商法 / テーマ別まとめ

総則/商業使用人

商業使用人の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

商法は、商人に代わって営業に関する行為を行う「商業使用人」について、支配人・表見支配人・特定事項の受任使用人・物品販売等を目的とする店舗の使用人という枠組みで、それぞれの権限の範囲を定めています。支配人は営業全般について裁判上・裁判外の行為をする権限を持つ一方、商人の許可なく競業にあたる行為をすることは禁止されています。実務担当者は、誰にどこまでの代理権があるか、またその制限が取引相手にどこまで通用するかを、この分類に沿って確認する必要があります。

商業使用人
種類権限の範囲登記悪意の相手方への効果
支配人裁判上・裁判外の一切の行為必要制限は善意の第三者に対抗不可
表見支配人当該営業所の裁判外の行為全般不要悪意の相手方には無効
特定事項の受任使用人委任事項に関する裁判外の行為不要制限は善意の第三者に対抗不可
店舗の使用人店舗にある物品の販売等不要悪意の相手方には無効
  • 表見支配人・店舗の使用人の「みなす」規定は、相手方が悪意であったときは適用されない
  • 支配人・特定事項の受任使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗できない
  • 支配人の選任・代理権の消滅は登記事項である
  • 支配人は商人の許可を受けなければ、自ら営業を行うこと等一定の行為をしてはならない
  • 支配人が許可なく競業取引をしたときは、得た利益額が商人の損害額と推定される
1

商業使用人

商業使用人について、条文は何を定めているか。

第20条支配人支配人を選任し営業を行わせられる1項判例 3件
  • 商人は支配人を選任できる
  • 支配人はその営業所で営業を行う
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第21条支配人の代理権支配人の代理権の範囲を定める3項判例 1件
  • 営業に関する裁判上・裁判外の行為ができる
  • 他の使用人を選任・解任できる
  • 代理権の制限は善意の第三者に対抗できない
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第22条支配人の登記支配人の選任・代理権消滅は登記が必要1項判例なし
  • 支配人を選任したときは登記する
  • 代理権が消滅したときも登記する
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第23条支配人の競業の禁止支配人には競業避止の義務がある2項・4号判例 18件
  • 商人の許可なく自ら営業を行えない
  • 許可なく同業の取引や他社の役員・使用人になれない
  • 違反して同業の取引をした場合、得た利益額は損害額と推定される
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第24条表見支配人肩書だけで支配人と同じ権限とみなす1項判例なし
  • 営業の主任者と示す名称の使用人は裁判外の行為の権限があるとみなす
  • 相手方が悪意であったときは権限があるとみなされない
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第25条ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人特定事項の受任使用人の権限を定める2項判例 3件
  • 委任された事項に関する裁判外の行為ができる
  • 代理権の制限は善意の第三者に対抗できない
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第26条物品の販売等を目的とする店舗の使用人店舗の使用人は販売権限があるとみなす1項判例 4件
  • 店舗にある物品の販売等の権限があるとみなす
  • 相手方が悪意であったときは権限があるとみなされない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第20条商法

商法二〇条二項〈支配人〉にいう同一の営業の意義

裁判要旨商法二〇条二項〈支配人〉にいう同一の営業とは、社会的見地に立つて営業目的自体を対比し、一方の営業目的が他方のそれを包含し、その主要部分が同一であることをいう。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年7月10日 昭和46(オ)1191
登載
集民 第115号261頁
参照法条
商法20条2項
論点2第20条商法

中小企業等協同組合法により設立された協同組合に不正競争の目的がないとされた事例

裁判要旨中小企業等協同組合法により設立された「A協同組合」という名称の組合があるのに、同地区に同法により「B商工業協同組合」という名称の組合が設立されたとしても、原判示事実関係のもとにおいては、後者は前者に対して不正競争の目的を有するとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年12月6日 昭和39(オ)1464
登載
集民 第85号537頁
参照法条
商法20条,中小企業等協同組合法6条
論点3第20条商法

