法人税法 / テーマ別まとめ

完全支配関係がある法人の間の損益通算及び欠損金の通算/資産の時価評価等

資産の時価評価等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

通算制度の開始・加入・離脱という各局面で、対象となる内国法人が保有する固定資産や有価証券などの時価評価資産について、評価益又は評価損を益金・損金に算入する仕組みを整理したページです。完全支配関係の継続が見込まれる法人など一定の類型は時価評価の対象から除外されます。あわせて、支配関係が生じる前から続いていない法人が新事業を開始した場合に生じる特定資産の譲渡等損失額の損金不算入についても扱います。

資産の時価評価等
場面対象法人時価評価の要否主な除外
開始時(64条の11)親法人・子法人評価損益を計上継続見込み法人は除外
加入時(64条の12)新たに加入する法人評価損益を計上新設・共同事業要件等は除外
離脱時(64条の13)離脱する通算法人要件該当時のみ評価損益主要事業継続見込みなし等
  • 64条の11:親法人・子法人間の完全支配関係の継続が見込まれる場合はそれぞれ時価評価の対象から除外(1号・2号)
  • 64条の11②:通算開始直前事業年度末に子法人株式を持つ内国法人の当該株式にも評価損益が及ぶ場合がある
  • 64条の12①:新設法人・適格株式交換等完全子法人・従業者おおむね80%以上引継ぎ等の要件を満たす法人・共同事業を行う法人は除外
  • 64条の12②:加入法人の株式を持つ内国法人の当該株式にも評価損益が及ぶ場合がある
  • 64条の13①:主要事業の継続見込みがない場合、又は他の通算法人に帳簿価額10億円超の株式譲渡等損失が見込まれる場合に限り評価損益を計上
  • 64条の14③④⑤:欠損等法人に該当する場合や特定適格組織再編成等が行われた場合は適用期間の起算・終了が別途調整される
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資産の時価評価等

資産の時価評価等について、条文は何を定めているか。

第64_11条通算制度の開始に伴う資産の時価評価損益通算開始時に資産を時価評価する3項・2号判例なし
  • 親法人・子法人は通算開始直前事業年度末に時価評価資産の評価損益を計上する
  • 完全支配関係の継続が見込まれる法人は評価の対象から除外される
  • 子法人株式を持つ内国法人の株式にも評価損益が及ぶ場合がある
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第64_12条通算制度への加入に伴う資産の時価評価損益加入時にも資産を時価評価する3項・4号判例なし
  • 通算グループに加入する法人は加入直前事業年度末に評価損益を計上する
  • 新設法人・適格株式交換等完全子法人・共同事業要件を満たす法人等は除外
  • 加入法人の株式を持つ内国法人の株式にも評価損益が及ぶ場合がある
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第64_13条通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益離脱時は一定の場合に時価評価する2項・2号判例なし
  • 主要事業の継続が見込まれない場合、通算終了直前事業年度末に評価損益を計上する
  • 帳簿価額10億円超の資産に株式譲渡等損失発生が見込まれる場合も対象になる
  • 上記いずれにも該当しなければ評価損益は生じない
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第64_14条特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入特定資産の譲渡等損失は損金算入を制限6項・2号判例なし
  • 通算承認前から支配関係が継続していない法人が新事業を開始すると対象になる
  • 適用期間は支配関係発生日から5年、通算承認効力発生日から3年のいずれか早い日まで
  • 適用期間中に生じた特定資産譲渡等損失額は各事業年度の所得計算上損金不算入となる
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関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

