判示事項
1 委託を受けて他人の不動産を占有する者がこれにほしいままに抵当権を設定してその旨の登記を了していた場合においてその後これについてほしいままに売却等の所有権移転行為を行いその旨の登記を了する行為と横領罪の成否
2 委託を受けて他人の不動産を占有する者がこれにほしいままに抵当権を設定してその旨の登記を了した後これについてほしいままに売却等の所有権移転行為を行いその旨の登記を了した場合において後行の所有権移転行為のみが横領罪として起訴されたときの審理方法
裁判要旨
1 委託を受けて他人の不動産を占有する者が,これにほしいままに抵当権を設定してその旨の登記を了した後,これについてほしいままに売却等の所有権移転行為を行いその旨の登記を了したときは,後行の所有権移転行為について横領罪の成立を肯定することができ,先行の抵当権設定行為が存在することは同罪の成立自体を妨げる事情にはならない。
2 委託を受けて他人の不動産を占有する者が,これにほしいままに抵当権を設定してその旨の登記を了した後,これについてほしいままに売却等の所有権移転行為を行いその旨の登記を了した場合において,後行の所有権移転行為のみが横領罪として起訴されたときは,裁判所は,所有権移転の点だけを審判の対象とすべきであり,犯罪の成否を決するに当たり,所有権移転行為に先立って横領罪を構成する抵当権設定行為があったかどうかといった訴因外の事情に立ち入って審理判断すべきではない。
参照法条
刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)第1編第7章 犯罪ノ不成立及ヒ刑ノ減免,刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)
252条〈横領〉,刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)
253条〈業務上横領〉,刑訴法256条
判示事項・裁判要旨・参照法条は、裁判所ウェブサイトの記載を
そのまま転記しています。要約や論評は加えていません。文中の〈 〉内は、条文の見出しを
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