆に提供した場合には、当該レコード(著作隣接権の存続期間内のものに限る。)に係るレコード製作者に相当な額の報酬を支払わなければならない。
4第九十七条第三項の規定は、前項の報酬を受ける権利の行使について準用する。
5第九十五条第六項から第十四項までの規定は、第三項の報酬及び前項において準用する第九十七条第三項に規定する団体について準用する。この場合においては、第九十五条の三第四項後段の規定を準用する。
6第一項に規定する権利を有する者の許諾に係る使用料を受ける権利は、第四項において準用する第九十七条第三項の団体によつて行使することができる。
7第五項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第五項中「第九十五条第六項」とあるのは、「第九十五条第七項」と読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。