刑事訴訟法 / テーマ別まとめ

証拠収集等への協力及び訴追に関する合意/合意及び協議の手続

合意及び協議の手続の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

刑事訴訟法第350条の2から第350条の6は、検察官が被疑者・被告人との間で結ぶいわゆる合意制度(司法取引)について、合意できる内容と対象事件の範囲、合意を成立させるための要件・方式、合意に至るまでの協議の進め方を定めている。対象は特定犯罪に限られ、弁護人の同意や連署書面といった合意の効力要件、協議中に得た供述の証拠上の扱い、司法警察員との連携方法までを規律している。

合意及び協議の手続
区分内容
合意の対象事件特定犯罪の事件に限る
本人がする行為供述・証言・証拠提出の協力
検察官がする行為不起訴・訴因限定など
合意の要件弁護人の同意が必要
合意の方式三者連署の書面で明示
協議の当事者検察官と本人及び弁護人
一部の協議異議なければ弁護人のみ可
協議中の供述の扱い不成立なら証拠にできない
扱いの例外偽証等の罪では証拠可
司法警察員への関与送致事件は事前協議必須
授権による代行授権範囲内で提示行為可
  • 特定犯罪は死刑又は無期拘禁刑にあたる罪を除き、条文に列挙された罪に限られる
  • 合意には付随する事項など目的達成に必要な事項も含めることができる
  • 協議で供述を求める際は黙秘権告知(198条2項)の規定を準用する
  • 供述を証拠にできる例外は、偽証・証拠隠滅・証人等威迫等の罪に係る事件で用いる場合
  • 司法警察員が現に捜査している事件について、検察官が個別に授権すれば警察官が合意内容の提示等を行える
  • 司法警察員が送致・送付した事件や現に捜査中の事件では、協議前に司法警察員と協議しなければならない
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合意及び協議の手続

