所得税法施行令 / テーマ別まとめ

収入及び費用の帰属の時期の特例/工事の請負

工事の請負の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

工事の請負契約について、収入と費用をいつ計上するかを定めた規定です。請負対価10億円以上などの要件を満たす大規模な工事(長期大規模工事)は、工事の進行割合に応じて収益・費用を計上する工事進行基準の方法によることになります。あわせて、未収入金(売掛債権等)の計算方法や、請負人が死亡した場合に事業を承継した相続人が行う計算方法も定めています。

工事の請負
項目内容
対象規模請負対価10億円以上(外貨は契約時為替で換算)
支払条件1/2以上を引渡後1年超で後払い不可
着手の判定重要な部分の作業開始で判定
経理方法進行割合に応じ収益・費用を計上
死亡時の承継相続人が進行基準で計算し算入
  • 対価が外国通貨払いの工事は、契約時の外国為替の売買相場で円換算する
  • 年末時点で対価が確定していない場合は、見積もった工事原価の額を対価とみなす
  • 着手から6か月未満、または進行割合が20%未満の場合は収益・費用をないものにできる
  • 5項本文の遡及的な取扱いは、確定申告書に工事名称等の明細を添付した場合に限り適用される
  • 対価が着手日に確定していない工事(2項)は、対価確定の日を着手日とすることができる
  • 貸倒れが生じた場合の売掛債権等の額の計算その他必要な事項は財務省令で定める
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工事の請負

