法人税法施行令 / テーマ別まとめ

各事業年度の所得の金額の計算の細目/少額の減価償却資産等

少額の減価償却資産等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

少額の減価償却資産、一括償却資産、繰延資産となる少額の費用について、取得価額や支出額の金額基準に応じた損金算入の方法を定めています。10万円未満・20万円未満といった基準ごとに、全額即時償却か3年均等償却かが分かれます。

少額の減価償却資産等
区分金額基準損金算入方法除外対象
少額減価償却資産10万円未満/使用可能期間1年未満全額を事業供用年度に損金経理貸付け(主要事業以外)
一括償却資産20万円未満取得価額合計を36で除き月割算入貸付け(主要事業以外)
繰延資産の少額費用20万円未満の支出全額を支出年度に損金経理—
  • 少額減価償却資産・一括償却資産とも、主要な事業として行われる貸付け以外の貸付け用資産は対象外。
  • 少額減価償却資産は、令48条1項6号・48条の2第1項6号に掲げる資産を除く。
  • 一括償却資産の月数は暦に従って計算し、1月未満の端数は1月とする。
  • 適格合併・適格分割等に伴う一括償却資産の引継ぎ・損金算入には、期限内の書類提出等の要件がある。
  • 一括償却資産の損金算入は、確定申告書への一括償却対象額の記載と計算書類の保存が要件。
  • 繰延資産の少額費用の対象は、令64条1項2号に掲げる繰延資産となる費用に限る。
1

少額の減価償却資産等

少額の減価償却資産等について、条文は何を定めているか。

第133条少額の減価償却資産の取得価額の損金算入10万円未満の資産は全額その場で損金算入2項判例 1件
  • 取得価額10万円未満、または使用可能期間1年未満の資産が対象
  • 事業供用年度に取得価額相当額を損金経理すれば全額損金算入
  • 主要な事業以外の貸付け用に供した資産は対象外
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第133_2条一括償却資産の損金算入20万円未満の資産は3年で均等に損金算入13項・2号判例なし
  • 取得価額20万円未満の資産をまとめて一括償却資産にできる
  • 取得価額合計を36で除し、事業年度の月数を乗じた額まで損金算入
  • 適格組織再編成では帳簿価額のまま引き継がれる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第134条繰延資産となる費用のうち少額のものの損金算入20万円未満の繰延資産費用は支出年度に全額損金算入1項判例なし
  • 令64条1項2号〈繰延資産の償却限度額 第十四条第一項第六号に掲げる繰延資産その繰延資産の額(当該繰延資産が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(以下この号及び第三項において「適格組織再編成」という。)により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人(以下この号及び第三項において「被合併法人等」という。)から引継ぎを受けたものである場合にあつては、当該被合併法人等における繰延資産の額)をその繰延資産となる費用の支出の効果の及ぶ期間の月数で除して計算した金額に当該事業年度の月数(当該事業年度がその繰延資産となる費用の支出をする日の属する事業年度である場合にあつては同日から当該事業年度終了の日までの期間の月数とし、適格組織再編成により被合併法人等から引継ぎを受けた日の属する事業年度である場合にあつては当該適格組織再編成の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数とする。)を乗じて計算した金額〉に掲げる繰延資産となる費用が対象
  • 支出額20万円未満なら支出年度に損金経理で全額損金算入
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第133条法人税法施行令

PHS事業者が事業の用に供したエントランス回線利用権につき,1回線に係る権利が,それぞれ一つの減価償却資産であり,法人税法施行令(平成16年政令第101号による改正前のもの)133条〈少額の減価償却資産の取得価額の損金算入〉所定の少額減価償却資産に当たるとされた事例

裁判要旨PHS(簡易型携帯電話)事業者が大量に保有し事業の用に供したエントランス回線利用権につき,それが1回線に係る権利一つを1単位として取引されており,1回線に係る権利一つでもって,上記事業においてその用途に応じた本来の機能を発揮し収益の獲得に寄与することができるなど判示の事実関係の下では,上記利用権は,1回線に係る権利をもって一つの減価償却資産とみるのが相当であり,それが10万円未満の価格で取得された以上,法人税法施行令(平成16年政令第101号による改正前のもの)133条〈少額の減価償却資産の取得価額の損金算入〉所定の少額減価償却資産に当たる。

