国税徴収法 / テーマ別まとめ

財産の換価/通則

通則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

差し押さえた財産をいつ・どの範囲で換価できるかという基本ルールをまとめています。換価対象となる財産の範囲や一括売却、参加差押えをした税務署長による換価執行とその取消し・続行、換価の時期の制限、買受人の制限、修理等の処分までを扱います。

通則
区分対象財産内容
換価の原則(89①)差押財産等換価しなければならない
債権の換価(89②)弁済期限6月超の債権等換価することができる
一括換価(89③)複数の差押財産等一括公売・随意契約可
参加差押えの換価執行(89の2)参加差押不動産他機関の同意で換価執行決定
換価執行決定の取消・必須(89の3①)特定参加差押不動産取り消さなければならない
換価執行決定の取消・任意(89の3②)特定参加差押不動産取り消すことができる
取消後の換価続行(89の4)差押不動産換価を続行できる
換価の制限・時期(90①②)果実・蚕・仕掛品成熟・繭化・完成後でなければ不可
換価の制限・訴訟中(90③)第二次納税義務者等の訴訟訴訟係属中は換価不可
自動車等の占有(91)自動車・建設機械・小型船舶占有後に換価(例外あり)
買受人の制限(92)滞納者本人・徴収職員等買い受け禁止
修理等の処分(93)差押財産等同意を得て価額増加処分可
  • 89条1項の「差押財産等」からは金銭・債権(取立てをするもの)は除かれる
  • 89条3項の一括換価は滞納者が異なる差押財産等も対象にできる
  • 89条の2の換価執行決定は、強制執行・競売が開始されているときや換価不可の国税法令の適用があるときはできない
  • 89条の3第3項の通知先は、取消事由が特定差押えの解除の場合は滞納者と交付要求者のみ
  • 89条の4の換価続行には、競売開始済み・先順位の交付要求あり・消滅しない権利ありの場合に除外規定がある
  • 90条2項の仕掛品への準用は、価額が著しく低くて通常の取引に適しない場合に限る
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通則

通則について、条文は何を定めているか。

第89条換価する財産の範囲等換価する財産の範囲と一括売却3項判例なし
  • 差し押さえた財産(金銭・債権等除く)は換価しなければならない
  • 弁済期限が取立て時から6月以内に来ない債権等は換価できる
  • 相互利用の便宜があれば一括して公売・随意契約により売却できる
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第89_2条参加差押えをした税務署長による換価参加差押えをした税務署長も換価できる4項判例なし
  • 催告後も換価されないとき、他機関の同意を得て換価執行決定ができる
  • 強制執行・競売開始時や換価不可の国税法令適用時はできない
  • 決定は同意機関への告知で効力発生、滞納者等に通知する
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第89_3条換価執行決定の取消し換価執行決定を取り消す場合4項・8号判例なし
  • 参加差押えの解除など4事由があれば取り消さなければならない
  • 国税の一部納付など3事由があれば取り消すことができる
  • 取消し後でなければ他機関は公売等の手続をできない
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第89_4条換価執行決定の取消しをした税務署長による換価の続行取消し後も換価を続行できる場合1項・3号判例なし
  • 特定差押え解除で差押えの効力が生じるとき換価を続行できる
  • 競売開始済みや先順位の交付要求がある場合等は除外される
  • 取消し前の換価手続は差押えによる換価手続とみなす
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第90条換価の制限換価できる時期・できない場合の制限3項判例なし
  • 果実は成熟後、蚕は繭となった後でなければ換価できない
  • 仕掛品も完成品等にならず価額が著しく低い場合は同様
  • 第二次納税義務等に関する訴訟が係属する間は換価できない
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第91条自動車等の換価前の占有自動車等は占有した後に換価する1項判例なし
  • 自動車・建設機械・小型船舶は占有した後に換価するのが原則
  • 換価に支障がないと認められるときは占有前でも可
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第92条買受人の制限滞納者や税務職員は買受人になれない1項判例なし
  • 滞納者は自己の財産を直接・間接問わず買い受けられない
  • 国税庁等に所属し国税事務に従事する職員も買い受けられない
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第93条修理等の処分同意を得て修理等の価値増加処分ができる1項判例なし
  • 必要があるときは滞納者の同意を得て修理等の処分ができる
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

