商法 / テーマ別まとめ

運送営業/物品運送

物品運送の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

物品運送に関する規定は、運送人・荷送人・荷受人の三者間の権利義務を定めています。契約の成立から送り状交付や危険物通知といった事前の手続、運送賃の支払や運送人の留置権、滅失・損傷・延着が生じた場合の責任と賠償額の算定方法、責任が消滅する期間までを整理しています。

物品運送における期限・数値一覧
場面期限・基準起算点
運送賃の支払引渡しと同時到達地での運送品引渡時
危険物の通知引渡しの前―
異議なき受取後の通知2週間以内引渡しの日
運送人の責任の消滅1年以内に裁判上請求引渡しの日(全部滅失は引渡されるべき日)
運送人の債権の消滅時効1年行使できる時
  • 576条の算定基準は、運送人に故意・重過失がある場合は適用されない
  • 577条の高価品免責は、契約当時に高価品と知っていた場合や運送人に故意・重過失がある場合は適用されない
  • 584条の責任消滅は、引渡し時に運送人が損傷等を知っていたときは適用されない
  • 587条の不法行為責任への準用は、荷受人があらかじめ運送を拒んでいたのに引き受けた場合の荷受人への責任には適用されない
  • 578条の複合運送や582・583条の供託・競売には細かい要件があるため各条文で確認が必要
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物品運送

