著作権法 / テーマ別まとめ

総則/適用範囲

適用範囲の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

著作権法第6条から第9条の2は、著作物・実演・レコード・放送・有線放送のそれぞれについて、どのようなものが日本の著作権法による保護を受けるかを定めています。日本国民や国内での発生を基準に保護される場合と、条約に基づいて外国のものも保護される場合とに分かれます。実務では、対象物が国内・国外いずれで生じたか、関係国が該当条約の締約国かどうかを確認する必要があります。

適用範囲
対象国内要素があれば保護条約による保護
著作物日本国民・国内で最初に発行あり(該当条約等)
実演国内で行われる実演などあり(実演家等保護条約等)
レコード日本国民が製作・音を国内で最初固定あり(実演家等保護条約等)
放送日本国民の放送事業者・国内の放送設備あり(実演家等保護条約等)
有線放送日本国民の有線放送事業者・国内の設備なし(条文に規定なし)
  • 実演・レコード・放送は、条約の締約国や世界貿易機関加盟国であることのみでも保護対象になる場合がある
  • 著作物は、国外で最初に発行されても発行の日から30日以内に国内で発行されれば「最初に国内において発行された著作物」に含まれる
  • 有線放送には、著作物・実演・レコード・放送にあるような条約による保護の規定はない
  • 実演の一部や有線放送では、実演家の承諾を得て送信前に録音・録画されているものは対象から除かれる場合がある
  • 有線放送は、放送を受信して行うものが対象から除かれる
1

適用範囲

適用範囲について、条文は何を定めているか。

第6条保護を受ける著作物どんな著作物が日本の著作権法で守られるか1項・3号判例 2件
  • 日本国民(国内法人含む)の著作物は保護対象
  • 国内で最初に発行された著作物も保護対象
  • 国外発行でも30日以内に国内発行なら対象に含む
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第7条保護を受ける実演どんな実演が保護されるか1項・8号判例なし
  • 国内で行われる実演、保護対象レコード・放送に係る実演が対象
  • 実演家等保護条約・実演レコード条約等の締約国の実演も対象
  • WTO加盟国や北京条約締約国の実演家に係る実演も対象
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第8条保護を受けるレコードどんなレコードが保護されるか1項・6号判例なし
  • 日本国民が製作したレコードは保護対象
  • 音を国内で最初に固定したレコードも対象
  • 実演家等保護条約等の締約国に関係するレコードも対象
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第9条保護を受ける放送どんな放送が保護されるか1項・4号判例なし
  • 日本国民である放送事業者の放送は保護対象
  • 国内の放送設備から行う放送も対象
  • 実演家等保護条約・WTO加盟国に関係する放送も対象
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第9_2条保護を受ける有線放送どんな有線放送が保護されるか1項・2号判例なし
  • 日本国民である有線放送事業者の有線放送が対象
  • 国内の有線放送設備から行う有線放送も対象
  • 放送を受信して行う有線放送は保護対象から除かれる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第6条著作権法

1 我が国について既に効力を生じている文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約に我が国が国家として承認していない国が事後に加入した場合における同国の国民の著作物である映画の著作権法6条3号〈保護を受ける著作物 前二号に掲げるもののほか、条約によりわが国が保護の義務を負う著作物〉所定の著作物該当性
2 著作権法6条各号所定の著作物に該当しない著作物の利用行為と不法行為の成否

裁判要旨1 我が国について既に効力を生じている文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約に我が国が国家として承認していない国が事後に加入した場合において,我が国が同国との間で同条約に基づく権利義務は発生しないという立場を採っているときは,同国の国民の著作物である映画は,同国が上記条約に加入したことによって,著作権法6条3号〈保護を受ける著作物 前二号に掲げるもののほか、条約によりわが国が保護の義務を負う著作物〉所定の著作物に当たるとされることはない。
2 著作権法6条各号所定の著作物に該当しない著作物の利用行為は,同法が規律の対象とする著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限り,不法行為を構成しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成23年12月8日 平成21(受)602
登載
民集 第65巻9号3275頁
参照法条
(1につき)著作権法6条3号,文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約3条(1)(a) (2につき)著作権法6条,民法709条
論点2第6条著作権法

