相続税法 / テーマ別まとめ

課税価格、税率及び控除/贈与税

贈与税の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

贈与税は、贈与により財産を取得した人にかかる税金です。相続税法第21条から第21条の八までは、課税価格の算定方法、贈与税がかからない非課税財産、基礎控除・配偶者控除・特定障害者非課税などの控除制度、税率の構造、そして国外財産にかかる外国税額の控除を定めています。実務では、誰にどの財産が課税価格となり、どの控除が使えるかを条文の順に確認します。

贈与税の課税価格・控除等の一覧
制度対象控除額・非課税額主な要件
基礎控除課税価格全般60万円すべての贈与に適用
配偶者控除居住用不動産・金銭2000万円まで婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与
障害者非課税(特別障害者)信託受益権6000万円まで障害者非課税信託申告書を提出
障害者非課税(その他の特定障害者)信託受益権3000万円まで障害者非課税信託申告書を提出
法人・公益信託からの贈与等財産全般課税価格に算入しない非課税財産として除外
在外財産の税額控除国外にある財産外国の税額相当額を控除外国で贈与税相当の税が課された場合
  • 扶養義務者間で生活費・教育費に充てるための贈与で通常必要な範囲は非課税(第21条の三)
  • 相続開始の年に被相続人から受けた贈与で相続税の課税価格に加算されるものは贈与税の課税価格に算入しない(第21条の二第4項)
  • 課税価格の範囲は納税義務者の区分により国内財産のみか国内外全財産かが異なる(第21条の二第1項・第2項・第3項)
  • 配偶者控除は同一配偶者からの贈与について過去の年分で既に適用を受けている場合は使えない(第21条の六第1項)
  • 配偶者控除の適用には申告書等への必要書類の添付が必要だが、やむを得ない事情がある場合は書類提出により適用できる(第21条の六第2項・第3項)
  • 障害者非課税は既に他の信託受益権について申告書を提出している場合、控除枠から適用済み部分を差し引いた残額が対象(第21条の四第1項)
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贈与税

贈与税について、条文は何を定めているか。

第21条贈与税の課税贈与税は贈与税額として計算し課税する1項判例 1件
  • 贈与により財産を取得した人にかかる税金である
  • 課税額は法律の定めに従って計算した贈与税額による
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第21_2条贈与税の課税価格その年の贈与財産の合計額が課税価格になる4項判例なし
  • 無制限納税義務者は国内外すべての贈与財産が対象
  • 制限納税義務者は国内にある贈与財産のみが対象
  • 相続開始の年の贈与で相続税に加算した分は除かれる
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第21_3条贈与税の非課税財産法人からの贈与や生活費等は非課税財産になる2項・6号判例なし
  • 法人からの贈与、公益信託からの給付は非課税
  • 扶養義務者間の生活費・教育費で通常必要な分は非課税
  • 公益事業用の財産や報告済みの選挙運動資金等も非課税
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第21_4条特定障害者に対する贈与税の非課税障害者扶養信託の受益権は一定額まで非課税4項判例なし
  • 特別障害者は6000万円まで非課税になる
  • 特別障害者以外の特定障害者は3000万円まで非課税
  • 適用には障害者非課税信託申告書を税務署長に提出する
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第21_5条贈与税の基礎控除課税価格から60万円を控除する1項判例なし
  • 贈与税の課税価格から60万円を控除できる
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第21_6条贈与税の配偶者控除婚姻20年以上の配偶者からの贈与は2000万円控除4項判例なし
  • 居住用不動産等を取得の翌年3月15日までに居住開始する必要がある
  • 控除額は2000万円まで(取得額がそれ未満なら取得額まで)
  • 同一配偶者からの贈与で過去に適用済みの年があれば対象外
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第21_7条贈与税の税率課税価格を区分し段階税率で計算する1項判例なし
  • 基礎控除等を引いた後の課税価格に本条の表の税率を適用する
  • 課税価格を金額ごとに区分し、区分ごとの税率を掛けて合計する
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第21_8条在外財産に対する贈与税額の控除外国で課された贈与税相当額を控除できる1項判例なし
  • 国外財産に外国の贈与税相当税が課されていれば控除できる
  • 控除額は算出税額のうち当該財産の占める割合が上限となる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第21条相続税法

