所得税法施行令 / テーマ別まとめ

課税標準の計算/所得金額の計算の通則

所得金額の計算の通則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

このページは、組織再編(分割・合併等)に伴う株主等の所得計算の特例、役務提供の対価として交付される譲渡制限付株式等の収入金額の算定時期、資産を専属的に利用したことによる経済的利益の額、非事業用資産の保有期間中の減価額の計算方法という、所得金額の計算に関する通則的なルールを整理したものです。いずれも所得税法施行令の規定に基づく計算・みなし規定であり、実務でどの場面にどの条文が対応するかを一覧できるようにしています。

所得金額の計算の通則
条文場面取扱いの要点
第83条分割対価の一部のみ交付分割型分割とみなして適用
第83条の2合併等で株式に端数端数分も株式に含めて計算
第84条役務提供の対価に譲渡制限株式制限解除日の価額を収入計算
第84条の2法人等資産の専属的利用通常の使用料相当額が経済的利益
第85条非事業用資産の保有期間の減価旧定額法に準じ1.5倍年数で計算
  • 第83条は、2以上の法人を分割法人とする法人設立の分割についても別途みなし規定を置く(2項)。
  • 第83条の2の端数株式の取扱いは、合併・分割型分割・株式分配・株式交換の4類型に共通する。
  • 第84条3項は、役務提供に伴い交付される新株予約権等の権利についても収入金額の計算方法を定める。
  • 第85条の減価額は、同種の減価償却資産が償却累積額による償却費の特例に該当する場合、その特例の限度額が上限となる。
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所得金額の計算の通則

所得金額の計算の通則について、条文は何を定めているか。

第83条分割対価資産の一部のみを分割法人の株主等に交付する場合の取扱い分割対価の一部交付は分割型分割とみなす3項判例なし
  • 分割対価資産の一部だけを株主等に交付したときは分割型分割とみなして適用
  • 2以上の法人を分割法人とする法人設立の分割も同様にみなす場合がある
  • みなし分割型分割で移転した資産・負債の額は按分計算した額による
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第83_2条合併等により交付する株式に一に満たない端数がある場合の所得計算端数株式は金銭交付でも株式に含めて計算5項・9号判例なし
  • 合併で合併親法人株式に1株未満の端数が生じ金銭交付されるとき、端数分も株式に含めて計算
  • 分割型分割の分割承継法人株式等でも端数分を株式に含めて計算
  • 株式分配の完全子法人株式、株式交換の完全支配親法人株式も同様の取扱い
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第84条譲渡制限付株式の価額等譲渡制限付株式は制限解除日の価額で収入計算3項・7号判例 1件
  • 役務提供の対価として交付された特定譲渡制限付株式は、譲渡制限解除日の価額で収入計算
  • 制限解除前に死亡し無償取得事由に該当しないと確定した場合は死亡日の価額
  • 新株予約権等の有利発行では、行使日の株式価額から取得価額と払込額を控除
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第84_2条法人等の資産の専属的利用による経済的利益の額資産の専属利用は使用料相当額が経済的利益1項判例なし
  • 法人等の資産を専属的に利用した場合、通常の使用料相当額が経済的利益の額
  • 利用者が対価を支払っていればその金額を控除した額とする
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第85条非事業用資産の減価の額の計算非事業用資産の減価は旧定額法に準じ計算2項・2号判例なし
  • 取得価額等に耐用年数の1.5倍の年数で旧定額法に準じた額×保有年数
  • 1.5倍した年数の1年未満の端数は切り捨てる
  • 保有期間は6月以上で1年、6月未満は切り捨てる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第84条所得税法施行令

昭和62年の非上場株式の取引に係る個人の所得金額の計算に当たり同株式を1株当たりの純資産価額を基に評価する場合に資産の時価と帳簿価額との評価差額に対する法人税額等相当額を控除して純資産価額を計算すべきであるとされた事例

