労働関係調整法 / テーマ別まとめ

調停

調停の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

労働関係調整法第17条から第28条は、労働委員会が行う労働争議の調停手続きを定めています。調停を始める5つの要件、労使双方と公益代表からなる調停委員会の構成・運営方法、調停案の提示から受諾後の解釈・履行に関する取扱いまでを整理しています。

調停の開始事由(五類型・労働関係調整法第18条)
号開始事由申請・請求者対象事件
一双方申請労使双方限定なし
二労働協約に基づく申請双方または一方限定なし
三一方申請労使一方公益事業
四職権決議労働委員会公益事業
五行政からの請求厚労大臣・知事公益事業/大規模・特殊事業
  • 二号の申請は労働協約の定めに基づくことが前提(双方・一方いずれも可)
  • 五号は公益事業のほか、事件の規模が大きい・特別な性質の事業で公益に著しい障害を及ぼす事件も対象
  • 調停委員は労働委員会の各代表委員のほか特別調整委員からも会長が指名できる
  • 調停案を双方が受諾した後に解釈・履行で意見が一致しない場合、調停委員会は申請から15日以内に見解を示さなければならない
  • その見解が示されるまでは当該事項について争議行為ができない(ただし15日経過後は可能)
  • 労使双方の合意または労働協約の定めがあれば、この章によらない別の調停方法をとることも妨げられない
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調停

調停について、条文は何を定めているか。

第17条労働委員会の調停はこの章に従う1項判例なし
  • 労働組合法20条の労働委員会調停はこの章の規定に基づく
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第18条調停を開始する5つの要件を定める1項・5号判例なし
  • 双方申請/協約に基づく申請/公益事業での一方申請などで開始
  • 公益事業では労働委員会の職権決議でも開始できる
  • 厚生労働大臣・都道府県知事からの請求でも開始できる
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第19条使用者・労働者・公益の調停委員で調停委員会を構成1項判例なし
  • 調停委員会は使用者代表・労働者代表・公益代表の委員で構成
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第20条使用者代表と労働者代表の委員数は同数1項判例なし
  • 使用者代表委員と労働者代表委員は同数でなければならない
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第21条調停委員は労働委員会会長が指名する2項判例なし
  • 各代表委員(中央労働委員会では一般企業担当委員)または特別調整委員から会長が指名
  • 中央労働委員会が処理すべき地方の事件は地方調整委員から会長が指名(不適当な場合を除く)
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第22条委員長は公益代表委員から選挙で選ぶ1項判例なし
  • 調停委員会に委員長を置き、公益代表調停委員の中から選挙する
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第23条委員長が招集し、過半数出席+労使双方出席で開催2項判例なし
  • 委員長が招集し、議事は出席者の過半数で決する
  • 使用者代表・労働者代表の調停委員が出席しないと会議を開けない
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第24条期日を定め当事者を呼んで意見を聴く義務1項判例なし
  • 調停委員会は期日を定めて関係当事者を呼び出し意見を聴かなければならない
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第25条当事者・参考人以外の出席を禁止できる1項判例なし
  • 調停委員会は関係当事者と参考人以外の出席を禁止できる
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第26条調停案を示し受諾を勧告、公表もできる4項判例なし
  • 調停案を作成し当事者に示して受諾を勧告する
  • 理由を付して公表可、新聞・ラジオへの協力要請も可能
  • 双方受諾後に解釈で対立したら15日以内に見解を示す義務がある
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第27条公益事業の調停は特に優先して迅速処理1項判例なし
  • 公益事業の事件は特に迅速な処理のため優先的に取り扱う
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第28条労使合意や協約による別方式の調停も可1項判例なし
  • 双方の合意や労働協約の定めで、この章によらない別の調停方法を選べる
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

