財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準 令和5年4月7日改訂。実施基準を含む。 現行施行 条文取得 2026-09-25

第3_5条監査人の報告

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条文原文

原文ママ
財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準 第3_5条(監査人の報告)
(監査人の報告)
基準3_5監査人の報告
2(1)意見に関する除外① 監査人は、内部統制報告書において、経営者が決定した評価範囲、評価手続、及び評価結果に関して不適切なものがあり、その影響が無限定適正意見を表明することができない程度に重要ではあるものの、内部統制報告書を全体として虚偽の表示に当たるとするほどではないと判断したときには、除外事項を付した限定付適正意見を表明しなければならない。この場合には、意見の根拠の区分に、除外した不適切な事項及び財務諸表監査に及ぼす影響を記載しなければならない。
3② 監査人は、内部統制報告書において、経営者が決定した評価範囲、評価手続、及び評価結果に関して不適切なものがあり、その影響が内部統制報告書全体として虚偽の表示に当たるとするほどに重要であると判断した場合には、内部統制報告書が不適正である旨の意見を表明しなければならない。この場合には、意見の根拠の区分に、内部統制報告書が不適正であるとした理由及び財務諸表監査に及ぼす影響を記載しなければならない。
4〔限定付適正意見の表明〕監査人が、経営者が決定した評価範囲、評価手続、及び評価結果に関して不適切なものがあり、その影響が無限定適正意見を表明することができない程度に重要ではあるものの、内部統制報告書を全体として虚偽の表示に当たるとするほどではないと判断できる場合には、限定付適正意見が表明される。
5例えば、財務報告に係る内部統制に関する開示すべき重要な不備があるとした経営者の評価結果は適正であるが、期末日後に実施した是正措置を内部統制報告書に記載している場合において、監査人が当該是正措置に関する経営者の記載は不適切であると判断した場合が挙げられる。
6(2)監査範囲の制約① 監査人は、重要な監査手続を実施できなかったこと等により、無限定適正意見を表明することができない場合において、その影響が内部統制報告書全体に対する意見表明ができないほどではないと判断したときには、除外事項を付した限定付適正意見を表明しなければならない。この場合には、意見の根拠の区分に、実施できなかった監査手続等及び財務諸表監査に及ぼす影響について記載しなければならない。
7② 監査人は、重要な監査手続を実施できなかったこと等により、内部統制報告書全体に対する意見表明のための基礎を得ることができなかったときは、意見を表明してはならない。この場合には、別に区分を設けて、内部統制報告書に対する意見を表明しない旨及びその理由を記載しなければならない。
8〔評価範囲の制約に係る監査上の取扱い〕監査人は、「やむを得ない事情」により、内部統制の一部について十分な評価手続を実施できなかったことにつき正当な理由が認められるか否かについて慎重に検討しなければならない。監査人は、やむを得ない事情により十分な評価を実施できなかった範囲を除き、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準に準拠し、財務報告に係る内部統制の評価について、全ての重要な点において適正に表示していると認められると判断した場合には、内部統制監査報告書において無限定適正意見を表明する。この場合、監査人は、経営者がやむを得ない事情によって評価範囲に含めなかった範囲及びその理由を内部統制監査報告書に追記しなければならない。
9なお、経営者の評価手続の一部が実施できなかったことに正当な理由が認められるとして無限定適正意見を表明する場合には、次の点に留意しなければならない。
10イ.経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価が、やむを得ない事情により十分な評価手続を実施できなかった一部の内部統制を除き、全体として適切に実施されていること。
11ロ.やむを得ない事情により、十分な評価手続を実施できなかったことが財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼすまでには至っていないこと。
12(3)追記情報監査人は、次に掲げる強調すること又はその他説明をすることが適当と判断した事項は、内部統制監査報告書にそれらを区分した上で、情報として追記するものとする。