裁判要旨昭和62年に個人が非上場株式を低額で譲り受けたことによる給与所得に係る収入金額とすべき金額,同年に個人が法人に対し非上場株式を低額で譲渡したことによる譲渡所得に係る総収入金額に算入すべき金額及び同年に個人が有利な発行価額による非上場の新株を取得する権利を与えられたことによる一時所得に係る総収入金額に算入すべき金額の各計算に当たり,上記各株式を発行会社の1株当たりの純資産価額を基に評価する場合において,発行会社の資産の時価と帳簿価額との評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除して計算した1株当たりの純資産価額による上記各株式の評価が,当時,一般に通常の取引における当事者の合理的意思に合致しており,著しく不合理な結果を生じさせるなど課税上の弊害をもたらすことがうかがわれないなど判示の事情の下では,発行会社が当時順調に営業を行っていたとしても,上記控除をして純資産価額を計算すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年11月8日 平成14(行ヒ)112
登載
集民 第218号211頁
参照法条
所得税法28条2項,所得税法33条3項,所得税法34条2項,所得税法36条1項,2項,所得税法59条1項,所得税法施行令(平成10年政令第104号による改正前のもの)84条1項,所得税法施行令169条

関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

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所得税法施行令 第83条(分割対価資産の一部のみを分割法人の株主等に交付する場合の取扱い) 詳細ページ
(分割対価資産の一部のみを分割法人の株主等に交付する場合の取扱い)
第八十三条分割法人(法人税法第二条第十二号の二(定義)に規定する分割法人をいう。以下この条において同じ。)が分割により交付を受ける同法第二条第十二号の九イに規定する分割対価資産(以下この条において「分割対価資産」という。)の一部のみを当該分割法人の株主等に交付する分割(二以上の法人を分割法人とする分割で法人を設立するものを除く。)が行われた場合には、当該分割により当該株主等が交付を受けた当該分割対価資産については、分割型分割(同号に規定する分割型分割をいう。次項において同じ。)が行われたものとみなして、法の規定を適用する。
2二以上の法人を分割法人とする分割で法人を設立するものが行われた場合において、分割法人のうちに、当該分割により交付を受けた分割対価資産の全部又は一部をその株主等に交付した法人があるときは、当該法人を分割法人とする分割型分割が行われたものとみなして、法の規定を適用する。
3前二項の規定の適用がある場合には、前二項の株主等が交付を受けた分割対価資産に係る前二項の分割型分割により分割承継法人(法人税法第二条第十二号の三に規定する分割承継法人をいう。以下この項において同じ。)に移転した分割法人の資産及び負債の金額は、前二項の分割により分割承継法人に移転した当該分割法人の資産及び負債の金額のうち法人税法施行令第百二十三条の七(株式等を分割法人と分割法人の株主等とに交付する分割における移転資産等の按分)の規定により算定された当該分割型分割に係る資産及び負債の金額とする。
所得税法施行令 第83_2条(合併等により交付する株式に一に満たない端数がある場合の所得計算) 詳細ページ
(合併等により交付する株式に一に満たない端数がある場合の所得計算)
第八十三条の二合併に係る合併法人が当該合併により当該合併に係る被合併法人の株主等に交付すべき第百十二条第一項(合併により取得した株式等の取得価額)に規定する合併親法人株式(以下この項において「合併親法人株式」という。)の数(出資にあつては、金額。以下第三項までにおいて同じ。)に一に満たない端数が生ずる場合において、当該端数に応じて金銭が交付されるときは、当該端数に相当する部分は、当該合併親法人株式に含まれるものとして、当該株主等の各年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算する。
2分割型分割に係る分割法人が当該分割型分割によりその株主等に交付すべき当該分割型分割に係る分割承継法人の株式(出資を含む。)又は第百十三条第一項(分割型分割により取得した株式等の取得価額)に規定する分割承継親法人株式(以下この項において「分割承継法人株式等」という。)の数に一に満たない端数が生ずる場合において、当該端数に応じて金銭が交付されるときは、当該端数に相当する部分は、当該分割承継法人株式等に含まれるものとして、当該株主等の各年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算する。
