法人税法施行令 / テーマ別まとめ

各事業年度の所得の金額の計算の細目/借地権等

借地権等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

このページは、法人税法施行令第137条から第139条までに定める、借地権・地役権の設定や更新に伴う対価の税務上の取扱いを整理しています。対象となるのは、相当の地代を収受した場合の扱い、借地権等の設定で地価が著しく低下した場合の損金算入、更新料を支払った場合の損金算入という3つの場面です。権利金・地代・更新料の処理を検討する際の入口として使えます。

借地権等
場面要件効果
相当の地代の収受地代が土地価額に見合う水準正常な取引として扱う
借地権等の設定価額低下割合が十分の五以上低下分を損金算入
有利な条件の金銭貸付等通常より有利な貸付等を受ける利益額を対価に加算
借地権等の更新料の支払更新料を支払った対価の一部を損金算入
  • 137条は権利金の一部だけ収受した場合、土地価額からその収受額を控除して地代水準を判定する。
  • 138条1項の割合判定は、所有者による設定・建物等一部所有目的・転貸・利用制限の4区分ごとに計算方法が異なる。
  • 138条1項では地下・空間の借地権や導流堤等・地役権の設定について、残額を2倍する等の特則がある。
  • 138条2項・3項は、有利な条件の金銭貸付等を受けた場合、その利益相当額を対価の額に加算して判定する。
  • 138条4項は、有利な貸付等の返還により地代引上げ等があった場合、その利益額を帳簿価額に加算する。
  • 139条の更新料は、損金算入した金額を含めて借地権等の帳簿価額に加算する。
1

借地権等

借地権等について、条文は何を定めているか。

第137条土地の使用に伴う対価についての所得の計算相当の地代を払えば正常取引扱い1項判例なし
  • 権利金を通常収受する慣行があっても、相当の地代を払えば認定課税されない
  • 権利金の一部だけ受け取った場合は、土地価額からその額を引いて地代水準を判定する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第138条借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入地価が大きく下がれば一部を損金算入4項・4号判例なし
  • 借地権や地役権の設定で土地価額の低下割合が十分の五以上なら適用される
  • 低下割合は「所有者が設定」「建物一部所有目的」「転貸」「利用制限」の4区分で計算
  • 通常より有利な条件の金銭貸付等を受けた場合はその利益額を対価に加算する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第139条更新料を支払つた場合の借地権等の帳簿価額の一部の損金算入等更新料を払うと一部を損金算入できる1項判例なし
  • 借地権や地役権の存続期間の更新料を支払った場合が対象
  • 更新時の権利価額に占める更新料の割合分を損金算入する
  • 損金算入した額は借地権等の帳簿価額に加算する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

