公認会計士法 / テーマ別まとめ

公認会計士の義務

公認会計士の義務の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

公認会計士法は、財務書類の証明業務にあたる公認会計士が守るべき独立性・秘密保持・研修などの義務を定めています。利害関係のある先の監査禁止や、大会社等に対するローテーション規制・共同監査の義務、監査先への就職制限など、監査の公正さを確保するための制限が中心です。

公認会計士の義務
条文義務・制限の種類内容
第24条利害関係先の監査制限役員・使用人等だった先は禁止
第24条の2大会社等の監査制限継続報酬受領時は監査禁止
第24条の3監査人ローテーション連続会計期間超えは関与不可
第24条の4共同監査等他の公認会計士等と共同・補助者使用
第25条証明範囲・利害関係の明示証明範囲と利害関係を明示
第26条信用失墜行為の禁止信用を傷つける行為の禁止
第27条秘密保持義務業務上知った秘密を漏らさない
第28条研修協会の研修を受ける
第28条の2就職制限翌会計期間終了まで役員等就任禁止
第28条の3使用人等の監督義務使用人等を適正に監督
第28条の4説明書類の縦覧業務状況の説明書類を備置・縦覧
  • 24条3項は国家公務員・地方公務員等が対象で、在職中・退職後2年間の制限
  • 24条の2の「大会社等」は会計監査人設置会社・上場会社・銀行等で、政令で定める除外あり
  • 24条の3のローテーションは、やむを得ない事情があれば内閣総理大臣の承認で継続できる
  • 24条の4はやむを得ない事情があれば単独での監査も可
  • 28条の2はやむを得ない事情があれば内閣総理大臣の承認で就任できる
  • 25条3項は証明書に代えて電磁的方法による明示も可
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公認会計士の義務

公認会計士の義務について、条文は何を定めているか。

第24条特定の事項についての業務の制限利害関係がある先の監査は禁止3項・3号判例なし
  • 役員・配偶者が役員等だった先は退職後1年も禁止
  • 使用人だった先も退職後1年以内は禁止
  • 公務員等は在職中・退職後2年間、関係企業の監査禁止
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第24_2条大会社等に係る業務の制限の特例大会社等からの継続報酬受領で監査制限1項・6号判例なし
  • 配偶者等が大会社等から継続報酬を得ていれば監査不可
  • 大会社等は会計監査人設置会社・上場会社・銀行等
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第24_3条連続監査を続けたら関与に制限3項判例なし
  • 政令で定める連続会計期間の全てで監査すると、その後一定期間は関与不可
  • やむを得ない事情があれば内閣総理大臣の承認で継続可
  • 上場予定の会社等は上場前3会計期間分も通算して判定
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第24_4条大会社等監査は単独でできない1項判例なし
  • 他の公認会計士・監査法人と共同するか、補助者を使って行う
  • やむを得ない事情があれば単独でも可
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第25条証明の範囲及び証明者の利害関係の明示証明の範囲と利害関係を明示する3項判例なし
  • 財務書類のどの範囲を証明するか明示する
  • 対象先との利害関係の有無・内容を証明書に明示する
  • 承諾を得れば電磁的方法で明示することもできる
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第26条信用失墜行為の禁止信用を傷つける行為を禁止1項判例なし
  • 公認会計士本人や公認会計士全体の信用を傷つける行為をしてはならない
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第27条秘密を守る義務業務上知った秘密を守る1項判例なし
  • 正当な理由なく業務上知った秘密を漏らしたり盗用してはならない
  • 公認会計士でなくなった後も同じ義務が続く
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第28条研修協会の研修を受ける1項判例なし
  • 日本公認会計士協会が行う資質向上のための研修を受ける
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第28_2条公認会計士の就職の制限監査先への就職を一定期間制限1項判例なし
  • 監査した財務書類の翌会計期間終了日まで、その会社等の役員等になれない
  • 連結会社等の役員等への就任も同様に制限される
  • やむを得ない事情があれば内閣総理大臣の承認で就任可
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第28_3条使用人等に対する監督義務使用人等を監督する義務1項判例なし
  • 業務を行うために使用人等を使うときは、適正な遂行を監督する
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第28_4条業務の状況に関する説明書類の縦覧等業務状況の説明書類を作成・縦覧4項判例なし
  • 大会社等を監査した年度ごとに業務状況の説明書類を作成する
  • 事務所に備え置き、公衆の縦覧に供する
  • 電磁的記録での作成・提供も可能
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

