所得税法 / テーマ別まとめ

各種所得の金額の計算/収入及び費用の帰属の時期の特例

収入及び費用の帰属の時期の特例の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

所得税の各種所得金額の計算では、収入や費用をどの年分に計上するか(帰属の時期)について、工事の請負と小規模な事業者・業務向けの特例が定められています。長期大規模工事は工事進行基準の適用が強制され、それ以外の工事も一定の要件のもとで工事進行基準を選択できます。また小規模な事業者や雑所得を生む小規模な業務を行う人は、収入・支出をその年の現金の出入りで計算する方法(現金主義)を選べます。

収入及び費用の帰属の時期の特例
区分対象計算方法適用要件
長期大規模工事(66条1項)着手〜引渡しが1年以上等の工事工事進行基準強制適用
一般工事(66条2項)着工年に未引渡しの工事(長期大規模除く)工事進行基準経理した場合のみ選択可
小規模事業者(67条1項)不動産所得・事業所得(山林除く)現金主義承認+小規模要件該当
雑所得の小規模業務(67条2項)雑所得を生む業務(山林除く)現金主義小規模要件該当
  • 65条は削除されており現在は内容がない
  • 66条2項は着工の翌年以後いずれかの年に工事進行基準で経理しなかった場合、その翌年分以後は適用されない
  • 長期大規模工事の要件(大規模工事の基準等)は政令で定める
  • 67条の適用要件・手続の詳細は政令に委任されている
  • 66条・67条とも山林の伐採又は譲渡に係る所得は対象外(67条)又は対象条文が事業所得等に限定
1

収入及び費用の帰属の時期の特例

収入及び費用の帰属の時期の特例について、条文は何を定めているか。

第65条削除された条文(内容なし)1項判例なし
  • 条文として存在せず、現在は削除のみが規定されている
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第66条工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期工事の請負は進行基準で収益を配分3項判例なし
  • 着手から引渡しまで1年以上等の長期大規模工事は工事進行基準を強制適用
  • 長期大規模工事以外の工事も着工年に引渡しがなければ経理により工事進行基準を選べる
  • 途中の年に工事進行基準で経理しなかった場合、その翌年分以後は使えない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第67条小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期小規模なら現金主義を選べる3項判例なし
  • 青色申告の承認を受けた小規模事業者は不動産・事業所得を現金主義で計算できる
  • 雑所得を生む小規模な業務も同様に現金主義を選べる
  • 山林の伐採・譲渡に係る所得は対象外
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法 第65条 詳細ページ
第六十五条削除
所得税法 第66条(工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期) 詳細ページ
(工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期)
第六十六条居住者が、長期大規模工事(工事(製造及びソフトウエアの開発を含む。以下この条において同じ。)のうち、その着手の日から当該工事に係る契約において定められている目的物の引渡しの期日までの期間が一年以上であること、政令で定める大規模な工事であることその他政令で定める要件に該当するものをいう。以下この条において同じ。)の請負をしたときは、その着手の日の属する年からその目的物の引渡しの日の属する年の前年までの各年分の事業所得の金額の計算上、その長期大規模工事の請負に係る収入金額及び費用の額のうち、当該各年分の収入金額及び費用の額として政令で定める工事進行基準の方法により計算した金額を、総収入金額及び必要経費に算入する。
2居住者が、工事(その着手の日の属する年(以下この項において「着工の年」という。)中にその目的物の引渡しが行われないものに限るものとし、長期大規模工事に該当するものを除く。以下この条において同じ。)の請負をした場合において、その工事の請負に係る収入金額及び費用の額につき、着工の年からその工事の目的物の引渡しの日の属する年の前年までの各年において政令で定める工事進行基準の方法により経理したときは、その経理した収入金額及び費用の額は、当該各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入する。ただし、その工事の請負に係る収入金額及び費用の額につき、着工の年の翌年以後のいずれかの年において当該工事進行基準の方法により経理しなかつた場合には、その経理しなかつた年の翌年分以後の年分の事業所得の金額の計算については、この限りでない。
3第一項又は前項の規定の適用を受ける居住者が死亡した場合における長期大規模工事又は工事の請負に係る収入金額及び費用の額の処理の特例その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
所得税法 第67条(小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期) 詳細ページ
(小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期)
第六十七条青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者で不動産所得又は事業所得を生ずべき業務を行うもののうち小規模事業者として政令で定める要件に該当するもののその年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額(山林の伐採又は譲渡に係るものを除く。)の計算上総収入金額及び必要経費に算入すべき金額は、政令で定めるところにより、その業務につきその年において収入した金額及び支出した費用の額とすることができる。
2雑所得を生ずべき業務を行う居住者のうち小規模な業務を行う者として政令で定める要件に該当するもののその年分の当該雑所得を生ずべき業務に係る雑所得の金額(山林の伐採又は譲渡に係るものを除く。)の計算上総収入金額及び必要経費に算入すべき金額は、政令で定めるところにより、その業務につきその年において収入した金額及び支出した費用の額とすることができる。
3前二項の規定の適用を受けるための手続その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。