法人税法施行令 第137条(土地の使用に伴う対価についての所得の計算) 詳細ページ
(土地の使用に伴う対価についての所得の計算)
第百三十七条借地権(地上権又は土地の賃借権をいう。以下この条において同じ。)若しくは地役権の設定により土地を使用させ、又は借地権の転貸その他他人に借地権に係る土地を使用させる行為をした内国法人については、その使用の対価として通常権利金その他の一時金(以下この条において「権利金」という。)を収受する取引上の慣行がある場合においても、当該権利金の収受に代え、当該土地(借地権者にあつては、借地権。以下この条において同じ。)の価額(通常収受すべき権利金に満たない金額を権利金として収受している場合には、当該土地の価額からその収受した金額を控除した金額)に照らし当該使用の対価として相当の地代を収受しているときは、当該土地の使用に係る取引は正常な取引条件でされたものとして、その内国法人の各事業年度の所得の金額を計算するものとする。
法人税法施行令 第138条(借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入) 詳細ページ
(借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入)
第百三十八条内国法人が借地権(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。以下この条において同じ。)又は地役権(特別高圧架空電線の架設、特別高圧地中電線若しくはガス事業法第二条第十二項(定義)に規定するガス事業者が供給する高圧のガスを通ずる導管の敷設、飛行場の設置、懸垂式鉄道若しくは跨座式鉄道の敷設又は砂防法(明治三十年法律第二十九号)第一条(定義)に規定する砂防設備である導流堤その他財務省令で定めるこれに類するもの(第一号イにおいて「導流堤等」という。)の設置、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第十四項(定義)に規定する公共施設の設置若しくは同法第八条第一項第四号(地域地区)の特定街区内における建築物の建築のために設定されたもので、建造物の設置を制限するものに限る。以下この条において同じ。)の設定(借地権に係る土地の転貸その他他人に当該土地を使用させる行為を含む。以下この条において同じ。)により他人に土地を使用させる場合において、その借地権又は地役権の設定により、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める割合が十分の五以上となるときは、その設定の直前におけるその土地(借地権者にあつては、借地権)の帳簿価額に、その設定の直前におけるその土地(借地権者にあつては、借地権)の価額のうちに借地権(他人に借地権に係る土地を使用させる場合にあつては、当該使用に係る権利)又は地役権の価額の占める割合を乗じて計算した金額は、その設定があつた日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一土地の所有者が借地権又は地役権の設定により土地を使用させた場合(次号又は第四号に該当する場合を除く。)その設定の直前におけるその土地の価額のうちに、当該価額からその設定の直後におけるその土地の価額を控除した残額(次に掲げる場合には、それぞれ次に定める金額。第四号において同じ。)の占める割合
イその設定が、地下若しくは空間について上下の範囲を定めた借地権若しくは地役権の設定である場合又は導流堤等若しくは河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第六条第一項第三号(河川区域)に規定する遊水地その他財務省令で定めるこれに類するものの設置を目的とした地役権の設定である場合(ロに掲げる場合を除く。)当該直前におけるその土地の価額から当該直後におけるその土地の価額を控除した残額に二を乗じて計算した金額
ロその設定が、施設又は工作物(大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(平成十二年法律第八十七号)第十六条(使用の認可の要件)の規定により使用の認可を受けた事業(ロにおいて「認可事業」という。)と一体的に施行される事業として当該認可事業に係る同法第十四条第二項第二号(使用認可申請書)の事業計画書に記載されたものにより設置されるもののうち財務省令で定めるものに限る。)の全部の所有を目的とする地下について上下の範囲を定めた借地権の設定である場合当該直前におけるその土地の価額から当該直後におけるその土地の価額を控除した残額に二を乗じて計算した金額に、その土地における地表から同法第二条第一項各号(定義)に掲げる深さのうちいずれか深い方の深さ(ロにおいて「大深度」という。)までの距離を当該借地権の設定される範囲のうち最も浅い部分の深さから当該大深度(当該借地権の設定される範囲より深い地下であつて当該大深度よりも浅い地下において既に地下について上下の範囲を定めた他の借地権が設定されている場合には、当該他の借地権の範囲のうち最も浅い部分の深さ)までの距離で除して得た数を乗じて計算した金額
二土地の所有者が建物又は構築物の一部の所有を目的とする借地権の設定により土地を使用させた場合イに掲げる金額のうちにロに掲げる金額の占める割合
イその土地の価額に、その建物又は構築物の床面積(その設定の対価の額が当該建物又は構築物の階その他利用の効用の異なる部分ごとに、その異なる効用に係る適正な割合を勘案して算定されるときは、当該割合による調整後の床面積。イにおいて同じ。)のうちに当該借地権に係る建物又は構築物の一部の床面積の占める割合を乗じて計算した金額
ロその設定の直前におけるその土地の価額からその設定の直後におけるその土地の価額を控除した残額
三借地権者が借地権に係る土地を転貸した場合その転貸の直前におけるその借地権の価額のうちに、当該価額からその転貸の直後におけるその借地権の価額を控除した残額の占める割合
四他人に借地権に係る土地を使用させる場合のうち、その土地の使用により、その使用の直前におけるその土地の利用状況に比し、その土地の所有者及びその借地権者がともにその土地の利用を制限されることとなる場合その使用させた直前におけるその土地の更地としての価額のうちに、当該価額からその使用させた直後におけるその土地の価額とその借地権の価額との合計額を控除した残額の占める割合
2前項の規定に該当する場合において、借地権又は地役権の設定に伴い、通常の場合の金銭の貸付けの条件に比し特に有利な条件による金銭の貸付け(いずれの名義をもつてするかを問わず、これと同様の経済的性質を有する金銭の交付を含む。以下この条において同じ。)その他特別の経済的な利益を受けるときは、当該金銭の貸付けにより通常の条件で金銭の貸付けを受けた場合に比して受ける利益その他当該特別の経済的な利益の額をその設定の対価の額に加算した金額をもつてその借地権又は地役権の設定の対価として支払を受ける金額とする。
3前項の場合において、その受けた金銭の貸付けにより通常の条件で金銭の貸付けを受けた場合に比して受ける利益の額は、当該貸付けを受けた金額から、当該金額について通常の利率(当該貸付けを受けた金額につき利息を付する旨の約定がある場合には、その利息に係る利率を控除した利率)の十分の五に相当する利率による複利の方法で計算した現在価値に相当する金額(当該金銭の貸付けを受ける期間が第一項の設定に係る権利の存続期間に比して著しく短い期間として約定されている場合において、長期間にわたつて地代を据え置く旨の約定がされていることその他当該権利に係る土地の上に存する建物又は構築物の状況、地代に関する条件等に照らし、当該金銭の貸付けを受けた期間が将来更新されるものと推測するに足りる明らかな事実があるときは、借地権又は地役権の設定を受けた者がその設定により受ける利益から判断して当該金銭の貸付けが継続されるものと合理的に推定される期間を基礎として当該方法により計算した場合の現在価値に相当する金額)を控除した金額によるものとする。
4内国法人が第二項の貸付けを受けた金額のうち同項の規定により第一項の設定の対価の額に加算された金額の全部又は一部の返済その他第二項に規定する特別の経済的な利益の全部又は一部の返還をした場合において、その返還により当該借地権又は地役権に係る土地の地代の引上げ、その土地の上に存する建物又は構築物の除去その他土地(借地権者にあつては、借地権)の価値の増加があつたときは、その返還をした利益の額に相当する金額は、当該土地(借地権者にあつては、借地権)の帳簿価額に加算する。
法人税法施行令 第139条(更新料を支払つた場合の借地権等の帳簿価額の一部の損金算入等) 詳細ページ
(更新料を支払つた場合の借地権等の帳簿価額の一部の損金算入等)
第百三十九条内国法人が、その有する借地権(地上権若しくは土地の賃借権又はこれらの権利に係る土地の転借に係る権利をいう。)又は地役権の存続期間の更新をする場合において、その更新の対価(以下この条において「更新料」という。)の支払をしたときは、その更新の直前における当該借地権又は地役権の帳簿価額に、その更新の時における当該借地権又は地役権の価額のうちに当該更新料の額の占める割合を乗じて計算した金額に相当する金額は、その更新のあつた日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。この場合において、その更新料の額は、当該借地権又は地役権の帳簿価額に加算するものとする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。