物品運送について、条文は何を定めているか。

第570条物品運送契約運送人が引渡しを、荷送人が運賃支払を約束1項判例 1件
  • 運送人が受取・運送・引渡しをすることを約束する契約
  • 荷送人はその結果に対して運送賃を支払う約束をする
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第571条送り状の交付義務等荷送人は求めに応じ送り状を交付する2項・5号判例なし
  • 運送人から請求があれば送り状(書面)を交付する義務がある
  • 記載事項は運送品の種類・容積重量・荷造り種類・氏名・発着地
  • 運送人の承諾を得れば電磁的方法での提供も可能
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第572条危険物に関する通知義務引火性・爆発性等の危険物は事前通知が必要1項判例なし
  • 引渡し前に品名・性質など安全な運送に必要な情報を通知する
  • 対象は引火性・爆発性その他の危険性を有する運送品
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第573条運送賃運送賃は引渡しと同時に支払う2項判例 1件
  • 支払時期は到達地での運送品引渡しと同時
  • 運送品が性質・瑕疵で滅失・損傷しても支払拒否は不可
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第574条運送人の留置権運送人は運送賃等を担保に留置できる1項判例なし
  • 運送賃・付随費用・立替金の弁済を受けるまで留置できる
  • 留置できるのはこの運送賃等に関する分のみ
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第575条運送人の責任運送人は滅失・損傷・延着の賠償責任を負う1項判例 2件
  • 受取から引渡しまでの滅失・損傷・延着に賠償責任を負う
  • 受取・運送・保管・引渡しに注意を怠らなかった証明で免責
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第576条損害賠償の額賠償額は到達地・引渡時点の市場価格で算定3項判例なし
  • 市場価格(取引所相場があればその相場)で算定する
  • 支払不要となった運送賃等は賠償額から控除する
  • 運送人に故意・重過失があれば本条は適用されない
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第577条高価品の特則高価品は事前の種類・価額の通知がないと免責2項・2号判例 6件
  • 貨幣・有価証券等の高価品は通知なしなら運送人は原則免責
  • 契約当時に高価品と知っていた場合は免責されない
  • 運送人の故意・重過失による滅失等は免責されない
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第578条複合運送人の責任複合運送は区間ごとの法令に従う2項判例 3件
  • 2以上の運送を一括で引き受けた場合、原因が生じた運送区間の法令等に従う
  • 陸上運送で区間ごとに異なる法令が適用される場合も同様
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第579条相次運送人の権利義務後の運送人は前の運送人の権利義務を負う4項判例なし
  • 後の運送人は前の運送人に代わってその権利を行使する義務を負う
  • 弁済した後の運送人は前の運送人の権利を取得する
  • 各運送人は運送品の滅失等につき連帯して賠償責任を負う
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第580条荷送人による運送の中止等の請求荷送人は運送の中止・変更を請求できる1項判例 2件
  • 運送人に運送の中止、荷受人の変更等の処分を請求できる
  • 運送人は既にした割合の運送賃・費用等の支払を請求できる
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第581条荷受人の権利義務等荷受人は到着後、荷送人と同じ権利を得る3項判例 3件
  • 運送品到着または全部滅失時に荷送人と同一の権利を取得する
  • 荷受人が権利行使すると荷送人はその権利を行使できない
  • 運送品を受け取ったら運送賃等の支払義務を負う
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第582条運送品の供託及び競売荷受人不明時は供託・競売ができる5項判例なし
  • 荷受人が分からないときは運送品を供託できる
  • 荷送人が指図しなければ競売でき、価格低落のおそれがあれば催告不要
  • 供託・競売したときは遅滞なく荷送人に通知する
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第583条荷受人が受取を拒否した場合にも582条〈運送品の供託及び競売〉を準用1項判例 2件
  • 荷受人が運送品の受取を拒否・受取不能な場合も供託・競売の規定を準用
  • この場合は荷受人に受取を催告し、期間経過後に競売できる
  • 通知は荷送人及び荷受人の双方に対して行う
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第584条運送人の責任の消滅異議なく受け取ると責任は消滅する(例外あり)3項判例なし
  • 荷受人が異議なく運送品を受け取ると運送人の責任は消滅する
  • 直ちに発見できない損傷等は引渡しから2週間以内の通知で責任存続
  • 引渡し時に運送人が損傷等を知っていた場合はこの消滅は適用されない
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第585条運送人の責任は引渡しの日から1年で消滅3項判例なし
  • 引渡しの日(全部滅失なら引渡されるべき日)から1年で裁判上の請求がないと消滅
  • 損害発生後に限り、合意でこの期間を延長できる
  • 再委託時、運送人が期間内に賠償・提訴されれば下請への期間は3か月延長
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第586条運送人の債権の消滅時効運送人の債権は行使できる時から1年で時効消滅1項判例なし
  • 荷送人・荷受人への運送人の債権は1年間不行使で時効消滅
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第587条運送人の不法行為責任不法行為責任にも576条〈損害賠償の額〉等の規定を準用1項判例なし
  • 576条〈損害賠償の額〉・577条〈高価品の特則〉・584条〈運送人の責任の消滅〉・585条〈運送品の滅失等についての運送人の責任は、運送品の引渡しがされた日(運送品の全部滅失の場合にあっては、その引渡しがされるべ…〉の規定を不法行為責任にも準用
  • 荷受人があらかじめ運送を拒んでいたのに引き受けた場合の荷受人への責任には準用なし
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第588条運送人の被用者の不法行為責任運送人の被用者にも免責・軽減が及ぶ2項判例 1件
  • 587条〈運送人の不法行為責任〉で運送人の責任が免除・軽減される限度で被用者の責任も同様に扱う
  • 被用者に故意・重過失があるときはこの免除・軽減は適用されない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第570条商法

鉄道による貨物運送契約は要式契約か

裁判要旨鉄道による貨物運送契約は、荷送人から鉄道営業者に対する運送状の交付を必要とする要式契約ではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年1月27日 昭和28(オ)967
登載
民集 第9巻1号42頁
参照法条
商法570条,鉄道営業法2条,鉄道運輸規程50条,鉄道運輸規程52条,連絡運輸規則(昭和25・5・25国有鉄道公示第109号)1条,連絡運輸規則(昭和25・5・25国有鉄道公示第109号)108条2項
論点2第573条商法