負担附贈与と贈与税の課税価格

裁判要旨負担附贈与がされた場合における贈与税の課税価格は、右贈与にかかる財産の時価から当該負担額を控除した価額である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和56年6月26日 昭和54(行ツ)136
登載
集民 第133号187頁
参照法条
相続税法2条の2,相続税法21条の2,民法553条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

相続税法 第21条(贈与税の課税) 詳細ページ
(贈与税の課税)
第二十一条贈与税は、この節及び次節に定めるところにより、贈与により財産を取得した者に係る贈与税額として計算した金額により、課する。
相続税法 第21_2条(贈与税の課税価格) 詳細ページ
(贈与税の課税価格)
第二十一条の二贈与により財産を取得した者がその年中における贈与による財産の取得について第一条の四第一項第一号又は第二号の規定に該当する者である場合においては、その者については、その年中において贈与により取得した財産の価額の合計額をもつて、贈与税の課税価格とする。
2贈与により財産を取得した者がその年中における贈与による財産の取得について第一条の四第一項第三号又は第四号の規定に該当する者である場合においては、その者については、その年中において贈与により取得した財産でこの法律の施行地にあるものの価額の合計額をもつて、贈与税の課税価格とする。
3贈与により財産を取得した者がその年中における贈与による財産の取得について第一条の四第一項第一号の規定に該当し、かつ、同項第三号若しくは第四号の規定に該当する者又は同項第二号の規定に該当し、かつ、同項第三号若しくは第四号の規定に該当する者である場合においては、その者については、その者がこの法律の施行地に住所を有していた期間内に贈与により取得した財産で政令で定めるものの価額及びこの法律の施行地に住所を有していなかつた期間内に贈与により取得した財産で政令で定めるものの価額の合計額をもつて、贈与税の課税価格とする。
4相続又は遺贈により財産を取得した者が相続開始の年において当該相続に係る被相続人から受けた贈与により取得した財産の価額で第十九条の規定により相続税の課税価格に加算されるものは、前三項の規定にかかわらず、贈与税の課税価格に算入しない。
相続税法 第21_3条(贈与税の非課税財産) 詳細ページ
(贈与税の非課税財産)
第二十一条の三次に掲げる財産の価額は、贈与税の課税価格に算入しない。
一法人からの贈与により取得した財産及び公益信託から給付を受けた財産
二扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの
三宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で政令で定めるものが贈与により取得した財産で当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの(次号に掲げるものを除く。)
四公益信託の受託者が贈与により取得した財産(その信託財産として取得したものに限る。)
五条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて支給される給付金を受ける権利
六公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の適用を受ける選挙における公職の候補者が選挙運動に関し贈与により取得した金銭、物品その他の財産上の利益で同法第百八十九条(選挙運動に関する収入及び支出の報告書の提出)の規定による報告がなされたもの
2第十二条第二項の規定は、前項第三号に掲げる財産について準用する。この場合において、同条第二項中「同項」とあるのは「第二十一条の三第一項」と、「相続税」とあるのは「贈与税」と読み替えるものとする。
相続税法 第21_4条(特定障害者に対する贈与税の非課税) 詳細ページ
(特定障害者に対する贈与税の非課税)
第二十一条の四特定障害者(第十九条の四第二項に規定する特別障害者(第一条の四第一項第二号から第四号までの規定に該当する者を除く。以下この項において「特別障害者」という。)及び第十九条の四第二項に規定する障害者(特別障害者を除く。)のうち精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者その他の精神に障害がある者として政令で定めるもの(第一条の四第一項第二号から第四号までの規定に該当する者を除く。)をいう。以下この項及び次項において同じ。)が、信託会社その他の者で政令で定めるもの(以下この条において「受託者」という。)の営業所、事務所その他これらに準ずるものでこの法律の施行地にあるもの(第三項において「受託者の営業所等」という。)において当該特定障害者を受益者とする特定障害者扶養信託契約に基づいて当該特定障害者扶養信託契約に係る財産の信託がされることによりその信託の利益を受ける権利(以下この条において「信託受益権」という。)を有することとなる場合において、政令で定めるところにより、その信託の際、当該信託受益権につきこの項の規定の適用を受けようとする旨その他必要な事項を記載した申告書(以下この条において「障害者非課税信託申告書」という。)を納税地の所轄税務署長に提出したときは、当該信託受益権でその価額のうち六千万円(特定障害者のうち特別障害者以外の者にあつては、三千万円)までの金額(既に他の信託受益権について障害者非課税信託申告書を提出している場合には、当該他の信託受益権でその価額のうちこの項の規定の適用を受けた部分の価額を控除した残額)に相当する部分の価額については、贈与税の課税価格に算入しない。
