一宅地建物取引業を営む商人が不動産の売買契約を成立させるため、買主を現場に案内し、契約の締結に立ち会い、売買代金額について売主、買主の両者の言い分を調整して、両者をして買主の希望価額以下に合意させ、目的物の受渡、代金の授受に関与した等判示事実関係のもとにおいては、買主との間に明示の売買の媒介契約がされなかつたとしても、黙示の媒介契約がされたものと解することができ、右商人は、商法
第五一二条〈報酬請求権〉により、買主に対し、右不動産売買の媒介の報酬を請求することができる。
二、買主から不動産売買の媒介の依頼を受けた仲介人が数人あるときは、各仲介人は、特段の事情のないかぎり、売買の媒介に尽力した度合に応じて、報酬額を按分して、買主に対し請求することができると解するのが相当である。