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罪/逮捕及び監禁の罪

逮捕及び監禁の罪の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

逮捕及び監禁の罪は、正当な理由なく人の身体活動の自由を奪う行為を処罰する規定です。基本となる逮捕・監禁罪(220条)と、それによって人を死傷させた場合の加重規定(221条)の2か条で構成されています。

逮捕及び監禁の罪
条文行為結果法定刑
220条不法な逮捕・監禁なし3月以上7年以下の拘禁刑
221条220条の罪人を死傷させた傷害の罪と比較し重い刑
  • 221条は死傷結果が生じた場合のみ適用され、傷害罪の法定刑と比較していずれか重い方が科される。
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逮捕及び監禁の罪

逮捕及び監禁の罪について、条文は何を定めているか。

第220条逮捕及び監禁正当な理由なく人を拘束すると処罰される1項判例 23件
  • 逮捕・監禁のいずれも対象になる
  • 法定刑は3月以上7年以下の拘禁刑
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第221条逮捕等致死傷逮捕・監禁で死傷させた場合は刑が加重される1項判例 5件
  • 220条〈逮捕及び監禁〉の罪を犯し人を死傷させた場合に適用
  • 傷害の罪と比較して重い方の刑で処断される
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第220条刑法

一 審判の請求を受けない事件について判決した場合に当たらないとされた事例
二 被告人らの自白のとおりに有罪とした原判決の事実認定に不合理な点があるとして破棄された事例

裁判要旨一 甲、乙に対する起訴状の罪名及び罰条は殺人のみであつても、逮捕監禁の事実が殺人の実行行為の一部を組成するものとして公訴事実中に記載されていると認められるときは(判文参照)、たとえ右逮捕監禁の事実が殺人とは併合罪関係に立つものと解すべきであつたとしても、裁判所が甲につき殺人の実行行為の一部として右逮捕監禁の事実を認定し、乙につき逮捕監禁罪のみの成立を認めたことが、刑訴法三七八条三号にいう審判の請求を受けない事件について判決した場合に当たるとはいえない。
二 被告人らの自白にはその重要部分に信用し難い点があるのに(判文参照)、右自白のとおりに被告人らを有罪と認めた原判決は、刑訴法四一一条三号により破棄を免れない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年1月29日 昭和59(あ)1551
登載
刑集 第42巻1号38頁
参照法条
刑法45条,刑法199条,刑法220条1項,刑訴法256条2項,刑訴法256条4項,刑訴法317条,刑訴法378条3号,刑訴法411条3号,刑訴法413条本文
論点2第220条刑法

監禁罪及び強要未遂罪の成立が肯定された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和61年10月28日 昭和57(あ)1241
登載
集刑 第244号117頁
参照法条
刑法220条1項,刑法223条1項,刑法223条3項
論点3第220条刑法

みのしろ金取得の目的で人を拐取した者が被拐取者を監禁しみのしろ金を要求した場合の罪数関係

裁判要旨みのしろ金取得の目的で人を拐取した者が、更に被拐取者を監禁し、その間にみのしろ金を要求した場合には、みのしろ金目的拐取罪とみのしろ金要求罪とは牽連犯の関係に、以上の各罪と監禁罪とは併合罪の関係にある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年9月27日 昭和57(あ)1012
登載
刑集 第37巻7号1078頁
参照法条
刑法45条,刑法54条1項後段,刑法225条ノ2,刑法220条1項
論点4第220条刑法

労働組合役員の他組合員に対する暴行、逮捕行為が法秩序全体の見地からみて到底許容されないものであるとされた事例

裁判要旨甲労働組合とこれから脱退した者を中心とする乙労働組合との間の紛争の過程で、甲組合の副組合長が、乙組合の言い分を記載したビラを甲組合の組合員に配付しようとした乙組合の書記長の左肩を掴んで後方に引きのかせ、胸部付近を突き、さらに手首を掴み腕を組むようにして引つ張つて甲組合事務所に連れ込む等した暴行行為、及び右副組合長と甲組合の書記長が、ビラの内容について取消文を書かせるため、いつたん組合事務所を出た同人を再び連れ戻そうと考え、同人を中にはさんで両腕を抱え約六〇メートルを約一五分にわたり無理に連行した逮捕行為(各判文参照)は、法秩序全体の見地からみるとき、原判決の諸般の事情を考慮に入れても、到底許容されるものとはいい難い。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年8月27日 昭和46(あ)1095
登載
刑集 第29巻7号442頁
参照法条
刑法35条,刑法208条,刑法220条1項,刑訴法411条1号,労働組合法1条2項
論点5第220条刑法

