地方税法 / テーマ別まとめ

総則/人格のない社団等の納税義務

人格のない社団等の納税義務の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

人格のない社団等(代表者または管理人の定めがある、法人でない社団・財団)は、地方税法上は法人とみなして課税されます。あわせて、その財産を包括承継した法人や、財産の名義人・払戻分配を受けた者にも、一定の場合に納税義務や第二次納税義務が生じる点を整理しています。

人格のない社団等の納税義務
場面義務を負う者義務の内容限度・範囲
通常の課税人格のない社団等法人とみなして課税―
財産の包括承継承継した法人徴収金を納付・納入全部承継は全額、一部は按分
名義が第三者の財産当該第三者第二次納税義務を負う帰属するとみられる財産額
財産の払戻・分配受けた者第二次納税義務を負う受けた財産の価額
  • 権利義務の一部を承継した場合は、承継財産の割合に応じた額に限る(第9条の3の適用がある場合を除く)。
  • 第三者の第二次納税義務は、滞納処分をしてもなお徴収すべき額に不足すると認められる場合に限る。
  • 払戻・分配を受けた者の第二次納税義務は、受けた財産の価額を限度とする。
  • 払戻・分配が当該滞納に係る徴収金の法定納期限より1年以上前にされている場合は、第二次納税義務は生じない。
  • 払戻・分配について第11条の3の規定が適用される場合は対象外。
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人格のない社団等の納税義務

人格のない社団等の納税義務について、条文は何を定めているか。

第12条人格のない社団等に対する本章の規定の適用人格のない社団等は法人とみなして課税1項判例 3件
  • 代表者または管理人の定めがある社団・財団を「人格のない社団等」という
  • 人格のない社団等は法人とみなして地方税法の規定を適用する
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第12_2条人格のない社団等の納税義務の承継等財産の承継者や受領者にも納税義務が及ぶ3項判例なし
  • 財産の権利義務を包括承継した法人は徴収金を納付する義務を負う(一部承継は割合按分)
  • 名義が第三者の財産も、滞納処分後なお不足あれば第三者が第二次納税義務を負う
  • 払戻・分配を受けた者も、受けた財産の価額を限度に第二次納税義務を負う(1年以上前は除く)
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第12条地方税法

法人の所得額の算定および逋脱責任額に関し、未払事業税、諸未払金、交際費を犯則事業年度の損金に計上することが容認されなかつた事例。

裁判要旨一 原判決の確定した事実関係の下においては、原審が所論未払事業税、諸未払金、交際費を被告会社の本件犯則事業年度の損金に計上することを認めなかつたのは正当である。

二 (原判示の要旨)
(イ)未払事業税について
所論昭和二十二、二十三両年度の法人所得に対する事業税については、当時賦課徴収制が採られ、納税義務者に対する徴収令書の交付により賦課税額が確定する建前になつていたため、当該事業年度において、未だ賦課税額が確定しないときは、その事業年度の所得金額に標準税率を乗じて計算した額をもつて、その事業年度の損金とすべきであつて、右事業年度経過後に至つて確定する賦課税額による不足額を遡つて右事業年度の損金として総益金よりこれを控除すべき理由がない。

三 (ロ)諸未払金について
所論の諸経費(固定資産税、失業保険料等)は、当該事業年度にのみ限定された経費ではなく、毎事業年度繰り返えし継続して支払わるべき経費であるところ、記録によれば、被告会社においては、従来これ等の諸経費を、現実に支払つた日の属する事業年度の経費として計上し、法人税の申告納税をしたものであることが認められる。このような経理慣行の存在する場合は、この経理慣行に従つて、これ等諸経費は、現実に支払われた日の属する事業年度の損金として計上すべきであつて、本件犯則事業年度に限り、発生主義に基づいて、所論未払諸経費をその債務発生の事業年度の損失として算入すべきではない。

