法人税法施行令 / テーマ別まとめ

損金の額の計算/繰延資産の償却

繰延資産の償却の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

法人税法施行令第64条から第67条は、繰延資産の償却限度額の計算方法と、償却超過額が生じた場合の帳簿価額の扱いを定めている。繰延資産は第14条第1項第1号~第5号のものと第6号のものとで償却限度額の計算方式が異なり、適格組織再編成により引継ぎを受けた場合の特則や、償却費を損金経理した場合の明細書添付義務も含まれる。

繰延資産の償却
区分計算方法月数の考え方根拠
1号~5号(会社法上等)支出額から既往損金算入額を控除規定なし施行令64条1項一号
6号(税法固有)支出額÷効果期間月数×事業年度月数暦により計算、1か月未満は1か月施行令64条1項二号
  • 1号~5号の繰延資産が適格組織再編成で引継いだものである場合、前主の損金算入額も控除対象に含む
  • 6号の繰延資産で評価換え等により帳簿価額が増減した場合、計算式の分子・分母が変わる
  • 6号の繰延資産を適格組織再編成で引継いだ場合、月数の起算日は適格組織再編成の日となる
  • 6号の繰延資産の償却超過額は、翌期以降その分だけ帳簿価額が減額されなかったものとみなされる
  • 収益事業以外の事業に属していた繰延資産を適格組織再編等で引継いだ場合の償却額の特則がある(64条の2)
  • 償却費を損金経理した場合は、償却限度額等の明細書を確定申告書に添付する義務がある(67条)
1

繰延資産の償却

繰延資産の償却について、条文は何を定めているか。

第64条繰延資産の償却限度額繰延資産の償却限度額の計算方法を定める4項・2号判例なし
  • 1号~5号は支出額から既に損金算入した額を控除した額が限度額
  • 6号は支出額を効果期間の月数で割り事業年度の月数を掛けて計算
  • 月数は暦により計算し、1か月未満の端数は1か月とする
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第64_2条適格合併により収益事業以外の事業に属する繰延資産の移転を受けた場合等のその償却限度額適格組織再編で引継いだ繰延資産の償却額の扱い1項・3号判例なし
  • 適格合併で引継いだ繰延資産は被合併法人が移転前にした償却額を含める
  • 適格現物出資で引継いだ繰延資産も現物出資法人の償却額を含める
  • 収益事業以外の事業又は公共法人の事業に係るものに限られる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第65条繰延資産の償却超過額の処理繰延資産の償却超過額があった場合の帳簿価額の扱い2項判例なし
  • 6号の繰延資産で損金不算入額がある場合、帳簿価額は減額されなかったとみなす
  • 64条の2〈適格合併により収益事業以外の事業に属する繰延資産の移転を受けた場合等のその償却限度額〉の適用がある償却額は、この損金不算入額には含めない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第66条移転資産等と密接な関連を有する繰延資産の範囲分割等で移転する社債発行費等の繰延資産の範囲1項判例なし
  • 社債が適格分割等で分割承継法人等に引き継がれる場合の社債等発行費が対象
  • 分割承継法人等のみが便益を受ける公共的・共同的施設に係る費用も対象
  • 分割承継法人等が引き続き賃借する資産に係る費用も対象
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第66_2条損金経理額とみなされる金額がある繰延資産の範囲等損金経理額とみなす繰延資産の範囲等を定める1項判例なし
  • 対象となる繰延資産の種類は、この条の別表(第一欄)で定められる
  • 帳簿記載額とみなす金額・帳簿価額・対象事業年度も別表で定められる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第67条繰延資産の償却に関する明細書の添付繰延資産の償却明細書の確定申告書への添付2項判例なし
  • 償却費として損金経理した金額があるときは、償却限度額等の明細書を添付
  • 繰延資産の種類ごとの区分と合計額を記載した書類の添付でも足りる場合がある
条文原文を見るこの条文の詳細ページ

