会社計算規則 / テーマ別まとめ

吸収合併、吸収分割、株式交換及び株式交付に際しての株主資本及び社員資本/吸収分割

吸収分割の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

吸収分割で吸収分割承継会社が対価として株式又は持分を交付する場合に、承継会社側で資本金・資本剰余金・利益剰余金をどのように計上するかを会社計算規則が定めています。原則は、支配取得に当たるかどうかや吸収分割会社との資本関係(共通支配下関係)に応じて、時価または分割直前の帳簿価額を基礎に増加額を算定します。これとは別に、一定の要件を満たすときは吸収分割会社の株主資本等をそのまま引き継いで計算できる特則もあります。

吸収分割
区分算定の基礎資本金・資本剰余金の増加額利益剰余金
支配取得(分割会社による取得を除く)時価契約の定めの範囲内変動なし
時価を付すべき場合(上記以外)時価契約の定めの範囲内変動なし
共通支配下関係(上記を除く)直前の帳簿価額契約の定めの範囲内変動なし
上記以外の場合帳簿価額契約の定めの範囲内変動なし
株主資本等の引継ぎ(分割型・対価全部が株式等)分割会社の帳簿価額分割会社の変動額を引継ぎ引継ぎ
株主資本等の引継ぎ(無対価)分割会社の帳簿価額資本金+資本剰余金→その他資本剰余金その他利益剰余金へ
  • 支配取得の区分は、吸収分割会社による支配取得に該当する場合を除く。
  • 株主資本等変動額がマイナスの場合、対価自己株式の処分差損はその他資本剰余金の減少、残りはその他利益剰余金の減少とし、資本金・資本準備金・利益準備金は変動しない。
  • 第38条の引継ぎは、直前の株主資本等を引き継ぐものとして計算することが「適切なとき」に限られる。
  • 対価自己株式があるときは、その帳簿価額を分割会社のその他資本剰余金変動額から減じた額を承継会社のその他資本剰余金変動額とする(38条1項ただし書)。
  • 分割会社側での資本金・資本剰余金・利益剰余金の変更は、会社法第二編第五章第三節第二款その他の規定に従う。
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吸収分割

吸収分割について、条文は何を定めているか。

第37条吸収型再編対価の全部又は一部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額対価が株式等の場合の変動額の算定方法2項・4号判例なし
  • 支配取得(分割会社による支配取得を除く)や時価を付すべき場合は時価が基礎
  • 共通支配下関係にある場合は分割直前の帳簿価額が基礎
  • 資本金・資本剰余金の増加額は契約の定めの範囲内で決定、利益剰余金は原則不変
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第38条株主資本等を引き継ぐ場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額分割会社の株主資本等をそのまま引き継げる特則3項判例なし
  • 分割型で対価が全部株式等なら分割会社の資本金等の変動額をそのまま引継げる
  • 対価が存在しない場合も、適切なときは引継ぎ計算ができる
  • 分割会社側の資本金等の変更は会社法の関係規定に従う
条文原文を見るこの条文の詳細ページ

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原

条文原文

原文ママ

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会社計算規則 第37条(吸収型再編対価の全部又は一部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額) 詳細ページ
(吸収型再編対価の全部又は一部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額)
第三十七条吸収型再編対価の全部又は一部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合には、吸収分割承継会社において変動する株主資本等の総額(次項において「株主資本等変動額」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法に従い定まる額とする。
一当該吸収分割が支配取得に該当する場合(吸収分割会社による支配取得に該当する場合を除く。)吸収型再編対価時価又は吸収型再編対象財産の時価を基礎として算定する方法
二前号に掲げる場合以外の場合であって、吸収型再編対象財産に時価を付すべきとき前号に定める方法
三吸収分割承継会社と吸収分割会社が共通支配下関係にある場合(前号に掲げる場合を除く。)吸収型再編対象財産の吸収分割の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(第一号に定める方法によるべき部分にあっては、当該方法)
四前三号に掲げる場合以外の場合前号に定める方法
2前項の場合には、吸収分割承継会社の資本金及び資本剰余金の増加額は、株主資本等変動額の範囲内で、吸収分割承継会社が吸収分割契約の定めに従いそれぞれ定めた額とし、利益剰余金の額は変動しないものとする。ただし、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額のうち、対価自己株式の処分により生ずる差損の額をその他資本剰余金(当該吸収分割承継会社が持分会社の場合にあっては、資本剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、その余の額をその他利益剰余金(当該吸収分割承継会社が持分会社の場合にあっては、利益剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、資本金、資本準備金及び利益準備金の額は変動しないものとする。
会社計算規則 第38条(株主資本等を引き継ぐ場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額) 詳細ページ
(株主資本等を引き継ぐ場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額)
第三十八条前条の規定にかかわらず、分割型吸収分割における吸収型再編対価の全部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合であって、吸収分割会社における吸収分割の直前の株主資本等の全部又は一部を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、分割型吸収分割により変動する吸収分割会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額をそれぞれ当該吸収分割承継会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の変動額とすることができる。ただし、対価自己株式がある場合にあっては、当該対価自己株式の帳簿価額を吸収分割により変動する吸収分割会社のその他資本剰余金の額から減じて得た額を吸収分割承継会社のその他資本剰余金の変動額とする。
2吸収型再編対価が存しない場合であって、吸収分割会社における吸収分割の直前の株主資本等の全部又は一部を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、吸収分割により変動する吸収分割会社の資本金及び資本剰余金の合計額を当該吸収分割承継会社のその他資本剰余金の変動額とし、吸収分割により変動する吸収分割会社の利益剰余金の額を当該吸収分割承継会社のその他利益剰余金の変動額とすることができる。
3前二項の場合の吸収分割会社における吸収分割に際しての資本金、資本剰余金又は利益剰余金の額の変更に関しては、法第二編第五章第三節第二款の規定その他の法の規定に従うものとする。
出

一次情報

原文ママ

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