所得税法 / テーマ別まとめ

各種所得の金額の計算/事業を廃止した場合等の所得計算の特例

事業を廃止した場合等の所得計算の特例の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

事業を廃止した後に生じた費用・損失や、収入の回収不能・返還が生じた場合に、どの年分の所得計算に反映させるかを定めた特例です。事業所得等の必要経費への算入時期(第63条)と、事業所得以外の各種所得・保証債務履行に伴う求償不能の場合の収入金額のなかったものとみなす扱い(第64条)を整理しています。

事業を廃止した場合等の所得計算の特例
条文対象となる所得生じた事由処理内容適用年分
第63条不動産・事業・山林所得廃止後に生じた必要経費相当額廃止しなかった場合の必要経費として算入廃止年分(原則)
第64条第1項各種所得(事業所得を除く)収入金額等の回収不能・返還なかったものとみなす収入があった年分
第64条第2項保証債務履行に伴う求償権求償権の行使不能回収不能とみなし第1項を適用収入があった年分
  • 第63条の適用年分は、廃止した日の属する年分に総収入金額がなかった場合は総収入金額があった最近の年分、それも当てはまらない場合はその前年分となる。
  • 第63条の必要経費算入額の計算方法は政令で定めるところによる。
  • 第64条第1項の対象収入金額からは、不動産所得又は山林所得を生ずべき事業から生じたものが除かれる。
  • 第64条第2項の求償権行使不能額のうち、不動産所得・事業所得・山林所得の必要経費に算入される金額は対象から除かれる。
  • 第64条第2項の適用対象となる資産の譲渡は、第33条第2項第1号に該当するものを除く。
  • 第64条第2項の規定は、確定申告書等に適用を受ける旨の記載及び所定の書類の添付がある場合に限り適用される(第3項)。
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事業を廃止した場合等の所得計算の特例

事業を廃止した場合等の所得計算の特例について、条文は何を定めているか。

第63条事業を廃止した場合の必要経費の特例事業廃止後の費用も廃止年分等の必要経費にできる1項判例 1件
  • 不動産・事業・山林所得を生む事業を廃止した後に生じた費用や損失が対象
  • 廃止した日の属する年分の必要経費に算入するのが原則
  • その年に総収入金額がなければ直近に収入があった年分、それもなければ前年分で算入
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第64条資産の譲渡代金が回収不能となつた場合等の所得計算の特例回収不能・返還になった収入はなかったものとみなす3項判例なし
  • 事業所得を除く各種所得の収入金額等が回収不能・返還となった場合が対象
  • 対応する部分の金額は所得計算上なかったものとみなす
  • 保証債務履行に伴う求償権が行使不能となった場合も同様に扱う(第2項)
  • この求償権の特例は確定申告書等への記載と書類添付がある場合に限り適用(第3項)
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第63条所得税法

一 収税官吏が検査章を携帯せずにした物件検査行為とこれに対する公務執行妨害罪の成否
二 収税官吏に対して暴行脅迫を加えてその職務の執行を妨げた場合の罪責

裁判要旨一 所得税に関する調査等をする職務を有する収税官吏が、所得税法第六三条〈事業を廃止した場合の必要経費の特例〉により帳簿書類等の検査をするにあたつて、法定の検査章を携帯していなかつたとしても、納税義務者等において右検査章の不携帯を理由として右収税官吏の検査を拒んだような事実のない以上、これに対して暴行又は脅迫を加えたときは公務執行妨害罪を構成する。
二 収税官吏が所得税法第六三条により帳簿書類等の検査をするにあたり、これに対して暴行脅迫を加えてその検査を妨げた場合には、公務執行妨害罪のみが成立し、所得税法第七〇条〈純損失の繰越控除〉の別罪を構成するものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年3月28日 昭和25(れ)1325
登載
刑集 第6巻3号546頁
参照法条
所得税法63条,所得税法70条9号,同法施行規則63条,刑法95条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法 第63条(事業を廃止した場合の必要経費の特例) 詳細ページ
(事業を廃止した場合の必要経費の特例)
第六十三条居住者が不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を廃止した後において、当該事業に係る費用又は損失で当該事業を廃止しなかつたとしたならばその者のその年分以後の各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額が生じた場合には、当該金額は、政令で定めるところにより、その者のその廃止した日の属する年分(同日の属する年においてこれらの所得に係る総収入金額がなかつた場合には、当該総収入金額があつた最近の年分)又はその前年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
所得税法 第64条(資産の譲渡代金が回収不能となつた場合等の所得計算の特例) 詳細ページ
(資産の譲渡代金が回収不能となつた場合等の所得計算の特例)
第六十四条その年分の各種所得の金額(事業所得の金額を除く。以下この項において同じ。)の計算の基礎となる収入金額若しくは総収入金額(不動産所得又は山林所得を生ずべき事業から生じたものを除く。以下この項において同じ。)の全部若しくは一部を回収することができないこととなつた場合又は政令で定める事由により当該収入金額若しくは総収入金額の全部若しくは一部を返還すべきこととなつた場合には、政令で定めるところにより、当該各種所得の金額の合計額のうち、その回収することができないこととなつた金額又は返還すべきこととなつた金額に対応する部分の金額は、当該各種所得の金額の計算上、なかつたものとみなす。
2保証債務を履行するため資産(第三十三条第二項第一号(譲渡所得に含まれない所得)の規定に該当するものを除く。)の譲渡(同条第一項に規定する政令で定める行為を含む。)があつた場合において、その履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないこととなつたときは、その行使することができないこととなつた金額(不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を除く。)を前項に規定する回収することができないこととなつた金額とみなして、同項の規定を適用する。
3前項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に同項の規定の適用を受ける旨の記載があり、かつ、同項の譲渡をした資産の種類その他財務省令で定める事項を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。