公認会計士法 第24条(特定の事項についての業務の制限) 詳細ページ
(特定の事項についての業務の制限)
第二十四条公認会計士は、財務書類のうち、次の各号の一に該当するものについては、第二条第一項の業務を行なつてはならない。
一公認会計士又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去一年以内にこれらの者であつた会社その他の者の財務書類
二公認会計士がその使用人であり、又は過去一年以内に使用人であつた会社その他の者の財務書類
三前二号に定めるもののほか、公認会計士が著しい利害関係を有する会社その他の者の財務書類
2前項第三号の著しい利害関係とは、公認会計士又はその配偶者が会社その他の者との間にその者の営業、経理その他に関して有する関係で、公認会計士の行なう第二条第一項の業務の公正を確保するため業務の制限をすることが必要かつ適当であるとして政令で定めるものをいう。
3国家公務員若しくは地方公務員又はこれらの職にあつた者は、その在職中又は退職後二年間は、その在職し、又は退職前二年間に在職していた職と職務上密接な関係にある営利企業の財務について、第二条第一項の業務を行つてはならない。
公認会計士法 第24_2条(大会社等に係る業務の制限の特例) 詳細ページ
(大会社等に係る業務の制限の特例)
第二十四条の二公認会計士は、当該公認会計士、その配偶者又は当該公認会計士若しくはその配偶者が実質的に支配していると認められるものとして内閣府令で定める関係を有する法人その他の団体が、次の各号のいずれかに該当する者(以下「大会社等」という。)から第二条第二項の業務(内閣府令で定めるものに限る。)により継続的な報酬を受けている場合には、当該大会社等の財務書類について、同条第一項の業務を行つてはならない。
一会計監査人設置会社(資本金の額、最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額その他の事項を勘案して政令で定める者を除く。)
二金融商品取引法第百九十三条の二第一項又は第二項の規定により監査証明を受けなければならない者(政令で定める者を除く。)
三銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行
四長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第二条に規定する長期信用銀行
五保険業法第二条第二項に規定する保険会社
六前各号に掲げる者に準ずる者として政令で定める者
公認会計士法 第24_3条 詳細ページ
第二十四条の三公認会計士は、大会社等の七会計期間(事業年度その他これらに準ずる期間をいう。以下同じ。)の範囲内で政令で定める連続する会計期間(当該連続する会計期間に準ずるものとして内閣府令で定める会計期間にあつては、当該会計期間。以下この項、第三十四条の十一の三及び第三十四条の十一の四第一項において「連続会計期間」という。)のすべての会計期間に係る財務書類について監査関連業務を行つた場合には、当該連続会計期間の翌会計期間以後の政令で定める会計期間に係る当該大会社等の財務書類について監査関連業務を行つてはならない。ただし、当該公認会計士(監査法人の社員である者を除く。)が当該連続会計期間の翌会計期間以後の会計期間に係る当該大会社等の財務書類について監査関連業務を行うことにつき、内閣府令で定めるやむを得ない事情があると認められる場合において、内閣府令で定めるところにより、会計期間ごとに内閣総理大臣の承認を得たときは、この限りでない。
2金融商品取引所(金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所をいう。以下同じ。)にその発行する有価証券を上場しようとする者その他の政令で定める者(大会社等を除く。)の発行する当該有価証券が上場される日その他の政令で定める日の属する会計期間前の三会計期間の範囲内で内閣府令で定める会計期間に係るその者の財務書類について公認会計士が監査関連業務を行つた場合には、その者を大会社等とみなして、前項の規定を適用する。この場合において、同項中「公認会計士は」とあるのは、「次項の監査関連業務を行つた公認会計士は」とする。
3第一項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び前項の監査関連業務とは、第二条第一項の業務、監査法人の行う同項の業務にその社員として関与すること及びこれらに準ずる業務として内閣府令で定めるものをいう。
公認会計士法 第24_4条 詳細ページ