他組合員に対する逮捕行為が刑法上の違法性に欠けるところはないとされた事例

裁判要旨争議参加中の労働組合員が数名共同で、他組合員を、会社警備員による妨害の及ばないところで説得するため、その者を約三〇メートル引きずり、更に引つ張つたり押すなどして二〇〇メートル余を強いて連行した逮捕行為(判文参照)は、法秩序全体の見地からみるとき、原判示の動機目的、その他諸般の事情に照らしても、刑法上の違法性に欠けるところはない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年11月25日 昭和48(あ)1231
登載
刑集 第29巻10号928頁
参照法条
刑法35条,刑法220条1項,労働組合法1条2項
論点6第220条刑法

傷害の手段として監禁し傷害を加えた場合と牽連犯の成否

裁判要旨傷害の手段として監禁し傷害を加えた場合でも、両者は牽連犯を構成しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年9月17日 昭和42(あ)2551
登載
刑集 第22巻9号853頁
参照法条
刑法204条,刑法220条,刑法54条1項,刑法45条
論点7第220条刑法

監禁罪の手段として行なわれた暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条〈国内犯〉所定の暴行脅迫と同法違反の罪の成否

裁判要旨監禁罪の手段として行なわれた暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条〈国内犯〉所定の暴行脅迫は監禁罪に吸収され、それと別個に同法違反の罪を構成するものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年4月27日 昭和41(あ)3101
登載
刑集 第21巻3号470頁
参照法条
暴力行為等処罰ニ関スル法律1条,刑法208条,刑法220条,刑法222条,刑法54条1項
論点8第220条刑法

不法監禁中になされた暴行により被害者が傷害を負つた場合に監禁致傷罪ではなく監禁と傷害の二罪が成立するとされた事例

裁判要旨暴行が不法監禁中になされたものであつても、その手段としてなされたものでなく、別個の動機、原因からなされた場合において、右暴行の結果被害者に傷害を負わせたときは、監禁致傷罪ではなく、監禁と傷害の二罪が成立し、両者は併合罪の関係となる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年12月21日 昭和42(あ)1482
登載
集刑 第165号551頁
参照法条
刑法204条,刑法220条1項,刑法221条,刑法45条
論点9第220条刑法

一 違憲の主張が適法な上告理由とならないとされた事例。
二 集会、思想、表現等の自由に対する侵害の回復及び予防を目的とした逮捕、監禁行為につき違法性が阻却されないとされた事例。(いわゆる舞鶴事件)

裁判要旨一 原判示自体において原判決の結論に影響のないことが明らかな憲法解釈を非難する違憲の主張は、適法な上告理由とならない。
二 第三次中国引揚の帰国者約七百名の参加する帰国者大会において、同大会が非公開とされた後も秘かに会場内に残留して傍聴した舞鶴引揚援護局非常勤女子職員(当二六年)を、同女による右帰国者等の集会、思想、表現等の自由に対する侵害を回復し、かつ将来における同種の法益の侵害を防しようとして逮捕し、ひきつづき午後九時過頃から翌日午前二時頃まで監禁した行為(原判文参照)は、社会通念上許容される限度を超えるものであつて、刑法第三五条〈正当行為〉の正当行為として違法性が阻却される場合に当たらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年12月3日 昭和36(あ)2865
登載
刑集 第18巻10号698頁
参照法条
刑法35条,刑法220条1項,刑訴法405条
論点10第220条刑法

不法監禁罪が成立する事例。

裁判要旨婦女を強いて姦淫しようと企て、自己の運転する第二種原動機付自転車荷台に乗車せしめ、一〇〇〇メートル余り疾走した場合は、不法監禁罪が成立する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和38年4月18日 昭和37(あ)1778
登載
刑集 第17巻3号248頁
参照法条
刑法220条1項
論点11第220条刑法

逮捕監禁行為の違法性の有無につき破壊活動防止法の合憲性等の判断を要しないとした事例。

裁判要旨公安調査官に対する本件逮捕監禁行為(判文参照)の違法性の有無を判断するためには、破壊活動防止法の合憲性、日本共産党に対する調査の合憲性ないし合法性の判断は必要でない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年9月14日 昭和35(あ)578
登載
刑集 第15巻8号1348頁
参照法条
刑法220条,刑法35条,破壊活動防止法3条,破壊活動防止法27条,憲法19条,憲法21条,憲法28条
論点12第220条刑法

