所得税法 / テーマ別まとめ

必要経費等の計算/引当金

引当金の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

必要経費の計算のうち、引当金勘定への繰入れに関する定めを整理したページです。貸倒引当金(第52条)と退職給与引当金(第54条)について、対象となる居住者の範囲、繰入れの基礎となる金額、必要経費への算入と翌年の総収入金額への算入の関係を扱います。第53条・第55条は削除されており、現在は規定がありません。

引当金
区分対象者繰入れの基礎算入される所得翌年の処理
貸倒引当金(個別評価)居住者(不動産・事業・山林所得)回収不能見込額不動産・事業・山林所得の必要経費翌年分の総収入金額に算入
貸倒引当金(一括評価)青色申告書提出者(事業所得)一括評価貸金の額事業所得の必要経費翌年分の総収入金額に算入
退職給与引当金青色申告書提出者(退職給与規程あり)退職給与要支給額の増加分事業所得の必要経費取りくずした年分の総収入金額に算入
  • 個別評価貸金等の繰入れは、更生計画認可の決定に基づく弁済猶予など政令で定める事実が生じている場合に限られる
  • 一括評価貸金の繰入れは青色申告書を提出する居住者に限られる
  • 退職給与引当金の対象使用人から、居住者と生計を一にする配偶者その他の親族は除かれる
  • いずれも確定申告書に繰入額の必要経費算入に関する明細の記載がある場合に限り適用される(記載がなくてもやむを得ない事情があれば税務署長が適用可)
  • 退職給与引当金は、使用人の退職・青色申告承認の取消しその他政令で定める場合に取りくずさなければならない
  • 居住者が死亡し相続人が事業を承継しなかった場合等は、貸倒引当金の適用が除外される場合がある
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引当金

引当金について、条文は何を定めているか。

第52条貸倒引当金貸倒れ見込み分を必要経費にできる6項判例なし
  • 個別評価貸金等は回収不能見込額を基礎に繰入れ、必要経費に算入できる
  • 一括評価貸金は青色申告者に限り、その額を基礎に必要経費に算入できる
  • 繰入れた年の翌年分は、その金額を総収入金額に算入する
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第53条削除されており規定なし1項判例なし
第54条退職給与引当金退職給与引当金を必要経費に算入できる6項判例なし
  • 青色申告者で退職給与規程がある場合に繰入れができる
  • 使用人全員が自己都合退職したと仮定した増加見積額が基礎
  • 退職等で取りくずすと、その年分の総収入金額に算入する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第55条削除されており規定なし1項判例なし
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法 第52条(貸倒引当金) 詳細ページ
(貸倒引当金)
第五十二条不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を営む居住者が、その有する売掛金、貸付金、前渡金その他これらに準ずる金銭債権(債券に表示されるべきものを除く。次項において同じ。)で当該事業の遂行上生じたもの(以下この項において「貸金等」という。)のうち、更生計画認可の決定に基づいて弁済を猶予され、又は賦払により弁済されることその他の政令で定める事実が生じていることによりその一部につき貸倒れその他これに類する事由による損失が見込まれるもの(当該貸金等に係る債務者に対する他の貸金等がある場合には、当該他の貸金等を含む。以下この項及び次項において「個別評価貸金等」という。)のその損失の見込額として、各年(事業の全部を譲渡し、又は廃止した日の属する年を除く。次項において同じ。)において貸倒引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、その年十二月三十一日(その者が年の中途において死亡した場合には、その死亡の時。次項において同じ。)において当該個別評価貸金等の取立て又は弁済の見込みがないと認められる部分の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、その者のその年分の不動産所得、事業所得又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。ただし、その者が死亡した場合において、その相続人が当該事業を承継しなかつたときは、この限りでない。
2青色申告書を提出する居住者で事業所得を生ずべき事業を営むものが、その有する売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権で当該事業の遂行上生じたもの(個別評価貸金等を除く。以下この項において「一括評価貸金」という。)の貸倒れによる損失の見込額として、各年において貸倒引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、その年十二月三十一日において有する一括評価貸金の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、その者のその年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。ただし、その者が死亡した場合において、その相続人が当該事業を承継しなかつたとき、その他政令で定める場合は、この限りでない。
3前二項の規定によりその繰入れをした年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入された貸倒引当金勘定の金額は、その繰入れをした年の翌年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
4第一項及び第二項の規定は、確定申告書に貸倒引当金勘定に繰り入れた金額の必要経費への算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
5税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
6第一項又は第二項に規定する居住者が死亡した場合において、これらの規定によりその者の死亡の日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入された貸倒引当金勘定の金額があるときにおける当該貸倒引当金勘定の金額の処理に関し必要な事項は、政令で定める。
所得税法 第53条 詳細ページ
第五十三条削除
所得税法 第54条(退職給与引当金) 詳細ページ
(退職給与引当金)
第五十四条青色申告書を提出する居住者で事業所得を生ずべき事業を営むもののうち、政令で定める退職給与規程を定めているものが、その事業に係る使用人(その居住者と生計を一にする配偶者その他の親族を除く。以下この条において同じ。)の退職により支給する退職給与に充てるため、各年において退職給与引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、その年十二月三十一日(その居住者が年の中途において死亡した場合には、その死亡の時)において在職するその事業に係る使用人の全員が自己の都合により退職するものと仮定して計算した場合に退職給与として支給されるべき金額の見積額のうちその年において増加したと認められる部分の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、その居住者のその年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
2退職給与引当金勘定の金額(前項の規定によりその繰入れをした年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入されたものに限るものとし、既にこの項の規定により取りくずすべきこととなつたものを除く。以下この条において同じ。)を有する居住者は、前項の使用人が退職した場合、青色申告書の提出の承認を取り消された場合その他政令で定める場合には、政令で定めるところにより、その退職給与引当金勘定の金額を取りくずさなければならない。
3前項の規定により取りくずすべきこととなつた退職給与引当金勘定の金額又は同項の規定に該当しないで取りくずした退職給与引当金勘定の金額は、それぞれその取りくずすべきこととなつた日又は取りくずした日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
4第一項の規定は、確定申告書に退職給与引当金勘定に繰り入れた金額の必要経費への算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
5税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
6第二項から前項までに定めるもののほか、退職給与引当金勘定の金額を有する居住者が死亡した場合における当該退職給与引当金勘定の金額の処理その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
所得税法 第55条 詳細ページ
第五十五条削除
出

一次情報

原文ママ

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