所得税法 / テーマ別まとめ

源泉徴収/源泉徴収に係る所得税の納付及び徴収

源泉徴収に係る所得税の納付及び徴収の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

源泉徴収された所得税を納付する際の手続、納付されなかった場合に税務署長が徴収する仕組み、徴収不足額を本人へ転嫁する方法、そして源泉徴収がされた場合の還付・充当上の扱いを整理しています。給与や報酬などから源泉徴収を行う実務担当者が、納付漏れや徴収不足に対応する際の基本ルールをまとめています。

源泉徴収に係る所得税の納付及び徴収
条文場面対応・効果
220条納付する時納付書に計算書を添付
221条1項徴収税を納付しなかった時税務署長が徴収義務者から徴収
221条2〜6項支払日・支払金額が不明な時推定・推計で徴収可能
222条徴収不足だった場合本人への支払から控除、または請求可
223条源泉徴収がされた時還付・充当は納付すべき日にみなす
  • 221条2項の推定・推計は、青色申告の個人(不動産・事業・山林所得に係る支払)や青色申告法人(通算法人の該当事業年度分を除く)の支払には適用されない
  • 221条3項の推計方法は、2項の推定・推計が困難な場合に用いる方法
  • 221条5項では、収入・支出の状況や生産量・販売量などから支払総額や人数を推計できる
  • 221条6項では、支払が給与等・退職手当等・報酬等と国内源泉所得のいずれに当たるか判定困難なときは、それぞれ該当するものとして扱うことができる
  • 223条は、徴収の日が納付すべき日より後であれば、その徴収の日に納付があったものとみなす
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源泉徴収に係る所得税の納付及び徴収

源泉徴収に係る所得税の納付及び徴収について、条文は何を定めているか。

第220条源泉徴収に係る所得税の納付手続納付書に計算書を添付する1項判例なし
  • 源泉徴収した所得税を納付する際は、国税通則法の納付書に財務省令で定める計算書を添付する
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第221条源泉徴収に係る所得税の徴収未納付なら税務署長が徴収する7項・12号判例 1件
  • 源泉徴収義務者が所得税を納付しなかったときは、税務署長がその者から徴収する
  • 支払日や支払金額が分からない場合は、税務署長が推定・推計して徴収できる
  • 給与等・退職手当等・報酬等のどれに当たるか不明な支払は、区分を推定して扱うことができる
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第222条不徴収税額の支払金額からの控除及び支払請求等徴収不足額は本人に転嫁できる1項判例 1件
  • 源泉徴収すべき所得税を徴収していなかった場合、その分を本人への支払から控除できる
  • 控除できないときは、本人に不足額の支払を請求できる
  • 控除・請求された金額は、本人にとって源泉徴収された所得税とみなされる
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第223条源泉徴収に係る所得税について納付があつたものとみなす場合徴収されれば納付日に納付済みとみなす1項判例なし
  • 源泉徴収がされたときは、還付・充当の場面では納付すべき日に納付があったものとみなす
  • 徴収の日が納付すべき日より後の場合は、その徴収の日に納付があったものとみなす
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第221条所得税法

一、源泉徴収による所得税についての納税の告知の法的性質
二、源泉徴収による所得税についての納税の告知を受けた支払者が右所得税の徴収・納付義務の存否または範囲を争う場合の訴訟の形式
三、源泉徴収による所得税を徴収されまたは期限後に納付した支払者のする求償権の行使と受給者の支払拒絶
四、源泉徴収による所得税を徴収されまたは期限後に納付した支払者が受給者に対して行使しうる求償権の範囲