※エントランス回線:PHS事業者の設置する基地局と電気通信事業者Aの設置するPHS接続装置とを接続するAの有線伝送路設備
※エントランス回線利用権:PHS事業者が,エントランス回線を利用して,基地局のエリア内でPHS端末を用いて行われる通話等に関し,電気通信事業者AをしてPHS利用者に対しAのネットワークによる電気通信役務を提供させる権利
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成20年9月16日 平成18(行ヒ)234
登載
民集 第62巻8号2089頁
参照法条
法人税法(平成13年法律第6号による改正前のもの)2条24号,法人税法2条23号,法人税法31条1項,法人税法施行令(平成16年政令第101号による改正前のもの)13条8号ソ,法人税法施行令(平成16年政令第101号による改正前のもの)133条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

法人税法施行令 第133条(少額の減価償却資産の取得価額の損金算入) 詳細ページ
(少額の減価償却資産の取得価額の損金算入)
第百三十三条内国法人がその事業の用に供した減価償却資産(第四十八条第一項第六号及び第四十八条の二第一項第六号(減価償却資産の償却の方法)に掲げるものを除く。)で、取得価額(第五十四条第一項各号(減価償却資産の取得価額)の規定により計算した価額をいう。次条第一項において同じ。)が十万円未満であるもの(貸付け(主要な事業として行われるものを除く。)の用に供したものを除く。)又は前条第一号に規定する使用可能期間が一年未満であるものを有する場合において、その内国法人が当該資産の当該取得価額に相当する金額につきその事業の用に供した日の属する事業年度において損金経理をしたときは、その損金経理をした金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2前項に規定する主要な事業として行われる貸付けに該当するかどうかの判定その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、財務省令で定める。
法人税法施行令 第133_2条(一括償却資産の損金算入) 詳細ページ
(一括償却資産の損金算入)
第百三十三条の二内国法人が各事業年度において減価償却資産で取得価額が二十万円未満であるもの(第四十八条第一項第六号及び第四十八条の二第一項第六号(減価償却資産の償却の方法)に掲げるもの並びに前条第一項の規定の適用を受けるものを除く。以下この項において「対象資産」という。)を事業の用に供した場合において、その内国法人が当該対象資産(貸付け(主要な事業として行われるものを除く。)の用に供したものを除く。)の全部又は特定の一部を一括したもの(適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(以下この条において「適格組織再編成」という。)により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人(以下この項において「被合併法人等」という。)から引継ぎを受けた当該被合併法人等の各事業年度において生じた当該一括したものを含むものとし、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(適格現物分配にあつては、残余財産の全部の分配を除く。以下この条において「適格分割等」という。)により分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人(以下この条において「分割承継法人等」という。)に引き継いだ当該一括したものを除く。以下この条において「一括償却資産」という。)の取得価額(適格組織再編成により被合併法人等から引継ぎを受けた一括償却資産にあつては、当該被合併法人等におけるその取得価額)の合計額(以下この項及び第十一項において「一括償却対象額」という。)を当該事業年度以後の各事業年度の費用の額又は損失の額とする方法を選定したときは、当該一括償却資産につき当該事業年度以後の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該一括償却資産の全部又は一部につき損金経理をした金額(以下この条において「損金経理額」という。)のうち、当該一括償却資産に係る一括償却対象額を三十六で除しこれに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額(適格組織再編成により被合併法人等から引継ぎを受けた当該被合併法人等の各事業年度において生じた一括償却資産につき当該適格組織再編成の日の属する事業年度において当該金額を計算する場合にあつては、当該一括償却資産に係る一括償却対象額を三十六で除し、これにその日から当該事業年度終了の日までの期間の月数を乗じて計算した金額。次項において「損金算入限度額」という。)に達するまでの金額とする。
2内国法人が、適格分割等により分割承継法人等に一括償却資産(当該適格分割等により当該分割承継法人等に移転する事業の用に供するために取得した減価償却資産又は当該適格分割等により当該分割承継法人等に移転する資産に係るものであることその他の財務省令で定める要件に該当するものに限る。)を引き継ぐ場合において、当該一括償却資産について損金経理額に相当する金額を費用の額としたときは、当該費用の額とした金額(次項及び第九項において「期中損金経理額」という。)のうち、当該一括償却資産につき当該適格分割等の日の前日を事業年度終了の日とした場合に前項の規定により計算される損金算入限度額に相当する金額に達するまでの金額は、当該適格分割等の日の属する事業年度(第九項において「分割等事業年度」という。)の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3前項の規定は、同項の内国法人が適格分割等の日以後二月以内に期中損金経理額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
