刑法
二四六条一項〈詐欺〉は、「人ヲ欺罔シテ財物ヲ騙取シタル者ハ十年以下ノ懲役ニ処ス」る旨を規定し、詐欺の犯罪構成要件の定め方に明確を欠くところはない。そして右のように刑の適用に関し裁判所の裁量権を広く認めているのは、形式的標準によつて量刑を拘束することを不当とする立法政策によるものであつて、量刑については、犯人の性行、経歴、環境、犯行の動機、手段方法、実害の大小等犯人の主観及び客観の事情を併せ考察してその適切を期すべきことを当然の前提とするものであり、決して裁判所の恣意を許す趣旨に出たものではない。