一 「A」と「AB」との商号の類似性の有無。
二 類似商号であるとされた事例。

裁判要旨一 「A」と「AB」の両商号は、その文字呼称において「A」が共通であり、後者はこれに「B」の文字を加えたものにすぎないから、右の両商号は類似商号に該当する。
二 「A」と「AB」とは、原審認定の事実関係のもとで、類似商号ということができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年3月18日 昭和39(オ)1013
登載
集民 第78号351頁
参照法条
商法20条
論点4第21条商法

商法第二一条〈支配人の代理権〉の規定により商号使用の禁止を請求することができるとした事例。

裁判要旨わが国においてとくに市民の生活と関係のある有数の大会社で、世人にあまねく知られている甲会社が本店を移転する計画で建設した新社屋の所在地と同一行政区画内において、甲会社と同一の事業を営むに足りる能力および準備のない乙会社がその商号および目的を甲会社と同一のものに変更し、これを登記したこと、そのため、甲会社は新社屋所在地に本店移転の登記をすることができなくなつたこと、乙会社の裏書のある手形が銀行に呈示されたため、同一商号の甲会社に対し銀行から問合せがあつたこと、その他乙会社が甲会社の商号と同一の商号を使用することについて原判決理由記載の事情があるときは、甲会社は商法第二一条の規定により、乙会社に対し、該商号の使用の禁止を請求することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年9月29日 昭和34(オ)1188
登載
民集 第15巻8号2256頁
参照法条
商法21条,商法19条,商法中改正法律施行法(昭和13年法律73号)5条2項,東京都制(昭和18年法律89号)191条,地方自治法附則2条
論点5第23条商法

営業につき他人名義の貸与を受けた者が取引行為の外形をもつ不法行為により負担した損害賠償債務と商法二三条にいう「其ノ取引ニ因リテ生ジタル債務」

裁判要旨営業につき他人名義の貸与を受けた者が取引行為の外形をもつ不法行為により負担した損害賠償債務も、商法二三条〈支配人の競業の禁止〉にいう「其ノ取引ニ因リテ生ジタル債務」に含まれる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年1月25日 昭和57(オ)384
登載
集民 第138号65頁
参照法条
商法23条
論点6第23条商法

自己の名称を使用して営業を営むことを許諾した場合において、被許諾者が右名称を使用して営業を営むことがなくても、商法二三条〈支配人の競業の禁止〉の類推適用があるとされた事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年7月15日 昭和53(オ)1399
登載
集民 第130号227頁
参照法条
商法23条
論点7第23条商法

団体の名目的な代表者となることを団体の事業を専行処理している他人に許諾した場合におしてその他人が団体名義で第三者とした取引と民法の表見代理に関する規定及び商法二三条の規定の類推適用の有無

裁判要旨権利能力なき社団又は財団としての実態をも有しない団体の名目的な代表者となることを、その団体の事業を専行処理している甲に対して許諾したにすぎない乙は、甲が右団体名義で第一者とした取引につき、その取引の実質は乙と右第三者との取引に等しいものであることが甲と右第三者との間において了解されていたというような特段の事情のない限り、民法の表見代理に関する規定及び商法二三条の規定の類推適用によつて右取引についての責任を負うものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和53年3月28日 昭和50(オ)428
登載
集民 第123号297頁
参照法条
民法109条,民法110条,民法112条,商法23条
論点8第23条商法

営業につき他人からその名義の使用を許された者が営業活動上惹起された交通事故に基づく損害賠償義務者であることを前提として被害者との間で示談契約を締結した場合に商法二三条の適用が否定された事例

裁判要旨営業につき他人からその名義の使用を許された者が、営業活動上惹起された交通事故に基づく不法行為上の損害賠償義務者であることを前提とし、被害者との間で、単にその支払金額と支払方法を定めるにすぎない示談契約を締結した場合には、右契約の締結にあたり、被害者が名義貸与者をもつて営業主と誤認した事実があつたとしても、右示談契約に基づき支払うべきものとされた損害賠償債務は、商法二三条〈支配人の競業の禁止〉にいう「其ノ取引ニ因リテ生ジタル債務」にあたらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和52年12月23日 昭和51(オ)631
登載
民集 第31巻7号1570頁
参照法条
商法23条
論点9第23条商法