関連する会計・監査の基準

原文整理本文は各団体のサイトで確認してください

これらの基準は著作権者が転載に許諾を求めているため、当サイトは基準名・番号・公表日とリンクのみを掲載しています(原文・要約は置いていません)。

原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

法人税法施行令 第64条(繰延資産の償却限度額) 詳細ページ
(繰延資産の償却限度額)
第六十四条法第三十二条第一項(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる繰延資産の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一第十四条第一項第一号から第五号まで(繰延資産の範囲)に掲げる繰延資産その繰延資産の額(既にした償却の額で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの(当該繰延資産が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人から引継ぎを受けたものである場合にあつては、これらの法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものを含む。)がある場合には、当該金額を控除した金額)
二第十四条第一項第六号に掲げる繰延資産その繰延資産の額(当該繰延資産が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(以下この号及び第三項において「適格組織再編成」という。)により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人(以下この号及び第三項において「被合併法人等」という。)から引継ぎを受けたものである場合にあつては、当該被合併法人等における繰延資産の額)をその繰延資産となる費用の支出の効果の及ぶ期間の月数で除して計算した金額に当該事業年度の月数(当該事業年度がその繰延資産となる費用の支出をする日の属する事業年度である場合にあつては同日から当該事業年度終了の日までの期間の月数とし、適格組織再編成により被合併法人等から引継ぎを受けた日の属する事業年度である場合にあつては当該適格組織再編成の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数とする。)を乗じて計算した金額
2前項第一号に掲げる繰延資産につき評価換え等(第四十八条第五項第三号(減価償却資産の償却の方法)に規定する評価換え等をいう。以下この項及び次項において同じ。)が行われたことによりその帳簿価額が減額された場合には、当該評価換え等が行われた事業年度後の各事業年度(当該評価換え等が期中評価換え等(同条第五項第四号に規定する期中評価換え等をいう。以下この項及び次項において同じ。)である場合には、当該期中評価換え等が行われた事業年度以後の各事業年度)における当該繰延資産に係る前項第一号に規定する損金の額に算入されたものには、当該帳簿価額が減額された金額を含むものとする。
3第一項第二号に掲げる繰延資産につき評価換え等が行われたことによりその帳簿価額が増額され、又は減額された場合には、当該評価換え等が行われた事業年度後の各事業年度(当該評価換え等が期中評価換え等である場合には、当該期中評価換え等が行われた事業年度以後の各事業年度)における当該繰延資産に係る同号に規定する除して計算した金額は、当該評価換え等の直後の帳簿価額を同号に規定する支出の効果の及ぶ期間のうち当該評価換え等が行われた事業年度終了の日後の期間(当該評価換え等が期中評価換え等である場合には、当該期中評価換え等が行われた事業年度開始の日(当該事業年度がその繰延資産となる費用の支出をする日の属する事業年度である場合にあつては同日とし、適格組織再編成により被合併法人等から引継ぎを受けた日の属する事業年度である場合にあつては当該適格組織再編成の日とする。)以後の期間)の月数で除して計算した金額とする。
4第一項及び前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
法人税法施行令 第64_2条(適格合併により収益事業以外の事業に属する繰延資産の移転を受けた場合等のその償却限度額) 詳細ページ
(適格合併により収益事業以外の事業に属する繰延資産の移転を受けた場合等のその償却限度額)
第六十四条の二内国法人の次の各号に掲げる繰延資産につき当該各号に定める償却の額がある場合には、その繰延資産に係る前条第一項の規定の適用については、当該償却の額に相当する金額は、同項第一号に規定する償却の額で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものに含まれるものとする。