4内国法人が適格合併に該当しない合併により解散した場合又は内国法人の残余財産が確定した場合(当該残余財産の分配が適格現物分配に該当する場合を除く。)には、当該合併の日の前日又は当該残余財産の確定の日の属する事業年度終了の時における一括償却資産の金額(第一項及び第二項の規定により損金の額に算入された金額を除く。)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
5普通法人又は協同組合等が公益法人等に該当することとなる場合には、その該当することとなる日の前日の属する事業年度終了の時における一括償却資産の金額(第一項及び第二項の規定により損金の額に算入された金額を除く。)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
6第一項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
7内国法人が適格組織再編成を行つた場合には、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ当該各号に定める一括償却資産は、当該適格組織再編成の直前の帳簿価額により当該適格組織再編成に係る合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人に引き継ぐものとする。
一適格合併又は適格現物分配(残余財産の全部の分配に限る。)当該適格合併の直前又は当該適格現物分配に係る残余財産の確定の時の一括償却資産
二適格分割等次に掲げる一括償却資産
イ当該適格分割等の直前の一括償却資産のうち第二項の規定の適用を受けたもの
ロ当該適格分割等の直前の一括償却資産のうち当該適格分割等により分割承継法人等に移転する事業の用に供するために取得した減価償却資産又は当該適格分割等により分割承継法人等に移転する資産に係るものであることその他の財務省令で定める要件に該当するもの(イに掲げるものを除く。)
8前項(第二号ロに係る部分に限る。)の規定は、同項の内国法人が適格分割等の日以後二月以内に同項の規定により分割承継法人等に引き継ぐものとされる同号ロに掲げる一括償却資産の帳簿価額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
9損金経理額には、一括償却資産につき第一項の内国法人が損金経理をした事業年度(以下この項において「損金経理事業年度」という。)前の各事業年度における当該一括償却資産に係る損金経理額(当該一括償却資産が適格合併又は適格現物分配(残余財産の全部の分配に限る。)により被合併法人又は現物分配法人(以下この項において「被合併法人等」という。)から引継ぎを受けたものである場合にあつては当該被合併法人等の当該適格合併の日の前日又は当該残余財産の確定の日の属する事業年度以前の各事業年度の損金経理額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を、当該一括償却資産が適格分割等により分割法人、現物出資法人又は現物分配法人(以下この項において「分割法人等」という。)から引継ぎを受けたものである場合にあつては当該分割法人等の分割等事業年度の期中損金経理額として帳簿に記載した金額及び分割等事業年度前の各事業年度の損金経理額のうち分割等事業年度以前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含む。以下この項において同じ。)のうち当該損金経理事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとし、期中損金経理額には、第二項の内国法人の分割等事業年度前の各事業年度における同項に規定する一括償却資産に係る損金経理額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとする。
10前項の場合において、内国法人が適格組織再編成により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人(以下この項において「被合併法人等」という。)から引継ぎを受けた一括償却資産につきその価額として帳簿に記載した金額が当該被合併法人等が当該一括償却資産の価額として当該適格組織再編成の直前に帳簿に記載していた金額に満たない場合には、当該満たない部分の金額は、当該一括償却資産の当該適格組織再編成の日の属する事業年度前の各事業年度の損金経理額とみなす。
11第一項の規定は、一括償却資産を事業の用に供した日の属する事業年度の確定申告書に当該一括償却資産に係る一括償却対象額の記載があり、かつ、その計算に関する書類を保存している場合に限り、適用する。
12内国法人は、各事業年度において一括償却資産につき損金経理をした金額がある場合には、第一項の規定により損金の額に算入される金額の計算に関する明細書を当該事業年度の確定申告書に添付しなければならない。
13第三項及び第六項から前項までに定めるもののほか、第一項に規定する主要な事業として行われる貸付けに該当するかどうかの判定その他同項、第二項、第四項又は第五項の規定の適用に関し必要な事項は、財務省令で定める。
法人税法施行令 第134条(繰延資産となる費用のうち少額のものの損金算入) 詳細ページ
(繰延資産となる費用のうち少額のものの損金算入)
第百三十四条内国法人が、第六十四条第一項第二号(均等償却を行う繰延資産)に掲げる費用を支出する場合において、当該費用のうちその支出する金額が二十万円未満であるものにつき、その支出する日の属する事業年度において損金経理をしたときは、その損金経理をした金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。