判示事項
一 検察官の冒頭陳述および判決理由中の説示と裁判官の予断偏見
二 信書が刑訴第三二三条第三号によつて証拠能力を認められる事例
裁判要旨
一 或る犯行が、甲の単独犯として起訴せられ申に対し有罪の確定判決があつた後、甲の右犯行は乙の教唆に基ずくものであり、且つ丙および丁は甲の犯行を幇助したものであるとして、さらに乙、丙および丁が起訴せられた場合、検察官が冒頭陳述に際し、さきに甲を起訴した時の検察当局の意見を或る程度説明し、また判決がその理由中に、審判に当り考慮すべき点を列挙して、事件の発端から起訴を見るに至るまでの経過および事件の特殊性を説示しているからといつて、裁判所が予断と偏見に基ずいて審判したものということはできない。
二 右甲が服役中妻との間でやりとりした一連の手紙は公判における右両名の証言および同手紙の外観、内容等により特に信用すべき状況のもとに作成されたものと認められるかぎり刑訴第三二三条第三号によつて、乙、丙および丁に対する被告事件の証拠とすることができる。
参照法条
憲法37条1項,刑訴法296条,刑訴法44条1項,刑訴法335条1項,刑訴法323条3号
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