裁判要旨一、源泉徴収による所得税についての納税の告知は、徴収処分であつて課税処分ではない。
二、支払者は、源泉徴収による所得税の徴収・納付義務の存否または範囲を争つて、納税の告知(徴収処分)に対する抗告訴訟を提起することができ、また、これにあわせてまたはこれと別個に、右徴収・納付義務の存否または範囲を訴訟上確定させるため、右義務の全部または一部の不存在確認の訴を提起することができる。
三、受給者は、源泉徴収による所得税を税務署長から徴収されまたは期限後に納付した支払者から、その税額に相当する金額につき求償権の行使を受けたときは、自己の負担すべき源泉納税義務の存否または範囲を争つて、支払者の請求を拒むことができる。
四、源泉徴収による所得税を税務署長から徴収されまたは期限後に納付した支払者の受給者に対する求償権は、右所得税の本税相当額についてのみ行使することができ、附帯税相当額には及ばない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年12月24日 昭和43(オ)258
登載
民集 第24巻13号2243頁
参照法条
旧所得税法(昭和22年法律第27号)43条1項,旧所得税法(昭和22年法律第27号)43条2項,所得税法221条,所得税法222条,国税通則法15条,国税通則法36条,行政事件訴訟法3条,民訴法225条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法 第220条(源泉徴収に係る所得税の納付手続) 詳細ページ
(源泉徴収に係る所得税の納付手続)
第二百二十条第一章から前章まで(源泉徴収)の規定により所得税を徴収して納付する者は、その納付の際、国税通則法第三十四条第一項(納付の手続)に規定する納付書に財務省令で定める計算書を添附しなければならない。
所得税法 第221条(源泉徴収に係る所得税の徴収) 詳細ページ
(源泉徴収に係る所得税の徴収)
第二百二十一条第一章から前章まで(源泉徴収)の規定により所得税を徴収して納付すべき者がその所得税を納付しなかつたときは、税務署長は、その所得税をその者から徴収する。
2税務署長は、前項の場合において、次の各号に掲げる支払の日又は支払金額(これらのうち、青色申告書を提出した個人の不動産所得、事業所得及び山林所得を生ずべき業務に係る支払に係るもの並びに法人税法第二条第三十六号(定義)に規定する青色申告書を提出した法人の支払(その法人が同法第百三十一条(推計による更正又は決定)に規定する通算法人である場合には、当該通算法人の同条に規定する各事業年度に係る支払を除く。)に係るものを除く。)の区分に応じ当該各号に定める事項により、当該各号に掲げる支払の日を推定し、又は当該各号に掲げる支払金額を推計して、同項に規定する所得税を同項に規定する者から徴収することができる。
一第二章(給与所得に係る源泉徴収)の規定による源泉徴収の対象となる第百八十三条第一項(源泉徴収義務)に規定する給与等(以下この条において「給与等」という。)の支払の日又は給与等の支払を受けた者ごとの給与等の支払金額当該給与等の支払をした者が定めている給与等の支払に関する規程並びに当該給与等の支払を受けた者の労務に従事した期間、労務の性質及びその提供の程度
二第三章(退職所得に係る源泉徴収)の規定による源泉徴収の対象となる第百九十九条(源泉徴収義務)に規定する退職手当等(以下この条において「退職手当等」という。)の支払の日又は退職手当等の支払を受けた者ごとの退職手当等の支払金額当該退職手当等の支払をした者が定めている退職手当等の支払に関する規程並びに当該退職手当等の支払を受けた者の労務に従事した期間、労務の性質及びその提供の程度
三第四章第一節(報酬、料金、契約金又は賞金に係る源泉徴収)の規定による源泉徴収の対象となる第二百四条第一項(源泉徴収義務)に規定する報酬若しくは料金、契約金若しくは賞金(以下この条において「報酬等」という。)の支払の日又は報酬等の支払を受けた者ごとの報酬等の支払金額当該報酬又は料金の支払を受けた者の業務を行つた期間、業務の内容及びその提供の程度、当該契約金の支払を受けた者の約する役務の提供の内容並びに当該賞金の支払の事由
四第五章(非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収)の規定による源泉徴収の対象となる第二百十二条第一項(源泉徴収義務)に規定する国内源泉所得(給与等、退職手当等又は報酬等に相当するものに限る。以下この条において「国内源泉所得」という。)の支払の日又は国内源泉所得の支払を受けた者ごとの国内源泉所得の支払金額当該国内源泉所得の前三号の区分に応じ前三号に定める事項
3税務署長は、前項の規定により、同項各号に掲げる支払の日を推定し、又は同項各号に掲げる支払金額を推計することが困難である場合には、次の各号に掲げる支払の日又は支払金額の区分に応じ当該各号に定めるところにより、第一項に規定する所得税を同項に規定する者から徴収することができる。
一前項第一号に掲げる支払の日又は支払金額同号の給与等の支払をした個人がその年において業務を営んでいた期間その他の当該給与等の支払をした者の区分に応じ政令で定める期間(以下この号において「給与等の計算期間」という。)における同項第一号に掲げる支払の日をイに掲げる日とし、又は同号に掲げる支払の日若しくはイに掲げる日における同号に掲げる支払金額をロに掲げる金額とする。