法人税法 第64_11条(通算制度の開始に伴う資産の時価評価損益) 詳細ページ
(通算制度の開始に伴う資産の時価評価損益)
第六十四条の十一通算承認を受ける内国法人(第六十四条の九第一項(通算承認)に規定する親法人(以下この項及び次項において「親法人」という。)及び当該親法人の最初通算事業年度(当該通算承認の効力が生ずる日以後最初に終了する事業年度をいう。以下この項において同じ。)開始の時に当該親法人との間に当該親法人による完全支配関係(同条第一項に規定する政令で定める関係に限る。以下この項及び次条において同じ。)があるものに限るものとし、次に掲げるものを除く。)が通算開始直前事業年度(当該最初通算事業年度開始の日の前日(当該内国法人が第六十四条の九第十項第一号に規定する時価評価法人である場合には、当該最初通算事業年度終了の日)の属する当該内国法人の事業年度をいう。以下この項及び次項において同じ。)終了の時に有する時価評価資産(固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除く。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産(これらの資産のうち評価損益の計上に適しないものとして政令で定めるものを除く。)をいう。)の評価益の額(その時の価額がその時の帳簿価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)又は評価損の額(その時の帳簿価額がその時の価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)は、当該通算開始直前事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
一当該親法人と第六十四条の九第二項に規定する他の内国法人(当該最初通算事業年度開始の時に当該親法人との間に当該親法人による完全支配関係があるものに限る。)のいずれかとの間に完全支配関係が継続することが見込まれている場合として政令で定める場合に該当する場合における当該親法人
二当該親法人と第六十四条の九第二項に規定する他の内国法人との間に当該親法人による完全支配関係が継続することが見込まれている場合として政令で定める場合に該当する場合における当該他の内国法人
2前項に規定する内国法人(第六十四条の五(損益通算)の規定の適用を受けない法人として政令で定める法人及び親法人を除く。)の通算開始直前事業年度終了の時において当該内国法人の株式又は出資を有する内国法人(以下この項において「株式等保有法人」という。)の当該株式又は出資(当該株式等保有法人について前項の規定の適用がある場合には、同項に規定する時価評価資産に該当するものを除く。)の評価益の額(その時の価額がその時の帳簿価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)又は評価損の額(その時の帳簿価額がその時の価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)は、当該通算開始直前事業年度終了の日の属する当該株式等保有法人の事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
3前二項の規定によりこれらの規定に規定する評価益の額又は評価損の額を益金の額又は損金の額に算入された資産の帳簿価額その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
法人税法 第64_12条(通算制度への加入に伴う資産の時価評価損益) 詳細ページ
(通算制度への加入に伴う資産の時価評価損益)
第六十四条の十二第六十四条の九第十一項又は第十二項(通算承認)の規定の適用を受けるこれらの規定に規定する他の内国法人(次に掲げるものを除く。)が通算加入直前事業年度(当該他の内国法人について通算承認の効力が生ずる日の前日の属する当該他の内国法人の事業年度をいう。以下この項において同じ。)終了の時に有する時価評価資産(固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除く。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産(これらの資産のうち評価損益の計上に適しないものとして政令で定めるものを除く。)をいう。)の評価益の額(その時の価額がその時の帳簿価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)又は評価損の額(その時の帳簿価額がその時の価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)は、当該通算加入直前事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
一通算法人が当該通算法人に係る通算親法人による完全支配関係がある法人を設立した場合における当該法人
二通算法人を株式交換等完全親法人とする適格株式交換等に係る株式交換等完全子法人
三通算親法人が法人との間に当該通算親法人による完全支配関係を有することとなつた場合(その有することとなつた時の直前において当該通算親法人と当該法人との間に当該通算親法人による支配関係がある場合に限る。)で、かつ、次に掲げる要件の全てに該当する場合における当該法人(当該通算親法人との間に当該通算親法人による完全支配関係が継続することが見込まれている場合として政令で定める場合に該当するものに限るものとし、第二条第十二号の十七イからハまで(定義)のいずれにも該当しない株式交換等により完全支配関係を有することとなつた当該株式交換等に係る株式交換等完全子法人を除く。)
