国税徴収法 / テーマ別まとめ

財産の差押/無体財産権等の差押

無体財産権等の差押の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

無体財産権等(特許権・著作権など第三債務者等がない財産、電話加入権など第三債務者等がある財産、振替社債等)の差押えについて、どのような手続で差押え、いつ効力が生じるかを定めています。あわせて、組合等の持分を差し押さえた場合の払戻し請求の特則も扱います。

無体財産権等の差押
財産の種類差押えの方法効力発生時期根拠条文
特許権・著作権等(第三債務者等なし)差押書を滞納者に送達送達時(登記要するものは登記時)72条
電話加入権等(第三債務者等あり)差押通知書を第三債務者等に送達送達時(登記要するものは登記時)73条
振替社債等発行者・振替機関等に差押通知書送達振替機関等への送達時73条の2
  • 登記が差押書・差押通知書の送達前にされていた場合は、送達時でなく登記の時に効力が生じる(72条4項・73条3項)
  • 特許権の専用実施権など処分の制限に登記が必要な権利は、登記の時に効力が生じる(72条5項・73条4項)
  • 電話加入権等の差押えには、債権証書の取上げ・差し押えた債権の取立ての規定(65条・67条)が準用される(73条5項)
  • 振替社債等の差押えでは、発行者に履行禁止、振替機関等に振替・抹消禁止、滞納者に取立て等の禁止を命じる(73条の2第2項)
  • 組合等の持分の払戻し請求は、合名会社・合資会社・合同会社の持分には適用されない(74条1項かっこ書)
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無体財産権等の差押

無体財産権等の差押について、条文は何を定めているか。

第72条特許権等の差押えの手続及び効力発生時期特許権等は差押書の送達で差押える5項判例なし
  • 特許権・著作権など第三債務者等がない財産が対象
  • 差押書を滞納者に送達して差押え、送達時に効力が生じる
  • 登記を要する権利は、送達前に登記がされていれば登記時に効力発生
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第73条電話加入権等の差押えの手続及び効力発生時期電話加入権等は通知書送達で差押える5項判例なし
  • 電話加入権・合名会社社員の持分等、第三債務者等がある財産(振替社債等を除く)が対象
  • 差押通知書を第三債務者等に送達して差押え、送達時に効力が生じる
  • 登記を要するものは登記時に効力発生する場合があり、債権証書の取上げ・取立ての規定も準用
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第73_2条振替社債等の差押えの手続及び効力発生時期振替社債等は振替機関等への通知書送達で差押える4項・9号判例なし
  • 振替社債等は、発行者と振替機関等に差押通知書を送達して差押える
  • 効力は差押通知書が振替機関等に送達された時に生じる
  • 発行者に履行禁止、振替機関等に振替・抹消禁止、滞納者に取立て等の禁止を命じる
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第74条差し押さえた持分の払戻しの請求組合等の持分は要件を満たせば払戻しを請求できる2項・2号判例なし
  • 買受人がない、または譲渡制限で換価できず、他の財産でも徴収不足の場合に請求できる
  • 持分の一部払戻し(組合等による譲受け可の場合は譲受け)を請求できる
  • 請求は原則三十日前(脱退に異なる予告期間があればその期間)の予告後でなければできない
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

