刑事訴訟法 / テーマ別まとめ

証拠収集等への協力及び訴追に関する合意/合意の履行の確保

合意の履行の確保の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

この合意制度は、検察官・被告人のどちらが合意に違反したかに応じて、その履行を確保するための措置を条文で定めています。検察官が違反すれば起訴や訴因変更が制限されたり、協議・合意に基づく供述や証拠が使えなくなります。被告人側が虚偽の供述や偽造証拠で違反すれば、拘禁刑の対象になります。

合意の履行の確保
行為者違反の内容結果・効果
検察官合意に反する起訴・訴追公訴棄却/訴因変更を許さない
検察官起訴以外の場面での合意違反供述・証拠が証拠にできない
被告人等虚偽供述・偽造証拠の提出5年以下の拘禁刑
同罪を犯した者裁判確定前の自白刑の減軽・免除可
  • 公訴棄却・訴因変更不許可の対象は、起訴・訴追に関する類型の合意違反に限られる
  • 証拠が使えなくなるのは、被告人本人の協議供述と合意に基づく行為により得た証拠に限られる
  • 証拠排除は、その証拠を自分の事件または他人の事件で使うことに本人・その者が異議を述べない場合には適用されない
  • 刑の減軽・免除は、他人の事件と自分の事件のいずれの裁判も確定する前に自白した場合にのみ認められうる
  • 刑の減軽・免除は任意的なもので、必ず適用されるわけではない
  • 対象となる合意は、協議・合意制度に基づく合意に限られる
1

合意の履行の確保

合意の履行の確保について、条文は何を定めているか。

第350_13条検察官が合意に反して起訴すると却下される2項判例なし
  • 合意に反した起訴は判決で棄却される
  • 訴因・罰条の変更請求も違反なら裁判所は許可できない
  • 対象は起訴・訴追に関する類型の合意違反に限る
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第350_14条合意違反があれば供述・証拠は使えなくなる2項判例なし
  • 協議での供述や合意に基づく行為で得た証拠は証拠にできない
  • 本人や第三者に異議がなければこの排除は適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第350_15条虚偽供述や偽造証拠提出には拘禁刑を科す2項判例なし
  • 虚偽供述・偽造証拠提出は5年以下の拘禁刑
  • 他人・自分の事件が確定する前に自白すれば減軽・免除もありうる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑事訴訟法 第350_13条 詳細ページ
第三百五十条の十三検察官が第三百五十条の二第一項第二号イからニまで、ヘ又はトに係る同項の合意(同号ハに係るものについては、特定の訴因及び罰条により公訴を提起する旨のものに限る。)に違反して、公訴を提起し、公訴を取り消さず、異なる訴因及び罰条により公訴を提起し、訴因若しくは罰条の追加、撤回若しくは変更を請求することなく若しくは異なる訴因若しくは罰条の追加若しくは撤回若しくは異なる訴因若しくは罰条への変更を請求して公訴を維持し、又は即決裁判手続の申立て若しくは略式命令の請求を同時にすることなく公訴を提起したときは、判決で当該公訴を棄却しなければならない。
2検察官が第三百五十条の二第一項第二号ハに係る同項の合意(特定の訴因及び罰条により公訴を維持する旨のものに限る。)に違反して訴因又は罰条の追加又は変更を請求したときは、裁判所は、第三百十二条第一項の規定にかかわらず、これを許してはならない。
刑事訴訟法 第350_14条 詳細ページ
第三百五十条の十四検察官が第三百五十条の二第一項の合意に違反したときは、被告人が第三百五十条の四の協議においてした供述及び当該合意に基づいてした被告人の行為により得られた証拠は、これらを証拠とすることができない。
2前項の規定は、当該被告人の刑事事件の証拠とすることについて当該被告人に異議がない場合及び当該被告人以外の者の刑事事件の証拠とすることについてその者に異議がない場合には、これを適用しない。
刑事訴訟法 第350_15条 詳細ページ
第三百五十条の十五第三百五十条の二第一項の合意に違反して、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対し、虚偽の供述をし又は偽造若しくは変造の証拠を提出した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
2前項の罪を犯した者が、当該合意に係る他人の刑事事件の裁判が確定する前であつて、かつ、当該合意に係る自己の刑事事件の裁判が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。