一、商号の使用を許諾した者の営業とその許諾を受けた者の営業との業種が異なる場合と商法第二三条の責任
二、右の場合において商法第二三条の責任があるとされた事例

裁判要旨一、他人に自己の商号を使用して営業を営むことを許諾した場合においても、その許諾を受けた者が当該商号を使用して業種の異なる営業を営むときは、特段の事情がないかぎり、商号許諾者は、商法第二三条〈支配人の競業の禁止〉の責任を負わない。
二、甲が、乙に対し「D」という商号および自己の氏名の使用を許諾し、乙がこれを使用して営業した場合において、甲の営業の業種が電気器具販売業であり、乙の業種が食料品販売業であつても、乙が、甲の従前の使用人であり、甲の営業当時のまま「D」という看板を掲げて同一の店舗で「D」および甲名義を使用して営業をしているなど判示の事情があるときは、乙を甲と誤認して取引をした者に対し、甲において商法第二三条の責任を負うべき特段の事情があると解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年6月13日 昭和42(オ)339
登載
民集 第22巻6号1171頁
参照法条
商法23条
論点10第23条商法

手形行為と商法第二三条

裁判要旨銀行との当座預金取引および手形行為について自己の氏名商号の使用を許諾したにすぎない者は、右許諾を受けた者が許諾者名義で引き受けた為替手形につき、商法第二三条〈支配人の競業の禁止〉による責任を負わない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年6月6日 昭和39(オ)815
登載
集民 第87号941頁
参照法条
商法23条,手形法8条
論点11第23条商法

名板貸人名義の偽造手形と商法第二三条の適用

裁判要旨名板借人が名板貸人の意思にもとづかないで同人名義をもつて手形を振り出した場合でも、名板貸人は、商法第二三条〈支配人の競業の禁止〉の規定により、その手形金支払の責任を負う。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年2月9日 昭和39(オ)1172
登載
集民 第86号247頁
参照法条
商法23条
論点12第23条商法

自動車運送事業の営業名義を貸与した者が名義借受人の雇傭する運転手の過失による自動車事故について損害賠償責任があるとされた事例

裁判要旨免許を受けて自動車の運送事業を営む者が他人をして違法にその営業名義を使用して自動車運送事業を営ませた場合、名義貸与者とその借受人の事業の執行方法につき原判決確定の事実関係があるときは(原判決理由参照)、名義借受人の雇傭する運転手がその事業の執行に関し第三者に加えた自動車事故による損害について、名義貸与者は賠償責任を負担する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年6月10日 昭和39(オ)577
登載
民集 第20巻5号1029頁
参照法条
民法715条,商法23条
論点13第23条商法

名板貸人を営業主と誤認するについて相手方に重大な過失があるとされた事例

裁判要旨D名義で手形を振出す等の行為があつた場合、相手方が該営業主をBと誤信したのは重大な過失がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年5月17日 昭和39(オ)1489
登載
集民 第83号517頁
参照法条
商法23条
論点14第23条商法

名板貸人を営業主と誤認するについて重大な過失があつた相手方に対する商法第二三条所定の名板貸人の責任の有無。

裁判要旨名板貸人は、自己を営業主と誤認するについて重大な過失があつた者に対しては、商法第二三条〈支配人の競業の禁止〉所定の責任を負わないと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年1月27日 昭和38(オ)236
登載
民集 第20巻1号111頁
参照法条
商法23条
論点15第23条商法

取引の相手方に重大な過失があるときと商法第二三条の適用の有無。

裁判要旨取引の相手方に営業主と誤認するにつき重大な過失がある場合には、商法第二三条〈支配人の競業の禁止〉の適用がない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年7月23日 昭和36(オ)921
登載
集民 第67号105頁
参照法条
商法23条
論点16第23条商法

商法第二三条〈支配人の競業の禁止〉の適用範囲。

裁判要旨自己の商号を使用して営業をなすことを許諾した者は、その者の営業の範囲内の行為についてのみ商法第二三条の責任を負うと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年12月5日 昭和34(オ)539
登載
民集 第15巻11号2652頁
参照法条
商法23条
論点17第23条商法