工事の請負について、条文は何を定めているか。

第192条工事の請負対象工事の要件と計算方法を定める11項・2号判例なし
  • 対象は請負対価10億円以上の工事(外貨は契約時為替で円換算)
  • 対価の1/2以上を引渡後1年超で後払いしない工事であること
  • 進行割合に応じて収益・費用を計算し、前年迄の計上額を控除する
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第193条工事進行基準の方法による未収入金工事の未収入金の計算方法を定める2項・2号判例なし
  • 収益計上額から実際に支払われた対価を差し引いて売掛債権等の額とする
  • 貸倒損失が生じた場合の扱いは財務省令で定める
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第194条死亡の場合の工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期死亡した場合の承継人の扱いを定める2項判例なし
  • 長期大規模工事は死亡年から引渡し前年迄の進行基準額を相続人算入
  • 工事(2項)は相続人が進行基準で経理した年分のみ算入
  • 死亡前の経費・収入費用額は相続人のものとみなして計算する
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法施行令 第192条(工事の請負) 詳細ページ
(工事の請負)
第百九十二条法第六十六条第一項(工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期)に規定する政令で定める大規模な工事は、その請負の対価の額(その支払が外国通貨で行われるべきこととされている工事(製造及びソフトウエアの開発を含む。以下この款において同じ。)については、その工事に係る契約の時における外国為替の売買相場による円換算額とする。)が十億円以上の工事とする。
2法第六十六条第一項に規定する政令で定める要件は、当該工事に係る契約において、その請負の対価の額の二分の一以上が当該工事の目的物の引渡しの期日から一年を経過する日後に支払われることが定められていないものであることとする。
3法第六十六条第一項及び第二項に規定する政令で定める工事進行基準の方法は、工事の請負の対価の額及びその工事原価の額(その年十二月三十一日(年の中途において死亡した場合には、その死亡の時。次項及び第六項において同じ。)の現況によりその工事につき見積もられる工事の原価の額をいう。以下この項において同じ。)に同日におけるその工事に係る進行割合(工事原価の額のうちに工事のために既に要した原材料費、労務費その他の経費の額の合計額の占める割合その他の工事の進行の度合を示すものとして合理的と認められるものに基づいて計算した割合をいう。)を乗じて計算した金額から、それぞれその年の前年以前の各年分の収入金額とされた金額及び費用の額とされた金額を控除した金額をその年分の収入金額及び費用の額とする方法とする。
4居住者の請負をした工事(当該工事に係る追加の工事を含む。)の請負の対価の額がその年十二月三十一日において確定していないときにおける法第六十六条第一項の規定の適用については、同日の現況により当該工事につき見積もられる工事の原価の額をその請負の対価の額とみなす。
5居住者の請負をした工事(法第六十六条第二項本文の規定の適用を受けているものを除く。)が、請負の対価の額の引上げその他の事由によりその着手の日の属する年(以下この項において「着工の年」という。)の翌年以後の年(その工事の目的物の引渡しの日の属する年(以下この項において「引渡し年」という。)を除く。)において長期大規模工事(同条第一項に規定する長期大規模工事をいう。以下この款において同じ。)に該当することとなつた場合における同項の規定の適用については、第三項の規定にかかわらず、当該工事の請負に係る既往年分の収入金額及び費用の額(その工事の請負に係る収入金額及び費用の額につき着工の年以後の各年において同項に規定する工事進行基準の方法により当該各年分の収入金額及び費用の額を計算することとした場合に着工の年からその該当することとなつた日の属する年(以下この項において「適用開始年」という。)の前年までの各年分の収入金額及び費用の額とされる金額をいう。)は、当該適用開始年から引渡し年の前年までの各年分の当該工事の請負に係る収入金額及び費用の額に含まれないものとすることができる。ただし、当該工事の請負に係る収入金額及び費用の額につき、次の各号に掲げる場合に該当することとなつたときは、当該各号に定める年以後の年分については、この限りでない。
一当該適用開始年以後のいずれかの年において第三項に規定する工事進行基準の方法により経理した場合その経理した年
二当該適用開始年以後のいずれかの年において本文の規定の適用を受けなかつた場合その適用を受けなかつた年
6居住者の請負をした長期大規模工事であつて、その年の十二月三十一日において、その着手の日から六月を経過していないもの又はその第三項に規定する進行割合が百分の二十に満たないものに係る法第六十六条第一項の規定の適用については、第三項の規定にかかわらず、当該長期大規模工事の請負に係るその年分の収入金額及び費用の額は、ないものとすることができる。ただし、当該長期大規模工事の請負に係る収入金額及び費用の額につき、同項に規定する工事進行基準の方法により経理した年以後の年分については、この限りでない。
7法第六十六条第一項の規定を適用する場合において、同項の居住者が長期大規模工事に着手したかどうかの判定は、当該居住者がその請け負つた工事の内容を完成するために行う一連の作業のうち重要な部分の作業を開始したかどうかによるものとする。この場合において、工事の設計に関する作業が当該工事の重要な部分の作業に該当するかどうかは、当該居住者の選択による。
8第五項本文の規定は、同項本文の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に同項本文の規定の適用を受けようとする工事の名称並びにその工事の請負に係る同項本文に規定する既往年分の収入金額及び費用の額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
9第四項の規定は、法第六十六条第二項本文の規定を適用する場合(第十一項の規定の適用を受ける場合を除く。)について準用する。この場合において、第四項中「第六十六条第一項」とあるのは、「第六十六条第二項本文の規定の適用を受ける場合における前項」と読み替えるものとする。
10第七項の規定は、法第六十六条第二項本文の規定を適用する場合における同項に規定する工事に着手したかどうかの判定について準用する。
11居住者の請負をした法第六十六条第二項に規定する工事のうちその請負の対価の額がその着手の日において確定していないものに係る同項の規定の適用については、当該請負の対価の額の確定の日を当該工事の着手の日とすることができる。
所得税法施行令 第193条(工事進行基準の方法による未収入金) 詳細ページ
(工事進行基準の方法による未収入金)
第百九十三条居住者の請負をした工事につきその着手の日からその目的物の引渡しの日の前日までの期間内の日の属する各年分において法第六十六条第一項又は第二項本文(工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期)の規定の適用を受けている場合には、当該工事に係る第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額を当該工事の請負に係る売掛債権等(売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権をいう。)の額として、当該各年分の事業所得の金額を計算する。
一当該工事の請負に係る収入金額のうち、法第六十六条第一項又は第二項本文に規定する工事進行基準の方法によりその年の前年分以前の各年分の収入金額とされた金額及びその年の年分の収入金額とされる金額の合計額(同項ただし書に規定する経理しなかつた年の翌年分以後の年分の収入金額を除く。)
二既に当該工事の請負の対価として支払われた金額(当該対価の額でまだ支払われていない金額のうち、当該対価の支払を受ける権利の移転により当該居住者が当該対価の支払を受けない金額を含む。)
2前項の売掛債権等につき貸倒れによる損失が生じた場合の同項の売掛債権等の額の計算その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、財務省令で定める。
所得税法施行令 第194条(死亡の場合の工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期) 詳細ページ
(死亡の場合の工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期)
第百九十四条長期大規模工事の請負に係る収入金額及び費用の額につき法第六十六条第一項(工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期)の規定の適用を受けている居住者が死亡したときは、その長期大規模工事の請負に係る収入金額及び費用の額のうち、その居住者のその長期大規模工事の請負に係る事業を承継した相続人の当該死亡の日の属する年からその長期大規模工事の目的物の引渡しの日の属する年の前年までの各年分の収入金額及び費用の額として同項に規定する工事進行基準の方法により計算した収入金額及び費用の額は、当該各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入する。この場合において、当該相続人に係る第百九十二条第三項(工事進行基準の方法)及び前条の規定の適用については、当該居住者がその死亡前に当該長期大規模工事のために要した経費の額並びに当該居住者についてその死亡前に当該長期大規模工事の請負に係る収入金額及び費用の額とされた金額は、それぞれ当該相続人が当該長期大規模工事のために要した経費の額並びに当該相続人について当該長期大規模工事の請負に係る収入金額及び費用の額とされた金額とみなす。
2法第六十六条第二項の工事の請負に係る収入金額及び費用の額につき同項の規定の適用を受けている居住者が死亡した場合において、その居住者のその工事の請負に係る事業を承継した相続人が当該収入金額及び費用の額につき、当該死亡の日の属する年からその工事の目的物の引渡しの日の属する年の前年までの各年において同項に規定する工事進行基準の方法により経理したときは、その経理した収入金額及び費用の額は、当該各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額及び必要経費に算入する。この場合において、当該相続人に係る第百九十二条第三項及び前条の規定の適用については、当該居住者がその死亡前に当該工事のために要した経費の額並びに当該居住者についてその死亡前に当該工事の請負に係る収入金額及び費用の額とされた金額は、それぞれ当該相続人が当該工事のために要した経費の額並びに当該相続人について当該工事の請負に係る収入金額及び費用の額とされた金額とみなす。
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