一、他人に自己の商号を使用して営業を営むことを許諾した場合においても、その許諾を受けた者が当該商号を使用して業種の異なる営業を営むときは、特段の事情がないかぎり、商号許諾者は、商法
第二三条〈支配人の競業の禁止〉の責任を負わない。
二、甲が、乙に対し「D」という商号および自己の氏名の使用を許諾し、乙がこれを使用して営業した場合において、甲の営業の業種が電気器具販売業であり、乙の業種が食料品販売業であつても、乙が、甲の従前の使用人であり、甲の営業当時のまま「D」という看板を掲げて同一の店舗で「D」および甲名義を使用して営業をしているなど判示の事情があるときは、乙を甲と誤認して取引をした者に対し、甲において商法第二三条の責任を負うべき特段の事情があると解するのが相当である。