国税徴収法 / テーマ別まとめ

滞納処分に関する猶予及び停止等/保全担保及び保全差押

保全担保及び保全差押の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

国税徴収法158条の保全担保と159条の保全差押えは、まだ納付すべき税額が確定していない段階で、国税の徴収を確保するための制度です。158条は消費税等(消費税を除く)を滞納した者に担保提供を命じ、応じなければ税務署長が抵当権を設定する仕組みを定め、159条は不正還脱等の嫌疑がある者について、税額確定前でも財産を差し押さえる保全差押えの手続を定めています。

保全担保及び保全差押
項目保全担保(158条)保全差押(159条)
対象者消費税等の滞納者不正還脱等の嫌疑がある者
発動要件徴収確保が困難と認めるとき確定後は徴収確保が困難なとき
とる措置担保提供命令→不履行で抵当権設定確定前に財産を直ちに差押え
金額の上限前月分の3倍相当額が上限税務署長が定める保全差押金額
解除の要件滞納なし期間が3月継続担保提供・1年経過などで解除
  • 158条の担保提供命令の対象国税は「消費税等」のうち消費税を除いたものに限られる。
  • 158条3項の抵当権設定は酒税を除く国税が対象。
  • 158条2項の限度額は、前年の対応月分等の額がこれを下回るときはその額が上限となる。
  • 159条の保全差押金額の決定には、あらかじめ国税局長の承認が必要。
  • 159条11項により、確定した納付すべき額が保全差押金額に満たず損害が生じたときは国が賠償責任を負う。
  • 160条は削除されている。
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保全担保及び保全差押

保全担保及び保全差押について、条文は何を定めているか。

第158条保全担保滞納者に担保提供を命じ、不履行なら抵当権設定8項判例なし
  • 期限までに担保を出さないと税務署長が抵当権設定を書面で通知できる
  • 限度額は命令月の前月分の税額の3倍(前年実績がこれを下回ればその額)
  • 滞納なし期間が継続して3月に達すれば担保は解除される
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第159条保全差押え確定前でも保全差押金額まで財産を差し押さえられる11項・3号判例なし
  • 決定には税務署長があらかじめ国税局長の承認を受ける必要がある
  • 通知後に担保を提供して差押えをしないよう求めることができる
  • 通知日から1年経過しても税額確定がなければ差押え・担保を解除
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第160条条文は削除されている1項判例なし
  • この条文は削除されている
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