国税徴収法 第89条(換価する財産の範囲等) 詳細ページ
(換価する財産の範囲等)
第八十九条差押財産(金銭、債権及び第五十七条(有価証券に係る債権の取立て)の規定により債権の取立てをする有価証券を除く。)又は次条第四項に規定する特定参加差押不動産(以下この節において「差押財産等」という。)は、この節の定めるところにより換価しなければならない。
2差し押さえた債権のうち、その全部又は一部の弁済期限が取立てをしようとする時から六月以内に到来しないもの及び取立てをすることが著しく困難であると認められるものは、この節の定めるところにより換価することができる。
3税務署長は、相互の利用上差押財産等を他の差押財産等(滞納者を異にするものを含む。)と一括して同一の買受人に買い受けさせることが相当であると認めるときは、これらの差押財産等を一括して公売に付し、又は随意契約により売却することができる。
国税徴収法 第89_2条(参加差押えをした税務署長による換価) 詳細ページ
(参加差押えをした税務署長による換価)
第八十九条の二参加差押えをした税務署長は、その参加差押えに係る不動産(以下「参加差押不動産」という。)が第八十七条第三項(参加差押えの効力)の規定による催告をしてもなお換価に付されないときは、同項の滞納処分をした行政機関等の同意を得て、参加差押不動産につき換価の執行をする旨の決定(以下「換価執行決定」という。)をすることができる。ただし、参加差押不動産につき強制執行若しくは担保権の実行としての競売が開始されているとき、又は国税に関する法律の規定で換価をすることができないこととするものの適用があるときは、この限りでない。
2前項の滞納処分をした行政機関等は、同項の参加差押えをした税務署長による換価の執行に係る同意の求めがあつた場合において、その換価の執行を相当と認めるときは、これに同意するものとする。ただし、同項の滞納処分による差押えに係る不動産につき既に他の参加差押えをした行政機関等による換価の執行に係る同意をしているときは、この限りでない。
3換価執行決定は、第一項の参加差押えをした税務署長による換価の執行に係る同意をした行政機関等(以下「換価同意行政機関等」という。)に告知することによつてその効力を生ずる。
4換価執行決定をした税務署長(次条において「換価執行税務署長」という。)は、速やかに、その旨を滞納者及び参加差押不動産(換価執行決定をしたものに限る。以下「特定参加差押不動産」という。)につき交付要求をした者に通知しなければならない。
国税徴収法 第89_3条(換価執行決定の取消し) 詳細ページ
(換価執行決定の取消し)
第八十九条の三換価執行税務署長は、次の各号のいずれかに該当するときは、換価執行決定を取り消さなければならない。
一換価執行決定に係る参加差押え(以下「特定参加差押え」という。)を解除したとき。
二換価同意行政機関等の滞納処分による差押え(政令で定めるものを除く。次条において「特定差押え」という。)が解除されたとき。
三特定参加差押不動産の価額が特定参加差押えに係る滞納処分費及び特定参加差押えに係る国税に先立つ他の国税、地方税その他の債権の合計額を超える見込みがなくなつたとき。
四前三号に準ずるものとして政令で定めるとき。
2換価執行税務署長は、次の各号のいずれかに該当するときは、換価執行決定を取り消すことができる。
一特定参加差押えに係る国税の一部の納付、充当、更正の一部の取消し、特定参加差押不動産の価額の増加その他の理由により、その価額が特定参加差押えに係る国税及びこれに先立つ他の国税、地方税その他の債権の合計額を著しく超過すると認められるに至つたとき。
二滞納者が他に差し押さえることができる適当な財産を提供した場合において、その財産を差し押さえたとき。
三特定参加差押不動産について、三回公売に付しても入札等がなかつた場合において、その特定参加差押不動産の形状、用途、法令による利用の規制その他の事情を考慮して、更に公売に付しても買受人がないと認められ、かつ、随意契約による売却の見込みがないと認められるとき。
四前三号に準ずるものとして政令で定めるとき。