「東京地方裁判所厚生部」のした取引と同裁判所の責任。

裁判要旨一般に官庁の部局をあらわす文字である「部」と名付けられ、裁判所庁舎の一部を使用し、現職の職員が事務を執つていた「東京地方裁判所厚生部」は、東京地方裁判所の一部局としての表示力を有するものと認めるべきであり、東京地方裁判所当局が同部の事業の継続処理を認めた以上、これにより同裁判所は、「厚生部」のする取引が自己の取引なるかのごとく見える外形を作り出したものというべく、善意無過失の相手方に対し、「厚生部」のした取引につき自ら責に任ずべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年10月21日 昭和31(オ)835
登載
民集 第14巻12号2661頁
参照法条
民法109条,商法23条
論点18第23条商法

商法第二三条〈支配人の競業の禁止〉の「自己ノ氏ヲ使用シテ営業ヲ為スコトヲ他人ニ許諾シタル」場合にあたる事例。

裁判要旨Aの氏を有し、以前A製材組合の商号で木材業をしたことのある者が、木材業を営む甲のため、自己の居宅内およびその附近の一部を甲の事務所、木材置場として使用させ、玄関の土間の部分に「A木材」の看板を掲げることを許す等、原審認定のような事情(原判決理由参照)があつたときは、右の者は、同人の氏を使用して営業をなすことを甲に許諾したものと解して妨げない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和34年6月11日 昭和33(オ)53
登載
民集 第13巻6号692頁
参照法条
商法23条
論点19第23条商法

商法第二三条〈支配人の競業の禁止〉の責任が認められた一事例

裁判要旨建築請負を業務とする株式会社が事実上の連絡のため某出張所を開設し、甲がその出張所長と称し、同出張所名義をもつて、同出張所の独立会計により、他と請負契約をなした場合にかかる事例が既往に二、三あり、会社もその事実を諒知していたときは、会社は甲に自己の商号を使用して営業をなすことを許諾したものとみとめるべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年2月21日 昭和30(オ)710
登載
民集 第12巻2号282頁
参照法条
商法23条
論点20第23条商法

自己名義をもつて薬局開設の登録申請をすることを他人に許容した者と商法第二三条の責任

裁判要旨他人の依頼に基き、自己名義をもつて薬局開設の登録申請をすることを他人に許容した者は、その登録がなくても、当該薬局の取引上の債務につき、商法第二三条〈支配人の競業の禁止〉による責任を負担するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和32年1月31日 昭和28(オ)586
登載
民集 第11巻1号161頁
参照法条
商法23条
論点21第23条商法

他人に自己の商号の使用を許諾した者の責任

裁判要旨売買契約の締結につき、売主に自己の商号の使用を許諾した者は、右売主が売買の合意解除に際し買主に対し手附金を返還することを約した場合、右手附金返還債務につき商法第二三条の規定による責任を免れない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年9月9日 昭和28(オ)1315
登載
民集 第9巻10号1247頁
参照法条
商法23条
論点22第23条商法

スーパーマーケットに出店しているテナントと買物客との取引に関して商法二三条の類推適用によりスーパーマーケットの経営会社が名板貸人と同様の責任を負うとされた事例

裁判要旨甲の経営するスーパーマーケットの店舗の外部には、甲の商標を表示した大きな看板が掲げられ、テナントである乙の店名は表示されておらず、乙の出店している屋上への階段の登り口に設置された屋上案内板や右階段の踊り場の壁には「ペットショップ」とだけ表示され、その営業主体が甲又は乙のいずれであるかが明らかにされていないなど判示の事実関係の下においては、乙の売場では、甲の売場と異なった販売方式が採られ、従業員の制服、レシート、包装紙等も甲とは異なったものが使用され、乙のテナント名を書いた看板がつり下げられており、右店舗内の数箇所に設けられた館内表示板にはテナント名も記載されていたなど判示の事情が存するとしても、一般の買物客が乙の経営するペットショップの営業主体は甲であると誤認するのもやむを得ないような外観が存在したというべきであって、右外観を作出し又はその作出に関与した甲は、商法二三条〈支配人の競業の禁止〉の類推適用により、買物客と乙との取引に関して名板貸人と同様の責任を負う。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成7年11月30日 平成4(オ)1119
登載
民集 第49巻9号2972頁
参照法条
商法23条
論点23第25条商法