労働関係調整法 第17条 詳細ページ
第十七条労働組合法第二十条の規定による労働委員会による労働争議の調停は、この章の定めるところによる。
労働関係調整法 第18条 詳細ページ
第十八条労働委員会は、次の各号のいずれかに該当する場合に、調停を行う。
一関係当事者の双方から、労働委員会に対して、調停の申請がなされたとき。
二関係当事者の双方又は一方から、労働協約の定めに基づいて、労働委員会に対して調停の申請がなされたとき。
三公益事業に関する事件につき、関係当事者の一方から、労働委員会に対して、調停の申請がなされたとき。
四公益事業に関する事件につき、労働委員会が職権に基づいて、調停を行う必要があると決議したとき。
五公益事業に関する事件又はその事件が規模が大きいため若しくは特別の性質の事業に関するものであるために公益に著しい障害を及ぼす事件につき、厚生労働大臣又は都道府県知事から、労働委員会に対して、調停の請求がなされたとき。
労働関係調整法 第19条 詳細ページ
第十九条労働委員会による労働争議の調停は、使用者を代表する調停委員、労働者を代表する調停委員及び公益を代表する調停委員から成る調停委員会を設け、これによつて行ふ。
労働関係調整法 第20条 詳細ページ
第二十条調停委員会の、使用者を代表する調停委員と労働者を代表する調停委員とは、同数でなければならない。
労働関係調整法 第21条 詳細ページ
第二十一条使用者を代表する調停委員は労働委員会の使用者を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当使用者委員)又は特別調整委員のうちから、労働者を代表する調停委員は労働委員会の労働者を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当労働者委員)又は特別調整委員のうちから、公益を代表する調停委員は労働委員会の公益を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当公益委員)又は特別調整委員のうちから労働委員会の会長がこれを指名する。
2労働組合法第十九条の十第一項に規定する地方において中央労働委員会が処理すべき事件として政令で定めるものについては、中央労働委員会の会長は、前項の規定にかかわらず、同条第一項に規定する地方調整委員のうちから、調停委員を指名する。ただし、中央労働委員会の会長が当該地方調整委員のうちから調停委員を指名することが適当でないと認める場合は、この限りでない。
労働関係調整法 第22条 詳細ページ
第二十二条調停委員会に、委員長を置く。委員長は、調停委員会で、公益を代表する調停委員の中から、これを選挙する。
労働関係調整法 第23条 詳細ページ
第二十三条調停委員会は、委員長がこれを招集し、その議事は、出席者の過半数でこれを決する。
2調停委員会は、使用者を代表する調停委員及び労働者を代表する調停委員が出席しなければ、会議を開くことはできない。
労働関係調整法 第24条 詳細ページ
第二十四条調停委員会は、期日を定めて、関係当事者の出頭を求め、その意見を徴さなければならない。
労働関係調整法 第25条 詳細ページ
第二十五条調停をなす場合には、調停委員会は、関係当事者及び参考人以外の者の出席を禁止することができる。
労働関係調整法 第26条 詳細ページ
第二十六条調停委員会は、調停案を作成して、これを関係当事者に示し、その受諾を勧告するとともに、その調停案は理由を附してこれを公表することができる。この場合必要があるときは、新聞又はラヂオによる協力を請求することができる。
2前項の調停案が関係当事者の双方により受諾された後、その調停案の解釈又は履行について意見の不一致が生じたときは、関係当事者は、その調停案を提示した調停委員会にその解釈又は履行に関する見解を明らかにすることを申請しなければならない。
3前項の調停委員会は、前項の申請のあつた日から十五日以内に、関係当事者に対して、申請のあつた事項について解釈又は履行に関する見解を示さなければならない。
4前項の解釈又は履行に関する見解が示されるまでは、関係当事者は、当該調停案の解釈又は履行に関して争議行為をなすことができない。但し、前項の期間が経過したときは、この限りでない。
労働関係調整法 第27条 詳細ページ
第二十七条公益事業に関する事件の調停については、特に迅速に処理するために、必要な優先的取扱がなされなければならない。
労働関係調整法 第28条 詳細ページ
第二十八条この章の規定は、労働争議の当事者が、双方の合意又は労働協約の定により、別の調停方法によつて事件の解決を図ることを妨げるものではない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。