判示事項
一 労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちにされた使用者の時季変更権行使の効力
二 労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちにされた使用者の時季変更権行使の効力が認められた事例
裁判要旨
一 労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちに使用者が時季変更権を行使した場合であつても、労働者の右休暇の請求がその指定した期間の始期にきわめて接近してされたため使用者において時季変更権を行使するか否かを事前に判断する時間的余裕がなかつたようなときには、客観的に右時季変更権を行使しうる事由があり、かつ、その行使が遅滞なくされたものであれば、適法な時季変更権の行使があつたものとしてその効力を認めるのが相当である。
二 使用者の年次有給休暇時季変更権の行使が、労働者の指定した休暇の期間が開始し又は経過したのちにされたものであつても、労働者の右休暇の請求が一日又は午前中二時間の期間につき当日の朝宿直員を通じてされたため事前に時季変更権を行使する時間的余裕がなかつたものであり、また、右休暇の請求は事業の正常な運営を妨げるおそれがあつたが、使用者において、労働者が休暇を必要とする事情のいかんによつてはこれを認めるのを妥当とする場合があると考えて休暇の理由を聴取するため時季変更権の行使を差し控え、その後労働者がこれを明らかにすることを拒んだため右のような考慮をする余地がないことが確定的になつた時点に至つてはじめて、かつ、遅滞なく時季変更権の行使をしたなど、判示の事情のもとにおいては、右時季変更権の行使は適法にされたものとしてその効力を認めるのが相当である。
判示事項・裁判要旨・参照法条は、裁判所ウェブサイトの記載を
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