意匠法 / テーマ別まとめ

意匠権/権利侵害

権利侵害の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

意匠権侵害への民事的な対応を定めた規定群で、侵害の差止め(37条)、専用品の製造・譲渡等をみなし侵害とする規定(38条)、損害賠償額の算定方法(39条)、過失の推定(40条)、特許法規定の準用(41条)から構成されます。意匠権者・専用実施権者が侵害者に対してとれる法的手段と、損害賠償請求時の算定ルールを整理しています。

権利侵害
項目条文内容主な要件
差止請求37条1項停止・予防を請求できる侵害または侵害のおそれ
廃棄等の請求37条2項物品廃棄・設備除却請求差止請求とあわせて
秘密意匠の警告37条3項書面で警告後に請求可能秘密意匠の場合のみ
みなし侵害38条専用品の製造等も侵害扱い業としての行為
損害額の算定39条譲渡数量や利益額で推定侵害者が物品を譲渡
過失の推定40条過失ありと推定される秘密意匠は適用外
特許法の準用41条明示義務等を準用侵害事件全般
  • 38条のみなし侵害は、日本国内で広く一般に流通している物品等を除く。
  • 39条1項の損害額算定には、実施相応数量・特定数量の控除など細かな計算ルールがある。
  • 39条3項の実施料相当額の請求は、それを超える損害の賠償請求を妨げない。
  • 39条5項では、侵害者に故意・重大な過失がなければ賠償額算定で参酌されることがある。
  • 40条の過失推定は、秘密にすることを請求した意匠(14条1項)の侵害には適用されない。
  • 41条は特許法104条の2から105条まで、105条の2の12から105条の6まで、106条を準用する。
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権利侵害

権利侵害について、条文は何を定めているか。

第37条差止請求権侵害の停止・予防と廃棄等を請求できる3項判例なし
  • 侵害者や侵害のおそれがある者に停止・予防を請求できる
  • あわせて侵害品の廃棄や設備の除却も請求可能
  • 秘密意匠は特許庁長官証明の書面で警告後でないと請求不可
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第38条侵害とみなす行為専用品の製造・譲渡なども侵害とみなす1項・9号判例なし
  • 意匠専用の物品・プログラム等の製造や譲渡はみなし侵害
  • 不可欠な部品等も、事情を知って提供すればみなし侵害
  • 登録意匠に類似する物品の譲渡目的の所持もみなし侵害
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第39条損害の額の推定等損害賠償額の算定方法を定める5項・2号判例なし
  • 侵害者の譲渡数量×自社の利益額で損害額を算定できる
  • 侵害者の得た利益額を、そのまま損害額と推定する
  • 実施料相当額を損害額として請求することも可能
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第40条過失の推定侵害者の過失を推定する規定1項判例なし
  • 意匠権等を侵害した者は過失があったと推定される
  • 秘密意匠(14条1項〈秘密意匠〉)の侵害には推定が適用されない
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第41条特許法の準用特許法の各種規定を意匠権侵害に準用1項判例なし
  • 具体的態様の明示義務や書類提出等の規定を準用
  • 損害計算の鑑定や秘密保持命令などの規定も準用
  • 信用回復のための措置も請求できる
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