13① 経営者が、内部統制報告書に財務報告に係る内部統制に開示すべき重要な不備の内容及びそれが是正されない理由を記載している場合は、当該開示すべき重要な不備がある旨及び当該開示すべき重要な不備が財務諸表監査に及ぼす影響② 財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす後発事象③ 期末日後に実施された是正措置等④ 経営者の評価手続の一部が実施できなかったことについて、やむを得ない事情によると認められるとして無限定適正意見を表明する場合において、十分な評価手続を実施できなかった範囲及びその理由〔内部統制報告書に記載する後発事象の検討〕監査人は、財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす後発事象の発生の有無及び、内部統制報告書に記載すべき後発事象が存在する場合には、当該後発事象が適切に記載されているかを確認する。
14重要な後発事象の発生の有無を確認する手続としては、例えば、以下のものが挙げられる。
15イ.重要な後発事象として認識すべき事象が発生したか否かについて財務・経理担当役員等に質問する。
16ロ.決算日後に開催された株主総会、取締役会、監査役会等及び常務会等の重要な会議の議事録を閲覧する。議事録が入手できない場合には、会議で討議された事項について質問する。
17ただし、監査人は、財務諸表監査の実施過程において、重要な後発事象の把握を行っていると考えられ、その場合には、財務諸表監査の実施過程で得られた重要な後発事象に関する監査証拠を、適宜、利用することに留意する。
18財務報告に係る内部統制構築のプロセス1 基本的計画及び方針の決定基本的計画及び方針の決定経営者は、内部統制の基本方針に係る取締役会の決定を踏まえ、財務報告に係る内部統制を組織内の全社的なレベル及び業務プロセスのレベルにおいて実施するための基本的計画及び方針を決定※経営者が定めるべき基本的計画及び方針としては、以下が挙げられる。
19① 構築すべき内部統制の方針・原則、範囲及び水準② 内部統制の構築に当たる責任者及び全社的な管理体制③ 内部統制構築の手順及び日程④ 内部統制構築に係る人員及びその編成、教育・訓練の方法 等2 内部統制の整備状況の把握内部統制の整備状況の把握内部統制の整備状況を把握し、その結果を記録・保存① 全社的な内部統制について、既存の内部統制に関する規程、慣行及びその遵守状況等を踏まえ、全社的な内部統制の整備状況を把握し、記録・保存※暗黙裡に実施されている社内の決まり事等がある場合には、それを明文化② 重要な業務プロセスについて、内部統制の整備状況を把握し、記録・保存
20・組織の重要な業務プロセスについて、取引の流れ、会計処理の過程を整理し、理解する。
21・整理、理解した業務プロセスについて、虚偽記載の発生するリスクを識別し、それらリスクの財務報告又は勘定科目等との関連性、業務の中に組み込まれた内部統制によって十分に低減できるものになっているかを検討3 把握された内部統制の不備への対応及び是正把握された内部統制の不備への対応及び是正把握された内部統制の不備は適切に是正財務報告に係る内部統制の評価・報告の流れ全社的な内部統制の評価決算・財務報告に係る業務プロセスの評価
22(全社的な観点での評価が適切なものについては、全社的な内部統制に準じて評価)決算・財務報告プロセス以外の業務プロセスの評価1 重要な事業拠点の選定重要な事業拠点の選定評価対象とする事業拠点は、売上高等の重要性により決定する。
23※事業拠点には、本社、子会社、支社、支店の他、事業部等も含まれる。
24※事業拠点を選定する指標として、企業の置かれた環境や事業の特性によって、売上高の他、総資産、税引前利益等の指標を用いることがある。この場合、本社を含む各事業拠点におけるこれらの指標の金額の高い拠点から合算していき、連結ベースの一定の割合に達している事業拠点を評価の対象とすることが考えられる。
25※一定割合については、例えば、連結ベースの売上高等の一定割合(おおむね3分の2程度)とする考え方や、総資産、税引前利益等の一定割合とすることも考えられる。
26※全社的な内部統制のうち、良好でない項目がある場合には、それに関連する事業拠点を選定する必要がある。また、長期間にわたり評価範囲外としてきた特定の事業拠点や業務プロセスについても、評価範囲に含めることの必要性の有無を考慮しなければならない。
27※評価範囲外の事業拠点又は業務プロセスにおいて開示すべき重要な不備が識別された場合には、当該事業拠点又は業務プロセスについては、少なくとも当該開示すべき重要な不備が識別された時点を含む会計期間の評価範囲に含めることが適切である。