刑法第二二〇条第一項〈逮捕及び監禁〉の監禁罪が成立する事例。

裁判要旨日本共産党員たる被告人が、ほか二名と共謀の上、当時同じく日本共産党員であつた某平和病院の炊事婦をしていた某女(当時二三年)を、日本共産党に対するスパイ活動容疑により弾劾査問しようと企て、そのため、某年三月一〇日午前〇時頃より同月一四日午前一一時頃までの間、某人方物置に留め置き、その間同女が同所から脱出することを防止するため、自ら、若しくは他の婦女五名の監視人をおいて、間断なく同女を監視し、因つて同女をして同所から脱出することを不可能ならしめた場合には、刑法第二二〇条第一項〈逮捕及び監禁〉の不法監禁罪が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和34年7月3日 昭和32(あ)910
登載
刑集 第13巻7号1088頁
参照法条
刑法220条1項
論点13第220条刑法

労働組合法第一条第一項の目的達成のための正当行為と認められない事例。

裁判要旨スト支援者が会社の構内において争議中の労組員ら六、七〇名と共謀し、たまたま五・三〇記念大会視察中の巡査部長を取り囲み、多衆の威力を背景にして身体または自由に対し危害を加えかねまじき気勢を示して脅迫を続け、取り上げた警察手帳を読み上げたりした上強要して詫状を書かせ、これを参集者に向つて読み上げさせた後、強いてデモ隊の中央附近に引き入れてスクラムを組み、その脱出を不可能にして同所より警察署前まで連行し、三時間余り同巡査部長を不法に監禁した所為は、労働組合法第一条第一項の目的達成のためにした正当行為というこはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年4月28日 昭和31(あ)1649
登載
刑集 第13巻4号466頁
参照法条
労働組合法1条,刑法223条1項,刑法220条1項,憲法28条
論点14第220条刑法

憲法第二八条の保障する団体行動権の行使にあたらない事例。

裁判要旨鉱山会社の人員整理に伴う企業整備反対闘争を有利に展開するため、同会社の労働組合員である被告人らが、執務中の同会社文珠坑坑長および同坑労務係長をその各自室から約七百米または約百米離れた角力場まで連行し、爾後約三時間の長きにわたり、組合員数百名と円陣を作つて取り囲み、その脱出を不能ならしめた上マイクをつき付けて執拗に人員解雇の根拠等の釈明を要求し、右坑長らを多衆の包囲と威圧下において、その自由を拘束する所為は、憲法第二八条の保障する団体行動権の行使にあたるものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年7月11日 昭和31(あ)685
登載
刑集 第12巻11号2532頁
参照法条
刑法220条,憲法28条,労働組合法1条
論点15第220条刑法

一 刑訴法第二条にいう「現在地」の意義
二 国外において俘虜の管理にあたり日本人がその権限を逸脱して行つた逮捕監禁の罪とわが科刑権、裁判権

裁判要旨一 刑訴第二条〈すべての者の国外犯〉にいう「現在地」とは、被告人が公訴提起の当該任意又は適法な強制によつて現在する地域をいう
二 国外において俘虜の管理に当り日本人が正当行為の範囲を逸脱して行つた逮捕監禁の所為については、わが科刑権及び、我が国が事実上、裁判権を行使できる状態になればこれを処罰することができる
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年5月24日 昭和28(あ)1683
登載
刑集 第12巻8号1535頁
参照法条
刑訴法2条,刑訴法338条1号,刑法4条,刑法3条9号,刑法3条10号,刑法218条,刑法219条,刑法220条,刑法221条
論点16第220条刑法

刑法第二二〇条第二項〈逮捕及び監禁〉(尊属逮捕監禁)は憲法第一四条に違反するか。

裁判要旨刑法第二二〇条第二項〈逮捕及び監禁〉の規定は憲法第一四条の規定に違反するものでない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年10月24日 昭和31(あ)3112
登載
刑集 第12巻14号3392頁
参照法条
刑法220条,憲法14条
論点17第220条刑法

労働組合法第一条第一項の目的達成のための正当行為と認められない事例

裁判要旨鉱山会社の企業整備に伴う人員解雇の撤回要求貫徹のため、同会社の労働組合執行委員たる被告人が、執務中の同会社鉱務課長を強いて会社事務所外の組合本部前広場まで連行した上爾後約三時間四〇分の長きに亘り、組合員数百名と円陣を作つて取り囲み、その脱出を不能ならしめた上マイクを突きつけて解雇反対に協力方を執拗に迫り或は組合員大衆のデモ隊の先頭に立たせて数百米の間を強いて駈足行進させる等、もつて同課長を多衆の包囲と威圧下において、その自由を拘束し、業務を妨害したという事実関係の下においては、被告人の所為が労働組合法第一条第一項の目的を達成するためにした正当な行為であると認めることができない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年12月24日 昭和31(あ)686
登載
刑集 第11巻14号3349頁
参照法条
憲法28条,労働組合法1条,刑法220条,刑法234条
論点18第220条刑法