倉荷証券の所持人が倉庫営業者に対して有する寄託契約上の寄託物引渡請求権と第三者異議の訴

裁判要旨倉荷証券の発行されている寄託物について、所有権を主張する者が、倉庫営業者を債務者として、右物件の執行官保管、占有移転禁止の仮処分を執行した場合において、倉荷証券の所持人は、単なる寄託契約上倉庫営業者に対して有する右物件の引渡請求権をもつてしては、右仮処分の執行の排除を求めることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年7月4日 昭和43(オ)632
登載
集民 第96号53頁
参照法条
民訴法549条,商法604条,商法573条,商法575条
論点3第575条商法

木場の木材取引業者間に授受された荷渡指図書にいわゆる物権的効力は認められないとされた事例

裁判要旨木場の木材取引業者である甲が、自己の占用水面において筏屋を占有補助者として占有中の木材を乙に売り渡し、その木材を乙の占用水画への回漕を筏屋に依頼する一手段として、甲が筏屋に宛てて右木材を乙に引き渡されたい旨記載した荷渡指図書を発行して乙に交付した場合においても、木場の木材取引業者間において、かかる荷渡指図書の交付なり呈示なりによつて直ちに木材の引渡が完成するとの慣習が確立されていない以上、右荷渡指図書の交付をもつて木材の引渡があつたものと解することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年3月29日 昭和44(オ)669
登載
集民 第108号533頁
参照法条
商法1条,商法575条
論点4第577条商法

運送品が全部滅失したがこれによる損害が全く生じない場合と運送人の損害賠償責任

裁判要旨運送品が全部滅失したが荷送人又は荷受人に全く損害が生じない場合には、商法五八〇条一項〈荷送人による運送の中止等の請求〉の規定の適用がなく、運送人は損害賠償責任を負わない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年4月20日 昭和52(オ)660
登載
民集 第32巻3号670頁
参照法条
商法577条,商法580条1項
論点5第577条商法

「運送人は保険に付された危険によつて生じた貨物の滅失等については損害賠償の責めに任じない」旨の港湾運送約款の解釈

裁判要旨港湾運送契約の締結に際し、荷送人が、貨物を海上保険に付したうえ、運送人との間で港湾運送約款に基づき「運送人は、保険に付された危険によつて生じた貨物の滅失等については、損害賠償の責めに任じない。」旨の合意をした場合でも、特段の事情のない限り、被保険者である荷送人は、保険金額の範囲内の損害につき、貨物滅失に基づく運送人に対する損害賠償請求権をあらかじめ放棄したものではないと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和51年11月25日 昭和50(オ)1190
登載
民集 第30巻10号960頁
参照法条
民法91条,民法519条,商法569条,商法577条,商法581条,商法629条,商法662条
論点6第577条商法

一 運送品滅失毀損の場合の運送取扱人ないし運送人に対する債務不履行に基づく損害賠償請求権と不法行為に基づく損害賠償請求権の競合
二 前項の不法行為に基づく損害賠償請求権の成立が認められるためには運送取扱人ないし運送人の故意または重過失を必要とするか

裁判要旨一 運送品の取扱上通常予想される事態ではなく、契約本来の目的範囲を著しく逸脱する態様において、運送品の滅失、毀損が生じた場合には、運送取扱人ないし運送人に対する債務不履行に基づく損害賠償請求権と不法行為に基づく損害賠償請求権との競合が認められる。
二 前項の不法行為に基づく損害賠償請求権の成立が認められるためには、運送取扱人ないし運送人に、必ずしも故意または重過失があることを要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年11月5日 昭和35(オ)1456
登載
民集 第17巻11号1510頁
参照法条
商法560条,商法577条,商法566条,民法709条,民法715条
論点7第577条商法