意匠法 第37条(差止請求権) 詳細ページ
(差止請求権)
第三十七条意匠権者又は専用実施権者は、自己の意匠権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2意匠権者又は専用実施権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物品、建築物若しくは画像(その画像を表示する機能を有するプログラム等を含む。第六十四条及び第六十五条第一号を除き、以下同じ。)若しくは画像を記録した記録媒体若しくは内蔵する機器(以下「一般画像記録媒体等」という。)又はプログラム等(画像を表示する機能を有するプログラム等を除く。以下同じ。)若しくはプログラム等を記録した記録媒体若しくは記憶した機器(以下「プログラム等記録媒体等」という。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。
3第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に係る意匠権者又は専用実施権者は、その意匠に関し第二十条第三項各号に掲げる事項を記載した書面であつて特許庁長官の証明を受けたものを提示して警告した後でなければ、第一項の規定による請求をすることができない。
意匠法 第38条(侵害とみなす行為) 詳細ページ
(侵害とみなす行為)
第三十八条次に掲げる行為は、当該意匠権又は専用実施権を侵害するものとみなす。
一登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造にのみ用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について業として行う次のいずれかに該当する行為
イ当該製造にのみ用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
ロ当該製造にのみ用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為
二登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造に用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等(これらが日本国内において広く一般に流通しているものである場合を除く。)であつて当該登録意匠又はこれに類似する意匠の視覚を通じた美感の創出に不可欠なものにつき、その意匠が登録意匠又はこれに類似する意匠であること及びその物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等がその意匠の実施に用いられることを知りながら、業として行う次のいずれかに該当する行為
イ当該製造に用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
ロ当該製造に用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為
三登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品を業としての譲渡、貸渡し又は輸出のために所持する行為
四登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物の建築にのみ用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について業として行う次のいずれかに該当する行為
イ当該建築にのみ用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
ロ当該建築にのみ用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為
五登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物の建築に用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等(これらが日本国内において広く一般に流通しているものである場合を除く。)であつて当該登録意匠又はこれに類似する意匠の視覚を通じた美感の創出に不可欠なものにつき、その意匠が登録意匠又はこれに類似する意匠であること及びその物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等がその意匠の実施に用いられることを知りながら、業として行う次のいずれかに該当する行為
イ当該建築に用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
ロ当該建築に用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為
六登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物を業としての譲渡又は貸渡しのために所有する行為
七登録意匠又はこれに類似する意匠に係る画像の作成にのみ用いる物品若しくは画像若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について業として行う次のいずれかに該当する行為
イ当該作成にのみ用いる物品若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
ロ当該作成にのみ用いる画像又はプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為
八登録意匠又はこれに類似する意匠に係る画像の作成に用いる物品若しくは画像若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等(これらが日本国内において広く一般に流通しているものである場合を除く。)であつて当該登録意匠又はこれに類似する意匠の視覚を通じた美感の創出に不可欠なものにつき、その意匠が登録意匠又はこれに類似する意匠であること及びその物品若しくは画像若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等がその意匠の実施に用いられることを知りながら、業として行う次のいずれかに該当する行為
イ当該作成に用いる物品若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
ロ当該作成に用いる画像又はプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為
九登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像を業としての電気通信回線を通じた提供のために保有する行為又は登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像記録媒体等を業としての譲渡、貸渡し若しくは輸出のために所持する行為
意匠法 第39条(損害の額の推定等) 詳細ページ
(損害の額の推定等)
第三十九条意匠権者又は専用実施権者が故意又は過失により自己の意匠権又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為を組成した物品を譲渡したときは、次の各号に掲げる額の合計額を、意匠権者又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができる。
一意匠権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物品の単位数量当たりの利益の額に、自己の意匠権又は専用実施権を侵害した者が譲渡した物品の数量(次号において「譲渡数量」という。)のうち当該意匠権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた数量(同号において「実施相応数量」という。)を超えない部分(その全部又は一部に相当する数量を当該意匠権者又は専用実施権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)を乗じて得た額
二譲渡数量のうち実施相応数量を超える数量又は特定数量がある場合(意匠権者又は専用実施権者が、当該意匠権者の意匠権についての専用実施権の設定若しくは通常実施権の許諾又は当該専用実施権者の専用実施権についての通常実施権の許諾をし得たと認められない場合を除く。)におけるこれらの数量に応じた当該意匠権又は専用実施権に係る登録意匠の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額
2意匠権者又は専用実施権者が故意又は過失により自己の意匠権又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、意匠権者又は専用実施権者が受けた損害の額と推定する。
3意匠権者又は専用実施権者は、故意又は過失により自己の意匠権又は専用実施権を侵害した者に対し、その登録意匠又はこれに類似する意匠の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。
4裁判所は、第一項第二号及び前項に規定する登録意匠の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、意匠権者又は専用実施権者が、自己の意匠権又は専用実施権に係る登録意匠の実施の対価について、当該意匠権又は専用実施権の侵害があつたことを前提として当該意匠権又は専用実施権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該意匠権者又は専用実施権者が得ることとなるその対価を考慮することができる。
5第三項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、意匠権又は専用実施権を侵害した者に故意又は重大な過失がなかつたときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。
意匠法 第40条(過失の推定) 詳細ページ
(過失の推定)
第四十条他人の意匠権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があつたものと推定する。ただし、第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に係る意匠権又は専用実施権の侵害については、この限りでない。
意匠法 第41条(特許法の準用) 詳細ページ
(特許法の準用)
第四十一条特許法第百四条の二から第百五条まで(具体的態様の明示義務、特許権者等の権利行使の制限、主張の制限及び書類の提出等)、第百五条の二の十二から第百五条の六まで(損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、秘密保持命令の取消し及び訴訟記録の閲覧等の請求の通知等)及び第百六条(信用回復の措置)の規定は、意匠権又は専用実施権の侵害に準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。