2前項に規定する特定障害者扶養信託契約とは、個人が受託者と締結した金銭、有価証券その他の財産で政令で定めるものの信託に関する契約で、当該個人以外の一人の特定障害者を信託の利益の全部についての受益者とするもののうち、当該契約に基づく信託が当該特定障害者の死亡の日に終了することとされていることその他の政令で定める要件を備えたものをいう。
3障害者非課税信託申告書には、受託者の営業所等のうちいずれか一のものに限り記載することができるものとし、一の障害者非課税信託申告書を提出した場合には、当該障害者非課税信託申告書に記載された受託者の営業所等において新たに特定障害者扶養信託契約に基づき信託される財産に係る信託受益権につき第一項の規定の適用を受けようとする場合その他の場合で政令で定める場合を除き、他の障害者非課税信託申告書は、提出することができないものとする。
4前二項に定めるもののほか、障害者非課税信託申告書の提出及び当該障害者非課税信託申告書に記載した事項を変更した場合における申告に関する事項その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
相続税法 第21_5条(贈与税の基礎控除) 詳細ページ
(贈与税の基礎控除)
第二十一条の五贈与税については、課税価格から六十万円を控除する。
相続税法 第21_6条(贈与税の配偶者控除) 詳細ページ
(贈与税の配偶者控除)
第二十一条の六その年において贈与によりその者との婚姻期間が二十年以上である配偶者から専ら居住の用に供する土地若しくは土地の上に存する権利若しくは家屋でこの法律の施行地にあるもの(以下この条において「居住用不動産」という。)又は金銭を取得した者(その年の前年以前のいずれかの年において贈与により当該配偶者から取得した財産に係る贈与税につきこの条の規定の適用を受けた者を除く。)が、当該取得の日の属する年の翌年三月十五日までに当該居住用不動産をその者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みである場合又は同日までに当該金銭をもつて居住用不動産を取得して、これをその者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みである場合においては、その年分の贈与税については、課税価格から二千万円(当該贈与により取得した居住用不動産の価額に相当する金額と当該贈与により取得した金銭のうち居住用不動産の取得に充てられた部分の金額との合計額が二千万円に満たない場合には、当該合計額)を控除する。
2前項の規定は、第二十八条第一項に規定する申告書(当該申告書に係る期限後申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。)又は国税通則法第二十三条第三項(更正の請求)に規定する更正請求書に、前項の規定により控除を受ける金額その他その控除に関する事項及びその控除を受けようとする年の前年以前の各年分の贈与税につき同項の規定の適用を受けていない旨を記載した書類その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
3税務署長は、前項の財務省令で定める書類の添付がない同項の申告書又は更正請求書の提出があつた場合においても、その添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
4前二項に定めるもののほか、贈与をした者が第一項に規定する婚姻期間が二十年以上である配偶者に該当するか否かの判定その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
相続税法 第21_7条(贈与税の税率) 詳細ページ
(贈与税の税率)
第二十一条の七贈与税の額は、前二条の規定による控除後の課税価格を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じて計算した金額を合計した金額とする。
相続税法 第21_8条(在外財産に対する贈与税額の控除) 詳細ページ
(在外財産に対する贈与税額の控除)
第二十一条の八贈与によりこの法律の施行地外にある財産を取得した場合において、当該財産についてその地の法令により贈与税に相当する税が課せられたときは、当該財産を取得した者については、前条又は第二十一条の十三の規定により計算した金額からその課せられた税額に相当する金額を控除した残額をもつて、その納付すべき贈与税額とする。ただし、その控除すべき金額が、その者についてこれらの規定により計算した金額に当該財産の価額が当該財産を取得した日の属する年分の贈与税の課税価格に算入された財産の価額のうちに占める割合を乗じて計算した金額を超える場合においては、その超える部分の金額については、当該控除をしない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。