運送人の債務不履行につき過失がないとはいえないとされた事例。

裁判要旨運送人甲の使用人乙が、かつて荷受人を天草郡a町丙(設立準備中の有限会社)とする物品運送に従事した際、丙の設立事務所に目的物を運送したことがあるにもかかわらず、約一ケ月後に締結された右と同様の荷受人の表示がある運送契約において、運送品を丁の指示に従い同人の居宅に配達してこれを滅失させたときは、前記設立事務所にはこれを示すに足りる設備もなく、丁は当時丙の設立準備委員の一人であり、かつ乙は配達をするにあたり丁から同人名義の甲に対する虚偽の注文書写を呈示されたなどの事情があつても、甲に運送契約上の債務不履行につき過失がないとはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和35年3月17日 昭和32(オ)993
登載
民集 第14巻3号451頁
参照法条
商法577条
論点8第577条商法

運送取扱人ないし運送人の行為が無過失といえない一事例

裁判要旨運送取扱人ないし運送人が、予め発送人に対し通知もせず、その指図も受けないで、運送品を、荷受人でない第三者に引渡した場合は、単に原審認定のような事情(原判決参照)があるだけでは、未だこれを無過失ということはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年4月12日 昭和28(オ)528
登載
民集 第9巻4号474頁
参照法条
商法560条,商法577条
論点9第577条商法

宅配便の荷受人が運送会社に対して運送中の荷物の紛失を理由として運送契約上の責任限度額を超える損害の賠償を請求することが信義則に反し許されないとされた事例

裁判要旨荷受人甲が、宅配便を利用して宝石類を送付することができないことを知りながら、荷送人乙が運送会社丙の宅配便を利用してダイヤモンド等を送付することを容認していたなど判示の事実関係の下においては、運送中の右ダイヤモンド等の紛失を理由として甲が丙に対し乙丙間の運送契約上の責任限度額三〇万円を超える損害の賠償を請求することは、信義則に反し、許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成10年4月30日 平成6(オ)799
登載
集民 第188号385頁
参照法条
民法1条2項,民法91条,民法709条,商法577条,商法578条,商法580条,商法583条
論点10第578条商法

鉄道営業法一一条ノ二第二項及び鉄道運輸規程七三条二号と商法五七八条〈複合運送人の責任〉との関係

裁判要旨鉄道営業法一一条ノ二第二項及び鉄道運輸規程七三条二号は、商法五七八条〈複合運送人の責任〉の特則である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年3月25日 昭和60(オ)1023
登載
集民 第153号577頁
参照法条
鉄道営業法11条ノ2第2項,鉄道運輸規程73条2号,商法578条
論点11第578条商法

商法五七八条〈複合運送人の責任〉所定の高価品の意味

裁判要旨商法五七八条〈複合運送人の責任〉所定の高価品とは、容積または重量の割に著しく高価な物品をいうものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年4月21日 昭和44(オ)1253
登載
集民 第99号129頁
参照法条
商法578条
論点12第581条商法

貨物の運送中における滅失について運送人の使用人に重大な過失があるとされた事例

裁判要旨運送人の使用人が荷送人から引渡を受けた貨物を自動車に積込んだ際、後部扉を下しただけで施錠せず、また扉が完全にかんごう(嵌合)してボタンを押さない限り開扉しない状態になつているかの確認もしないまま、次の集荷先に向つて発車したため、右貨物が路上に落下して滅失した場合には、右貨物の滅失について、右使用人に重大な過失がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年3月25日 昭和54(オ)1358
登載
集民 第129号339頁
参照法条
商法581条
論点13第581条商法

一、国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和二八年条約第一七号。右条約を改正する議定書(昭和四二年条約第一一号)による改正前のもの)二五条一項〈ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人〉にいう「故意に相当すると認められる過失」の意義
二、国際航空運送貨物の運送中における滅失について航空運送人の使用人に重大な過失があるとされた事例