イ当該給与等の計算期間に属する各月の末日
ロ当該給与等の計算期間における当該給与等の支払をした者の給与等の支払金額の総額を当該給与等の計算期間における当該給与等の支払をした者から給与等の支払を受けた者の人数で除し、これを当該給与等の計算期間の月数で除して計算した金額
二前項第二号に掲げる支払の日又は支払金額同号の退職手当等の支払をした個人がその年において業務を営んでいた期間その他の当該退職手当等の支払をした者の区分に応じ政令で定める期間(以下この号において「退職手当等の計算期間」という。)における同項第二号に掲げる支払の日をイに掲げる日とし、又は同号に掲げる支払の日若しくはイに掲げる日における同号に掲げる支払金額をロに掲げる金額とする。
イ当該退職手当等の計算期間の末日
ロ当該退職手当等の計算期間における当該退職手当等の支払をした者の退職手当等の支払金額の総額を当該退職手当等の計算期間における当該退職手当等の支払をした者から退職手当等の支払を受けた者の人数で除して計算した金額
三前項第三号に掲げる支払の日又は支払金額同号の報酬等の支払をした個人がその年において業務を営んでいた期間その他の当該報酬等の支払をした者の区分に応じ政令で定める期間(以下この号において「報酬等の計算期間」という。)における同項第三号に掲げる支払の日をイに掲げる日とし、又は同号に掲げる支払の日若しくはイに掲げる日における同号に掲げる支払金額をロに掲げる金額とする。
イ当該報酬等の計算期間の末日
ロ当該報酬等の計算期間における当該報酬等の支払をした者の報酬等の種類ごとの支払金額の総額を当該報酬等の計算期間における当該報酬等の種類ごとの当該報酬等の支払をした者から当該報酬等の支払を受けた者の人数で除して計算した金額
四前項第四号に掲げる支払の日又は支払金額国内源泉所得の前三号の区分に応じ前三号に定めるところによる。
4前項第一号ロの月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
5税務署長は、第三項の場合において、その支払をした者の収入若しくは支出の状況、生産量、販売量その他の取扱量その他事業の規模又は財産若しくは債務の増減の状況により次の各号に掲げる総額又は人数を推計し、同項の規定により第一項に規定する所得税を同項に規定する者から徴収することができる。
一第三項第一号ロに規定する給与等の支払金額の総額又は同号ロに規定する給与等の支払を受けた者の人数
二第三項第二号ロに規定する退職手当等の支払金額の総額又は同号ロに規定する退職手当等の支払を受けた者の人数
三第三項第三号ロに規定する報酬等の種類ごとの支払金額の総額又は同号ロに規定する報酬等の支払を受けた者の人数
四国内源泉所得の前三号の区分に応じ前三号に掲げる総額又は人数
6税務署長は、第一項から第三項まで及び前項の場合において、その支払が、給与等若しくは国内源泉所得のいずれに該当するか、退職手当等若しくは国内源泉所得のいずれに該当するか、又は報酬等若しくは国内源泉所得のいずれに該当するかを推定してこれらの規定により第一項に規定する所得税を同項に規定する者から徴収することができる。この場合において、これらのいずれに該当するかを推定することが困難であるときは、それぞれ給与等、退職手当等又は報酬等に該当するものとすることができる。
7第二項から前項までに定めるもののほか、第三項の規定により第一項に規定する所得税の額を計算する場合における第二百五条第二号(徴収税額)に規定する政令で定める金額の計算その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
所得税法 第222条(不徴収税額の支払金額からの控除及び支払請求等) 詳細ページ
(不徴収税額の支払金額からの控除及び支払請求等)
第二百二十二条前条の規定により所得税を徴収された者がその徴収された所得税の額の全部又は一部につき第一章から第五章まで(源泉徴収)の規定による徴収をしていなかつた場合又はこれらの規定により所得税を徴収して納付すべき者がその徴収をしないでその所得税をその納付の期限後に納付した場合には、これらの者は、その徴収をしていなかつた所得税の額に相当する金額を、その徴収をされるべき者に対して同条の規定による徴収の時以後若しくは当該納付をした時以後に支払うべき金額から控除し、又は当該徴収をされるべき者に対し当該所得税の額に相当する金額の支払を請求することができる。この場合において、その控除された金額又はその請求に基づき支払われた金額は、当該徴収をされるべき者については、第一章から第五章までの規定により徴収された所得税とみなす。
所得税法 第223条(源泉徴収に係る所得税について納付があつたものとみなす場合) 詳細ページ
(源泉徴収に係る所得税について納付があつたものとみなす場合)
第二百二十三条第一章から第五章まで(源泉徴収)の規定により所得税の徴収がされたときは、これらの規定による徴収をされるべき者に対する所得税の還付又は充当については、これらの規定により所得税を徴収して納付すべき者がその所得税を国に納付すべき日(徴収の日がその納付すべき日後である場合には、その徴収の日)においてその納付があつたものとみなす。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。