一第百二十三条の三第三項(適格合併及び適格分割型分割における合併法人等の資産及び負債の引継価額等)の規定の適用を受けた同項に規定する収益事業以外の事業に属する資産であつた繰延資産その適用に係る適格合併によりその繰延資産の移転をした当該適格合併に係る被合併法人が当該移転前にした償却の額(公益法人等の収益事業以外の事業に係るものに限る。)
二第百二十三条の五(適格現物出資における被現物出資法人の資産及び負債の取得価額)の規定の適用を受けた同条に規定する収益事業以外の事業に属する資産であつた繰延資産その適用に係る適格現物出資によりその繰延資産の移転をした当該適格現物出資に係る現物出資法人が当該移転前にした償却の額(公益法人等又は人格のない社団等の収益事業以外の事業に係るものに限る。)
三第百三十九条の五の二第一項から第三項まで(転用資産等及び移行時資産等の帳簿価額)の規定の適用を受けた繰延資産その適用に係る同条第一項の内国法人である公益法人等若しくは人格のない社団等、同条第二項の公共法人又は同条第三項の公共法人若しくは公益法人等がそれぞれ同条第一項から第三項までの規定に規定する時前にした償却の額(公益法人等若しくは人格のない社団等の収益事業以外の事業又は公共法人の事業に係るものに限る。)
法人税法施行令 第65条(繰延資産の償却超過額の処理) 詳細ページ
(繰延資産の償却超過額の処理)
第六十五条内国法人の各事業年度終了の時の第六十四条第一項第二号(繰延資産の償却限度額)に掲げる繰延資産についてした償却の額のうち各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額(その繰延資産が前条第三号に掲げる繰延資産である場合において、その繰延資産につき同号に定める償却の額があるときは、当該償却の額に相当する金額を除く。)がある場合には、その終了の時の繰延資産については、その償却をした日の属する事業年度以後の各事業年度の所得の金額の計算上、その繰延資産の帳簿価額は、当該損金の額に算入されなかつた金額に相当する金額の減額がされなかつたものとみなす。
2内国法人の前条各号に掲げる繰延資産につき当該各号に定める償却の額がある場合には、当該償却の額に相当する金額は、その繰延資産に係る法第三十二条第六項(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)に規定する損金の額に算入されなかつた金額に含まれないものとする。
法人税法施行令 第66条(移転資産等と密接な関連を有する繰延資産の範囲) 詳細ページ
(移転資産等と密接な関連を有する繰延資産の範囲)
第六十六条法第三十二条第四項第二号イ(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)に規定する政令で定めるものは、内国法人の繰延資産のうち、当該内国法人の発行した社債が同条第二項に規定する適格分割等(以下この条において「適格分割等」という。)により同項に規定する分割承継法人等(以下この条において「分割承継法人等」という。)に引き継がれる場合における当該社債に係る第十四条第一項第五号(繰延資産の範囲)に掲げる社債等発行費、適格分割等により分割承継法人等のみが便益を受けることとなる公共的施設又は共同的施設に係る同項第六号イに掲げる費用、適格分割等により分割承継法人等が引き続き賃借をする資産に係る同号ロに掲げる費用その他これらに類するものとする。
法人税法施行令 第66_2条(損金経理額とみなされる金額がある繰延資産の範囲等) 詳細ページ
(損金経理額とみなされる金額がある繰延資産の範囲等)
第六十六条の二法第三十二条第七項(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)に規定する政令で定める繰延資産は、次の表の各号の第一欄に掲げる繰延資産とし、同項に規定する帳簿に記載されていた金額として政令で定める金額、同項に規定する帳簿価額その他の政令で定める金額及び同項に規定する政令で定める事業年度は、当該各号の第一欄に掲げる繰延資産の区分に応じ、それぞれ当該各号の第二欄に掲げる金額、当該各号の第三欄に掲げる金額及び当該各号の第四欄に掲げる事業年度とする。
法人税法施行令 第67条(繰延資産の償却に関する明細書の添付) 詳細ページ
(繰延資産の償却に関する明細書の添付)
第六十七条内国法人は、各事業年度終了の時の繰延資産につき償却費として損金経理をした金額がある場合には、その繰延資産の当該事業年度の償却限度額その他償却費の計算に関する明細書を当該事業年度の確定申告書に添付しなければならない。
2内国法人は、前項に規定する明細書に記載された金額を第十四条第一項各号(繰延資産の範囲)に掲げる繰延資産の種類ごとに区分し、その区分ごとの合計額を記載した書類を当該事業年度の確定申告書に添付したときは、前項の明細書を保存している場合に限り、同項の明細書の添付を要しないものとする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。