昭和28年に団体の著作名義をもって公表された独創性を有する映画の著作物の著作権の存続期間

裁判要旨昭和28年に団体の著作名義をもって公表された独創性を有する映画の著作物は,平成16年1月1日から施行された著作権法の一部を改正する法律(平成15年法律第85号)による保護期間の延長措置の対象となる同法附則2条〈定義〉所定の「この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が存する映画の著作物」に当たらず,その著作権は平成15年12月31日の終了をもって存続期間が満了した。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成19年12月18日 平成19(受)1105
登載
民集 第61巻9号3460頁
参照法条
著作権法(平成15年法律第85号による改正前のもの)54条1項,著作権法の一部を改正する法律(平成15年法律第85号)中の著作権法54条1項の改正規定,附則1条,附則2条,著作権法54条1項,著作権法57条,旧著作権法(昭和45年法律第48号による改正前のもの)6条,旧著作権法(昭和45年法律第48号による改正前のもの)22条ノ3,旧著作権法(昭和45年法律第48号による改正前のもの)52条2項,民法141条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

著作権法 第6条(保護を受ける著作物) 詳細ページ
(保護を受ける著作物)
第六条著作物は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
一日本国民(わが国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物
二最初に国内において発行された著作物(最初に国外において発行されたが、その発行の日から三十日以内に国内において発行されたものを含む。)
三前二号に掲げるもののほか、条約によりわが国が保護の義務を負う著作物
著作権法 第7条(保護を受ける実演) 詳細ページ
(保護を受ける実演)
第七条実演は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
一国内において行われる実演
二次条第一号又は第二号に掲げるレコードに固定された実演
三第九条第一号又は第二号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
四第九条の二各号に掲げる有線放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
五前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
イ実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約(以下「実演家等保護条約」という。)の締約国において行われる実演
ロ次条第三号に掲げるレコードに固定された実演
ハ第九条第三号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
六前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
イ実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約(以下「実演・レコード条約」という。)の締約国において行われる実演
ロ次条第四号に掲げるレコードに固定された実演
七前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
イ世界貿易機関の加盟国において行われる実演
ロ次条第五号に掲げるレコードに固定された実演
ハ第九条第四号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
八前各号に掲げるもののほか、視聴覚的実演に関する北京条約の締約国の国民又は当該締約国に常居所を有する者である実演家に係る実演
著作権法 第8条(保護を受けるレコード) 詳細ページ
(保護を受けるレコード)
第八条レコードは、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
一日本国民をレコード製作者とするレコード
二レコードでこれに固定されている音が最初に国内において固定されたもの
三前二号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
イ実演家等保護条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
ロレコードでこれに固定されている音が最初に実演家等保護条約の締約国において固定されたもの
四前三号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
イ実演・レコード条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
ロレコードでこれに固定されている音が最初に実演・レコード条約の締約国において固定されたもの
五前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
イ世界貿易機関の加盟国の国民(当該加盟国の法令に基づいて設立された法人及び当該加盟国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
ロレコードでこれに固定されている音が最初に世界貿易機関の加盟国において固定されたもの
六前各号に掲げるもののほか、許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約(第百二十一条の二第二号において「レコード保護条約」という。)により我が国が保護の義務を負うレコード
著作権法 第9条(保護を受ける放送) 詳細ページ
(保護を受ける放送)
第九条放送は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
一日本国民である放送事業者の放送
二国内にある放送設備から行なわれる放送
三前二号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる放送
イ実演家等保護条約の締約国の国民である放送事業者の放送
ロ実演家等保護条約の締約国にある放送設備から行われる放送
四前三号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる放送
イ世界貿易機関の加盟国の国民である放送事業者の放送
ロ世界貿易機関の加盟国にある放送設備から行われる放送
著作権法 第9_2条(保護を受ける有線放送) 詳細ページ
(保護を受ける有線放送)
第九条の二有線放送は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
一日本国民である有線放送事業者の有線放送(放送を受信して行うものを除く。次号において同じ。)
二国内にある有線放送設備から行われる有線放送
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。