法人税法 昭和四十年法律第三十四号 現行施行 2026-08-12 条文取得 2026-09-06

第132条同族会社等の行為又は計算の否認

原文ママこのページは条文原文と判例の転記だけです。概要・一覧表・実務注記はまだ生成していません。

この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
内国法人の法人税/更正及び決定ステップ 1 / 1 更正及び決定更正及び決定について、条文は何を定めているか。同族会社ステップ 1 / 1 同族会社同族会社について、法令と基準は何を定めているか。

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
法人税法法人税更正処分等取消請求事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
平成27(行ヒ)177
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成28年2月29日 棄却
登載
民集 第70巻2号470頁
参照法条
(1~3につき)法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)132条の2 (2につき)法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)2条12号の11イ,法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)57条1項,法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)57条2項,法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)62条1項,法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)62条の8,法人税法62条の3,法人税法施行令(平成22年政令第51号による改正前のもの)4条の2第6項
判示事項
1 法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の意義及びその該当性の判断方法 2 新設分割により設立された分割承継法人の発行済株式全部を分割法人が譲渡する計画を前提としてされた当該分割が,法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たるとされた事例 3 法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)132条の2にいう「その法人の行為又は計算」の意義
裁判要旨1 法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは,法人の行為又は計算が組織再編税制に係る各規定を租税回避の手段として濫用することにより法人税の負担を減少させるものであることをいい,その濫用の有無の判断に当たっては,①当該法人の行為又は計算が,通常は想定されない組織再編成の手順や方法に基づいたり,実態とは乖離した形式を作出したりするなど,不自然なものであるかどうか,②税負担の減少以外にそのような行為又は計算を行うことの合理的な理由となる事業目的その他の事由が存在するかどうか等の事情を考慮した上で,当該行為又は計算が,組織再編成を利用して税負担を減少させることを意図したものであって,組織再編税制に係る各規定の本来の趣旨及び目的から逸脱する態様でその適用を受けるもの又は免れるものと認められるか否かという観点から判断するのが相当である。
2 新設分割により設立された分割承継法人が当該分割は適格分割に該当しないとして資産調整勘定の金額を計上した場合において,分割後に分割法人が当該分割承継法人の発行済株式全部を譲渡する計画を前提としてされた当該分割は,翌事業年度以降は損金に算入することができなくなる当該分割法人の未処理欠損金額約100億円を当該分割承継法人の資産調整勘定の金額に転化させ,これを以後60か月にわたり償却し得るものとするため,本来必要のない上記譲渡を介在させることにより,実質的には適格分割というべきものを形式的にこれに該当しないものとするべく企図されたものといわざるを得ないなど判示の事情の下では,法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たる。
3 法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)132条の2にいう「その法人の行為又は計算」とは,更正又は決定を受ける法人の行為又は計算に限られるものではなく,同条各号に掲げられている法人の行為又は計算を意味する。
法人税法法人税更正処分等取消請求事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
令和2(行ヒ)303
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和4年4月21日 棄却
登載
民集 第76巻4号480頁
参照法条
(1、2につき)法人税法132条1項
判示事項
1 法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の意義 2 組織再編成に係る一連の取引の一環として行われた金銭の借入れが法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当たらないとされた事例
裁判要旨1 法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは、同項各号に掲げる法人である同族会社等の行為又は計算のうち、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、法人税の負担を減少させる結果となるものをいう。
2 企業グループにおける組織再編成に係る一連の取引の一環として、当該企業グループに属する内国法人である同族会社が、当該企業グループに属する外国法人から行った金銭の借入れは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、当該借入れに係る支払利息の額を損金の額に算入すると法人税の額が大幅に減少することとなり、また、当該借入れが無担保で行われるなど独立かつ対等で相互に特殊関係のない当事者間で通常行われる取引とは異なる点があるとしても、法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当たらない。
⑴ 上記一連の取引は、上記企業グループのうち米国法人が直接的又は間接的に全ての株式又は出資を保有する法人から成る部門において日本を統括する合同会社として上記同族会社を設立するなどの組織再編成に係るものであった。
⑵ 上記一連の取引には、税負担の減少以外に、上記部門を構成する内国法人の資本関係及びこれに対する事業遂行上の指揮監督関係を整理して法人の数を減らす目的、機動的な事業運営の観点から当該部門において日本を統括する会社を合同会社とする目的、当該部門の外国法人の負債を軽減するための弁済資金を調達する目的、当該部門を構成する内国法人等が保有する資金の余剰を解消し、為替に関するリスクヘッジを不要とする目的等があり、当該取引は、これらの目的を同時に達成する取引として通常は想定されないものとはいい難い上、その資金面に関する取引の実態が存在しなかったことをうかがわせる事情も見当たらない。
⑶ 上記借入れは、上記部門に属する他の内国法人の株式の購入代金及びその関連費用にのみ使用される約定の下に行われ、実際に、上記同族会社は、株式を取得して当該内国法人を自社の支配下に置いたものであり、借入金額が使途との関係で不当に高額であるなどの事情もうかがわれず、また、当該借入れの約定のうち利息及び返済期間については、当該同族会社の予想される利益に基づいて決定されており、現に利息の支払が困難になったなどの事情はうかがわれない。
法人税法法人税更正処分取消
位置づけ
最高裁 / 裁判集登載
事件番号
昭和55(行ツ)150
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年10月25日 棄却
登載
集民 第143号75頁
参照法条
法人税法132条1項
判示事項
同族会社とその系列会社との間の取引が法人税法一三二条一項にいう「法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるとき」にあたるとされた事例
裁判要旨建設資材の製造、販売等を営む同族会社が系列会社に対しその製品を販売した取引につき、販売価額が通常の販売価額の五六ないし五七パーセントで製造原価をも下回るものであるなど原審認定の事実関係(原判決理由参照)があるときは、右取引は、経済的取引として不合理不自然であり、法人税法一三二条一項にいう「法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるとき」にあたる。

条文原文

原文ママ
法人税法 第132条(同族会社等の行為又は計算の否認)
(同族会社等の行為又は計算の否認)
第百三十二条税務署長は、次に掲げる法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。
一内国法人である同族会社
二イからハまでのいずれにも該当する内国法人
イ三以上の支店、工場その他の事業所を有すること。
ロその事業所の二分の一以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任その他のその事業所に係る事業の主宰者又は当該主宰者の親族その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人(以下この号において「所長等」という。)が前に当該事業所において個人として事業を営んでいた事実があること。
ハロに規定する事実がある事業所の所長等の有するその内国法人の株式又は出資の数又は金額の合計額がその内国法人の発行済株式又は出資(その内国法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の三分の二以上に相当すること。
2前項の場合において、内国法人が同項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、同項に規定する行為又は計算の事実のあつた時の現況によるものとする。
3第一項の規定は、同項に規定する更正又は決定をする場合において、同項各号に掲げる法人の行為又は計算につき、所得税法第百五十七条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)若しくは相続税法第六十四条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)又は地価税法(平成三年法律第六十九号)第三十二条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)の規定の適用があつたときについて準用する。

一次情報