3前二項の規定により換価執行決定を取り消した税務署長は、速やかに、その旨を滞納者、換価同意行政機関等及び特定参加差押不動産につき交付要求をした者(第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定による換価執行決定の取消しにあつては、滞納者及び特定参加差押不動産につき交付要求をした者)に通知しなければならない。
4特定参加差押不動産については、換価同意行政機関等が行う公売その他滞納処分による売却のための手続は、第一項又は第二項の規定により換価執行決定が取り消された後でなければ、することができない。
国税徴収法 第89_4条(換価執行決定の取消しをした税務署長による換価の続行) 詳細ページ
(換価執行決定の取消しをした税務署長による換価の続行)
第八十九条の四特定差押えが解除された場合において、前条第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定による換価執行決定の取消しに係る参加差押えにつき第八十七条第一項(参加差押えの効力)の規定により差押えの効力が生ずるとき(次に掲げる場合を除く。)は、当該換価執行決定の取消しをした税務署長は、当該換価執行決定に基づき行つた換価手続を当該差押えによる換価手続とみなして、当該差押えに係る不動産(以下この条において「差押不動産」という。)につき換価を続行することができる。
一差押不動産につき強制執行又は担保権の実行としての競売が開始されている場合
二当該税務署長が行つた当該換価執行決定の取消しに係る参加差押えよりも先にされた交付要求がある場合
三特定差押えが解除される前に特定参加差押不動産を換価したとすれば消滅する権利で、差押不動産の換価に伴い消滅しないものがある場合
国税徴収法 第90条(換価の制限) 詳細ページ
(換価の制限)
第九十条果実は成熟した後、蚕は繭となつた後でなければ、換価をすることができない。
2前項の規定は、生産工程中における仕掛品(栽培品その他これらに類するものを含む。)で、完成品となり、又は一定の生産過程に達するのでなければ、その価額が著しく低くて通常の取引に適しないものについて準用する。
3第二次納税義務者が第三十二条第一項(第二次納税義務の通則)の告知、同条第二項の督促又はこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起したときは、その訴訟の係属する間は、当該国税につき滞納処分による財産の換価をすることができない。保証人が国税通則法第五十二条第二項(担保の処分)の告知、同条第三項の督促若しくはこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起したとき、又は第五十五条第二号(仮登記の権利者に対する差押えの通知)の通知(担保のための仮登記に係るものに限る。)に係る差押えにつき訴えの提起があつたときにおいても、また同様とする。
国税徴収法 第91条(自動車等の換価前の占有) 詳細ページ
(自動車等の換価前の占有)
第九十一条自動車、建設機械又は小型船舶の換価は、徴収職員が第七十一条第三項(差し押さえた自動車等の占有)の規定によりこれらを占有した後に行うものとする。ただし、換価に支障がないと認められるときは、この限りでない。
国税徴収法 第92条(買受人の制限) 詳細ページ
(買受人の制限)
第九十二条滞納者は、換価の目的となつた自己の財産(第二十四条第三項(譲渡担保財産に対する執行)の規定の適用を受ける譲渡担保財産を除く。)を、直接であると間接であるとを問わず、買い受けることができない。国税庁、国税局、税務署又は税関に所属する職員で国税に関する事務に従事する職員は、換価の目的となつた財産について、また同様とする。
国税徴収法 第93条(修理等の処分) 詳細ページ
(修理等の処分)
第九十三条税務署長は、差押財産等を換価する場合において、必要があると認めるときは、滞納者の同意を得て、その財産につき修理その他その価額を増加する処分をすることができる。
出

一次情報

原文ママ

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