イ当該法人の当該完全支配関係を有することとなる時の直前の従業者のうち、その総数のおおむね百分の八十以上に相当する数の者が当該法人の業務(当該法人との間に完全支配関係がある法人の業務を含む。)に引き続き従事することが見込まれていること。
ロ当該法人の当該完全支配関係を有することとなる前に行う主要な事業が当該法人(当該法人との間に完全支配関係がある法人を含む。)において引き続き行われることが見込まれていること。
四通算親法人が法人との間に当該通算親法人による完全支配関係を有することとなつた場合で、かつ、当該通算親法人又は他の通算法人と当該法人とが共同で事業を行う場合として政令で定める場合に該当する場合における当該法人(当該通算親法人との間に当該通算親法人による完全支配関係が継続することが見込まれている場合として政令で定める場合に該当するものに限るものとし、第二条第十二号の十七イからハまでのいずれにも該当しない株式交換等により完全支配関係を有することとなつた当該株式交換等に係る株式交換等完全子法人を除く。)
2前項に規定する他の内国法人(通算親法人との間に当該通算親法人による完全支配関係が継続することが見込まれている場合として政令で定める場合に該当するもの及び第六十四条の五(損益通算)の規定の適用を受けない法人として政令で定める法人を除く。)について通算承認の効力が生じた日において当該他の内国法人の株式又は出資を有する内国法人(以下この項において「株式等保有法人」という。)の当該株式又は出資(同日の前日の属する当該株式等保有法人の事業年度において前項の規定の適用がある場合には、同項に規定する時価評価資産に該当するものを除く。)の評価益の額(その時の価額がその時の帳簿価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)又は評価損の額(その時の帳簿価額がその時の価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)は、当該前日の属する当該株式等保有法人の事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
3前二項の規定によりこれらの規定に規定する評価益の額又は評価損の額を益金の額又は損金の額に算入された資産の帳簿価額その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
法人税法 第64_13条(通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益) 詳細ページ
(通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益)
第六十四条の十三通算法人(第六十四条の十第四項から第六項まで(通算制度の取りやめ等)の規定により通算承認の効力を失うもの(当該通算法人が通算子法人である場合には、第六十四条の五(損益通算)の規定の適用を受けない法人として政令で定める法人及び他の通算法人を合併法人とする合併が行われたこと又は当該通算法人の残余財産が確定したことに基因して同項の規定により当該通算承認の効力を失うものを除く。)に限る。)が次に掲げる要件のいずれかに該当する場合には、当該通算法人の通算終了直前事業年度(その効力を失う日の前日の属する事業年度をいう。以下この項において同じ。)終了の時に有する時価評価資産(次の各号に掲げる要件のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める資産をいう。)の評価益の額(その時の価額がその時の帳簿価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)又は評価損の額(その時の帳簿価額がその時の価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)は、当該通算終了直前事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
一当該通算法人の当該通算終了直前事業年度終了の時前に行う主要な事業が当該通算法人であつた内国法人(当該内国法人との間に完全支配関係がある法人並びにその時後に行われる適格合併又は当該内国法人を分割法人若しくは現物出資法人とする適格分割若しくは適格現物出資(以下この号において「適格合併等」という。)により当該主要な事業が当該適格合併等に係る合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人(以下この号において「合併法人等」という。)に移転することが見込まれている場合における当該合併法人等及び当該合併法人等との間に完全支配関係がある法人を含む。)において引き続き行われることが見込まれていないこと(その時に有する資産の価額がその時に有する資産の帳簿価額を超える場合として政令で定める場合を除く。)固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除く。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産(これらの資産のうち評価損益の計上に適しないものとして政令で定めるものを除く。)