国税徴収法 第72条(特許権等の差押えの手続及び効力発生時期) 詳細ページ
(特許権等の差押えの手続及び効力発生時期)
第七十二条前三款の規定の適用を受けない財産(以下「無体財産権等」という。)のうち特許権、著作権その他第三債務者等がない財産の差押えは、滞納者に対する差押書の送達により行う。
2前項の差押えの効力は、その差押書が滞納者に送達された時に生ずる。
3税務署長は、無体財産権等でその権利の移転につき登記を要するものを差し押さえたときは、差押えの登記を関係機関に嘱託しなければならない。
4前項の差押えの登記が差押書の送達前にされた場合には、第二項の規定にかかわらず、その差押えの登記がされた時に差押えの効力が生ずる。
5特許権、実用新案権その他の権利でその処分の制限につき登記をしなければ効力が生じないものとされているものの差押えの効力は、第二項及び前項の規定にかかわらず、差押えの登記がされた時に生ずる。
国税徴収法 第73条(電話加入権等の差押えの手続及び効力発生時期) 詳細ページ
(電話加入権等の差押えの手続及び効力発生時期)
第七十三条無体財産権等のうち電話加入権、合名会社の社員の持分その他第三債務者等がある財産(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項(定義)に規定する社債等のうちその権利の帰属が振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされるもの(次条において「振替社債等」という。)を除く。)の差押えは、第三債務者等に対する差押通知書の送達により行う。
2前項の差押の効力は、その差押通知書が第三債務者等に送達された時に生ずる。
3前条第三項及び第四項の規定は、第一項に規定する財産でその権利の移転につき登記を要するもの(次項に規定するものを除く。)の差押について準用する。この場合において、同条第四項中「差押書」とあるのは、「差押通知書」と読み替えるものとする。
4前条第五項の規定は、特許権についての専用実施権その他の権利でその処分の制限につき登記をしなければ効力が生じないものとされているものの差押えについて準用する。
5第六十五条(債権証書の取上げ)及び第六十七条(差し押えた債権の取立)の規定は、第一項に規定する財産について準用する。
国税徴収法 第73_2条(振替社債等の差押えの手続及び効力発生時期) 詳細ページ
(振替社債等の差押えの手続及び効力発生時期)
第七十三条の二振替社債等の差押えは、振替社債等の発行者(以下この項及び次項において「発行者」という。)及び滞納者がその口座の開設を受けている社債、株式等の振替に関する法律第二条第五項(定義)に規定する振替機関等(滞納者が次の各号に掲げる請求をし、当該各号に定める買取口座に当該請求に係る振替社債等についての記載又は記録がされている場合であつて、当該請求に係る振替社債等を差し押さえるときは、発行者が当該買取口座の開設を受けている当該振替機関等。以下この条において「振替機関等」という。)に対する差押通知書の送達により行う。
一社債、株式等の振替に関する法律第百五十五条第一項(株式買取請求に関する会社法の特例)(社債、株式等の振替に関する法律第二百二十八条第一項(投資口に関する株式に係る規定の準用)及び第二百三十九条第一項(優先出資に関する株式に係る規定の準用)において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に規定する株式買取請求、投資口買取請求又は優先出資買取請求同法第百五十五条第一項に規定する買取口座
二社債、株式等の振替に関する法律第百八十三条第一項(新株予約権買取請求に関する会社法の特例)(社債、株式等の振替に関する法律第二百四十七条の三第一項(新投資口予約権に関する新株予約権に係る規定の準用)において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に規定する新株予約権買取請求又は新投資口予約権買取請求同法第百八十三条第一項に規定する買取口座
三社債、株式等の振替に関する法律第二百十五条第一項(新株予約権付社債買取請求に関する会社法の特例)に規定する新株予約権付社債買取請求同項に規定する買取口座
四社債、株式等の振替に関する法律第二百五十九条第一項(金融機関の合併における株式買取請求に関する合併転換法の特例等)に規定する株式買取請求同項に規定する買取口座
五社債、株式等の振替に関する法律第二百六十条第一項(金融機関の合併における新株予約権買取請求に関する合併転換法の特例等)に規定する新株予約権買取請求同項に規定する買取口座
六社債、株式等の振替に関する法律第二百六十六条第一項(保険会社の合併における株式買取請求に関する保険業法の特例等)に規定する株式買取請求同項に規定する買取口座
七社債、株式等の振替に関する法律第二百六十七条第一項(保険会社の合併における新株予約権買取請求に関する保険業法の特例等)に規定する新株予約権買取請求同項に規定する買取口座
八社債、株式等の振替に関する法律第二百七十三条第一項(金融商品取引所の合併における株式買取請求に関する金融商品取引法の特例等)に規定する株式買取請求同項に規定する買取口座
九社債、株式等の振替に関する法律第二百七十四条第一項(金融商品取引所の合併における新株予約権買取請求に関する金融商品取引法の特例等)に規定する新株予約権買取請求同項に規定する買取口座
2徴収職員は、振替社債等を差し押さえるときは、発行者に対しその履行を、振替機関等に対し振替社債等の振替又は抹消を、滞納者に対し振替社債等の取立てその他の処分又は振替若しくは抹消の申請を禁じなければならない。
3第一項の差押えの効力は、その差押通知書が振替機関等に送達された時に生ずる。
4第六十七条(差し押さえた債権の取立て)の規定は、振替社債等について準用する。
国税徴収法 第74条(差し押さえた持分の払戻しの請求) 詳細ページ
(差し押さえた持分の払戻しの請求)
第七十四条税務署長は、中小企業等協同組合法に基づく企業組合、信用金庫その他の法人で組合員、会員その他の持分を有する構成員が任意に(脱退につき予告その他一定の手続を要する場合には、これをした後任意に)脱退することができるもの(合名会社、合資会社及び合同会社を除く。以下この条において「組合等」という。)の組合員、会員その他の構成員である滞納者の持分を差し押さえた場合において、当該持分につき次に掲げる理由があり、かつ、その持分以外の財産につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足すると認められるときは、その組合等に対し、その持分の一部の払戻し(組合等による譲受けが認められている持分については、譲受け)を請求することができる。
一その持分を再度換価に付してもなお買受人がないこと。
二その持分の譲渡につき法律又は定款に制限があるため、譲渡することができないこと。
2前項に規定する請求は、三十日(組合等からの脱退につき、法律又は定款の定めにより、これと異なる一定期間前に組合等に予告することを必要とするものにあつては、その期間)前に組合等にその予告をした後でなければ、行うことができない。
出

一次情報

原文ママ

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