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船舶/定期傭よう船

定期傭よう船の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

定期傭船契約は、船舶所有者が船員を乗り組ませて艤装した船舶を一定期間定期傭船者の利用に供し、定期傭船者がその対価として傭船料を支払うことで成立する契約です。定期傭船者は航路決定など船舶の利用に必要な事項を船長に指示できますが、航海の安全に関する事項には指示権が及ばず、燃料費などの通常費用は定期傭船者が負担します。あわせて、物品運送や船舶賃貸借に関する規定の一部が準用されます。

定期傭船契約
項目船舶所有者側定期傭船者側
船舶の準備艤装し船員を乗り組ませる-
対価の支払い-傭船料を支払う
船舶利用の指示発航前検査など安全事項は船長の権限航路決定など利用に必要な事項を指示できる
通常費用の負担-燃料・水先料・入港料などを負担
  • 物品運送を行う場合は商法572条・739条1項・740条1項及び3項の規定が準用される
  • 定期傭船者の船舶利用について生じる先取特権には703条2項の規定が準用される
  • 準用にあたり739条1項の「発航の当時」は「各航海に係る発航の当時」と読み替える
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定期傭よう船

定期傭よう船について、条文は何を定めているか。

第704条定期傭船契約船舶提供と傭船料支払いで契約成立1項判例 3件
  • 船舶所有者が船員付きの船舶を一定期間提供する
  • 定期傭船者はその対価として傭船料を支払う
  • この約束により契約の効力が生じる
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第705条定期傭船者による指示定期傭船者は航路など利用方法を指示できる1項判例 1件
  • 航路の決定など船舶利用に必要な事項を指示できる
  • 発航前の検査など航海の安全に関する事項は指示できない
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第706条費用の負担船舶利用の通常費用は定期傭船者が負担1項判例なし
  • 燃料・水先料・入港料などが対象になる
  • 船舶利用に関する通常の費用は定期傭船者の負担とする
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第707条運送及び船舶賃貸借に関する規定の準用運送・船舶賃貸借の規定を一部準用1項判例なし
  • 物品運送する場合は572条〈危険物に関する通知義務〉・739条1項〈航海に堪える能力に関する注意義務〉・740条1項〈違法な船積品の陸揚げ等〉3項を準用
  • 定期傭船者の船舶利用にかかる先取特権に703条2項〈船舶の賃借人の権利義務等〉を準用
  • 739条1項〈航海に堪える能力に関する注意義務〉の「発航の当時」は「各航海に係る発航の当時」に読み替え
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第704条商法

定期傭船者が船舶の衝突による損害賠償義務を負うとされた事例

裁判要旨船舶の使用に関する一切の命令指示等の権限は定期傭船者に属すること、定額の傭船料を支払うことなどの約定がありながら、定額の傭船料は実際に支払われたことがなく、定期傭船者には船長の任免権があるとはいえない場合であつても、船舶が専属的に定期傭船者営業の運送に使用され、その煙突には定期傭船者のマークが表示されており、その運航については、定期傭船者が日常的に具体的な指示命令を発していたなど判示の事実関係があるときは、定期傭船者は、船舶の航行の過失による衝突の損害について、商法七〇四条一項〈定期傭船契約〉の類推適用による船舶所有者と同一の損害賠償義務を負う。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成4年4月28日 昭和63(オ)1737
登載
集民 第164号339頁
参照法条
商法690条,商法704条1項
論点2第704条商法

商法704条2項〈定期傭船契約〉にいう先取特権と民法上の先取特権

裁判要旨商法704条2項〈定期傭船契約〉にいう先取特権には,民法上の先取特権も含まれる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成14年2月5日 平成13(許)10
登載
集民 第205号395頁
参照法条
民法303条,商法704条2項
論点3第704条商法

定期傭船されている船舶の積荷につき船長により船荷証券が発行された場合において船荷証券所持人に対して運送契約上の債務を負担する運送人

裁判要旨いわゆるニューヨーク・プロデュース書式等に基づく定期傭船契約によって傭船されている船舶の積荷につき船長により発行された船荷証券については、船舶所有者が船荷証券に表章された運送契約上の請求権についての債務者となり得るのであって、船荷証券を所持する第三者に対して運送契約上の債務を負担する運送人がだれであるかは、船荷証券の記載に基づいてこれを確定することを要する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年3月27日 平成5(オ)1492
登載
民集 第52巻2号527頁
参照法条
商法704条1項,商法769条,国際海上物品運送法2条2項,国際海上物品運送法7条1項
論点4第705条商法

船舶所有者が被用者である船長に対しその加害行為により被つた損害についてする賠償又は求償の請求と信義則に基づくその制限

裁判要旨船舶所有者がその被用者である船長の加害行為により被つた損害につき船長に対してする損害の賠償又は求償の請求についても、信義則を適用しこれを制限することを妨げない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和60年2月12日 昭和59(オ)1085
登載
集民 第144号99頁
参照法条
民法1条2項,民法709条,民法715条3項,商法705条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

商法 第704条(定期傭船契約) 詳細ページ
(定期傭船契約)
第七百四条定期傭船契約は、当事者の一方が艤装した船舶に船員を乗り組ませて当該船舶を一定の期間相手方の利用に供することを約し、相手方がこれに対してその傭船料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
商法 第705条(定期傭船者による指示) 詳細ページ
(定期傭船者による指示)
第七百五条定期傭船者は、船長に対し、航路の決定その他の船舶の利用に関し必要な事項を指示することができる。ただし、発航前の検査その他の航海の安全に関する事項については、この限りでない。
商法 第706条(費用の負担) 詳細ページ
(費用の負担)
第七百六条船舶の燃料、水先料、入港料その他船舶の利用に関する通常の費用は、定期傭船者の負担とする。
商法 第707条(運送及び船舶賃貸借に関する規定の準用) 詳細ページ
(運送及び船舶賃貸借に関する規定の準用)
第七百七条第五百七十二条、第七百三十九条第一項並びに第七百四十条第一項及び第三項の規定は定期傭船契約に係る船舶により物品を運送する場合について、第七百三条第二項の規定は定期傭船者の船舶の利用について生ずる先取特権について、それぞれ準用する。この場合において、第七百三十九条第一項中「発航の当時」とあるのは、「各航海に係る発航の当時」と読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。