刑法第二三〇条第一項〈名誉毀損〉にいう「監禁」とは

裁判要旨刑法二二〇一条一項にいう「監禁」とは、人を一定の場所から脱出できないようにして、間接に身体の事由を拘束することである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年11月29日 昭和29(あ)208
登載
集刑 第110号683頁
参照法条
刑法220条1項
論点19第220条刑法

一 人を逮捕し、引き続き監禁した場合の擬律
二 監禁罪が成立するために要する脅迫の程度
三 監禁の動機目的と監禁罪の成否
四 同時に同一場所に数人を監禁した行為と罪数
五 憲法ならびに労働組合法施行前の労働組合の団体交渉と刑法第三五条
六 権利を実行する行為が違法とならない要件
七 逮捕監禁の所為が単純一罪として起訴されているとき、監禁の事実のみを有罪とする場合の判示方 ―逮捕の点についても説示することを要するか―
八 いわゆる人民裁判による判決の履行のために監禁することは適法か

裁判要旨一 人を不法に逮捕し引き続き監禁した場合には、刑法第二二〇条第一項〈逮捕及び監禁〉の一罪が成立する。
二 脅迫による監禁罪が成立するためには、その脅迫は被害者をして一定の場所から立ち去ることを得しめない程度のものでなければならない。
三 監禁罪は、暴行によると脅迫によるとを問わず、他人を一定の場所の外に出ることができなくした場合に成立し、目的の如何を問わない。
四 同時に同一場所において別個の人を監禁したときは、一個の行為で被害者の数に応じた数個の監禁の罪名に触れる。
五 出勤手当坑内五円、坑外三円の支給を受けることが労働組合側から見れば一種の債権であり、かつ、憲法ならびに労働組合法(昭和二〇年法律第五一号)施行前において右組合がこれを要求のため団体交渉をすること自体が正当であるとしても、その手段として為された所為が社会通念上許容される限度を超えたものであるときは、その行為は刑法第三五条の正当の行為とはいえない。
六 他人に対し権利を有するものが、その権利を実行する行為は、それが権利の範囲内であつて、かつその方法が社会通念上一般に許容されるものと認められる程度を超えない限り違法とはならない。
七 逮捕監禁の所為ありとして起訴され若しくは公判に付された場合に、裁判所が単に監禁の事実だけを認め、逮捕の事実は認められないとしたときは、逮捕の点は単純一罪の一部に過ぎないから、認められた監禁の事実だけを判決に判示し、これについて処断すれば足り、逮捕の点は判決主文において無罪を言渡すべきではなく、その理由中においても、必ずしも罪として認めない理由を判示する必要はない。
八 日本国民は、法律に定めた裁判官以外の裁判を受けることのないことは、憲法に保障されている国民の権利である。本件、労働組合員等大衆を裁判官とする人民裁判において、B、Cが敗訴の判決を受けたのに、これに服しなかつたため退去を許されず、又その判決の履行を、迫られたもので、被告人等に不法監禁罪は成立しないという所論は、法治国の精神に反し、憲法を無視する所論であつて採るを得ない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和28年6月17日 昭和24(れ)1622
登載
刑集 第7巻6号1289頁
参照法条
刑法220条,刑法54条1項,刑法35条,労働組合法(昭和20年法律51号)1条,憲法28条,憲法32条,旧刑訴法360条1項
論点20第220条刑法

一 銃砲等所持禁止令違反罪の公訴事実の同一性の有無
二 不法監禁中になされた暴行脅迫行為が別罪を構成する事例

裁判要旨一 同一被告人に対する二個の銃砲等所持禁止令違反の公訴事実において、その不法所持にかかる日本刀がいずれも別個のものであり、且つ、判示の如くその事実上の支配状態を別異にするときは、たとい不法所持の日時、場所が彼此近接しているとしても、その間に公訴事実の同一性は認められない。
二 暴行脅迫が不法監禁中になされたものであつても、不法監禁の状態を維持存続させるため、その手段としてなされたものでなく、全く別個の動機、原因からなされたものであるときは、右暴行脅迫の行為は、不法監禁罪に吸収されることなく、別罪を構成する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年11月27日 昭和27(あ)5833
登載
刑集 第7巻11号2344頁
参照法条
憲法39条,刑訴法256条2項,刑訴法256条3項,刑訴法335条1項,刑訴法337条1号,刑法220条1項,刑法208条,刑法222条,刑法54条1項前段,暴力行為等処罰に関する法律1条1項
論点21第220条刑法