裁判要旨一、国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和二八年条約第一七号。右条約を改正する議定書(昭和四二年条約第一一号)による改正前のもの)二五条一項〈ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人〉にいう「訴が係属する裁判所の属する国の法律によれば故意に相当すると認められる過失」とは、我が国の法律上、「重大な過失」を意味するものと解すべきである。
二、航空運送人が葉書大で厚さ一〇センチメートルの木箱に入つたダイヤモンドにつきニューヨークから東京までの運送を委託され、その運送のため、右木箱に貴重品であることを示すレッド・スクエアー(赤色の四角形のマーク)を印し、航空運送状を添付したうえ、これを、行先札を付したオニオン・サック(赤色の網袋)に入れ、一見して木箱の到達地が東京であることを認識できる状態で旅客機の貨物室に積載したのにもかかわらず、右航空運送人の使用人が途中で手違いにより積み残し又は荷下ろししたため、木箱がオニオン・サックごと滅失した場合には、右木箱の滅失について、右使用人に重大な過失があるというべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和51年3月19日 昭和47(オ)541
登載
民集 第30巻2号128頁
参照法条
国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和28年条約第17号。国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約を改正する議定書(昭和42年条約第11号)による改正前のもの)25条,商法581条,商法766条,国際海上物品運送法20条2項
論点14第583条商法

運送品到達の荷受人の荷受権限の移転に運送取扱委託者との合意が必要か。

裁判要旨貨物引換証の発行のない場合において、運送品が到達地に達した後は、運送取扱人は、運送取扱委託者との合意がなくても、荷受人から荷受権限の移転を受けた者に対し運送品を引き渡すことによつて、債務の本旨に従つた履行ができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年11月9日 昭和36(オ)171
登載
集民 第63号169頁
参照法条
商法568条,商法583条1項
論点15第588条商法

商法第五六六条第三項第五八八条第二項〈運送人の被用者の不法行為責任〉にいう「悪意アリタル場合」の意義

裁判要旨商法第五六六条第三項、第五八八条第二項〈運送人の被用者の不法行為責任〉にいう「悪意アリタル場合」とは、運送取扱人または運送人が運送品に毀損または一部滅失のあることを知つてこれを荷受人に引き渡した場合をいう。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年12月20日 昭和37(オ)486
登載
民集 第20巻10号2106頁
参照法条
商法566条3項,商法588条2項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