3株式分配に係る現物分配法人が当該株式分配によりその株主等に交付すべき当該株式分配に係る第百十三条の二第一項(株式分配により取得した株式等の取得価額)に規定する完全子法人株式(以下この項において「完全子法人株式」という。)の数に一に満たない端数が生ずる場合において、当該端数に応じて金銭が交付されるときは、当該端数に相当する部分は、当該完全子法人株式に含まれるものとして、当該株主等の各年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算する。
4株式交換に係る株式交換完全親法人が当該株式交換により当該株式交換に係る株式交換完全子法人の株主に交付すべき法第五十七条の四第一項(株式交換等に係る譲渡所得等の特例)に規定する政令で定める関係がある法人の株式(以下この項において「株式交換完全支配親法人株式」という。)の数に一に満たない端数が生ずる場合において、当該端数に応じて金銭が交付されるときは、当該端数に相当する部分は、当該株式交換完全支配親法人株式に含まれるものとして、当該株主の各年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算する。
5この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一合併法人法人税法第二条第十二号(定義)に規定する合併法人をいう。
二被合併法人法人税法第二条第十一号に規定する被合併法人をいう。
三分割型分割法人税法第二条第十二号の九に規定する分割型分割をいう。
四分割法人法人税法第二条第十二号の二に規定する分割法人をいう。
五分割承継法人法人税法第二条第十二号の三に規定する分割承継法人をいう。
六株式分配法人税法第二条第十二号の十五の二に規定する株式分配をいう。
七現物分配法人法人税法第二条第十二号の五の二に規定する現物分配法人をいう。
八株式交換完全親法人法人税法第二条第十二号の六の三に規定する株式交換完全親法人をいう。
九株式交換完全子法人法人税法第二条第十二号の六に規定する株式交換完全子法人をいう。
所得税法施行令 第84条(譲渡制限付株式の価額等) 詳細ページ
(譲渡制限付株式の価額等)
第八十四条個人が法人に対して役務の提供をした場合において、当該役務の提供の対価として譲渡制限付株式であつて次に掲げる要件に該当するもの(以下この項において「特定譲渡制限付株式」という。)が当該個人に交付されたとき(合併又は前条第五項第三号に規定する分割型分割に際し当該合併又は分割型分割に係る同項第二号に規定する被合併法人又は同項第四号に規定する分割法人の当該特定譲渡制限付株式を有する者に対し交付される当該合併又は分割型分割に係る同項第一号に規定する合併法人又は同項第五号に規定する分割承継法人の譲渡制限付株式その他の財務省令で定める譲渡制限付株式(以下この項において「承継譲渡制限付株式」という。)が当該個人に交付されたときを含む。)における当該特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式に係る法第三十六条第二項(収入金額)の価額は、当該特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式の譲渡(担保権の設定その他の処分を含む。次項第一号において同じ。)についての制限が解除された日(同日前に当該個人が死亡した場合において、当該個人の死亡の時に次項第二号に規定する事由に該当しないことが確定している当該特定譲渡制限付株式又は承継譲渡制限付株式については、当該個人の死亡の日)における価額とする。
一当該譲渡制限付株式が当該役務の提供の対価として当該個人に生ずる債権の給付と引換えに当該個人に交付されるものであること。
二前号に掲げるもののほか、当該譲渡制限付株式が実質的に当該役務の提供の対価と認められるものであること。
2前項に規定する譲渡制限付株式とは、次に掲げる要件に該当する株式(出資、投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十四項(定義)に規定する投資口その他これらに準ずるものを含む。以下この条において同じ。)をいう。
一譲渡についての制限がされており、かつ、当該譲渡についての制限に係る期間(次号において「譲渡制限期間」という。)が設けられていること。
