第二次納税義務の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
第二次納税義務は、本来の納税者(滞納者)に滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足がある場合に、滞納者と一定の関係にある第三者に補充的にその国税の納付義務を負わせる制度です。国税徴収法32条が告知・督促・換価の順序などの共通手続を定め、33条から41条までが、無限責任社員、清算人、同族会社、実質的な収益の帰属者、事業の共同経営者、事業の譲受人、無償譲渡の受益者、不正行為をした役員、人格のない社団の財産名義人など、義務を負う類型ごとの要件と責任の限度を定めています。
| 条文 | 対象者 | 主な要件 | 責任の限度 |
|---|---|---|---|
| 33条 | 無限責任社員(合名・合資会社等) | 法人に滞納処分してもなお不足 | 国税の全額(連帯責任) |
| 34条 | 清算人・残余財産の受領者 | 未納のまま残余財産を分配・引渡し | 清算人は分配額、受領者は受領額まで |
| 34条 | 清算受託者・残余財産受益者等 | 信託終了後、未納のまま給付 | 給付額または受給額の限度 |
| 35条 | 同族会社(判定基礎株主の会社) | 株式の換価不能・譲渡制限等+財産不足 | 保有株式・出資の価額まで(1年以上前取得分除く) |
| 36条 | 収益の法律上の帰属者 | 実質所得者課税等で課税された国税 | 収益を生じた財産の価額まで |
| 36条 | 貸付けを法律上行った者 | 消費税の実質判定で課税された国税 | 貸付けに係る財産の価額まで |
| 36条 | 行為計算否認で利益を受けた者 | 同族会社等の行為計算否認で課税 | 受けた利益の額まで |
| 37条 | 生計一親族・同族会社の株主等 | 事業の重要財産を有し所得も帰属 | 当該財産(取得財産含む)の価額まで |
| 38条 | 生計一親族・被支配会社の譲受人 | 事業譲渡+同一・類似事業を継続 | 譲受財産の価額まで(1年以上前の譲渡除く) |
| 39条 | 無償・著しい低額の譲渡等の相手方 | 法定納期限の1年前以後の処分が原因 | 受けた利益が現存する限度(特殊関係者は利益全額) |
| 40条 | 不正をした役員・有限責任社員 | 偽り不正で国税を免れた株式会社等が滞納 | 免れた税額と移転財産の低い方 |
| 41条 | 財産の名義人である第三者 | 社団に法律上帰属する財産を名義保有 | 帰属するとみられる財産の価額まで |
| 41条 | 払戻・分配を受けた者 | 社団に滞納処分してもなお不足 | 受けた財産の価額まで(1年以上前の払戻等除く) |
第二次納税義務について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
第二次納税義務の納付告知の取消訴訟において本来の納税義務者の納税義務を争うことの可否
国税徴収法の定める第二次納税義務の納付告知と国税通則法七〇条の類推適用
1 国税徴収法39条〈無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務〉所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをすることの可否
2 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをする場合の不服申立期間の起算日
国税徴収法三九条〈無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務〉にいう「受けた利益の限度」の算定と当該受益財産の取得により課される道府県民税額及び市町村民税額控除の要否
1 遺産分割協議は国税徴収法39条にいう第三者に利益を与える処分に当たり得るか
2 滞納者に詐害の意思のあることは国税徴収法39条所定の第二次納税義務の成立要件か
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