282 評価対象とする業務プロセスの識別評価対象とする業務プロセスの識別① 重要な事業拠点における、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目に至る業務プロセスは、原則として、全て評価対象※「企業の事業目的に大きく関わる勘定科目」については、財務報告に対する金額的及び質的影響並びにその発生可能性を考慮し、例えば、一般的な事業会社の場合、原則として、売上、売掛金及び棚卸資産の3勘定が考えられる。これはあくまで例示であり、個別の業種、企業の置かれた環境や事業の特性等に応じて適切に判断される必要がある。
29※当該重要な事業拠点が行う事業又は業務との関連性が低く、財務報告に対する影響の重要性が僅少である業務プロセスについては、評価対象としないことができる。
30② 重要な事業拠点及びそれ以外の事業拠点において、財務報告への影響を勘案して、重要性の大きい業務プロセスについては、個別に評価対象に追加
31(例)・リスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセス
32・見積りや経営者による予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセス
33・非定型・不規則な取引など虚偽記載が発生するリスクが高いものとして、特に留意すべき業務プロセス※長期間にわたり評価範囲外としてきた特定の業務プロセスについても、評価範囲に含めることの必要性の有無を考慮しなければならない。
34※評価範囲外の業務プロセスにおいて開示すべき重要な不備が識別された場合には、当該業務プロセスについては、少なくとも当該開示すべき重要な不備が識別された時点を含む会計期間の評価範囲に含めることが適切である。
35③ 全社的な内部統制の評価結果を踏まえて、業務プロセスに係る評価の範囲、方法等を調整※全社的な内部統制が有効でない場合、評価範囲の拡大、評価手続の追加などの措置が必要※全社的な内部統制が有効である場合、サンプリングの範囲を縮小するなど簡易な評価手続の選択や、重要性等を勘案し、評価範囲の一部について、複数会計期間ごとの評価が可能評価範囲について、必要に応じて、監査人と協議3 評価対象とした業務プロセスの評価評価対象とした業務プロセスの評価① 評価対象となる業務プロセスの概要を把握、整理② 業務プロセスにおける虚偽記載の発生するリスクとこれを低減する統制を識別③ 関連文書の閲覧、質問、観察等により、内部統制の整備状況の有効性を評価④ 関連文書の閲覧、質問、観察、内部統制の実施記録の検証、自己点検の状況の検討等により、内部統制の運用状況の有効性を評価※全社的な内部統制の評価結果が良好である場合等には、サンプリングの範囲を縮小4 内部統制の報告内部統制の報告① 内部統制の不備が発見された場合、期末までに是正② 開示すべき重要な不備が期末日に存在する場合には開示業務プロセスに係る内部統制の不備の検討業務プロセスに係る内部統制の有効性の確認
36・サンプリングにより確認(90%の信頼度を得るには、統制上の要点ごとに少なくとも 25件のサンプルが必要)※反復継続的に発生する定型的な取引等については、サンプル数の低減等が可能業務プロセスに係る内部統制の不備を把握① 不備の影響が及ぶ範囲の検討業務プロセスから発見された内部統制の不備がどの勘定科目等に、どの範囲で影響を及ぼしうるかを検討
37・ある事業拠点において、ある商品の販売プロセスで問題が起きた場合、当該販売プロセスが当該事業拠点に横断的な場合には、当該事業拠点全体の売上高に影響を及ぼす。
38・問題となった販売プロセスが特定の商品に固有のものである場合には、当該商品の売上高だけに影響を及ぼす。
39・他の事業拠点でも同様の販売プロセスを用いている場合には、上記の問題の影響は当該他の事業拠点の売上高にも及ぶ。
40② 影響の発生可能性の検討①で検討した影響が実際に発生する可能性を検討
41・発生確率をサンプリングの結果を用いて統計的に導き出す。
42・それが難しい場合には、リスクの程度を発生可能性を、例えば、高、中、低により把握し、それに応じて、予め定めた比率を適用する。
43※影響の発生可能性が無視できる程度に低いと判断される場合には、判定から除外③ 内部統制の不備の質的・金額的重要性の判断①及び②を勘案して、質的重要性及び金額的重要性(例えば、連結税引前利益のおおむね5%程度)を判断※不備が複数存在する場合には、これらを合算(重複額は控除)する。
44質的又は金額的重要性があると認められる場合、開示すべき重要な不備と判断

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