第二十四条の四公認会計士は、大会社等の財務書類について第二条第一項の業務を行うときは、他の公認会計士若しくは監査法人と共同し、又は他の公認会計士を補助者として使用して行わなければならない。ただし、他の公認会計士若しくは監査法人と共同せず、又は他の公認会計士を補助者として使用しないことにつき内閣府令で定めるやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。
公認会計士法 第25条(証明の範囲及び証明者の利害関係の明示) 詳細ページ
(証明の範囲及び証明者の利害関係の明示)
第二十五条公認会計士は、会社その他の者の財務書類について証明をする場合には、いかなる範囲について証明をするかを明示しなければならない。
2公認会計士は、会社その他の者の財務書類について証明をする場合には、当該会社その他の者と利害関係を有するか否か、及び利害関係を有するときはその内容その他の内閣府令で定める事項を証明書に明示しなければならない。
3公認会計士は、前項の規定による証明書による証明に代えて、内閣府令で定めるところにより、当該証明に係る会社その他の者の承諾を得て、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)により同項に規定する事項を併せて明示することにより当該証明をすることができる。この場合においては、同項の規定は、適用しない。
公認会計士法 第26条(信用失墜行為の禁止) 詳細ページ
(信用失墜行為の禁止)
第二十六条公認会計士は、公認会計士の信用を傷つけ、又は公認会計士全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
公認会計士法 第27条(秘密を守る義務) 詳細ページ
(秘密を守る義務)
第二十七条公認会計士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。公認会計士でなくなつた後であつても、同様とする。
公認会計士法 第28条(研修) 詳細ページ
(研修)
第二十八条公認会計士は、内閣府令で定めるところにより、日本公認会計士協会が行う資質の向上を図るための研修を受けるものとする。
公認会計士法 第28_2条(公認会計士の就職の制限) 詳細ページ
(公認会計士の就職の制限)
第二十八条の二公認会計士が会社その他の者の財務書類について第二条第一項の業務を行つた場合には、当該公認会計士(公認会計士であつた者を含む。)は、当該財務書類に係る会計期間の翌会計期間の終了の日までの間は、当該会社その他の者又はその連結会社等(当該会社その他の者と連結して財務書類を作成するものとされる者として内閣府令で定めるものをいう。以下この条及び第三十四条の十一第一項第三号において同じ。)の役員又はこれに準ずるものに就いてはならない。ただし、当該会社その他の者又はその連結会社等の役員又はこれに準ずるものに就くことにつきやむを得ない事情があると認められるときその他の内閣府令で定める場合において、内閣総理大臣の承認を得たときは、この限りでない。
公認会計士法 第28_3条(使用人等に対する監督義務) 詳細ページ
(使用人等に対する監督義務)
第二十八条の三公認会計士は、第二条第一項又は第二項の業務を行うため使用人その他の従業者を使用するときは、当該業務を適正に遂行するよう当該使用人その他の従業者を監督しなければならない。
公認会計士法 第28_4条(業務の状況に関する説明書類の縦覧等) 詳細ページ
(業務の状況に関する説明書類の縦覧等)
第二十八条の四公認会計士は、年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいい、大会社等の財務書類について第二条第一項の業務を行つたものに限る。)ごとに、業務の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成し、当該公認会計士の事務所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
2前項に規定する説明書類は、電磁的記録をもつて作成することができる。
3第一項に規定する説明書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、公認会計士の事務所において当該説明書類の内容である情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項の説明書類を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
4前三項に定めるもののほか、第一項に規定する説明書類を公衆の縦覧に供する期間その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。