商法二四五条一項一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」の意義

裁判要旨商法二四五条一項一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」とは、一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要な一部を譲渡し、これによつて、譲渡会社がその財産によつて営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限界に応じ法律上当然に競業避止義務を負う結果を伴うものをいう。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年4月9日 昭和44(オ)787
登載
集民 第102号439頁
参照法条
商法245条1項1号,商法25条
論点24第25条商法

営業譲渡が認められるとされた事例

裁判要旨個人商店の営業主が長男に自己の営業の実権を継承した旨を取引先に通知し、右長男において父から営業用商品の譲渡を受けるなどして、新たに営業を開始するなど、判示の如き事情のあるときには、右営業主からその長男に対して営業の譲渡がされたものと認めるのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年12月11日 昭和44(オ)632
登載
集民 第97号753頁
参照法条
商法25条
論点25第25条商法

商法第二四五条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」の意義。

裁判要旨商法第二四五条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」とは、一定の営業の目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要なる一部を譲渡し、これによつて、譲渡会社がその財産によつて営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に競業避止業務を負う結果を伴うものをいう。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和40年9月22日 昭和36(オ)1378
登載
民集 第19巻6号1600頁
参照法条
商法245条1項1号,商法25条
論点26第26条商法

営業の現物出資を受けて設立された会社が出資者の商号を続用する場合と商法二六条の類推適用

裁判要旨営業の現物出資を受けて設立された会社が出資者の商号を続用する場合には、商法二六条〈物品の販売等を目的とする店舗の使用人〉の類推適用により、右会社は、出資者の営業によつて生じた債務につき、出資者とならんで弁済の責に任ずべきものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和47年3月2日 昭和44(オ)321
登載
民集 第26巻2号183頁
参照法条
商法26条,商法168条,商法172条
論点27第26条商法

商法第二六条第一項〈物品の販売等を目的とする店舗の使用人〉の商号の続用にあたらないとされた事例

裁判要旨「有限会社D」から営業を譲り受けた者が「合資会社E」の商号を使用するときは、商法第二六条第一項〈物品の販売等を目的とする店舗の使用人〉の商号を続用する場合にあたらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年3月1日 昭和35(オ)991
登載
民集 第17巻2号280頁
参照法条
商法26条1項
論点28第26条商法

商号続用とは認められないとされた事例。

裁判要旨「有限会社甲」が商品のレツテルに「ABC甲」という表示を用いていたからといつて、その営業譲受人の商号「株式会社エービーシー甲」との間に商号続用は認められない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和38年10月31日 昭和37(オ)1232
登載
集民 第68号709頁
参照法条
商法26条
論点29第26条商法

ゴルフ場の営業の譲受人が譲渡人の用いていた預託金会員制のゴルフクラブの名称を継続して使用している場合における譲受人の預託金返還義務の有無

裁判要旨預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において,ゴルフ場の営業の譲渡がされ,譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには,譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り,譲受人は,商法26条1項〈物品の販売等を目的とする店舗の使用人〉の類推適用により,会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負う。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年2月20日 平成14(受)399
登載
民集 第58巻2号367頁
参照法条
商法26条1項

関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

商法 第20条(支配人) 詳細ページ
(支配人)
第二十条商人は、支配人を選任し、その営業所において、その営業を行わせることができる。
商法 第21条(支配人の代理権) 詳細ページ
(支配人の代理権)
第二十一条支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
2支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。
3支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
商法 第22条(支配人の登記) 詳細ページ
(支配人の登記)
第二十二条商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければならない。支配人の代理権の消滅についても、同様とする。
商法 第23条(支配人の競業の禁止) 詳細ページ
(支配人の競業の禁止)
第二十三条支配人は、商人の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
一自ら営業を行うこと。
二自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること。
三他の商人又は会社若しくは外国会社の使用人となること。
四会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
2支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、商人に生じた損害の額と推定する。
商法 第24条(表見支配人) 詳細ページ
(表見支配人)
第二十四条商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
商法 第25条(ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 詳細ページ
(ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人)
第二十五条商人の営業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。
2前項の使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
商法 第26条(物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 詳細ページ
(物品の販売等を目的とする店舗の使用人)
第二十六条物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。