合意及び協議の手続について、条文は何を定めているか。

第350_2条合意の内容と対象犯罪を定める3項・7号判例なし
  • 証拠の重要性や犯罪の軽重等を考慮して合意する
  • 本人は供述・証言・証拠提出の協力等をする
  • 検察官は不起訴・訴因限定等の措置をとる
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第350_3条合意には弁護人の同意と書面が必要2項判例なし
  • 弁護人の同意がなければ合意はできない
  • 検察官・本人・弁護人が連署した書面で内容を明らかにする
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第350_4条協議は検察官と本人・弁護人で行う1項判例なし
  • 協議の当事者は検察官と被疑者・被告人及び弁護人
  • 本人と弁護人に異議がなければ一部を弁護人のみと協議できる
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第350_5条協議中の供述は不成立なら使えない3項判例なし
  • 協議で検察官は他人の刑事事件の供述を求められる
  • 合意が不成立なら協議中の供述は証拠にできない
  • 偽証・証拠隠滅等の罪の事件では例外的に証拠にできる
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第350_6条司法警察員との連携方法を定める2項判例なし
  • 送致・送付事件等では事前に司法警察員と協議する
  • 検察官の授権があれば警察官が供述を求める等を行える
  • 授権の範囲内で警察官が合意内容の提示をできる
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑事訴訟法 第350_2条 詳細ページ
第三百五十条の二検察官は、特定犯罪に係る事件の被疑者又は被告人が特定犯罪に係る他人の刑事事件(以下単に「他人の刑事事件」という。)について一又は二以上の第一号に掲げる行為をすることにより得られる証拠の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状、当該関係する犯罪の関連性の程度その他の事情を考慮して、必要と認めるときは、被疑者又は被告人との間で、被疑者又は被告人が当該他人の刑事事件について一又は二以上の同号に掲げる行為をし、かつ、検察官が被疑者又は被告人の当該事件について一又は二以上の第二号に掲げる行為をすることを内容とする合意をすることができる。
一次に掲げる行為
イ第百九十八条第一項又は第二百二十三条第一項の規定による検察官、検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して真実の供述をすること。
ロ証人として尋問を受ける場合において真実の供述をすること。
ハ検察官、検察事務官又は司法警察職員による証拠の収集に関し、証拠の提出その他の必要な協力をすること(イ及びロに掲げるものを除く。)。
二次に掲げる行為
イ公訴を提起しないこと。
ロ公訴を取り消すこと。
ハ特定の訴因及び罰条により公訴を提起し、又はこれを維持すること。
ニ特定の訴因若しくは罰条の追加若しくは撤回又は特定の訴因若しくは罰条への変更を請求すること。
ホ第二百九十三条第一項の規定による意見の陳述において、被告人に特定の刑を科すべき旨の意見を陳述すること。
ヘ即決裁判手続の申立てをすること。
ト略式命令の請求をすること。
2前項に規定する「特定犯罪」とは、次に掲げる罪(死刑又は無期拘禁刑に当たるものを除く。)をいう。
一刑法第九十六条から第九十六条の六まで若しくは第百五十五条の罪、同条の例により処断すべき罪、同法第百五十七条の罪、同法第百五十八条の罪(同法第百五十五条の罪、同条の例により処断すべき罪又は同法第百五十七条第一項若しくは第二項の罪に係るものに限る。)又は同法第百五十九条から第百六十三条の五まで、第百九十七条から第百九十七条の四まで、第百九十八条、第二百四十六条から第二百五十条まで若しくは第二百五十二条から第二百五十四条までの罪
二組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)第三条第一項第一号から第四号まで、第十三号若しくは第十四号に掲げる罪に係る同条の罪、同項第十三号若しくは第十四号に掲げる罪に係る同条の罪の未遂罪又は組織的犯罪処罰法第十条若しくは第十一条の罪
三前二号に掲げるもののほか、租税に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)又は金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の罪その他の財政経済関係犯罪として政令で定めるもの
四次に掲げる法律の罪
イ爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)
ロ大麻草の栽培の規制に関する法律(昭和二十三年法律第百二十四号)
ハ覚醒剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)
ニ麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)
ホ武器等製造法(昭和二十八年法律第百四十五号)
ヘあへん法(昭和二十九年法律第七十一号)
ト銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)
チ国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九十四号)
五刑法第百三条、第百四条若しくは第百五条の二の罪又は組織的犯罪処罰法第七条の罪(同条第一項第一号から第三号までに掲げる者に係るものに限る。)若しくは組織的犯罪処罰法第七条の二の罪(いずれも前各号に掲げる罪を本犯の罪とするものに限る。)
3第一項の合意には、被疑者若しくは被告人がする同項第一号に掲げる行為又は検察官がする同項第二号に掲げる行為に付随する事項その他の合意の目的を達するため必要な事項をその内容として含めることができる。
刑事訴訟法 第350_3条 詳細ページ
第三百五十条の三前条第一項の合意をするには、弁護人の同意がなければならない。
2前条第一項の合意は、検察官、被疑者又は被告人及び弁護人が連署した書面により、その内容を明らかにしてするものとする。
刑事訴訟法 第350_4条 詳細ページ
第三百五十条の四第三百五十条の二第一項の合意をするため必要な協議は、検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。ただし、被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないときは、協議の一部を弁護人のみとの間で行うことができる。
刑事訴訟法 第350_5条 詳細ページ
第三百五十条の五前条の協議において、検察官は、被疑者又は被告人に対し、他人の刑事事件について供述を求めることができる。この場合においては、第百九十八条第二項の規定を準用する。
2被疑者又は被告人が前条の協議においてした供述は、第三百五十条の二第一項の合意が成立しなかつたときは、これを証拠とすることができない。
3前項の規定は、被疑者又は被告人が当該協議においてした行為が刑法第百三条、第百四条若しくは第百七十二条の罪又は組織的犯罪処罰法第七条第一項第一号若しくは第二号に掲げる者に係る同条の罪に当たる場合において、これらの罪に係る事件において用いるときは、これを適用しない。
刑事訴訟法 第350_6条 詳細ページ
第三百五十条の六検察官は、司法警察員が送致し若しくは送付した事件又は司法警察員が現に捜査していると認める事件について、その被疑者との間で第三百五十条の四の協議を行おうとするときは、あらかじめ、司法警察員と協議しなければならない。
2検察官は、第三百五十条の四の協議に係る他人の刑事事件について司法警察員が現に捜査していることその他の事情を考慮して、当該他人の刑事事件の捜査のため必要と認めるときは、前条第一項の規定により供述を求めることその他の当該協議における必要な行為を司法警察員にさせることができる。この場合において、司法警察員は、検察官の個別の授権の範囲内で、検察官が第三百五十条の二第一項の合意の内容とすることを提案する同項第二号に掲げる行為の内容の提示をすることができる。
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一次情報

原文ママ

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