商法 第570条(物品運送契約) 詳細ページ
(物品運送契約)
第五百七十条物品運送契約は、運送人が荷送人からある物品を受け取りこれを運送して荷受人に引き渡すことを約し、荷送人がその結果に対してその運送賃を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
商法 第571条(送り状の交付義務等) 詳細ページ
(送り状の交付義務等)
第五百七十一条荷送人は、運送人の請求により、次に掲げる事項を記載した書面(次項において「送り状」という。)を交付しなければならない。
一運送品の種類
二運送品の容積若しくは重量又は包若しくは個品の数及び運送品の記号
三荷造りの種類
四荷送人及び荷受人の氏名又は名称
五発送地及び到達地
2前項の荷送人は、送り状の交付に代えて、法務省令で定めるところにより、運送人の承諾を得て、送り状に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により提供することができる。この場合において、当該荷送人は、送り状を交付したものとみなす。
商法 第572条(危険物に関する通知義務) 詳細ページ
(危険物に関する通知義務)
第五百七十二条荷送人は、運送品が引火性、爆発性その他の危険性を有するものであるときは、その引渡しの前に、運送人に対し、その旨及び当該運送品の品名、性質その他の当該運送品の安全な運送に必要な情報を通知しなければならない。
商法 第573条(運送賃) 詳細ページ
(運送賃)
第五百七十三条運送賃は、到達地における運送品の引渡しと同時に、支払わなければならない。
2運送品がその性質又は瑕疵によって滅失し、又は損傷したときは、荷送人は、運送賃の支払を拒むことができない。
商法 第574条(運送人の留置権) 詳細ページ
(運送人の留置権)
第五百七十四条運送人は、運送品に関して受け取るべき運送賃、付随の費用及び立替金(以下この節において「運送賃等」という。)についてのみ、その弁済を受けるまで、その運送品を留置することができる。
商法 第575条(運送人の責任) 詳細ページ
(運送人の責任)
第五百七十五条運送人は、運送品の受取から引渡しまでの間にその運送品が滅失し若しくは損傷し、若しくはその滅失若しくは損傷の原因が生じ、又は運送品が延着したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。ただし、運送人がその運送品の受取、運送、保管及び引渡しについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
商法 第576条(損害賠償の額) 詳細ページ
(損害賠償の額)
第五百七十六条運送品の滅失又は損傷の場合における損害賠償の額は、その引渡しがされるべき地及び時における運送品の市場価格(取引所の相場がある物品については、その相場)によって定める。ただし、市場価格がないときは、その地及び時における同種類で同一の品質の物品の正常な価格によって定める。
2運送品の滅失又は損傷のために支払うことを要しなくなった運送賃その他の費用は、前項の損害賠償の額から控除する。
3前二項の規定は、運送人の故意又は重大な過失によって運送品の滅失又は損傷が生じたときは、適用しない。
商法 第577条(高価品の特則) 詳細ページ
(高価品の特則)
第五百七十七条貨幣、有価証券その他の高価品については、荷送人が運送を委託するに当たりその種類及び価額を通知した場合を除き、運送人は、その滅失、損傷又は延着について損害賠償の責任を負わない。
2前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一物品運送契約の締結の当時、運送品が高価品であることを運送人が知っていたとき。
二運送人の故意又は重大な過失によって高価品の滅失、損傷又は延着が生じたとき。
商法 第578条(複合運送人の責任) 詳細ページ
(複合運送人の責任)
第五百七十八条陸上運送、海上運送又は航空運送のうち二以上の運送を一の契約で引き受けた場合における運送品の滅失等(運送品の滅失、損傷又は延着をいう。以下この節において同じ。)についての運送人の損害賠償の責任は、それぞれの運送においてその運送品の滅失等の原因が生じた場合に当該運送ごとに適用されることとなる我が国の法令又は我が国が締結した条約の規定に従う。
2前項の規定は、陸上運送であってその区間ごとに異なる二以上の法令が適用されるものを一の契約で引き受けた場合について準用する。
商法 第579条(相次運送人の権利義務) 詳細ページ
(相次運送人の権利義務)
第五百七十九条数人の運送人が相次いで陸上運送をするときは、後の運送人は、前の運送人に代わってその権利を行使する義務を負う。
2前項の場合において、後の運送人が前の運送人に弁済をしたときは、後の運送人は、前の運送人の権利を取得する。
3ある運送人が引き受けた陸上運送についてその荷送人のために他の運送人が相次いで当該陸上運送の一部を引き受けたときは、各運送人は、運送品の滅失等につき連帯して損害賠償の責任を負う。
4前三項の規定は、海上運送及び航空運送について準用する。
商法 第580条(荷送人による運送の中止等の請求) 詳細ページ
(荷送人による運送の中止等の請求)
