不正競争防止法 / テーマ別まとめ

保全手続

保全手続の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

保全手続とは、不正競争防止法違反の被告事件について、後に没収や追徴を確実に実行できるよう、裁判所が対象財産の処分をあらかじめ禁止する制度である。第35条は没収の対象財産を凍結する没収保全命令と、抵当権など第三者の権利を凍結する附帯保全命令を定め、第36条は追徴の裁判の執行を確保するための追徴保全命令を定めている。いずれも起訴後は検察官の請求または裁判所の職権で、起訴前は一定の請求権者の請求により発令できる。

保全手続
項目没収保全命令追徴保全命令附帯保全命令
対象没収可能な財産被告人の財産第三者の権利(抵当権等)
主な要件没収該当の相当な理由+必要性追徴該当の相当な理由+執行困難のおそれ権利消滅または仮装の相当な理由
起訴後の請求権者検察官の請求または職権検察官の請求または職権検察官の請求または職権
起訴前の請求権者検察官・警部以上の司法警察員検察官のみ検察官・警部以上の司法警察員
準拠する保全手続組織的犯罪処罰法4章1節・3節組織的犯罪処罰法4章2節・3節組織的犯罪処罰法4章1節・3節
  • 対象犯罪は不正競争防止法21条1項、2項、4項(4号を除く)、5項、6項の罪に限られる
  • 起訴前の請求で司法警察員が請求できるのは警察官のうち国家公安委員会または都道府県公安委員会が指定する警部以上に限られる
  • 附帯保全命令は、没収保全命令を発した場合または発しようとする場合に限り発令できる
  • 追徴保全命令の起訴前の請求は検察官に限られ、司法警察員は請求できない
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保全手続

保全手続について、条文は何を定めているか。

第35条没収保全命令没収対象財産の処分を禁じる命令4項判例なし
  • 没収対象になりうる財産について、処分禁止の没収保全命令を発令できる
  • 起訴前でも検察官や警部以上の司法警察員が請求できる
  • 抵当権等の第三者の権利は、別途、附帯保全命令で処分を禁止できる
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第36条追徴保全命令追徴の執行に備え財産処分を禁じる命令3項判例なし
  • 追徴に該当する相当な理由があり、執行不能または著しく困難になるおそれがあるとき発令できる
  • 検察官の請求または裁判所の職権で発令できる
  • 起訴前は検察官の請求のみで発令でき、司法警察員は請求できない
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

不正競争防止法 第35条(没収保全命令) 詳細ページ
(没収保全命令)
第三十五条裁判所は、第二十一条第一項、第二項、第四項(第四号を除く。)、第五項及び第六項の罪に係る被告事件に関し、同条第十三項の規定により没収することができる財産に当たると思料するに足りる相当な理由があり、かつ、当該財産を没収するため必要があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、没収保全命令を発して、当該財産につき、その処分を禁止することができる。
2裁判所は、地上権、抵当権その他の権利がその上に存在する財産について没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合において、当該権利が没収により消滅すると思料するに足りる相当な理由がある場合であって当該財産を没収するため必要があると認めるとき、又は当該権利が仮装のものであると思料するに足りる相当の理由があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、附帯保全命令を別に発して、当該権利の処分を禁止することができる。
3裁判官は、前二項に規定する理由及び必要があると認めるときは、公訴が提起される前であっても、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。)の請求により、前二項に規定する処分をすることができる。
4前三項に定めるもののほか、これらの規定による処分については、組織的犯罪処罰法第四章第一節及び第三節の規定による没収保全命令及び附帯保全命令による処分の禁止の例による。
不正競争防止法 第36条(追徴保全命令) 詳細ページ
(追徴保全命令)
第三十六条裁判所は、第二十一条第一項、第二項、第四項(第四号を除く。)、第五項及び第六項の罪に係る被告事件に関し、同条第十五項の規定により追徴すべき場合に当たると思料するに足りる相当な理由がある場合において、追徴の裁判の執行をすることができなくなるおそれがあり、又はその執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、追徴保全命令を発して、被告人に対し、その財産の処分を禁止することができる。
2裁判官は、前項に規定する理由及び必要があると認めるときは、公訴が提起される前であっても、検察官の請求により、同項に規定する処分をすることができる。
3前二項に定めるもののほか、これらの規定による処分については、組織的犯罪処罰法第四章第二節及び第三節の規定による追徴保全命令による処分の禁止の例による。
出

一次情報

原文ママ

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