二前項の個人から役務の提供を受ける法人又はその株式を発行し、若しくは同項の個人に交付した法人がその株式を無償で取得することとなる事由(その株式の交付を受けた同項の個人が譲渡制限期間内の所定の期間勤務を継続しないこと若しくは当該個人の勤務実績が良好でないことその他の当該個人の勤務の状況に基づく事由又はこれらの法人の業績があらかじめ定めた基準に達しないことその他のこれらの法人の業績その他の指標の状況に基づく事由に限る。)が定められていること。
3発行法人から次の各号に掲げる権利で当該権利の譲渡についての制限その他特別の条件が付されているものを与えられた場合(株主等として与えられた場合(当該発行法人の他の株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合に限る。)を除く。)における当該権利に係る法第三十六条第二項の価額は、当該権利の行使により取得した株式のその行使の日(第三号に掲げる権利にあつては、当該権利に基づく払込み又は給付の期日(払込み又は給付の期間の定めがある場合には、当該払込み又は給付をした日))における価額から次の各号に掲げる権利の区分に応じ当該各号に定める金額を控除した金額による。
一会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第八十七号)第六十四条(商法の一部改正)の規定による改正前の商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百八十条ノ二十一第一項(新株予約権の有利発行の決議)の決議に基づき発行された同項に規定する新株予約権当該新株予約権の行使に係る当該新株予約権の取得価額にその行使に際し払い込むべき額を加算した金額
二会社法第二百三十八条第二項(募集事項の決定)の決議(同法第二百三十九条第一項(募集事項の決定の委任)の決議による委任に基づく同項に規定する募集事項の決定及び同法第二百四十条第一項(公開会社における募集事項の決定の特則)の規定による取締役会の決議を含む。)に基づき発行された新株予約権(当該新株予約権を引き受ける者に特に有利な条件若しくは金額であることとされるもの又は役務の提供その他の行為による対価の全部若しくは一部であることとされるものに限る。)当該新株予約権の行使に係る当該新株予約権の取得価額にその行使に際し払い込むべき額を加算した金額
三株式と引換えに払い込むべき額が有利な金額である場合における当該株式を取得する権利(前二号に掲げるものを除く。)当該権利の行使に係る当該権利の取得価額にその行使に際し払い込むべき額を加算した金額
所得税法施行令 第84_2条(法人等の資産の専属的利用による経済的利益の額) 詳細ページ
(法人等の資産の専属的利用による経済的利益の額)
第八十四条の二法人又は個人の事業の用に供する資産を専属的に利用することにより個人が受ける経済的利益の額は、その資産の利用につき通常支払うべき使用料その他その利用の対価に相当する額(その利用者がその利用の対価として支出する金額があるときは、これを控除した額)とする。
所得税法施行令 第85条(非事業用資産の減価の額の計算) 詳細ページ
(非事業用資産の減価の額の計算)
第八十五条法第三十八条第二項(譲渡所得の基因となる資産の減価の額)に規定する資産の同項第二号に掲げる期間に係る減価の額は、当該資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額につき、当該資産と同種の減価償却資産に係る第百二十九条(減価償却資産の耐用年数等)に規定する耐用年数に一・五を乗じて計算した年数により第百二十条第一項第一号イ(1)(減価償却資産の償却の方法)に規定する旧定額法に準じて計算した金額に、当該資産の当該期間に係る年数を乗じて計算した金額とする。この場合において、当該資産と同種の減価償却資産が第百三十四条第一項第一号イ又はハ(減価償却資産の償却累積額による償却費の特例)に掲げる減価償却資産に該当する場合には、当該計算した金額は、当該同種の減価償却資産の同号イ又はハに掲げる区分に応じ当該イ又はハに定める金額を限度とする。
2前項の場合において、次の各号に掲げる年数に一年未満の端数があるときの処理については、当該各号に定めるところによる。
一前項に規定する一・五を乗じて計算した年数一年未満の端数は、切り捨てる。
二前項に規定する期間に係る年数六月以上の端数は一年とし、六月に満たない端数は切り捨てる。
出

一次情報

原文ママ

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