第五百八十条荷送人は、運送人に対し、運送の中止、荷受人の変更その他の処分を請求することができる。この場合において、運送人は、既にした運送の割合に応じた運送賃、付随の費用、立替金及びその処分によって生じた費用の弁済を請求することができる。
商法 第581条(荷受人の権利義務等) 詳細ページ
(荷受人の権利義務等)
第五百八十一条荷受人は、運送品が到達地に到着し、又は運送品の全部が滅失したときは、物品運送契約によって生じた荷送人の権利と同一の権利を取得する。
2前項の場合において、荷受人が運送品の引渡し又はその損害賠償の請求をしたときは、荷送人は、その権利を行使することができない。
3荷受人は、運送品を受け取ったときは、運送人に対し、運送賃等を支払う義務を負う。
商法 第582条(運送品の供託及び競売) 詳細ページ
(運送品の供託及び競売)
第五百八十二条運送人は、荷受人を確知することができないときは、運送品を供託することができる。
2前項に規定する場合において、運送人が荷送人に対し相当の期間を定めて運送品の処分につき指図をすべき旨を催告したにもかかわらず、荷送人がその指図をしないときは、運送人は、その運送品を競売に付することができる。
3損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある運送品は、前項の催告をしないで競売に付することができる。
4前二項の規定により運送品を競売に付したときは、運送人は、その代価を供託しなければならない。ただし、その代価の全部又は一部を運送賃等に充当することを妨げない。
5運送人は、第一項から第三項までの規定により運送品を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、荷送人に対してその旨の通知を発しなければならない。
商法 第583条 詳細ページ
第五百八十三条前条の規定は、荷受人が運送品の受取を拒み、又はこれを受け取ることができない場合について準用する。この場合において、同条第二項中「運送人が」とあるのは「運送人が、荷受人に対し相当の期間を定めて運送品の受取を催告し、かつ、その期間の経過後に」と、同条第五項中「荷送人」とあるのは「荷送人及び荷受人」と読み替えるものとする。
商法 第584条(運送人の責任の消滅) 詳細ページ
(運送人の責任の消滅)
第五百八十四条運送品の損傷又は一部滅失についての運送人の責任は、荷受人が異議をとどめないで運送品を受け取ったときは、消滅する。ただし、運送品に直ちに発見することができない損傷又は一部滅失があった場合において、荷受人が引渡しの日から二週間以内に運送人に対してその旨の通知を発したときは、この限りでない。
2前項の規定は、運送品の引渡しの当時、運送人がその運送品に損傷又は一部滅失があることを知っていたときは、適用しない。
3運送人が更に第三者に対して運送を委託した場合において、荷受人が第一項ただし書の期間内に運送人に対して同項ただし書の通知を発したときは、運送人に対する第三者の責任に係る同項ただし書の期間は、運送人が当該通知を受けた日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。
商法 第585条 詳細ページ
第五百八十五条運送品の滅失等についての運送人の責任は、運送品の引渡しがされた日(運送品の全部滅失の場合にあっては、その引渡しがされるべき日)から一年以内に裁判上の請求がされないときは、消滅する。
2前項の期間は、運送品の滅失等による損害が発生した後に限り、合意により、延長することができる。
3運送人が更に第三者に対して運送を委託した場合において、運送人が第一項の期間内に損害を賠償し又は裁判上の請求をされたときは、運送人に対する第三者の責任に係る同項の期間は、運送人が損害を賠償し又は裁判上の請求をされた日から三箇月を経過する日まで延長されたものとみなす。
商法 第586条(運送人の債権の消滅時効) 詳細ページ
(運送人の債権の消滅時効)
第五百八十六条運送人の荷送人又は荷受人に対する債権は、これを行使することができる時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。
商法 第587条(運送人の不法行為責任) 詳細ページ
(運送人の不法行為責任)
第五百八十七条第五百七十六条、第五百七十七条、第五百八十四条及び第五百八十五条の規定は、運送品の滅失等についての運送人の荷送人又は荷受人に対する不法行為による損害賠償の責任について準用する。ただし、荷受人があらかじめ荷送人の委託による運送を拒んでいたにもかかわらず荷送人から運送を引き受けた運送人の荷受人に対する責任については、この限りでない。
商法 第588条(運送人の被用者の不法行為責任) 詳細ページ
(運送人の被用者の不法行為責任)
第五百八十八条前条の規定により運送品の滅失等についての運送人の損害賠償の責任が免除され、又は軽減される場合には、その責任が免除され、又は軽減される限度において、その運送品の滅失等についての運送人の被用者の荷送人又は荷受人に対する不法行為による損害賠償の責任も、免除され、又は軽減される。
2前項の規定は、運送人の被用者の故意又は重大な過失によって運送品の滅失等が生じたときは、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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