国外における日本人俘虜の犯罪と我が裁判権

裁判要旨我が裁判権は、国外における日本人俘虜の犯罪にも及ぶ。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年10月27日 昭和27(あ)305
登載
刑集 第7巻10号2009頁
参照法条
憲法39条,刑法3条10号,刑法220条1項
論点22第220条刑法

恐喝の手段として監禁が行われた場合の罪数関係

裁判要旨恐喝の手段として監禁が行われた場合であっても,両罪は,牽連犯の関係にはない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年4月14日 平成16(あ)2077
登載
刑集 第59巻3号283頁
参照法条
刑法45条,刑法54条1項,刑法220条,刑法249条
論点23第220条刑法

監禁,強姦事件につき,監禁罪の成立を認めた点で第一,二審判決には事実誤認があるとして破棄自判した事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年10月21日 平成11(あ)244
登載
集刑 第276号579頁
参照法条
刑法177条前段,刑法220条,刑訴法411条3号
論点24第221条刑法

自動車運転者が故障自動車を連結牽引して運転する場合の注意義務

裁判要旨自動車運転者が、エンジン、配電機、警音機等の故障により自力で運転することの不可能となつた貨物自動車を、ワイヤロープ等によつて連結牽引して運転する場合においては、通常の自動車運転者としての注意義務を有するの外、進行方向の転換、速力の加減、通行中の人馬等とのすれ違いや追越等については、特に事前において、牽引される自動車の運転者等と、危険な場合に備え、予め運転上如何なる事態にも対処し得るように、詳細な打合せをして置き、運転中においても、常に密接な連絡を保ち、牽引車の車体上に看視者を置いて、被牽引車との連絡や通行人馬の看視並びにこれ等の者に対し注意を与える途を講ずるとか、牽引車や牽引ロープ等に標識を附して、通行人馬に警戒させる等の措置を講じ、殊に薄暮時および夜間においては、その時の状況に応じ、被牽引車の前照燈を点燈して被牽引車の存在することの発見を容易ならしめる措置を講じ、更に通行道路が狭隘であるすれ違いの人馬等のある場合には、極力減速して、何時にても急停車し危害の発生を未然に防止し得るよう臨機応変の措置を講ずべき義務がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年2月3日 昭和29(あ)2543
登載
刑集 第9巻2号194頁
参照法条
刑法221条,道路交通取締法7条2項5号,道路交通取締法8条1項,道路交通取締法8条2項,道路交通取締法11条,道路交通取締法13条,道路交通取締法20条,道路交通取締法23条,道路交通取締令16条,道路交通取締令18条
論点25第221条刑法

不法に被害者を監禁し,その結果,被害者に外傷後ストレス障害(PTSD)を発症させた場合について,監禁致傷罪の成立が認められた事例

裁判要旨不法に被害者を監禁し,その結果,被害者が,医学的な診断基準において求められている特徴的な精神症状が継続して発現していることなどから外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したと認められる場合,同障害の惹起は刑法にいう傷害に当たり,監禁致傷罪が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年7月24日 平成22(あ)2011
登載
刑集 第66巻8号709頁
参照法条
刑法221条,刑法204条
論点26第221条刑法

道路上で停車中の普通乗用自動車後部のトランク内に被害者を監禁した行為と同車に後方から走行してきた自動車が追突して生じた被害者の死亡との間に因果関係があるとされた事例

裁判要旨道路上で停車中の普通乗用自動車後部のトランク内に被害者を監禁した行為と,同車に後方から走行してきた自動車が追突して生じた被害者の死亡との間には,同人の死亡原因が直接的には追突事故を起こした第三者の甚だしい過失行為にあるとしても,因果関係がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成18年3月27日 平成17(あ)2091
登載
刑集 第60巻3号382頁
参照法条
刑法第1編第7章 犯罪の不成立及び刑の減免,刑法221条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑法 第220条(逮捕及び監禁) 詳細ページ
(逮捕及び監禁)
第二百二十条不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
刑法 第221条(逮捕等致死傷) 詳細ページ
(逮捕等致死傷)
第二百二十一条前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。