国税徴収法 第158条(保全担保) 詳細ページ
(保全担保)
第百五十八条納税者が消費税等(消費税を除く。)を滞納した場合において、その後その者に課すべきその国税の徴収を確保することができないと認められるときは、税務署長は、その国税の担保として、金額及び期限を指定して、その者に国税通則法第五十条各号(担保の種類)に掲げるものの提供を命ずることができる。
2前項の規定により指定する金額は、その提供を命ずる月の前月分の当該国税の額の三倍に相当する金額(その金額が前年におけるその提供を命ずる月に対応する月分及びその後二月分の当該国税の金額に満たないときは、その額)を限度とする。
3税務署長は、第一項の規定により当該国税(酒税を除く。)の担保の提供を命じた場合において、納税者がその指定された期限までにその命ぜられた担保を提供しないときは、当該国税に関し、その者の財産で抵当権の目的となるものにつき、同項の規定により指定した金額を限度として抵当権を設定することを書面で納税者に通知することができる。
4前項の通知があつたときは、その通知を受けた納税者は、同項の抵当権を設定したものとみなす。この場合において、税務署長は、抵当権の設定の登記を関係機関に嘱託しなければならない。
5前項後段の場合(次項に規定する場合を除く。)においては、その嘱託に係る書面には、第三項の書面が同項の納税者に到達したことを証する書面を添付しなければならない。
6第四項後段の場合において、不動産登記法第十六条第二項(嘱託による登記)(他の法令において準用する場合を含む。)において準用する同法第十八条(登記の申請方法)の規定による嘱託をするときは、その嘱託情報と併せて第三項の書面が同項の納税者に到達したことを証する情報を提供しなければならない。この場合においては、同法第百十六条第一項(官庁の嘱託による登記)の規定にかかわらず、登記義務者の承諾を得ることを要しない。
7税務署長は、第一項の規定による担保の提供又は第四項の規定による抵当権の設定(以下「担保の提供等」という。)があつた場合において、第一項の命令に係る国税の滞納がない期間が継続して三月に達したときは、その担保を解除しなければならない。
8税務署長は、担保の提供等があつた納税者の資力その他の事情の変化により担保の提供等の必要がなくなつたと認めるときは、前項の規定にかかわらず、直ちにその解除をすることができる。
国税徴収法 第159条(保全差押え) 詳細ページ
(保全差押え)
第百五十九条納税義務があると認められる者が不正に国税を免れ、又は国税の還付を受けたことの嫌疑に基づき、国税通則法第十一章(犯則事件の調査及び処分)の規定による差押え、記録命令付差押え若しくは領置又は刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による押収(同法の規定による電磁的記録提供命令(同法第百二条の二第一項第一号イ(電磁的記録提供命令)に掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)若しくは逮捕を受けた場合において、その処分に係る国税の納付すべき額の確定(申告、更正又は決定による確定をいい、国税通則法第二条第二号(定義)に規定する源泉徴収等による国税についての納税の告知を含む。以下この条において同じ。)後においては当該国税の徴収を確保することができないと認められるときは、税務署長は、当該国税の納付すべき額の確定前に、その確定をすると見込まれる国税の金額のうちその徴収を確保するためあらかじめ滞納処分を執行することを要すると認める金額(以下この条において「保全差押金額」という。)を決定することができる。この場合においては、徴収職員は、その金額を限度として、その者の財産を直ちに差し押さえることができる。
2税務署長は、前項の規定による決定をしようとするときは、あらかじめ、その所属する国税局長の承認を受けなければならない。
3税務署長は、第一項の規定により保全差押金額を決定するときは、当該保全差押金額を同項に規定する納税義務があると認められる者に書面で通知しなければならない。
4前項の通知をした場合において、その納税義務があると認められる者がその通知に係る保全差押金額に相当する担保として国税通則法第五十条各号(担保の種類)に掲げるものを提供してその差押えをしないことを求めたときは、徴収職員は、その差押えをすることができない。
5徴収職員は、第一号又は第二号に該当するときは第一項の規定による差押えを、第三号に該当するときは同号に規定する担保をそれぞれ解除しなければならない。
一第一項の規定による差押えを受けた者が前項に規定する担保を提供して、その差押えの解除を請求したとき。
二第三項の通知をした日から一年を経過した日までに、その差押えに係る国税につき納付すべき額の確定がないとき。
三第三項の通知をした日から一年を経過した日までに、保全差押金額について提供されている担保に係る国税につき納付すべき額の確定がないとき。
6徴収職員は、第一項の規定による差押えを受けた者又は第四項若しくは前項第一号の担保を提供した者につき、その資力その他の事情の変化により、その差押え又は担保の徴取の必要がなくなつたと認められることとなつたときは、その差押え又は担保を解除することができる。
7第一項の規定による差押え又は第四項若しくは第五項第一号の担保の提供があつた場合において、その差押え又は担保の提供に係る国税につき納付すべき額の確定があつたときは、その差押え又は担保の提供は、その国税を徴収するためにされたものとみなす。
8第一項の規定により差し押さえた財産は、その差押えに係る国税につき納付すべき額の確定があつた後でなければ、換価することができない。
9第一項の場合において、差し押さえるべき財産に不足があると認められるときは、税務署長は、差押えに代えて交付要求をすることができる。この場合においては、その交付要求であることを明らかにしなければならない。
10税務署長は、第一項の規定により差し押さえた金銭(有価証券、債権又は無体財産権等の差押えにより第三債務者等から給付を受けた金銭を含む。)がある場合において、その差押えに係る国税につき納付すべき額の確定がされていないときは、これを供託しなければならない。
11第一項に規定する国税の納付すべき額として確定をした金額が保全差押金額に満たない場合において、その差押えを受けた者がその差押えにより損害を受けたときは、国は、その損害を賠償する責めに任ずる。この場合において、その額は、その差押えにより通常生ずべき損失の額とする。
国税徴収法 第160条 詳細ページ
第百六十条削除
出

一次情報

原文ママ

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