二当該通算法人の株式又は出資を有する他の通算法人において当該通算終了直前事業年度終了の時後に当該株式又は出資の譲渡又は評価換えによる損失の額として政令で定める金額が生ずることが見込まれていること(前号に掲げる要件に該当する場合を除く。)当該通算法人が当該通算終了直前事業年度終了の時に有する同号に定める資産(その時における帳簿価額として政令で定める金額が十億円を超えるものに限る。)のうちその時後に譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他の政令で定める事由が生ずること(その事由が生ずることにより損金の額に算入される金額がない場合又はその事由が生ずることにより損金の額に算入される金額がその事由が生ずることにより益金の額に算入される金額以下である場合を除く。)が見込まれているもの
2前項の規定により同項に規定する評価益の額又は評価損の額を益金の額又は損金の額に算入された資産の帳簿価額その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
法人税法 第64_14条(特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入) 詳細ページ
(特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入)
第六十四条の十四通算法人(第六十四条の十一第一項各号(通算制度の開始に伴う資産の時価評価損益)又は第六十四条の十二第一項各号(通算制度への加入に伴う資産の時価評価損益)に掲げる法人に限る。以下この項において同じ。)が通算承認の効力が生じた日の五年前の日又は当該通算法人の設立の日のうちいずれか遅い日から当該通算承認の効力が生じた日まで継続して当該通算法人に係る通算親法人(当該通算法人が通算親法人である場合には、他の通算法人のいずれか)との間に支配関係がある場合として政令で定める場合に該当しない場合(当該通算法人が通算子法人である場合において、当該通算法人について通算承認の効力が生じた日から同日の属する当該通算法人に係る通算親法人の事業年度終了の日までの間に第六十四条の十第五項又は第六項(通算制度の取りやめ等)の規定により当該通算承認が効力を失つたとき(当該通算法人を被合併法人とする合併で他の通算法人を合併法人とするものが行われたこと又は当該通算法人の残余財産が確定したことに基因してその効力を失つた場合を除く。)を除く。)で、かつ、当該通算法人について通算承認の効力が生じた後に当該通算法人と他の通算法人とが共同で事業を行う場合として政令で定める場合に該当しない場合において、当該通算法人が当該通算法人に係る通算親法人との間に最後に支配関係を有することとなつた日(当該通算法人が通算親法人である場合には、他の通算法人のうち当該通算法人との間に最後に支配関係を有することとなつた日が最も早いものとの間に最後に支配関係を有することとなつた日。以下この項及び次項第一号において「支配関係発生日」という。)以後に新たな事業を開始したときは、当該通算法人の適用期間(当該通算承認の効力が生じた日と当該事業を開始した日の属する事業年度開始の日とのうちいずれか遅い日からその効力が生じた日以後三年を経過する日と当該支配関係発生日以後五年を経過する日とのうちいずれか早い日までの期間をいう。)において生ずる特定資産譲渡等損失額は、当該通算法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2前項に規定する特定資産譲渡等損失額とは、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額をいう。
一通算法人が有する資産(棚卸資産、帳簿価額が少額であるものその他の政令で定めるものを除く。)で支配関係発生日の属する事業年度開始の日前から有していたもの(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。次号において「特定資産」という。)の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他の事由による損失の額として政令で定める金額の合計額
二特定資産の譲渡、評価換えその他の事由による利益の額として政令で定める金額の合計額
3第一項に規定する通算法人が第六十条の三第一項(特定株主等によつて支配された欠損等法人の資産の譲渡等損失額)に規定する欠損等法人(次項において「欠損等法人」という。)であり、かつ、同条第一項に規定する適用期間内に通算承認の効力が生じたときは、当該通算法人が有する資産については、当該通算承認に係る第一項の規定は、適用しない。
4第一項に規定する通算法人が通算承認の効力が生じた日以後に欠損等法人となり、かつ、第六十条の三第一項に規定する適用期間が開始したときは、第一項に規定する適用期間は、同条第一項に規定する適用期間開始の日の前日に終了するものとする。
5第一項に規定する通算法人について通算承認の効力が生じた日以後に当該通算法人と支配関係法人(当該通算法人との間に支配関係がある法人をいう。)との間で当該通算法人を合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人とする第六十二条の七第一項(特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入)に規定する特定適格組織再編成等が行われ、かつ、同項に規定する対象期間が開始したときは、第一項に規定する適用期間は、同条第一項に規定する対象期間開始の日の前日に終了するものとする。
6第一項に規定する特定資産譲渡等損失額から控除することができる金額その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
出

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