四 (ハ)交際費について
所論の交際費は、被告会社の年間売上高金額を基礎として算出された単なる計数上の金額に過ぎず、それが現実の経費として支出されたことを認むべき何等の基礎資料も存在しない。
と各判示している。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月22日 昭和35(あ)560
登載
集刑 第148号829頁
参照法条
旧法人税法(昭和32年法律28号)附則16項,旧法人税法(昭和29年法律38号)附則9項,旧法人税法(昭和22年法律28号―昭和25年法律72号による改正後のもの)48条1項,旧法人税法(昭和22年法律28号―昭和25年法律72号による改正後のもの)21条1項,旧法人税法(昭和22年法律28号―昭和25年法律72号による改正後のもの)19条,旧法人税法(昭和22年法律28号―昭和25年法律72号による改正後のもの)9条,旧法人税法(昭和22年法律28号―昭和25年法律72号による改正後のもの)51条,旧法人税法(昭和22年法律28号―昭和25年法律72号による改正後のもの)53条,旧地方税法(昭和23年法律110号)18条,旧地方税法(昭和23年法律110号)19条,旧地方税法(昭和23年法律110号)12条,国税庁、事業税の取扱について通達(昭和26年3月29日直法1―42),国税庁、法人税基本通達(昭和25年9月25日直法1―100)269号,所得税法20条1項
論点2第12条地方税法

審判の請求を受けない事件について判決をしたものとならない事例

裁判要旨起訴状に「被告人は納税組合設立の件が議せられている労働組合大会の席上『現在a町で工事中の観光道路は幅三間で戦車が通るようになつているという事は米ソ戦争の際アメリカの軍用道路に使われるのだ。現在の警察予備隊七万五千名は売国奴吉田によつて戦争に駆り立てられているのは明らかで、其の拳銃も我々の税金で賄われているので其の様な税金を納めるのには反対だし、従つて其の様な税金を納める為めの納税組合にも反対である。』旨発言して地方税を納入しないことをせん動した」と記載して起訴されたのに対し、第一審判決が起訴条に記載のない『委員長は税金が戦争準備のため使われていないというが平衡交付金が減らされたこと自体戦争準備のために使われている証拠だ』との文言を被告人の発言内容として、右起訴状記載の発言内容に附加して判示したからといつて第一審判決は審判の請求を受けない事件について判決をしたものではない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和30年11月30日 昭和26(あ)3472
登載
刑集 第9巻12号2529頁
参照法条
刑訴法256条1乃至3項,刑訴法312条,刑訴法378条3号,地方税法12条1項
論点3第12条地方税法

地方税を納付しないことを煽動するが如きビラを頒布する行為と言論の自由

裁判要旨原審が原判示のビラを頒布した被告人等の行為を以て「地方税を納付しないことを煽動したもの」と認めたのは相当であり、これを非難する論旨は当らない。そしてそれ自体犯罪を構成する右の様な行為が憲法二一条〈不納煽動に関する罪〉の保障の範囲外であることは昭和二三年(れ)第一三〇八号事件同二四年五月一八日大法廷判決の趣旨に徴し明である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年11月17日 昭和27(あ)541
登載
集刑 第88号491頁
参照法条
憲法21条,地方税法12条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

地方税法 第12条(人格のない社団等に対する本章の規定の適用) 詳細ページ
(人格のない社団等に対する本章の規定の適用)
第十二条法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定があるもの(以下本章において「人格のない社団等」という。)は、法人とみなして、本章中法人に関する規定をこれに適用する。
地方税法 第12_2条(人格のない社団等の納税義務の承継等) 詳細ページ
(人格のない社団等の納税義務の承継等)
第十二条の二法人が人格のない社団等の財産に属する権利義務を包括して承継する場合(第九条の三の規定の適用がある場合を除く。)には、その法人は、その人格のない社団等に課されるべき、又はその人格のない社団等が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金(その承継が権利義務の一部であるときは、その額にその承継の時における人格のない社団等の財産のうちにその法人が承継した財産の占める割合を乗じて計算して得た額の地方団体の徴収金)を納付し、又は納入する義務を負う。
2人格のない社団等が地方団体の徴収金を滞納した場合において、これに属する財産(第三者が名義人となつているため、当該第三者に法律上帰属するとみられる財産を除く。)につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、当該第三者は、その法律上帰属するとみられる財産を限度として、当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。
3滞納者である人格のない社団等の財産の払戻又は分配をした場合(第十一条の三の規定の適用がある場合を除く。)において、当該人格のない社団等(前項に規定する第三者を含む。)につき滞納処分をしてもなお徴収すべき額に不足すると認められるときは、当該払戻又は分配を受けた者は、その受けた財産の価額を限度として、当該滞納に係る地方団体の徴収金の第二次納税義務を負う。ただし、その払戻又は分配が当該滞納に係る地方団体の徴収金の法定納期限より一年以上前にされている場合は、この限りでない。
出

一次情報

原文ママ

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